谷崎潤一郎: 细雪(上) 二十三

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谷崎潤一郎: 细雪(上) 二十三
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first published:『中央公論』1943年1月号・3月号
audio: https://www.youtube.com/watch?v=goCSbIzomZs
desc: 在大阪船场坐拥百年老店、历史底蕴深厚的莳冈家,鹤子、幸子、雪子、妙子四姐妹交织出百态人情。小说如华美画卷,循着四季流转,细致描绘出昭和十年间关西上流社会的日常光景。

三女雪子是四姐妹中容貌最为出众之人,婚事却屡屡未果,年过三十依旧独身。幸子夫妇为此忧心不已、四处奔走,性格沉默寡言的雪子却对每一门亲事都无意应允,岁月便这般缓缓流逝。

拝啓

あれからとうとう忙しくて毎日手紙を書く暇がなく御無沙汰してしまいました。お赦し下さいませ

出発の夜、姉ちゃんは汽車が走り出すとこらえていた涙が一時に溢れて寝台のとばりの蔭へ顔を隠しました。それから間もなく秀雄ちゃんが高い熱を出してお腹が痛いと云い出し夜中に何遍も便所へ通う騒ぎで姉ちゃんも私も殆ど一睡もしませんでした。それよりもっと困ったことは、あてにしていた大森の借家が急に家主の都合で解約になりました。そのことは出発の前日に東京からそう云って来て分ったのですが今更仕様がないので立って来たのです。そして兎も角麻布あざぶの種田さんの所に泊めて戴き、今でもまだ此処にいるのですが、突然のことで十一人もの大勢が御厄介になっているのですから種田さんのお家の御迷惑はどんなでしょうかお察し下さい。秀雄ちゃんは早速お医者さんに来て貰いましたら大腸加答児カタルだそうで昨日あたりからやっと快くなって来ました。家の方はいろいろの人に頼み八方へ手分けして大急ぎで捜して貰い漸く渋谷の道玄坂どうげんざかに一軒見つかりました。借家普請ぶしんの新建ちで二階が三間に階下が四間前栽も何もない家で家賃五十五円と云うのですから、まだ見ていないのですけれども狭さは想像されます。そんな所へこの大家内が住めそうにも思われませんが、種田様の御迷惑を思い、そのうち又変るにしても一先ずそこを借りることにきめ今度の日曜に移ることになりました。渋谷区大和田町と云う所で、電話も来月は引けるそうです。兄さんが丸ビルへ通うにも輝雄ちゃんが今度の中学へ通うにもわりに便利で健康にはよろしい土地だそうです

先は取敢えず御報まで

貞之助兄上、悦ちゃんこいさんによろしく

九月八日

雪子

幸子姉上様

今朝来の風の肌触り東京はもうすっかり秋ですがそちらは如何ですか、何卒御身御大切に

拜启

分别后,每天忙得写信的时间也没有,很久没有问候,恳请原谅。

出发之夜,火车开动后,姐姐强忍住的眼泪一时夺眶而出,她只好将脸别在卧铺窗帷后面。随后秀雄发高烧伴有腹痛,一夜上了多次厕所,闹得姐姐和我也几乎彻夜未眠。更麻烦的是原指望在大森租住的那栋房屋,房主因故突然解约。这件事在出发前一日东京方面就已告知,但事到临头无计可施,只有如期动身来京。好歹住进麻布的种田先生家中,直至今天。突然之间多达十一人要加以照应,给种田先生全家带来多大的麻烦可想而知。秀雄及早请了医生,诊断为急性肠炎,昨日已开始好转。住房之事经多方托人寻找,终于在涩谷的道玄坂找到了一栋,是供出租的新建房屋,楼上三间,楼下四间,也没院子,月租五十五元。虽然还没去看过房子,其狭窄可知。看来很难住下这一大家子人,但不想再麻烦种田先生,宁可不久再搬也要暂且住进去,所以决定这个星期天搬家。房子位于涩谷区大和田町,下个月可以装上电话。姐夫去丸之内大厦上班,辉雄去新学校上学都较方便,而且听说那地方对健康也有益。

