デートアライブ アンコール 1: 十香ゲームセンター

23032 words
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デートアライブ アンコール 1: 十香ゲームセンター
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desc: “想约我出去玩…… 也就是说,士道是想跟我约会吗?”

和精灵们约会,再度让她们娇羞倾心!?

十香、四糸乃、琴里、八舞姐妹。

还有…… “不、不如我们现在就去约会如何?”

狂三也华丽登场!

鳶一折紙とびいちおりがみのォォ……あほたれぇぇぇッ‼」

「鸢一折纸这个~~……大呆瓜────!」


──ひゅごッ‼

──砰!


絶叫ぜっきょうと同時、目にも留まらぬ速さで、拳がミット1に吸い込まれた。

吼叫的同时,拳头以迅雷不及掩耳的速度吸进拳靶中。

次の瞬間には、ミットが支柱ごと吹飛び、前方の液晶えきしょう画面を貫いて壁に突き刺さる。

下一瞬间,拳靶连同支柱整个被击飞,贯穿前方的液晶萤幕,刺进墙壁里。

一拍いっぱく遅れて、ちぎれたコードからバチバチと火花が散り、壊れた画面からプスプスと煙が上がった。

慢了一拍,被扯断的电线啪叽啪叽地射出火花,毁坏的萤幕冒出袅袅烟雾。

「いぃ……ッ⁉」

「噫噫……!」

まさかの事態に、後ろでその様子を見ていたいつどうは、眼球が飛び出さんばかりに目を見開いた。

突如其来的紧急事态令在后头目睹过程的五河士道双眼瞪得老大,眼球似乎就要掉出来了。

天宮てんぐう大通りにあるゲームセンターの一角。

位于天宫大道某游乐场的一角。

ボクシンググローブとミットのついた筐体きょうたい──いわゆる、パンチングマシンの前で。

装设拳击手套和拳靶的机箱──也就是拳击机的前面。

「……ん、少しスッキリした」

「……嗯,心情畅快多了。」

がみとおはふうと息を吐はきながらそう言うと、貫通してしまった(!)グローブを外してその場にポイと捨てた。

夜刀神十香呼了口气并如此说道,接着脱掉穿透过去(!)的手套,丟在现场。

細身の身体にけぶる夜色の髪に、水晶の瞳。

纤瘦的身躯、朦胧乌黑的头发,以及水晶眼瞳。

世が世ならば国をかたむかせたやもしれない美貌の少女である。

要是生对时代,美貌或许能倾国倾城的少女。

そんな少女のすぐ前で、壊れたパンチングマシンが、ファンファーレをエンドレスで流しているのだ。異様な光景という他ない。

在那样的少女面前,损坏的拳击机不停播放着喇叭吹奏曲。这只能说是一幅异样的光景。

周囲の客たちも皆、ポカンとしている。

周遭的客人们也各个看傻了眼。

「そ、そうか……そりゃ何よりだ」

「是……是吗……那真是再好不过了。」

と、士道が汗を垂らしながら言うと同時、後方からバタバタという足音が響いてきた。

士道流着汗水这么说的同时,后方响起啪哒啪哒的脚步声。

「ちょ……ッ、お客様⁉ 何をしてらっしゃるんですか、困りますよ!」

「喂……客人!妳这是在做什么啊,伤脑筋耶!」

ゲームセンターのスタッフとおぼしき男が、泡を食った様子で走り寄ってくる。

貌似游乐场工作人员的男子一脸惊慌地跑了过来。

「ぬ?」

「呣?」

「あ……やべっ」

「啊……惨了!」

だが。

不过──

「……え?」

「……咦?」

スタッフが、士道たちのもとにたどり着く寸前で足を止める。

工作人员在到达士道两人身旁的前一刻停下了脚步。

理由は単純。彼の進行をさまたげるように、身の丈二メートルを超えるであろう、黒服の大男が現れたからだ。

理由很单纯。因为有一个身高看似超过两公尺的黑衣大汉,像是要妨碍他前进一般出现在他面前。

「な、なんですかあなたは……」

「你……你是什么人啊……」

「失敬。少しあちらで話をしましょう」

「失礼了。我们到那边谈一谈吧。」

「え、ちょっと……何? いや……や、やめてぇぇぇぇぇぇっ⁉」

「咦?等一下……什么?不……不要,住手啊啊啊啊啊啊!」

スタッフは、そんな悲鳴だけを残して大男に引きずられていってしまった。

工作人员仅留下这样的哀号声便被大汉给拖走了。

「なんだ? 今のは」

「刚才的情况是怎样?」

「……さ、さあてな」

「……不……不知道耶。」

十香の声にそう返すも……実は士道には、今の男に心当たりがあった。

士道虽然如此回应十香……不过,其实猜得出刚才的男人是谁。

予想通り──右耳に装着したインカムから、少女の声が響いてくる。

果不其然……装置在右耳的耳麦里传出少女的声音。

『──邪魔者はこっちで排除するわ。安心してデートを続けなさい。きっちり十香のストレスを発散させること』

『──我们会排除妨碍者,你就放心继续约会吧。要好好让十香发洩她的压力。』

「……あいよ」

「……知道了啦。」

十香に聞こえないように、返事をする。

士道小心地回答避免十香听到。

なんとも奇妙な放課後デート風景。

多么奇妙的放学后约会情景啊。

発端は、少し前のことだった。

起因发生在稍早之前。


   ◇


殿町とのまち、おまえケータイに何つけてんだ?」

「殿町,你手机上掛的是什么东西啊?」

帰りのホームルームも終わり、皆がぱらぱらと帰路につき始めたころ、帰り支度を整えた士道は、クラスメートの殿町ひろに怪訝そうな声を投げた。

放学前的班会也已经结束,大家开始三三两两踏上归途的时候,士道整理好书包,发出疑惑的声音询问同班同学殿町弘人。

「ん? これか?」

「嗯?你说这个吗?」

殿町は、ワックスで逆立てられた髪をぽりぽりとかきながら、持っていた携帯電話を揺すってみせた。

殿町一边搔著用发蜡竖起的头发,一边摇晃手里拿着的手机。

それに合わせて、携帯のはじっこにくくりつけられたオットセイのストラップが一緒に揺れる。

绑在手机一角的海狗吊饰随之摇晃。

「可愛いだろ。虹オットセイのオットーレだ」

「很可爱吧。是七彩海狗腽肭蕾。」

「そうか……猥褻物陳列罪にならないように注意しろよ」

「是喔……小心不要犯了猥亵物陈列罪啊。」

「至極健全なキャラだっての! なんで俺が持ってると猥褻物あつかいになんだよ‼」

「这可是健全至极的角色造型好吗!为什么我拿就会被当成猥亵物品啊!」

「ああ……すまん、つい」

「喔……抱歉,不自觉就……」

士道が苦笑しながら謝ると、殿町は「ったく」と肩かたをすくめた。

士道一面苦笑一面道歉。「受不了。」殿町耸了耸肩回答:

「余ってっけど、一個いるか? このシリーズ今人気らしくてよ。つけてっと女子のウケいいぞ?」と、そう言って、制服のポケットから、台紙とビニール包装で簡単にパッケージングされたストラップを取り出してくる。

「我有多出来的,你要一只吗?这个系列现在好像很红喔,掛上的话女生会很吃这套喔!」殿町这么说完,便从制服的口袋里拿出以衬纸和塑胶袋简单包装的吊饰。

「あ? 二つも買ったのか?」

「啊?你买了两个啊?」

「うんにゃ。ゲーセンの景品なんだよ。この前一気に二個取れたんだ」

「不是啦,这是游乐场的奖品啦。上次我一口气中了两个。」

「はー、すげえなそりゃ」

「是喔,满厉害的嘛。」

殿町が取り出したそれに目をやる。

士道看向殿町拿出来的那个东西。

……目が妙にリアルで、正直あまり可愛いとは思えなかった。

……眼睛莫名真实,老实说不怎么可爱。

「……でもいいや。なんか気持ち悪いし」

「……不过还是算了。总觉得挺恶心的。」

「そうか? 可愛いと思うんだけどなあ」

「会吗?我觉得很可爱耶。」

「あ、こっちの方が可愛いじゃねえか」

「啊,这只可爱多了吧。」

と、士道はストラップの台紙に印刷されていたシリーズ商品の中から、パンダのマスコットを指さした。

士道指著印在吊饰衬纸上的系列商品猫熊吉祥物。

「あー、夢パンダのパンダローネだな。オットーレの友達で、玉乗りが得意らしい」

「啊,你说梦想猫熊『猫熊罗妮』啊。他是腽肭蕾的朋友,好像很擅长踩大球。」

「いや、知らんけど。これなら欲しいかも」

「那我是不知道啦。不过如果是这只,我应该会想要。」

「残念ながらそっちは持ってねえや。何回か挑戦したんだけど、配置が滅茶苦茶シビアでよ。店員もロクに対応してくんねえし」

「很可惜,我没有那只。我挑战过几次,不过他摆的位置超难抓,店员也不怎么想帮我。」

「ふーん」

「是喔。」

と、士道が返した、そのとき。

士道如此回应,就在这个时候!

