化物語(下): 第五話 つばさキャット 001

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化物語(下): 第五話 つばさキャット 001
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desc: 梳着麻花辫、戴着眼镜的班长 —— 羽川翼。这位曾帮助过阿良良木历的少女,究竟被何种怪异所缠身……?

羽川翼は、僕にとってとても大事な人間である。他の誰にもかえがたい、かけがえのない人間である。恩がある、いや、それどころか大恩ある相手だ。多分僕は彼女に対して何をしたところで、これで恩を返すことができたと、思うことはないだろう。春休み、僕がどん底のどん底のどん底を全身全霊で経験しているところに差し伸べられた彼女のその手は、僕にとっては大袈裟でも何でもなく、女神の救いの手に見えたものだった。今でも僕は、およそ二ヵ月前のあの経験を思い出すだけで、ぐっと、胸の奥に熱いものが込み上げてくる。人が人を救うだなんて言葉、考えてみればとても噓くさいのだけれど、それでも僕はあの春休み、確かに、羽川翼に救われたのだと思っている。その想いだけは、何があっても揺らぐことはないだろう。だから──だから僕は、地獄のような春休みが終わり、三年生に進級し、クラス分けで彼女と同じ組になったとき、正直言って、にやけてしまうくらい、嬉しかったものだ。いつか戦場ヶ原に言われた台詞ではないが、片恋相手と同じクラスになった奴なんてのは、案外、こんな気持ちなのかもしれないと思った。ちょっとした誤解で、学級委員長になった彼女から副委員長の職を押し付けられるに至っても、そこまで抵抗なくそれを受け入れることができたのも、羽川が僕にとって大事な人間であったからに他ならない。

羽川翼对我来说,是一个非常重要的人。是一个任何人都无可取代、无可替换的人物。她对我有恩,不,岂止是有恩,而是有大恩才对。我想不管我为她做了什么,恐怕都无法将她的恩情一笔勾销吧。我在春假时,身体和心灵曾经体验过一段深不见底的人间炼狱,那时她对我伸出的援手,我看起来就等于女神的救赎之手一样,这种说法一点都不夸张。即便是现在,我光是回想起两个月前的那段体验,就会有一股炙热感泉涌上心头。救命之恩这种话,仔细想想实在很虚假,可是我觉得在春假的那段时间,确确实实就是羽川翼拯救了我。唯独这份心情,是无可动摇的吧。所以……所以我在结束了地狱般的春假升上三年级,和她编到同一班时,说实话我真的觉得高兴,暗爽在心里。之前战场原曾说我单恋羽川,不过我想和单恋对象同班的人,或许就跟我当时的心情一样吧。随后,因为一点小小的误会,担任班长的她硬是要我担任副班长,而我之所以没什么反抗就接下那个职位,也正是因为羽川对我来说是一个非常重要的人。

羽川翼。

羽川翼。

異形の羽を、持つ少女。

拥有一对异形翅膀的少女。

しかし勿論、羽川翼のその名前を、二年の春休みまで、僕が聞いたことがなかったかと言えば、そんなことはない──白状すれば、私立直江津高校始まって以来だというその才媛さいえんの姿を見たくて、一年生のとき、こっそり彼女の所属するクラスを覗きに行ったことがあるくらいだ。その当時から彼女は、きっちりとした三つ編みに前髪を揃えて、眼鏡をかけた、見るからに優等生というスタイルを貫つらぬいていた。一目で真面目な生徒だと判断できた。見るからに頭が良さそうな人間というのは決して少なくないが、そう確信することのできる人間というのを、僕はそのとき初めて見た。おいそれと声をかけるのもためらわれる、そんな荘厳な雰囲気を周囲に漂わせている、そんな高校一年生だった。近付きがたいというより、遠巻きに見ることすら許されないような、そんな隔絶かくぜつを僕は確かに、実感した。相当無理をして直江津高校に入学した僕は、その頃にはもう、この学校における自分の立ち位置を認識し始めていたが、はっきりとそれを感じたのは、どうだろう、案外、羽川翼の姿を見た、そのときだったのかもしれない。学年トップの成績を誰にも譲ったことがない、どころか、小学生の頃から数えても、成績という点において人後に落ちたことが一度もないという羽川翼とこの自分が、同じ人間であるとは、少なくとも、思うことはできなかった。

不过,其实我在二年级的春假前,就对羽川翼的大名有所闻了——老实说,当我一年级的时候,甚至还偷偷跑到她当时所属的班级去,只为了一睹那位人称私立直江津高中创校以来最优秀的才女一面。那时她就已经绑着麻花辫,修齐刘海,还带着眼镜,从外观看起来就是一副优等生的模样。一眼就可以断定她是一位认真的学生。看起来头脑很聪明的人绝对不在少数,但我在那时候却是初次看见,能够让我如此笃定的人。她的四周还散发出一种庄严的气息,让人无法轻易向她搭话,当时她就是这样的一年级生。我确实感觉到一种与其说是难以接近,倒不如说是连远观都不被允许的隔绝感。相当勉强才进到直江津高中就读的我,当时就已经开始明白到自己的程度,但我是在什么时候才清楚感受到自己的程度不如呢,或许,就是看到羽川翼的那个瞬间吧。她从来没有把学年第一的宝座让给别人,岂止如此,就算从小学时代开始算起,羽川翼在成绩方面也从未落于人后,我实在无法想象自己和她同样都身为人类。