暂且禀告至此。

请代为问候贞之助兄并小悦、小妹。

雪子

九月八日

又及:

今晨凉风侵肤,东京已是满目秋天景象,你们那儿又是如何呢,请多保重身体。

幸子がこの手紙を受け取った日の朝は、関西方面も一夜のうちに秋の空気が感じられる爽かさに変っていた。悦子が学校へ出て行ったあとで、彼女は貞之助とさし向いに食堂の椅子にかけながら、我が艦上機が汕頭スワトウと潮州を空襲した記事を読んでいると、台所で沸かしている珈琲の匂が際立って香ばしく匂って来るのに心づいて、突然、「秋やなあ、―――」と、新聞の面から顔を上げて、貞之助に云った。「―――今朝は珈琲が特別強う匂うて来るように思いなされへん?」

幸子收到这封信的那天早晨,关西地区一夜之间变得秋高气爽。悦子上学去后,幸子和贞之助面对面坐在餐厅里读报,报上刊登了“我航空母舰飞机空袭汕头和潮州”的消息,这时,幸子闻到从厨房飘来煮咖啡的浓香。“秋天来了!”她突然抬起头来对贞之助说,“你不觉得今天早晨的咖啡特别香吗?”

「ふん、………」

“嗯……”

貞之助は貞之助で、新聞をひろげたまま読む方に気を取られていたが、そこへお春が珈排と一緒に雪子の手紙を盆の端に載せて這入って来たのであった。

贞之助应了一声,仍然全神贯注地读着摊开的报纸。这时,阿春端咖啡进来了,托盘边上摆着雪子的来信。

もう立ってから十日以上になるのに、と思っていた矢先だったので、幸子は急いで封を切ったが、用の相間に慌しく書いたらしい筆の跡を見て、姉や雪子がどんなに忙しい目に遭っているかを直ちに察しることが出来た。麻布の種田と云うのは、義兄の直ぐ上の兄に当る人で、商工省しょうこうしょうの官吏であることは知っているけれども、幸子などは十何年も前姉の結婚式の時にたった一度会ったきりで、顔もよく覚えていないくらいなので、姉にしても恐らくそんなに度々は会っていないであろう。義兄が先月来寄食していた関係から、取り敢えず其処に転がり込んだのであろうが、義兄は身内だからよいとして、姉や雪子は、知らぬ土地へ来て、名古屋側の親戚の、而も目上の人の家に厄介になっているのでは、どんなにか窮屈なことであろう。そこへ持って来て病人が出来、医者を呼んだりするのでは尚更である。

幸子正在想他们已经走了十几天怎么还不见消息,便急忙剪开信封,看那草草的笔迹,像是抽空匆忙写成的,她立刻体会到姐姐和雪子忙碌到何等程度。麻布的种田是姐夫上面的哥哥、商工省的官吏,幸子姐妹十几年前在姐姐的结婚典礼上见过他一面,现在连他的模样都记不清楚了,姐姐恐怕也不常见到他。只是因为姐夫从上个月起在他家寄居,这一大家子只得暂且住进了他家。姐夫和他是同胞手足自无不可,而姐姐和雪子来到一个陌生的地方,而且住在名古屋男方的亲戚家,对方又是大伯子,该是何等困窘?雪上加霜的是,正在这时孩子又生病了,还要请医生来看病。

「その手紙、雪子ちゃんか」と、貞之助はやっと新聞から眼を離して、珈琲茶碗に手をかけながら云った。

“那封信是雪妹来的?”贞之助终于眼睛离开了报纸,端起咖啡杯问道。

「何でちょっとも手紙来えへんのんか思うてたら、えらいことになってるねんわ」

“我正在想他们怎么不写信来,出了麻烦了。”

「何やねん、一体」

“究竟是怎么回事?”