「──なんだとッ⁉」

「──妳说什么!」

突然、すぐ後ろからそんな叫びが聞こえてきて、士道は肩をビクッと震わせた。

后方突然传来这样的吼叫声,士道抖了一下肩膀。

「な、なんだ……?」

「怎……怎么回事……?」

恐る恐る振り向くと、二人の女子生徒が口喧嘩していることがわかった。

他战战兢兢地回头一看,发现是两个女学生正在吵架。

「そ、そんなはずがあるか……ッ! 貴様、適当なことを言うとタダでは済まさんぞ!」

「不……不可能会这样……!妳这混蛋,要是随便乱说,我可不会轻易饶过妳!」

「私は事実を言ったまで」

「我只是说出事实而已。」

「うるさい! 誰が信じるかっ!」

「吵死了!谁会相信呀!」

「うるさいのはあなた。少し静かにして」

「吵的人是妳,安静一点。」

「なんだとっ⁉」

「妳说什么!」

「なに」

「怎样?」

どちらも、一歩も譲らない。

双方互不相让。

片方は、十香。そしてもう片方は、まるで人形のように表情を変えないまま、淡々と言葉を紡ぐ少女──鳶一折紙だった。

一方是十香,然后另一方则是犹如人偶般表情一成不变、有条有理地淡然应对的少女──鸢一折纸。

成績優秀、スポーツも万能。士道のクラスが誇る完璧超人だ。

成绩优秀,运动也万能,是士道班上引以为傲的完美超人。

「ど、どうしたってんだ、いきなり……」

「突然这样……是怎么了啊……」

と、振り返ると、もうそこに殿町の姿はなくなっていた。

士道把头转回来一看,已经不见殿町的人影。

「あ、あのヤロウ……」

「那……那个家伙……」

厄介事の匂いを感じ取って逃げたらしい。

似乎是嗅到有麻烦事而逃跑了。

士道ははぁと息を吐いた。

士道唉声叹了一口气。

喧嘩の原因はわからないが、二人を放っておくこともできない。恐る恐る唇を動かす。

虽然不知道她们吵架的原因,但也不能放着两人不管。士道战战兢兢地开口说:

「お、おーい……」

「喂、喂……」

「なんだ⁉」

「干嘛啦!」

「なに」

「什么事?」

士道が声をかけると、十香と折紙が、まったく一緒のタイミングで視線を向けてきた。

士道一开口对她们说话,十香和折纸便在同一个时间点将视线转向他。

一瞬ひるむが、どうにか言葉を続ける。

虽然一瞬间感到畏缩,士道还是鼓起勇气继续把话说下去:

「お、落ちつけって。何があったんだよ」

「冷……冷静一点啦,发生什么事了啊?」

士道が問うと、十香と折紙は再び視線を交わらせた。

士道一问,十香和折纸便再次视线相交。

……なんかもう、それだけで空気がビリビリと震えるような迫力だった。

……总觉得光是这样,两人的魄力似乎就会令空气微微震动。

「──私は至極当然のことしか言っていない。夜刀神十香に理解力がないだけ」

「──我不过是说出极为理所当然的话,是夜刀神十香缺乏理解力罢了。」

「なんだと⁉ 元はと言えば貴様が──」

「妳说什么!说到底还不是因为妳这家伙──」

「だから、落ちつけって。な?」

「就说了,冷静一点啦,好吗?」

「……ふん」

「……哼!」

士道が二人の間に入ってそう言うと、十香はプイと顔をそむけて、自分の席に座り込んだ。

士道介入两人之间如此说完,十香便将脸撇向一边,一屁股坐到自己的位子上。

「…………」

折紙はといえば、無言のまま教室を出ていってしまった。

而说到折纸,她则是一语不发地走出了教室。

「はぁ……一体なんだってんだ」

「唉……到底是怎样啊?」

と──そこで士道は眉を動かした。

──此时士道动了动眉毛。

ポケットの中で、携帯電話が震えたのだ。

手机在口袋里震动。

「……ん?」

「……嗯?」

画面に表示された名前は『五河こと』。士道の妹だった。

萤幕上显示的名字是「五河琴里」,士道的妹妹。

士道は教室の隅に移動してから通話ボタンを押した。

士道移动到教室的角落之后,按下通话键。

「──もしもし。どうした、琴里」

「──喂?怎么了,琴里?」

『どうした、じゃないわよこのウスラハゲ』

『还敢问怎么了,你这个秃子!』

「…………」

通話ボタンを押すなり先制暴言。

一按下通话键就先讨了一顿骂。

士道は頰をぴくつかせた。

士道微微抽动了一下脸颊。

……なんだってまた琴里は、いきなり司令官モード丶丶丶丶丶丶になっているのだろう。

……琴里怎么又突然变成「司令官模式」啊?

『──今、十香の機嫌メーターが一気にストップ安状態まで急下落したのだけれど』

『──现在,十香的心情数据表一口气掉到跌停状态了。』

「は……?」

「啥……?」

士道が眉をひそめながら言うと、琴里が盛大なため息をいてからあとを続けてきた。

士道皱起眉头如此回答,於是琴里叹了一大口气后继续说道:

『気をつけてと言ったわよね。──力の大部分を封印されているとはいえ、彼女は精霊。「居る」だけで世界を殺すとさえ言われた災厄よ。精神状態がいちじるしく不安定になると、封印されている力が逆流するおそれがあるわ』

『我不是说过要你小心吗──虽然大部分的力量都被封印住,不过她可是精灵,甚至被人称为光是「存在」就足以毁灭世界的灾难哟。要是精神状态明显变得不稳定,被封印住的力量有可能会逆流。』

「…………っ」

琴里の言葉に、士道はえきを飲み下した。

听了琴里说的话,士道咽了一口口水。

そう。

没错。

琴里の言うとおり、十香は人間ではない。

正如琴里所说,十香并非人类。

発生原因、存在理由、全てが謎に包まれた、『精霊』と呼ばれる存在なのだ。

而是发生原因、存在理由全都不明,人称「精灵」的存在。

今はある方法で力の大半を封じられ、琴里の所属する機関〈ラタトスク〉の監視下に置かれているのだが──その圧倒的な力を目の当たりにしたことのある士道としては、怖気おぞけをふるう事態であった。

目前是以某种方法封印住她的大半力量,并处於琴里所属的机构〈拉塔托斯克〉的监视之下,不过──对曾经亲眼目睹那股压倒性力量的士道而言,是非常恐怖的事态。

『それで。いきなり精神状態が不安定になった理由を知りたいのだけれど。──士道、あなた一体どんな変態行為に及んだの?』

『所以,我想知道她为什么精神状态会突然变得不稳定──士道,你到底对她做了什么变态行为?』

「俺が何かした前提で話進めんじゃねえよ」

「不要以我做了什么事为前提进行话题好吗!」

『じゃあ何があったっていうの』

『那你说是发生了什么事?』

「ああ……鳶一とすげえ口喧嘩してた」

「喔……她跟鸢一大吵了一架。」

『鳶一っていうと、ASTの鳶一折紙?』

『你说鸢一,是 AST 的鸢一折纸?』

「ああ」

「对。」

AST。対精霊部隊アンチ・スピリツト・チーム

AST,对抗精灵部队。

琴里たち〈ラタトスク〉と異なり、武力をもって精霊を排除することを目的とした、精霊専門の特殊部隊である。

与琴里他们的〈拉塔托斯克〉不同,是以武力排除精灵为目的的精灵专门特殊部队。

鳶一折紙は、高校生にしてその実戦要員に数えられる才媛だった。

鸢一折纸既是高中生,也是那个实战要员当中屈指可数的才媛。

今は十香の力が封じられているため、表立って襲ってくることはないが──それでも仲はすこぶる悪い。

现在由于十香的力量被封印住,所以不会公开地攻击过来──即使如此,她们的感情还是非常差。

『ち、厄介なことをしてくれるわね。──まあ、起こってしまったことは仕方ないわ。士道、すぐに十香の機嫌を直してちょうだい』

『啧,真爱给人找麻烦──算了,事情都已经发生了,也没办法。士道,马上去平复十香的情绪。』

「機嫌を……ねえ」

「情绪……啊。」

言いながら、士道は十香に視線をやった。

士道说着看向十香。

……周囲に負のオーラが漂っている。隣に観葉植物を置いたら一瞬で枯れそうだった。

……她的周围飘散著负面灵气。要是在她旁边放置观叶植物,似乎瞬间就会枯萎。

「どうしろってんだよ……あれを」

「妳叫我拿那个怎么办啊……」

『何言ってるのよこのフンコロガサレ。簡単なことじゃない。デートにでも誘さそっちゃいなさいよ。そうね……ストレス発散にゲームセンターなんてどう?──安心なさい。私たちがサポートしてあげる』

『你这只不想滚粪的滚粪虫在说什么鬼话啊。很简单不是吗?找她去约会啊。我想想……为了发洩压力,去游乐场如何──放心吧,我们会支援你。』

「な──」

「什──」

『じゃ、準備しておくから、急ぎなさいよ』

『那么,我会先準备好,你要赶快行动喔。』

士道が返事をするより早く、琴里は勝手に話を進めて電話を切ってしまった。

琴里抢在士道回答之前擅自定案,然后掛掉电话。

「…………」

いろいろと言いたいことはあったが……こればかりは仕方ない。

虽然有很多事想说……不过唯独这件事无可奈何。

士道は携帯電話をしまうと、大きく深呼吸をしてから十香の方に歩いていった。

士道收起手机,做了一个大大的深呼吸后,朝十香走去。

「あ、あのだな、十香」

「那……那个啊,十香。」

「……なんだ?」

「……干嘛?」

十香が、不機嫌そうな声を返してくる。

十香一副不高兴的样子回答。

一瞬怯むが……士道はどうにか踏みとどまって言葉を続けた。

虽然一瞬间感到退缩……不过,士道依旧留在原地继续说:

「……っ、や、その……よかったら、なんだが。これからちょっと遊びにいかないか?」

「……没有啦,那个……如果妳不介意,等会儿要不要去玩一下?」

「ぬ?」

「唔?」

士道がそう言った瞬間、十香の周りにわだかまっていた不穏な空気が、ふっと薄まった気がした。

士道如此说完的瞬间,感觉原本盘踞在十香周围的动荡气息瞬间淡了不少。

「遊びに……つまり、シドーは私とデェトに行きたいといっているのか?」

「玩……也就是说,士道你想跟我去约会啰?」

十香が、士道の様子を窺うように、少し上目遣いになりながら問うてくる。

十香像是在试探士道的反应,眼睛稍微向上瞟,同时如此问道。

……いや、確かにその通りなのだが、改めて言われると、その、照れる。士道は頰をかきながら小さく首肯しゅこうした。

……呃,确实是这样没错啦。不过再次被提起,那个……还真令人害羞。士道一边搔了搔脸颊一边微微首肯。

「まあ……そうなるな」

「嗯……是这样没错啦。」

士道がそう言うと、十香がパァッと顔を輝かせ、椅子から立ち上がった。

士道这么说完,十香便一脸容光焕发地从椅子上站起来。

「おお……! 行く、行くぞ」

「哦哦……!去,我要去!」

「お、おう、そうか」

「喔……喔,这样啊。」

「それで、どこへ行くのだ?」

「所以,我们要去哪里呢?」

「ん……ゲームセンターなんてどうだ?」

「嗯……去电子游乐场如何?」

「ゲェムセンター?」

「电子游乐场?」

十香が、不思議そうな顔をして首をかしげた。

十香一脸疑惑,歪了歪头。

「ええと……簡単に言うと、ゲームっていう楽しいものがいっぱいあるところだ」

「呃……简单来说,就是有很多所谓『游戏』这种好玩东西的地方。」

「ほう。楽しいのか」

「喔,很好玩吗?」

「ああ。パンチングマシンやモグラ叩きなんかもあるからな。スカッとして気持ちいいぞ」

「是啊,也有像是拳击机和打地鼠这种游戏,玩了会很痛快、很舒服喔。」

「楽しいだけでなく気持ちいいのか! 他には何があるのだ?」

「不只好玩,还很舒服吗!还有什么其他游戏?」

「そうだな、格ゲーとかは慣れてないと難しいだろうけど……あ、音ゲーなんかは難易度低くすればいけるかもしれないな」

「我想想,格斗类游戏要是不常玩应该会觉得很难……啊,像音乐类游戏这种的,要是调降难易度,妳应该可以玩喔。」

「音ゲー?」

「音乐类游戏?」

「ああ。こう、音楽に合わせて、矢印の書いてあるパネルを足で踏んだり、太鼓型のコントローラーを棒で叩いたりするんだ。上手くいくと結構爽快なんだこれが」

「是啊。像是配合音乐,用脚去踩画有箭头的控制板,或是用棒子敲打太鼓型的控制器。玩得顺手的话,还满爽快的喔。」

「ほうほう!」

「这样啊!」

「他にもあれだ、機械を操作してお菓子を取るゲームなんてのもあるぞ」

「其他还有那个,操作机器抓零食的游戏喔。」

「な……ッ⁉ お菓子までもらえるのか……⁉ それはもうさいきょーではないか!」

「什……!还能拿到零食吗……!那不是超强吗!」

「ああ、最強だな」

「是啊,超强喔。」

「住めてしまうな!」

「都能住下来了耶!」

目を輝かせる十香に、士道は苦笑した。

面对眼睛闪闪发光的十香,士道回以苦笑。

「それはさすがにちょっとなあ……そもそも一八歳未満は夜一〇時以降入れないし」

「那就有点困难了啊……毕竟未满十八岁的人晚上十点以后就不能进去了。」

「ぬ、そうなのか?」

「唔,是这样吗?」

「ああ、風営法だかなんだかでな。あ、これ覚えておけよ? 琴里が用意してくれた十香の戸籍の年齢は一六歳だからな。ゲーセンに限らず、あんまり夜中は出歩かない方がいい」

「是啊,根据风俗营业法之类的。啊,妳要记住这件事喔。因为琴里帮妳準备的户籍年龄是十六岁,不只游乐场,半夜最好不要太常外出。」

「ん……覚えておく」

「嗯……我会记住。」

言って十香はむむうと腕組した。少し、一気に情報を与えすぎたかもしれない。

十香说完环抱双臂沉吟。可能一口气给她太多资讯了。

と、十香の大仰なリアクションが気になったのか、二人のもとに、教室に残っていた女子のグループが寄ってきた。

也许是在意十香夸张的反应,留在教室的女生团体朝两人靠了过来。

「ねーねー、何の話してるの?」

「欸~~欸~~你们在聊什么?」

「え? ああ、ええと……」

「咦?喔,呃……」

問われて、士道は気まずげに頰をかいた。

被人这么问了,士道有些尴尬地搔了搔脸颊。

と、士道が口ごもっていると、十香が代わりに口を開いた。

就在他支支吾吾时,十香代替他开口:

「あのだな、これからシドーに、いいところに連れて行ってもらうのだ!」

「我跟妳们说哟,等一下士道要带我去个好地方!」

その言葉を聞いた女子たちは、ニヤニヤと士道の方に視線を送ってきた。

听到这句话的女生们嗤嗤贼笑着看向士道。

「なになに、見せつけてくれんじゃないのー」

「怎么怎么,是在晒恩爱吗~~」

「あーお熱いお熱い」

「啊~~好火热、好火热。」

「五河くんもやるぅ」

「五河同学也真有一套~~」

「や……その」

「不……那个……」

……なんというか、困る。士道は頰を染めながら目を逸らした。

……该怎么说呢,真伤脑筋。士道脸颊泛起红潮,同时撇开视线。

「ねえねえ十香ちゃん、いいところって、一体どこに行くの?」

「欸、欸,十香,妳说好地方,到底是要去哪里呀?」

と、女子の一人が十香に問う。

其中一名女生询问十香。

十香は「ぬ?」と目を丸くし、記憶を探るような仕草を見せてから唇を開いた。

十香发出「唔?」的一声,瞪大双眼,表现出像是在搜寻记忆的举动之后,开启双唇:

「ん……なんといったかな。確かとても楽しくて……ああ、そうだ! 一八歳未満は入ってはいけないところに行くのだ」

「嗯……说是要去哪里呢?我记得是很好玩……啊啊,对了!我们要去未满十八岁不能进去的地方。」

『え……ッ?』

「咦……?」

十香の言葉に、女子たちが凍り付く。

听见十香的话,女生们僵在原地。

「……ッ! と、十香、違うだろ、それは夜一〇時以降の話で──」

「……!十香,不是吧,那是晚上十点以后的事──」

「ぬ? そうだったか?」

「唔?是这样吗?」

士道が慌てて訂正するも、女子たちはまるで聞いていなかった。

即使士道连忙纠正,女生们也似乎没听进去。

顔を見合わせ、ひそひそと会話を始める。

大家妳看我我看妳,开始窃窃私语。

「一八歳未満立ち入り禁止のところって……」

「说到未满十八岁禁止进入的地方……」

「やっぱ、ご休憩のあるホテル……?」

「果然是可以休息的宾馆……?」

「いや、もしかしたら夜のお店かも……」

「不,搞不好是晚上开的那种店……」

「ごッ、誤解だ!」

「妳……妳们误会了啦!」

士道は、声を張り上げて冤罪を主張した。

士道高声喊冤叫屈。

十香も、士道の様子に、自分が何かおかしなことを言ってしまったと思ったのか、士道をフォローするように言葉を継ぐ。

十香可能是看到士道的反应,认为自己说了什么奇怪的话吧,於是她像是要帮士道说话一般补充说明:

「皆が何を思っているのかはわからんが……違うぞ、シドーは、私を気持ちよくしようとしてくれているだけなのだ」

「虽然我不知道大家心里在想什么……不过妳们弄错啰,士道只是想让我觉得舒服而已。」

『な……っ』

「什……!」

「そうだ、足で踏んだり、棒で叩いたりすると、とても気持ちいいと言っていたぞ!」

「对了,他说过用脚踩、用棒子敲打的话,会很舒服喔!」

『…………』

女子生徒たちは、十香の手を引くと、士道から遠ざけるように自分たちの背に隠した。

女学生们拉过十香的手,像是要让她远离士道一样,将她藏在身后。

「な、なんだ? どうしたというのだ?」

「干……干嘛?怎么了?」

十香が戸惑った様子で女子たちを見回すと、女子たちは眉をひそめながら目を伏せ、首を横に振った。

十香一脸困惑地看了女生们一轮后,女生们便皱著眉头,视线朝下,摇了摇头。

「大丈夫よ十香ちゃん。全部わかったから」

「没关系的,十香,全部的事我们都了解了。」

「事前に気づけてよかった……何も知らない無垢な十香ちゃんが、変態の餌食になるところだったわ」

「还好事先发现……要不然纯真、懵懂无知的十香差一点就成了变态的牺牲品。」

「……この豚野郎! 恥を知れっ!」

「……你这只臭猪公!不知羞耻!」

無論、最後の台詞は、士道に向けられたものだった。

当然,最后这番话是对士道说的。

「や、だから違うって! 俺は──」

「不,就说不是了啦,我──」

士道が弁明しようと口を開くと、女子たちは十香を守るように両手を広げた。

士道一开口想要辩解,女生们便像要保护十香般张开双手。

……もう、完全に女の敵扱いされている。

……已经完全被当成女性公敌了。

「違うぞ皆、シドーは悪い者ではない!」

「妳们搞错啰,士道不是坏人!」

少し慌てた様子で、十香が声を上げる。

十香看起来有些惊慌失措,大声说道。

「十香ちゃんはいい子ね……だからこそ、そこにつけ込む五河くんの罪は重いわ」

「十香是个好孩子呢……正因如此,看準这一点的五河同学真是罪孽深重。」

だが、女子は聞く耳を持とうとはしない。

不过,女生不打算听她说话。

十香はどうにか士道の疑いを晴らそうとしてか、むうとうなってからポンと手を打った。

十香似乎想试着帮士道洗刷嫌疑,只见她低吟一声,「啪」地敲了手。

「! そうだ、シドーはな、私がそこについていったらお菓子をくれると言っていた! どうだ? とてもいい者だろう?」

「!对了,士道他呀,说过如果我跟他去那里,他就会给我零食!怎么样?他人很好吧?」

『…………』

女子たちはしばし無言になったあと、キッと士道に視線を向けてきた。

女生们沉默了一阵子后,狠狠瞪向士道。

「……いや、その」

「……不是啦,那个……」

言葉にしなくともわかる。きっと彼女らの脳内には、士道が無垢な十香に「ふひ、ふひひ、お嬢ちゃん、僕と一緒に来れば美味しいお菓子をあげるよう?」と言っている映像が映し出されているのだろう。

就算不说出口也知道,她们的脑海里一定是士道对纯真的十香说「嘿、嘿嘿!小姐,跟我起走的话,我就给妳好吃的零食喔?」的画面吧。

と、そこで、士道の携帯電話が鳴った。──琴里だ。

就在此时,士道的手机响起──是琴里打来的。

「……あー、ちょっと失礼」

「……啊,我接一下电话。」

士道は女子たちに断りを入れ、電話に出た。

士道知会女生们一声,接起电话。

「……もしもし?」

「……喂?」

『何してるの愚図ぐず。早くデートを始めなさい』

『你在做什么啊?慢郎中。快点开始约会。』

「ああ……ちょっと思わぬ妨害がな……」

「喔喔……遇到了一点意想不到的阻碍……」

『言い訳は聞きたくないわ。今から三分以内に学校を出ること』

『我不想听你找借口。限你三分钟以内离开学校。』

「あ、ちょ──」

「啊,等一──」

ぷつっ。つー、つー、つー。

喀!嘟──嘟──嘟──

問答無用で切られた。

没有商量的余地,电话就掛掉了。

「…………」

司令官モードの琴里のことだ。三分以内に学校を出ねば、きっつーいペナルティが待っていることだろう。

毕竟是司令官模式的琴里,要是三分钟以内没有离开学校,势必会有严苛的处罚在等待着自己吧。

「……十香! 行くぞ!」

「……十香!走啰!」

士道は携帯電話をしまって、叫びを上げた。

士道收起手机大喊。

「おお!」

「喔喔!」

困り顔を作っていた十香が表情を明るくし、女子たちの間をすり抜けて士道のもとに戻ってきた。──無論、途中で自分の机から鞄を回収している。

原本一脸困扰的十香露出开朗的表情,钻过女生们中间,回到士道身边──当然,中途还走向自己的桌子拿书包。

士道はそれを確認すると、一目散に教室から逃げ出した。十香も、それを追ってくる。

士道确认了十香的动作便一溜烟逃出教室。十香也跟著追上去。

「あ……ッ! 十香ちゃん!」

「啊……!十香!」

「駄目よ騙されちゃ! 戻って!」

「不可以被骗!快回来!」

「誰か! 十香ちゃんが! 十香ちゃんが汚されるぅぅぅッ!」

「来人啊!十香她!十香要被玷汙了──!」

後方で何やら不穏な台詞が吐かれていたが、士道はどうにか気にしないようにして足を動かした。

她们似乎在后面说了什么危险的话,但士道试着不去在意,移动自己的双脚。


そして──現在に至る。

然后──时间来到现在。

士道と十香は、周りの客たちからの視線を浴びながら、ゆっくりとした足取りでゲームセンターの中を歩いていた。

士道和十香一面受到周围客人们的注目,一面以悠閒的步调走在游乐场里头。

注目を浴びてしまっている理由はわかりきっている。

受到注目的理由非常明显。

そう、十香はパンチングマシンに始まり、モグラ叩きにうで相撲ずもうマシンなど、身体能力がモノを言うゲームを、ことごとくクリアしていたのだ。

没错,因为十香把拳击机、打地鼠、腕力机等以体能为诉求的游戏一个不留地全破了。

無論、この場合の『クリア』とは、文字通りの消去クリアを指す。注目を集めてしまうのも無理からぬことだった。

当然,这种情况下所说的「破」,是指字面上的破坏,会集众人视线於一身也是无可厚非。

「うむ、面白いな、ゲェムとやらは!」

「嗯,游戏这种东西,还真是好玩吶!」

「そ、そうか……」

「是……是吗……」

士道は、無邪気に笑う十香にそう言うと、力なく苦笑した。

士道听见笑得天真无邪的十香这么说,无力地苦笑。

小声で、インカムに声を発する。

他对着耳麦小声说了:

「……おい琴里、ホントに大丈夫なんだろうな、これ」

「……喂,琴里,这样真的没问题吧?」

『ええ。事後処理は〈ラタトスク〉に任せてもらって構わないわ。注目を集めてしまうのは上手くないけど──今は十香のストレス発散が最優先よ』

『是呀。事后处理就交给〈拉塔托斯克〉负责没关系。虽然受到大家注目不太好──不过,现在就以让十香发洩压力为最优先。』

「ならいいけどよ……」

「那就好……」

「シドー?」

「士道?」

「……ッ! な、なんだ?」

「……!什……什么事?」

急に十香に話しかけられて、士道はビクッと肩を震わせた。

十香突然对他说话,让他抖了一下肩膀。

十香はそんな士道を不思議そうに見てから、ゲームセンターの中をぐるりと見回した。

十香一脸疑惑地看着这样的士道后,又看了游乐场一圈。

「次はどのゲェムで遊ぶのだ?」

「接下来要玩什么游戏?」

「あ、ああ、何にするかな……」

「喔……喔喔,要玩什么好呢……」

と、士道があたりに目をやっていると、

士道说完看向四周,然后……

『ん、ちょっと待ちなさい』

『嗯,你等我一下。』

インカムから、再び琴里の声が響いてきた。

耳麦再次响起琴里的声音。


「──さて、次は何にしようかしらね」

「──好了,接下来要玩什么呢?」

天宮大通り上空一万五〇〇〇メートルに浮遊する空中艦〈フラクシナス〉の艦橋かんきょうで。

於飘浮在天宫大道上空一万五千公尺处的空中舰艇〈佛拉克西纳斯〉舰桥上。

五河琴里は椅子にふんぞり返りながら、口にくわえたチュッパチャプスの棒をぴこぴこと動かしていた。

五河琴里高傲地靠在椅背上,喀喀晃动着口中含着的加倍佳棒棒糖。

長い髪をツインテールに括り、軍服のジャケットを肩がけにした、中学生くらいの少女である。

她是个将长发系成双马尾、肩上披着军服外套,貌似国中生的少女。

明らかにこの艦橋の中で最年少だというのに、彼女が座っているその席は──この〈フラクシナス〉の艦長席だった。

分明是这座舰桥当中最年轻的一个,然而她所坐的那个位子──却是这艘〈佛拉克西纳斯〉的舰长席。

「──れい。十香の機嫌はどんな具合?」

「──令音,十香的心情状况如何?」

琴里が問うと、艦橋下段でコンソールをいじっていた解析官・村雨令音が、目元のくまをこすりながら唇を開いた。

琴里一问,在舰桥下方操作控制台的分析官村雨令音便一边搓揉著眼睛周围的黑眼圈,一边开启双唇说:

「……ん。もう良好といっても問題ないだろう。筐体は破壊されているものの、威力も段々と落ち着いてきている」

「……嗯,已经可说是良好也没问题了吧。虽然机台还是持续遭到破坏,不过威力渐渐稳定下来了。」

艦橋の中央スクリーンには今、十香の姿がバストアップで映し出されていた。

舰桥中央的萤幕现在正显示出十香上半身的影像。

そしてその周囲には、『機嫌』や『好感度』をはじめとする各種パラメータが並び、テキストウインドウまで表示されている。まるで、ギャルゲーの画面みたいだった。

然后在她的周围,有一排「心情」以及「好感度」等各种数值,甚至连对话视窗都有显示。简直就像美少女游戏的画面。

「そう。それは何より」

「是吗?那真是再好不过了。」

「……ああ。ただ、一つ気になることが」

「……是啊。不过,我有一件事情很在意。」

「なに?」

「什么事?」

「……機嫌はよくなっているのだが、どうも不安感の数値が高くてね。何か心配事でもあるのかもしれないな」

「……虽然她的心情有变好,不过不安的数值却非常高。她可能在担心什么事。」

「心配事、ね。──士道、何か心当たりは?」

「担心的事情啊──士道,你有想到什么吗?」

琴里がマイクに向かってそう言うと、すぐに士道の声が返ってきた。

琴里朝麦克风这么说了,马上就传来士道的声音。

『いや、ちょっとわからんが……』

『不,我不太清楚……』

「そう。役立たず」

「是吗?真没用。」

『…………』

「まあいいわ。とりあえずもう少し遊ばせて様子を見ましょ」

「算了。总之再让她玩一会儿,看看情况吧。」

と、琴里がそう言った瞬間、画面の中央に、新たなウインドウが表示された。

琴里这么说完的瞬间,画面的中央显示出新的视窗。

①クイズゲームを、二人で協力プレイ!