とはいえ、だからと言って、羽川翼がお高くとまった女生徒なのかと言えばそんなことは全くない。そこを誤解されては困る、むしろ僕は彼女以上に善良な人間というのに、生まれてこの方あったことがなかった。それこそ前の春休みまで、僕はずっと羽川翼のことをそういう風に誤解していたようなのだが、実際に間近で会話を交わしてみると、自分の所有している能力・才能についてもっと自覚するべきだと思うくらいに、彼女は誰に対しても、過剰なくらいに公平だった。私立直江津高校に通ういわゆる『優等生』達は、頭のよさは他人と較べるためのものと考えているタイプばかりだというのに、羽川翼はそうではなかった。僕が羽川を見たときに感じた隔絶を、彼女の方ではどうやら、全く感じていないらしかった。公平であり、そして、公明正大だった。委員長の中の委員長、神に選ばれた委員長──学校側からの受けもよく、そして、クラス内部での人望もある。真面目である以上に、面倒見のいい性格だった。それが高じて僕を副委員長に就任させてしまうような、思い込みの激しさくらいしか、あげつらえる欠点が思いつかない。確かに委員長副委員長の関係で一緒に作業をしていると、鬱陶しいと思わされることもしばしばだけれど、それ以上に、彼女の人間性に感心させられることの方が多かった。

但话虽如此,要是你问羽川翼是一个趾高气扬的学生吗,我可以告诉你完全没那回事。这点各位千万不要误会了,相反地,我出生至今不曾看过比她还要更善良的人了。我在春假以前一直误会羽川翼的为人,不过实际和她近距离谈话过后,我才发现她对任何人都非常地公平,我甚至觉得她应该要对自己的能力和才能,更有自觉一点才是。就读私立直江津高中的那些所谓的「优等生」们,都是一些觉得聪明的脑袋就是为了和别人比较才存在的东西;然而,羽川翼却不是那种人。我看到羽川时所感受到的那股隔绝感,她本人似乎完全没有自觉。她为人公平,且光明正大。是班长中的班长,被神选上的班长——校方对她的评价很好,而且在班上也很有人望。她除了个性认真之外,还很喜欢照顾别人。正因为爱照顾人过了头,她才会让我担任副班长,择善固执——对她,我只想得到这个缺点而已。和她以班长副班长的身份一起共事,常会让我感到很郁闷,但更多时候,我多会为她的人格特质感到折服。

語弊がある言い方になるかもしれないが、それは、僕がゴールデンウィークに知った、彼女の家庭の背景を思えば、信じられないことだった。ゴールデンウィーク──四月二十九日から五月七日の日曜日までの九日間。僕にとって春休みを地獄とするなら、それは悪夢のような九日間であり、当の羽川翼にしてみれば、既に忘れ去っている記憶である。夢とは大概忘れてしまうものだという意味でいうなら、やはりそれは悪夢というべきなのかもしれない。

我这么说或许会有语病,但是我在黄金周时知道了她的家庭背景后,我一想到那个背景,我就会觉得她的完美让我难以置信。黄金周——四月二十九号到五月七号的礼拜天,为期九天。对我来说春假如果是地狱;那对羽川翼来说,黄金周的九天就像是一场恶梦,是一个已经遗忘的记忆。从梦境大多都会被遗忘这点来看,那段时间真的应该称之为恶梦吧。

九日間。

在那九天。

彼女は猫に、魅せられた。

她被猫魅惑了。

僕が鬼に襲われたように、彼女は猫に魅せられた。怪異にはそれに相応しい理由がある──この場合、彼女が抱えていた家庭の不和と歪みこそが、それに相応しい理由だったというわけだ。そう、誤解というなら、それこそが完全な誤解だった。いい人間は幸せな人間で、悪い人間は不幸せな人間だなんて、そんな単純な二元論で、僕はそれまで、世界を捉えていたのかもしれない。不幸せだからこそ、善良にならざるを得なかった人間がいるだなんて──その程度のことにすら、僕は頭を回すことができなかったのだ。

就如同我被鬼袭击了一样,她被猫魅惑了。每个怪异的出现,都有一个适当的理由——而她的情况,家庭失和与扭曲的问题,正是其理由。对,如果要说我误解的话,这才是一个天大的误解。善人就是幸福的人;恶人就是不幸的人——至今我可能都是用这种单纯的二元论,在看这个世界的吧。有人正是因为不幸,不得已才会变成善人……就连这点程度的小事,我都想象不到。

それなのに。羽川翼は僕に手を差し伸べてくれた。

然而,羽川翼却对我伸出了援手。

あの春休みだって、彼女には、僕を助けている余裕なんてなかったはずなのに──それなのに彼女は、僕をどん底のどん底から、引き上げてくれた。

春假那段时间,她明明没有余力来帮助我——但是,她还是把我从那个无底深渊的人间炼狱给救了出来。

僕はそれを忘れない。

这一点我绝不会忘记。

この先、たとえ何があっても。

无论未来发生了什么事情。

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永雏多氢菲
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