「まあ、これ、読んで御覧。―――」と、幸子は三葉の書簡箋しょかんせんを夫の方へ向けた。

“哎,你看看吧……”幸子说着把三张信纸递给了丈夫。

それから五六日過ぎて、おくれせながら先日の見送りの礼と、転任の挨拶とを兼ねた活版刷かっぱんずりの住所変更通知が届いたが、雪子からはそれきり何の便りもなかった。ただ、移転の手伝いや見舞い旁土曜日の晩から上京した音やんの忰の庄吉が、月曜の朝帰って来、蘆屋へも東京の様子を話すように云い付けられたからと、その日のうちに訪ねて来た。そして、昨日の日曜に無事引っ越しを済ませたこと、東京の借家普請と云うものは大阪のよりは遥かに粗末で、殊に建具が悪く、ふすまなどがとても安手でひどいこと、畳敷は階下が二畳、四畳半、四畳半、六畳、二階が八畳、四畳半、三畳だけれども、江戸間1であるから八畳が京間の六畳、六畳が京間の四畳半にしか使えないこと、そう云う訳で甚だみすぼらしい住居だけれども、取柄を云えば、新建ちであるから感じが明るく、南向きで日あたりがよく、上本町の薄暗い家から見れば衛生的であること、自分の家に庭はなくても隣近所に立派な邸宅や庭園が多く、閑静で上品な土地柄であること、それでいて道玄坂まで出れば繁華な商店街があり、映画館なども幾軒かあるので、子供達は何事も物珍しいと見え、却って東京へ来たことを喜んでいるらしいこと、秀雄も全快して今週から附近の小学校へ通う筈であること、等々を語った。

又过了五六天,才收到辰雄迟迟寄来的铅印的住所变更通知,通知上还有调职的致辞,对此前众人送行的致谢之语,而雪子自那以后再没有写信来。只是音爷爷的儿子庄吉去帮他们搬家和探望,星期六晚上赶赴东京,星期一早晨回来后,受托到芦屋来报告了一些东京新家的情况。他说,昨天星期天已经顺利地搬了家,在东京租的房子比大阪的粗糙得多,特别是门窗很差,隔扇更是质量低劣。房屋面积是:楼下四间分别是两铺席、四铺席半、四铺席半、六铺席大,楼上三间分别是八铺席、四铺席半和三铺席大。但由于是“江户间”,八铺席只相当于“京间”的六铺席,六铺席只相当于“京间”的四铺席半,所以十分狭窄简陋。如果说到优点,因为是新建住宅,给人感觉很明亮,坐北朝南,光照很好,比上本町那栋阴暗的房子有益健康。自己家里虽没有院子,但是附近有许多豪华的邸宅和庭园,环境闲静幽雅。从那里走到道玄坂,就有繁华的商店街,还有好几家电影院。孩子们什么都觉得新鲜,反而像是喜欢东京似的,秀雄也全好了,这个星期就要上附近的小学念书了等。

「雪子ちゃんはどないしてます」

“雪妹怎么样?”

「元気にしてはりましたで。秀坊がお腹壊しやはった時かて、看護婦よかよっぽど雪子とうさんの方が看病の仕方心得てはる云うて、御寮人様感心してはりました」

“好着呢。秀雄少爷闹肚子那一阵,雪子小姐护理他,比护士还要得法。这是太太说的,她感动得不得了。”

「あの人は悦子が病気の時かてほんまにようしてくれますよってに、きっと姉ちゃんも助かったやろう思うてましてん」

“悦子生病时她也是照看得很周到,我已经料到她对姐姐是大有帮助的。”

「ただお気の毒なんは、何せそんな家ですさかい、娘さんのおいでになる部屋があれしません。今のとこ二階の四畳半を坊々の勉強部屋に使やはったり、娘さんの寝室に使やはったりしてはりますねんもん。旦那さんも、早うもっと広いとこへ変って、雪子ちゃんの部屋をきめてやらなんだら可哀そうや、云うてはりますねん。………」

“可怜的是住在那样一栋屋子里,小姐连个房间也没有。现在楼上那个四铺席半的房间,既当孩子们的学习室,又当小姐的寝室。老爷也说了,如果不快点儿换一所大屋子,让雪子单独住间房,她就太可怜了。”

この庄吉と云うのは口数の多い方なので、それからちょっと声をひそめて附け加えた。

这位庄吉很健谈,说完这些他又压低嗓门补充说:

「旦那さんは、雪子娘さんがお戻りになったんでえらい喜んではりますけど、今度は逃げられんようにせんならん思うてはりますねんな。そら、娘さんに対しては、一生懸命気に触らんようにしておいでになって、機嫌取ってはりますのんが、よう分りまっせ」

“雪子小姐回去了,老爷可高兴呢,嗬,我看得很清楚,他不想让她再走掉,所以,一个劲儿地讨好小姐,尽可能不去磕碰她。”

そんなことで、幸子は大体東京の模様も想像出来るような気がしたが、雪子からは矢張何の音沙汰もなかった。尤も雪子も姉ほどではないが手紙を書くことを大層がる方なので、いつもの筆不精をきめているのであろうし、それに、定まった自分の部屋と云うものがないのでは、落ち着いて物を書くことも出来ないであろうと思えもした。幸子は考えて、

听他说了这些,幸子大体可以想象出东京的情况了,但雪子还是毫无音信。幸子又想,雪子虽然不像姐姐那样,但也把写信看得很郑重,平常就懒于动笔。加之她没有自己的一间房,难以静下心来写东西。想到这里,她对悦子说:

「悦ちゃん、一遍姉ちゃんに書いて出してお見」と云って、妙子の人形の絵端書に簡単な文句を綴って出させたが、それに対しても返事がなかった。

“小悦,你给二姨写封信吧。”便让悦子在妙子的偶人明信片上简单写了几句话寄出去了,但是雪子仍然没有回信。

二十日過ぎになって、月見の晩に、「今夜寄せ書きして出したらどうや」と、貞之助が云い出したので、皆賛成して、夕食後、階下の日本間の、お月見の供え物のしてある縁側の近くに、貞之助、幸子、悦子、妙子の四人が集ってお春に墨をらせながら巻紙をべた。そして貞之助が歌を書き、幸子と悦子が俳句ようのものを書いたが、妙子はそう云うものは不得手なので、松の間に月が懸かっている景色をさっと墨絵風に写生した。 ―――

过了二十号,就是赏月的中秋之夜了。贞之助提议说:“今天晚上我们集体写一封信寄给雪子吧。”大家一致赞成,晚餐后,贞之助、幸子、悦子、妙子四人,坐在楼下日本式房间的缘廊里,缘廊上已摆好了赏月的供品,他们叫阿春磨墨,随后展开卷筒信纸写起来。贞之助写了一首和歌,幸子和悦子写的类似俳句,妙子对这些都不擅长,就对着月轮悬在松间的景色一挥而就,画了一幅水墨写生画。

むら雲はやり過しつつ待ちうけて月を捉ふる庭の松が枝 貞之助

庭中松郁郁,静待丛云流逝尽,展枝揽圆月。贞之助

名月や一つ足らざる影法師 幸子

圆月下,唯缺一人影,惹情思。幸子

姉ちやんは東京で見るけふの月 悦子

二姨呀,今夜在东京,看月亮。悦子

―――このあとが妙子の墨絵なのであるが、幸子の「名月や」は最初「一つ欠けたる」となってい、悦子の「姉ちやんは」は「東京で見る月夜かな」となっていたのを、貞之助がこう直したのであった。最後に、「お春どんも書き」と云われると、お春も直ぐ筆を執って案外すらすらと、

随后就是妙子的水墨画。幸子的“圆月下”那首俳句,最初写作“缺了一人影”,悦子那首原写作“二姨呀,在东京看见,月夜啊”,都由贞之助做了改动。最后贞之助说:“春丫头,你也写一首吧。”阿春立刻拿起笔,出人意料流利地写了出来:

名月や雲の中から見え初めぬ はる

团团月,开始看得见,出云中。阿春

と、ひどく小さなつたない字で書いた。それから幸子が月に供えたすすきを一本抜いて、尾花おばなって巻紙の間へ入れた。

阿春字写得不怎样好,又是出奇的小。之后,幸子抽下一枝供月用的狗尾巴草,把那花穗剪下来,放进卷筒信纸里。

Footnotes#

  1. 江戸間:作为榻榻米尺寸中最通用的规格,常用于关东一带、东北地区部分区域及北海道地区

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永雏多氢菲
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