①两人同心协力一起玩猜谜游戏!

②相性診断ゲームで、二人の絆を再認識!

②玩检测契合度游戏,再次体认两人之间的羁绊!

プリクラ2で、思い出を残そう!

③拍大头贴,留下回忆吧!

そんな選択肢が、画面上に並ぶ。

画面上排列出这些选项。

〈フラクシナス〉の人工知能が十香の精神状態を診断し、状況に即した行動パターンを提案してきたのである。

〈佛拉克西纳斯〉的人工智慧会诊断十香的精神状态,提出符合状况的行为模式。

「──なるほどね。みんなはどう思う?」

「──原来如此。大家怎么想?」

琴里がそう言うと、五秒とかからぬうちに、手元の小型ディスプレイに、棒グラフのような画面が表示された。

琴里如此说完不到五秒,她手中的小型显示器便显示出类似棒状图表的画面。

艦橋にいるクルーが、素早く選択肢を選び、琴里の端末に送信してきたのである。

在舰桥上的船员们迅速决定选项,传送到琴里的终端机。

もっとも多いのは──③。

票数最多的是──③

「ん、みんな私と同意見みたいね」

「嗯,看来大家的意见跟我一样呢。」

「①は論外ですね。問題が解けずへそを曲げてしまう可能性があります」

「①就不用讨论了,可能会因为猜不到答案而闹脾气。」

琴里の後方に控えていた副司令の男が、直立したまま声を発する。

於琴里后方待命的副司令男子直挺挺地站着说道。

「……②も悪くはないのだが、万が一、二人の相性が悪かったなら、気まずい空気が流れてしまいそうだしね。──その点、③は完璧だ。二人だけの記念品が手に入るのはもちろんのこと、写真を撮る際、カーテンで仕切られた密閉空間に二人きりになれるという付加要素までついている」

「……②虽然也不错啦,不过万一两个人不够契合,气氛好像会很尴尬──关于这一点,③就很完美了。不用说可以得到只属于两人的纪念品,还附加在拍照的时候,可以待在用帘子区隔开来的密闭空间这个要素。」

と、これは令音。

这是令音的发言。

「ん、そうね。──士道、プリクラよ。一緒に可愛いの撮ってらっしゃい」

「嗯,也是──士道,拍大头贴。一起去拍可爱的照片吧。」

『……了解。でも俺、プリクラって操作がよくわからんのだが……』

『……了解。可是我……不太懂怎么操作大头贴机耶……』

「手順くらい機械に書いてあるでしょ。いいから行きなさい」

「机台上至少会写操作步骤吧。少啰嗦了,快点去。」

『……あいよ』

『……知道了啦。』


「──十香、あっちに行ってみないか?」

「──十香,要不要去那边看看?」

「ん、いいぞ」

「嗯,好啊。」

〈ラタトスク〉の指示を受けた士道は、十香をプリクラのエリアに連れて行った。

士道接受〈拉塔托斯克〉的指示,带着十香前往大头贴区。

「? これはなんだ、シドー」

「?士道,这是什么呀?」

「ええと……まあ簡単に言うと、面白い写真が撮れる機械だ」

「呃……哎,简单来说,就是可以拍有趣照片的机器。」

「な……っ」

「什……!」

士道が簡単にすぎる説明をすると、十香が頰を染めて目を見開いた。

士道说明得太过简单,十香红著脸颊,瞪大双眼。

「し、写真……だと?」

「你……你说照片……?」

「ん? どうした十香」

「嗯?十香,妳怎么了?」

「……いや、写真というやつは、どうも苦手なのだが……」

「……没有啦,我实在不怎么爱拍照片这种东西……」

「え、そうなのか?」

「咦?是这样吗?」

士道が聞き返すと、十香は顔を真っ赤にしてうなずいた。

士道如此反问,十香便满脸通红地点点头。

「そっか。苦手なら別のにしよう」

「这样啊。如果不爱,我们就去玩別的吧。」

「……むう」

「……唔。」

しかし十香は、考え込むようにしばらくうなったあと、ためらいがちに唇を震わせた。

不过,十香像是陷入沉思般低吟了一会儿,有些犹豫地颤抖著双唇说:

「……シドーは、私の写真が欲しいのか?」

「……士道你想要我的照片吗?」

「へ……? や、そりゃあ、まあ……そうなる……のかな」

「咦……?呃,那当然,哎……算是……想要吧。」

士道が曖昧に返事をすると、十香は心を落ち着けるように深呼吸をしてから、上目遣いに士道を見てきた。

士道回答得不清不楚,於是十香像是要让心情平静下来一样深呼吸,眼眸朝上望向士道说:

「……今回だけ。特別だぞ」

「……只有这次,特別答应你哟。」

「あ、ああ……」

「喔……好……」

何やらただならぬ雰囲気に気圧けおされながら士道がうなずくと、十香は『全身プリント』と書かれた大きな機械に入っていった。

士道被一股莫名异常的气氛镇住,同时点点头后,十香便走进写著「全身拍贴」字样的庞大机器里。

と、士道もそれに従って入っていこうとしたのだが、

接着,士道也打算跟进去,然而──

「……ッ、ち、ちょっと待てシドー。なぜ入ってくるのだ?」

「……!等……等一下,士道,你为什么要进来?」

そこで、十香に止められた。

却被十香阻止。

「え? 二人で入るものじゃないのか?」

「咦?这不是要两个人一起进来拍的吗?」

「ば、馬鹿を言うな! 少し待っていろ!」

「別……別说傻话了!给我在外面等一下!」

言うと、十香はカーテンをピシャッと閉じてしまった。

十香说完便唰的一声拉上帘子。

「え、ええと……」

「呃,呃……」

士道は、対応を問うようにインカムをコンコンと小突こづいた。

士道轻轻敲了敲耳麦,想询问该如何应对。

『好きにさせてあげなさい。十香の気が済んだら二人で撮ればいいわ』

『随她去吧。等她心满意足之后,再两个人一起拍就好。』

「ま……それもそうか」

「哎……也是吧。」

士道は小さくうなずくと、十香が入っていった機械に背を預けた。

士道微微点点头,便将背靠在十香走进去的机器上。

……だが、そのまましばらく待っても何も反応がない。

……然而,就这样等了一会儿之后,还是没有任何反应。

「……なあ琴里、プリクラってこんなに時間がかかるもんなのか?」

「……吶,琴里,拍大头贴需要花这么久的时间吗?」

『場合によるわ。最近の機種は撮り終わったあとに文字を書き込んだりエフェクトをほどこしたりできるから、ったものを作ろうとしたらそれなりに時間はかかるわね』

『看情况吧。最近的机种可以在拍完之后写上文字、加上效果,如果想要完成精美的拍贴,要花上一定的时间呢。』

「はー……すげえもんだな。……でも、十香はどこでそんなやり方覚えたんだ?」

「是喔……好厉害的机器……不过,十香是在哪里学会那种操作方式的啊?」

『さあね。十香が写真を撮ったっていったら、〈ラタトスク〉で保護したときに撮ったデータ用のものくらいだと思うけれど……』

『谁知道。要说十香有拍过照片,我想顶多只有在受到〈拉塔托斯克〉保护时拍的资料用照片就是了……』

と、士道と琴里が会話を交わしていると、機械の外部についていた写真の取り出し口に、印刷を終えたプリントシールが出てきた。

正当士道和琴里交谈时,装设在机器外部的照片取出口吐出了印好的大头贴。

「ん……? 撮り終わったのか?」

「嗯……?拍完了吗?」

士道は身をかがめてシールを手に取り──

士道弯下腰拿起贴纸──

「ぶ……ッ⁉」

「噗……!」

顔を真っ赤にして息を詰まらせた。

满脸通红地倒抽一口气。

『どうしたのよ、士道』

『怎么了啦,士道?』

「ど、どうしたもこうしたも……ッ!」

「还……还说什么怎么了……!」

士道は手にしたプリントシールを、即座に鞄に隠した。

士道立刻将拿在手上的大头贴藏进书包里。

なぜならそこには──一糸纏わぬ十香の姿が写っていたのだから。

因为,那上面──照出来的是十香一丝不掛的身影。

「十香ぁッ! おまえ一体何を──」

「十香!妳到底在搞什么──」

予想外の事態に混乱しながら、カーテンをバッと開ける。

士道因意想不到的事态而头脑一片混乱,同时唰地一把拉开帘子。

そこで、士道はおのれの油断を呪った。

此时,士道痛恨自己的粗心。

だって、つい今し方あんな写真が出てきたということは──

因为那种照片才刚出炉,就代表──

「──ッ⁉」

「な……ッ」

「什……!」

いつもより肌色はだいろ成分八割増しな十香と目があって、士道は身を凍らせた。

士道与肤色成分比平常增加了八成的十香四目相交,全身僵硬。

服を着直そうとしていたところなのだろう、下着を穿き、少し前屈みになって黒いニーソックスを膝くらいまで上げている。

想必她正打算穿上衣服吧,只见她穿着内衣裤,身体稍微向前倾,将黑色及膝袜拉到膝盖左右的位置。

他には何も纏っていない。強いていうのなら、美しい闇色の髪くらいのものだった。

其他什么都没穿。硬要说的话,还有一头美丽的深色头发。

「こ、琴里……〈ラタトスク〉で撮ったデータ用写真って──」

「琴……琴里……她在〈拉塔托斯克〉拍过的资料用照片──」

『まあ、そりゃ基本全裸よ。──ああ、安心なさい。女性機関員だけでやってるから』

『哎,基本上是全裸哟──啊啊,放心吧,只有女性机构人员帮她拍。』

「そ、そういう問題じゃ──」

「不……不是那个问题──」

「し、閉めんか、馬鹿者……ッ!」

「还……还不拉上帘子吗?笨蛋……!」

「げぶ……ッ!」

「呜噗……!」

士道の顔面に、精霊の一撃が叩き込まれた。

士道的脸狠狠吃上精灵的一击。


   ◇


「…………」

ゲームセンターの一角で。

於游乐场的一角。

折紙は、無言のままUFOキャッチャーのボタンを操作していた。

折纸默默操作著夹娃娃机的按键。

中にある景品は、無論、士道が欲しいと言っていた、夢パンダのパンダローネストラップである。

里面的奖品不用说,当然就是士道说过想要的梦想猫熊的猫熊罗妮手机吊饰。

色は全部で三種類。普通のパンダカラーとレッドカラー、白と黒の色が逆転したネガカラーだ。

颜色总共有三种。分別是普通的猫熊颜色、红色,以及黑白颠倒的负色。

──そう、今日の放課後、偶然士道と友人の会話が耳に入ってきたのだ。

──没错,今天放学后,她恰巧听见士道与朋友的对话。

あくまで偶然である。士道の後ろで聞き耳を立てていたり、それが原因で夜刀神十香と口喧嘩をしてしまったなどということはない。断じてない。

终究只是恰巧,不是在士道后面竖起耳朵偷听,因而跟夜刀神十香吵架。绝对不是。

「…………」

キャッチャーのアームが、ネガパンダローネの頭をかすめるも──落ちる。

机器手臂掠过负色猫熊罗妮的头──还是没抓到。

しかし、折紙は表情をぴくりとも動かさないまま、次のコインを投入した。

不过,折纸依然面不改色,又投入了一枚硬币。

と。

就在此时──

ゲームセンターの奥の方から、ドガッシャァァァァン! という音が響いてくる。

游乐场里面传出「咚喀锵────!」的声响。

「──な、なんだなんだ?」

「──怎……怎么了、怎么了?」

「あ、パンチングマシンとか腕相撲マシンとか壊して回ってるカップルがいるらしいぞ」

「啊,好像有一对玩坏拳击机和腕力机之类的情侣在里面晃来晃去喔。」

「マジで? 何、彼氏ボクサーとか?」

「真的假的?怎么,男朋友是拳击手之类的吗?」

「いや、壊してるのは彼女の方らしい」

「不,好像是女朋友玩坏的。」

「はあ、なんだそりゃ?」

「啥,那是怎样啊?」

「…………」

──なんともはた迷惑なカップルである。折紙は無言で操作を続けながら思った。

──还真是会给旁人添麻烦的情侣。折纸一边默默继续操作一边心想。

自分と五河士道ならば、きっとそんなことはするまい。

如果是自己和五河士道,肯定不会做那种事。

もっとこうすごく平和的に、オープンカフェでお茶とか飲んじゃうに違いない。

绝对会十分平静地在露天咖啡厅喝杯茶什么的。

「…………」

と、そこで、アームがネガパンダローネをがっしと摑む。

接着就在此时,机器手臂一把抓住了负色猫熊罗妮。

そのまま取り出し口の近くまでアームが移動するのだが──途中で、落下してしまった。

就这样移动到取出口附近──却在中途掉了下来。

無念。しかし、かなり取りやすい位置にきてはいる。次には確実に取れるだろう。

可惜。不过掉在非常好抓的位置,下一次应该能确实抓到。

と──次のコインを投入しようとして、指を止める。

──她想再投入一枚硬币,手指却停住了。

手元にうずたかく積んでいたコインが、なくなってしまっていたのだ。

手边原本堆得高高的硬币已消失无踪。

「…………」

仕方なく、折紙は両替機に走っていった。

折纸无可奈何,跑向了兌币机。


   ◇


「……すまん」

「……抱歉。」

「いや……こっちこそ、悪かった」

「不……我才不好意思。」

服を着直した十香が申し訳なさそうに言ってくるのに、士道は腫れた頰をさすりながら返した。

穿好衣服的十香满怀歉意地对士道这么说,而士道则是抚摸着肿胀的脸颊回应她。

「でも……まあ、覚えとけ。写真撮るときに服脱ぐ必要はねえから」

「不过……总之妳记着,拍照的时候不需要脱衣服。」

「……ん、覚えておく」

「……嗯,我会记得。」

十香が、しょぼんとした様子でうなずく。

十香一副沮丧的模样点点头。

『あっはっは、まだ首がついてるだなんて、運が良かったわね士道』

『啊哈哈!你的头竟然没被揍飞,还真是好运呢,士道。』

と、耳に琴里の脳天気な声が響いてきた。

士道耳边响起琴里乐天的声音。

抗議代わりにインカムをコンコンと小突き、歩みを進めていく。

他「叩叩」地轻敲耳麦表示抗议,继续往前走。

『──ま、十香の機嫌がそこまで回復したってことよ。目標は達したわね。あとは不安感の数値さえ何とかなれば言うことなしなのだけれど』

『──哎,这代表十香的心情回复到那种地步了哟。目标达成了呢。再来只要想办法降低她的不安感数值就无可挑剔了。』

「……不安感、ねえ」

「……不安感啊……」

士道は十香に目を向け──首を傾げた。

士道望向十香──歪了歪头。

「──ん?」

「──嗯?」

十香がいつの間にか、右手にあるUFOキャッチャーに張り付いていたのである。

十香不知何时已经紧盯着右手边的抓娃娃机。

「十香? どうした?」

「十香?怎么啦?」

「シドー、これはどうやって取るのだ?」

「士道,这个要怎么拿呀?」

「ん……それはこのボタンを押してだな」

「嗯……那个要按下这个按键之后……」

士道は簡単に操作を説明しながら、UFOキャッチャーの中に並んでいる景品をちらと見やった。くだんのパンダローネストラップが、個別に包装されて散らばっている。

士道简单说明操作方法,并瞄了放在抓娃娃机里的奖品一眼。之前提到的猫熊罗妮手机吊饰个別包装好,铺了一整面。

「──と、まあ、こんな感じだ」

「──大概就是这种感觉。」

「ふむ」

「唔嗯。」

十香はそう言うと、財布から一〇〇円玉を取り出し、投入した。

十香说着从钱包里拿出一百圆硬币投进去。

そして今し方士道が教えたようにボタンを操作し、アームを動かす。

然后照刚才士道教的方式操作按键,移动机器手臂。

だが──かすりもしない。

然而──连碰都没碰到奖品。

「むう、難しいな」

「呣,好难吶。」

「ま、こういうのは慣れないとな。……欲しいんなら取ってやろうか?」

「这种游戏机要玩顺手才有办法……妳想要的话,我抓给妳吧?」

士道が言うと、十香は首を横に振った。

士道一这么说,十香便摇摇头。

「いや、それでは意味がないのだ。私にやらせてくれ」

「不要,那样就没意义了。让我玩。」

「そっか。──ああ、じゃああれを狙ってみたらどうだ? 一番取りやすそうだ」

「这样啊──啊啊,那妳试着抓抓看那个如何?看起来最好抓。」

「ぬ?」

「唔?」

士道の指の先を十香が追う。

十香循著士道的手指前方看去。

そこには、白黒が逆転したパンダローネが、絶妙な角度で立っていた。ビニール包装の穴に上手くアームを引っかけることができれば、間違いなく取れるだろう。

那里有一只黑白相反的猫熊罗妮,以绝妙的角度立着。如果能顺利将机器手臂勾到塑胶包装的洞里,一定能抓到吧。

「おお!」

「哦哦!」

十香は目を輝かせると、再度一〇〇円玉を投入した。

十香眼睛为之一亮,再度投入一百圆硬币。

そしてボタンを操作し──アームが、ちょうどビニール包装の穴に引っかかる。

然后操作按键──机器手臂刚好勾住塑胶包装的洞。

「おお、やったぞシドー!」

「喔喔,我抓到了耶,士道!」

「ああ、上手い上手い。いい位置だったっつっても、よく二回目で取れたな」

「是啊,真厉害、真厉害。虽说位置好,但亏妳第二次就能抓到呢。」

「うむ、ではこれを──」

「嗯,那么这个──」

と、十香はそこで言葉を止めた。

此时,十香止住了话语。

アームが取り出し口の上まで戻ってきたにもかかわらず、景品が落ちて来なかったのだ。

尽管机器手臂回到了取出口的上方,奖品却没有掉下来。

「な、なんだこれは?」

「这……这是怎么回事呀?」

「あー……取れなくなっちまってるな。ま、こういう場合は店員さんにいえば──」

「啊……卡住了耶。不过,遇到这种情况只要跟店员说一声──」

「ふん!」

「哼!」

士道の言葉の途中で、ばぎゃッ! という音が鳴る。

士道话说到一半就响起了「啪喀!」这样的声音。

何の音かを考える必要はなかった。十香がパンチを繰くり出し、UFOキャッチャーのプラスチック部分に穴をあけたのだ。

不用想也知道这是什么声音。是十香猛力挥出拳头,在抓娃娃机的塑胶板上开了一个洞。

「……十香」

「……十香。」

「ん」

「嗯。」

十香は何事もなかったかのようにアームにひっかかっていたネガパンダローネを取ると、満足げにうなずいた。

十香一脸若无其事地把勾在机器手臂上的猫熊罗妮拿下来,心满意足似的点点头。

「うむ、帰るかシドー」

「唔嗯,回家吧,士道。」

「あ、ああ……そうだな」

「好……好……说的也是。」


   ◇


「…………」

両替を終えてUFOキャッチャーの前まで戻ってきた折紙は、その場で足を止めた。

换完钱回到抓娃娃机前面的折纸,当场停住脚步。

理由は単純──ついさっきまで折紙がプレイしていた筐体に穴があいており、ついでに折紙が狙っていたネガパンダローネが奪い去られていたのである。

理由很单纯──到刚才为止折纸还在玩的机台上开了一个洞,原本锁定的负色猫熊罗妮也连带被抢走了。

「誰……?」

「是谁……?」

静かなこわを響かせる。

她发出了细小的声音。

だが──

然而──

「はーい、ちょっとすいませんねー」

「来~~不好意思,让一下~~」

そんな声とともに、ゲームセンター内に幾人もの作業員が入ってきたかと思うと、見事な手際で壊れたUFOキャッチャーを運搬うんぱん用の器具に固定し、店外に運び出してしまった。

随着这样的声音,几名作业人员才刚进入游乐场,马上就把被漂亮地破坏的抓娃娃机固定在搬运器具上,搬到了店外。

そしてすぐに外から、新品の機械が運び込まれてくる。

然后又立刻从外面将新的机器搬进来。

「はい、では失礼しまーす」

「好~~那么我们告辞了~~」

作業員が、コード類を全て繫ぎ終え、景品を入れ直し、動作チェックを済ませる。

作业人员把电线全部接好,重新放入奖品,检测完机器运作。

──この間、わずか一〇分強。

──全程只花了十分钟左右的时间。

先ほど謎のカップルに破壊されたという別の機械も、同じように新しいものに交換されていった。

之前被神祕情侣破坏的其他机器也已经以同样的方式换成新机。

「…………」

いろいろ意味不明なところはあったが、今はもっと気にすべきことがある。折紙は、無言でUFOキャッチャーの前に立ち、無数のパンダローネに視線をやった。先刻までとは違う、非常にイージーな配置。

虽然有许多莫名其妙的地方,不过现在有更应该在意的事。折纸一语不发地站在抓娃娃机前面,看向无数的猫熊罗妮。和刚才不一样,位置摆得十分好抓。

これならば──

如果是这样──

折紙は静かに目を光らせ、ボタンの脇に五〇〇円玉を積み上げた。

折纸的双眼静静闪着光芒,将五百圆硬币堆在按键旁边。


   ◇


「……それ、そんなに欲しかったのか?」

「……妳那么想要那个吗?」

ゲームセンターからの帰り道。

从电子游乐场回家的路上。

夕日に染まる街道かいどうで、士道は隣を歩く十香にそんなことを聞いてみた。

士道在染上夕色的街道试着询问走在他身旁的十香。

「ん……」

「嗯……」

と。十香は、不意に足を止めた。

十香突然停下脚步。

「? 十香?」

「十香?」

士道もつられてその場に立ち止まり、十香の方に顔を向ける。

士道也跟著停了下来,面向十香。

すると十香が、少し顔をうつむかせながら、手にしたパンダローネを士道に渡してきた。

於是她微微低著头,将手上的猫熊罗妮递给士道。

「へ……?」

「咦……?」

「やる。これは、シドーに。だから──いや、だからというのも何だが、なんというか……」

「给你。这个送给你,所以──不对,说所以好像也怪怪的,该怎么说呢……」

十香にしては歯切れの悪い物言いに、首を傾げる。

士道对十香含糊的说话方式感到不解。

「なんだ?」

「妳要说什么?」

士道が問うと、十香は意を決するように唇をきゅっと嚙んでから、言葉を続けてきた。

士道这么问她,她便像下定决心似的紧咬嘴唇,继续说道:

「私のことを……嫌いにならないでくれ」

「……不要讨厌我。」

「は……はぁ? な、なんだそりゃあ」

「什……什么?妳……妳说那什么话啊?」

士道は、盛大せいだいに眉を歪めてから、「あ」と思い返した。

士道深深皱眉,然后「啊」的一声,回想起之前发生的事。

「おまえ、さっきのこと気にしてるのか?」

「妳还在意刚才的事吗?」

「ん……それもあるのだが……」

「嗯……也是有点在意啦……」

十香は少し黙ってから言葉を続けてきた。

十香沉默了一会儿,接着说:

「……シドー、私と鳶一折紙が口論をしていたのを覚えているか?」

「……士道,你还记得我之前跟鸢一折纸吵架吗?」

「ああ……覚えてるよ」

「啊……我记得啊。」

十香が、いじける子供のように唇を突き出しながら続ける。

十香像个闹别扭的孩子,嘟起嘴继续说道:

「……そのときにな、あいつが、言ったのだ」

「……那个时候呀,那家伙说了。」

「なんて?」

「说什么?」

士道が問うと、十香が上目遣いになって士道の様子を窺うようにしながら、たどたどしく続けてきた。

士道一问,十香便向上望,像是在偷看士道的表情,同时结结巴巴地继续说:

「……精霊が、人間と共存できるはずがない。そもそも、人間が、世界を殺す精霊を許容できるはずがない。だから──」

「……精灵,不可能跟人类共存,人类本来就不可能容许毁灭世界的精灵。所以──」

意を決するように唇を嚙んでから、続ける。

她像是下定决心般咬了咬嘴唇后,继续说:

「シドーも、精霊のことなんて、大嫌いだと」

「士道也最讨厌精灵这种生物了。」

「……はあ」

「……喔。」

士道は、ぽりぽりと頰をかいた。

士道搔了搔脸颊。

いや、当人は深刻に悩んでいたのだろうし、こういっては何なのだが……正直、脱力した。

呃,想必本人十分苦恼吧。虽然这么说有点不妥……不过老实说,实在令人无力。

十香の不安感の原因とは、そんなことだったのか、と。

原来造成十香不安的原因,就是这种事啊。

……もしかしたら、苦手な写真を撮ると言ったのも、士道に嫌われまいとしてのことだったのかもしれなかった。

……搞不好她说要拍不喜欢拍的照片,也是担心会被士道讨厌。

「……なあ、シドー、やはり、そうなのか? シドーも、私のことが──」

「……吶,士道,真的是那样吗?士道也对我──」

「そんなこと、ねえよ」

「没那回事啦。」

「……本当か?」

「……真的吗?」

不安そうに、十香が目を向けてくる。

十香一脸不安地看向士道。

「本当だ」

「真的。」

「本当の本当か?」

「真的是真的吗?」

「本当の本当だ」

「真的是真的。」

「本当の本当の本当か?」

「真的是真的是真的吗?」

「…………」

士道は少し思案したのち、言葉を続けた。

士道稍微思忖了一下,接着说:

「少なくとも俺は、嫌いな奴と、その……なんだ、デートしたいとは思わねえよ」

「至少我不会想跟讨厌的家伙,那个……约会。」

「あ──」

「啊──」

士道が言うと、十香は目を丸くした。

士道说完,十香便瞪大双眼。

「ん……そう、だな……」

「嗯……说的也是吶……」

十香はほんのり頰を染めると、口元を小さく綻ばせた。

十香微微羞红了脸颊,嘴角轻轻绽放出笑容。

そんな十香に、士道はネガパンダローネを返してやった。

士道把负色猫熊罗妮还给十香。

「だから、これはおまえが持ってな。せっかく自分で取ったんだ。今日の記念に──な?」

「所以,这个妳拿着吧。难得自己抓到,就当作今天的纪念──好吗?」

「ん……そうする」

「嗯……我会的。」

十香は、嬉しそうに口をもごもごさせながら、ネガパンダローネを受け取った。

十香开心地咕哝著,收下负色猫熊罗妮。

と、そこで、琴里の声が聞こえてくる。

就在此时,耳边传来琴里的声音。

『──七五点。一応合格かしら』

『──七十五分。算及格吧。』

「……そいつはどーも」

「……那还真是多谢了。」


   ◇


翌日。

隔天。

登校した士道を待っていたのは、仁王立におうだちした女子の集団だった。

等着士道来上学的,是一群双手扠腰、两腿大张,站姿散发出狠劲的女生。

「来たわね変質者」

「变态来了呢。」

「死ねばいいのに」

「怎么不去死一死。」

「豚のような悲鳴を上げろ」

「给我发出像猪一样的哀号声吧!」

「は……はぁ?」

「什……什么啊?」

わけがわからず一瞬ポカンとなるが、その中に困り顔の十香がいるのを見つけ、すぐに状況を理解した。

虽然士道不明就里,瞬间呆滞了一下,但看见露出困扰表情的十香也在其中,马上就理解了状况。

「だから皆、シドーは何もしていないぞ」

「大家,我就说了,士道什么都没做喔。」

十香が、周りの女子たちに向かって言う。

十香面向周遭的女生们说道。

「大丈夫よ十香ちゃん。すぐこの変態性欲男を社会的に抹殺してあげるからね」

「没关系,十香,我们马上就让这个变态性慾男无法在社会上立足。」

「辛かったわよね。痛かったわよね。可哀想な十香ちゃん。あなたの貞操の仇は私たちが取ってあげるわ」

「妳一定很难受、很痛吧。可怜的十香,就由我们来帮妳报贞操之仇!」

「……というわけで、現状把握のため昨日の出来事をできるだけ詳しく教えてちょうだい。何されたの? ねえ何されたの?」

「……事情就是这样。为了掌握现况,妳尽可能把昨天发生的事钜细靡遗地告诉我们。他对妳做了什么?跟我们说,他对妳做了什么?」

女子たちが言うのに、十香がブンブンと首を横に振る。

十香用力摇头回应女生们说的话。

「違うのだ! 皆の言っていることはよくわからんが、たぶん何か勘違いをしている! 私は昨日、ゲェムセンターとやらに連れて行ってもらっただけなのだ!」

「不是的!虽然我不太懂妳们在说什么,但妳们大概误会了!昨天士道只是带我去一个叫什么游乐场的地方而已!」

『え……?』

「咦……?」

十香の言葉に、女子たちが固まる。

听到十香的回答,女生们全身僵硬。

そして、昨日の会話の内容を思い起こすように視線を泳がせ──

然后眼神游移,像是在回想昨天的对话内容──

「……ホント? 五河くん」

「……真的吗?五河同学。」

「……ああ。ホントだよ」

「……是啊,是真的啦。」

『…………』

いろいろなことに合点がてんがいったのだろう。女子たちは顔を見合わせたあと、

女生们应该总算理解了,只见她们面面相觑后──

「あ、あはははは、そうよねえ、五河くんがそんなひどいことするはずないわよねえ」

「啊……啊哈哈哈哈,我就说嘛,五河同学怎么可能做出那种过分的事嘛。」

「わ、私は最初っから勘違いじゃないかなあと思ってたわよ」

「我……我打从一开始就想说会不会是误会了呢。」

「ま、まあ十香ちゃんが無事で何より」

「总……总之,十香没事真是太好了。」

と、一斉に乾いた笑いを浮かべた。

她们说完,脸上同时露出干笑。

「……ま、誤解が解けたんならいいけどよ」

「……反正误会解开了就好。」

士道はやれやれと吐息すると、自分の席に着き、鞄の中から一限目に使う教科書を取り出した。

士道无奈地叹了口气,坐到自己的位子上,把第一节课要用的课本从书包里拿出来。

──と、その際、鞄の中からひらひらと何かが落ちる。

──就在这个时候,有东西从书包里飘落下来。

「あ、何か落ちたわよ五河くん」

「啊,有东西掉出来啰,五河同学。」

「ん、ああ、悪──」

「嗯,啊啊,谢──」

そこで、士道は顔を引きつらせた。

此时,士道表情僵硬。

なぜなら今鞄から落ちたものは──

因为从书包里掉出来的东西是──

「──んな……ッ」

「──什……!」

それを拾った女子生徒が、息を詰まらせる。

捡起束西的女学生倒抽了一口气。

まあ、仕方ないだろう。いきなり十香の全裸写真なぞ見せられれば、誰でもそんな反応をするに違いない。

哎,这也不能怪她。突然看到十香的全裸照片,肯定任谁都会做出那种反应。

「何が誤解よッ! ゲーセンで、ろッ、露出強要とか、より変態指数高いじゃないのッ!」

「哪里误会啦!在游乐场强……强迫裸露,不是更变态吗!」

「ち、違うんだ、これは──」

「不……不是的,这是──」

「問答無用ォォォッ!」

「別狡辩了──!」

「の、のわ……ッ!」

「唔……唔哇……!」

士道は顔面に飛んできた拳を避けると、そのまま転がるように教室から逃げ出した。

士道闪开朝脸飞来的拳头,就这么连滚带爬地逃出教室。

「あっ、シドー! どこへ行くのだ!」

「啊,士道!你要去哪里!」

後方から十香が名を呼んでくるが、振り返っている余裕もない。

十香从后方叫唤他,但他没有余力回头看。

きっと止まれば、慈悲も容赦もないリンチが待っている。

要是停下脚步,肯定会有残酷不留情的凌迟在等着他。

「うわぁぁぁ馬鹿したぁぁぁぁ! なんで入れっぱなしにしてんだよ俺の阿呆ォォォ!」

「呜哇啊啊啊!做了蠢事啊啊啊!为什么放着没拿出来啊!我这个呆瓜──!」

叫びながら、廊下を駆けていく。

士道一边吶喊一边在走廊上狂奔。

と──

然后──

「うごッ⁉」

「唔喔!」

途中、丁字路のところで、士道は襟元を引っ摑まれ、ガクンと姿勢を崩した。

士道跑到一半,在 T 字路口被人一把抓住了后领口,令他差点跌倒。

「けほ……ッ、な、なんだあ?」

「咳咳……!怎……怎么回事?」

一瞬女子たちに捕まったかと思ったが──違う。襟を摑んでいたのは鳶一折紙だった。

剎那间还以为被女生们逮到──然而并不是。抓住他领子的是鸢一折纸。

「と、鳶一?」

「鸢……鸢一?」

「これ」

「这个。」

折紙は、士道の襟から手を離すと、鞄から何かを取り出して士道に渡してきた。

折纸放开士道的领子后,从书包里拿出一样东西交给士道。

「え? これって……」

「咦?这是……」

それは、夢パンダのパンダローネ(レッドカラー)のストラップだった。

那是梦想猫熊的猫熊罗妮(红色)手机吊饰。

「あげる」

「送你。」

「え……や、悪いよ」

「咦……不,不好啦。」

「あげる」

「送你。」

「……ええと」

「……呃……」

「あげる」

「送你。」

「………………ありがとうございます」

「………………谢谢。」

半ば気圧される格好で、士道はパンダローネを受け取った。

士道有些被折纸的气势压过,便收下了猫熊罗妮。

すると折紙は、鞄からパンダローネ(ノーマルカラー)のついた携帯電話を取り出した。

接着,折纸从书包里拿出挂着猫熊罗妮(正常色)的手机。

「おそろい」

「一样。」

「え……あ、ああ、そうだな……」

「呃……是……是啊,没错……」

「…………」

士道がうなずくと、折紙は携帯電話をしまって、教室の方に歩いていった。

士道点点头后,折纸收起手机,朝教室走去。

「な……なんだったんだ……?」

「到……到底是怎样啊……?」

と、士道が廊下にへたり込んだまま呆然としていると、今度は士道を追ってきたのだろう、十香がパタパタと走ってきた。

就在士道一脸茫然瘫坐在走廊上时,这次换十香慌忙跑了过来。应该是追着士道而来的吧。

「シドー! 大丈夫か」

「士道!你没事吗?」

「お、おう……」

「喔……嗯……」

「もう戻っても平気だぞ。誤解は私が解いておい──と、ん?」

「已经可以回去了,误会我都解开──嗯?」

言葉の途中で、十香は士道の手元に視線を送ってきた。

话说到一半,十香朝士道的手上看去。

そこには無論、先ほど折紙にもらったパンダローネがある。

当然他手上有刚才折纸送的猫熊罗妮。

「おお!」

「喔喔!」

十香はポケットを探ると、パンダローネ(ネガカラー)を取り出した。

十香摸了摸口袋,拿出猫熊罗妮(负色)。

「おそろいだな、シドー!」

「我们一样耶,士道!」

「あ、ああ……」

「是……是啊……」

士道は、頰をかきながら答えた。

士道搔著脸颊回答。

士道と、十香と、折紙。なんともまあ、奇妙なおそろいができてしまった。

士道、十香,还有折纸──竟然就这样莫名拥有了一样的东西。

Footnotes#

  1. ミット:[名]野球で、捕手・一塁手が用いる、親指だけが分かれた革製の手袋

  2. プリクラ:[名]〈プリント倶楽部〉の略。ビデオカメラとプリンターを組み合わせた写真シール印刷機

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永雏多氢菲
∴さて····どこへ行こうか?
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