とある魔術の禁書目録 1: 第一章 魔術師は塔に降り立つ FAIR,_Occasionally_GIRL.

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とある魔術の禁書目録 1: 第一章 魔術師は塔に降り立つ FAIR,_Occasionally_GIRL.
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desc: “超能力” 与上条当麻,“魔法” 与茵蒂克丝。当奇异的命运之线彼此交错,故事自此拉开序幕 ——!

一名身着纯白修女服饰的少女,陡然从天而降,落入他的房间。“怎么可能……” 上条当麻喃喃自语,而这位修女装扮的少女如是说道:自己是从魔法的世界逃亡而来。 这座学园都市摒弃神秘学,超能力者早已被视作普通科学现象为人熟知。上条对自称茵蒂克丝的神秘少女的言行满心疑惑,而真正的魔法师,已然出现在二人眼前 ——!备受瞩目的新锐作家献上的学园动作奇幻故事,就此登场!

 

1#

一月二〇日から二月十八日生まれの水瓶みずがめのアナタは恋も仕事もお金も最強運! まったくありえない事にどう転がってもイイ事しか起こらないので宝くじでも買ってみろ! あんまりモテモテちゃうからって三また四股に挑戦、なんてのはダメダメなんだぞ♪

一月二十日到二月十八日出生,水瓶座的你,今天不管是爱情事业还是财运都是锐不可挡!不论什么事情最后一定会有好结果,快去买张彩券吧!不过可别因为太受女生欢迎而挑战三劈、四劈的游戏喔♪

「……いや、こんなモンだってなァ分かってんだけど、分かってんだけどさあ」

「……好啦,我早就知道会是这种结果,我早就知道了。」

七月二〇日、夏休み初日。

七月二十日,暑假第一天。

エアコンが壊れてうだるような熱気が支配する『学園都市』の学生寮の一室で上条当麻は絶句した。どうも昨日の夜中にかみなりが落ちたらしく電化製品の八割がられていて、それは冷蔵庫の中身が絶滅している事を意味していた。非常食のカップやきそばを食べようとしたら流し台にメンを全部ぶちまけ、仕方がないから外食しようとサイフを探している内にキャッシュカードを踏み砕き、しかもふて寝の二度寝の泣き寝入りを電話で叩き起こされたと思ったら『上条ちゃーん、バカだから補習ですー♪』との担任からの連絡網ラヴコール

冷气坏掉的某「学园都市」学生宿舍单人房,热气支配了整个密闭空间,让上条当麻无言以对。起因似乎是因为昨天晚上的落雷,搞坏了八成以上的电器,连带地也让冰箱里的食物全灭了。想要吃碗存粮泡面,却不小心把面全都翻倒进了流理台。好吧,那只好去吃外食了。正在找钱包的时候却踩碎了提款卡,本来打算干脆继续睡回笼觉算了,却接到了一通电话。「傻瓜上条,该补习啰♪」电话中传来班导师的热情呼唤。

天気予報みたいに流れるテレビの星占いなんてこんなモンだとは思うが、ここまで来るともはや笑いも起こらない。

在电视上跟气象预报一样从画面边缘闪过去的星座占卜,本来就知道不会准。但是差距大到这个地步,实在让人笑不出来。

「……分かってんだよ。分かってんだけど独り言にしねーと消化できねーんだよう」

「……我早知道啦,我早知道会有这种结果。可是我就不能抱怨一下吗……」

占いは必ず外れ、おまじないは成功したためしがない。それが上条当麻の日常だ。この素敵なぐらい運に見放された体質は一族に伝わるモノかと思いきや、父は宝くじで四等(一〇万円ぐらい)をゲットし母はジュースの自販機のルーレット1で当たりを引き続けて止まらないのだった。もしや血が繫がってないのでは、とも思うが妹フラグも立ってなければ王位継承権ルートにも入っていないのにそんな無駄な伏線があっても困るのだった。

占卜从来不准,「小魔法」从来没收到效果。这就是上条当麻的日常生活。本来以为自己这种倒楣到鬼打墙的体质是家族遗传,但是后来却发现老爸中过彩券的四奖(约十万圆),老妈曾经投饮料贩卖机连续中奖,玩到停不下来。接着又怀疑自己其实该不会跟这两个人没有血缘关系吧?但是仔细想想,自己又没有妹妹,也没有什么「王位继承权路线」可以选择,搞这种多余的伏笔是能怎样?

結論を言うと、上条当麻は不幸だった。

说结论吧。总之上条当麻就是不幸。

なんていうか、もうギャグとして消化しても大丈夫なレベルの。

不幸到人生简直就像个荒谬的大笑话。

とはいえ、いつまでもウダウダしているつもりもない。

但是,上条可不会永远消极下去。

上条は運に頼らない。それはつまり行動力が高いという事を意味していた。

上条从不依赖「运气」,这也意味着他拥有非常强的行动力。

「……さて、っと。目下の問題はカードと冷蔵庫か」

「……好吧,目前最需要解决的问题是提款卡跟冰箱。」

バリボリと頭をかきながら上条は部屋を見回す。カードは通帳さえあれば再発行は難しくない。問題は冷蔵庫──というか朝ご飯だった。夏休みの補習、なんて言ってもどうせ能力開発の補習なんて錠剤メトセリン粉薬エルブラーゼを飲むに決まってる。流石さすがに空腹はまずかろう。

上条搔着头环视自己的房间。提款卡只要有存折就可以补办,但麻烦的是冰箱。而当下最迫切的问题,就是早餐要怎么解决?反正暑假的补课,还不就是那些能力开发课程,一定会被迫吃些药锭药粉之类的,空着肚子吃那些东西的感觉一定不好受。

学校行く途中にコンビニ寄るかー、と上条はパジャマ代わりのTシャツを脱いで夏服に着替える。バカ学生の例に洩れず夏休みを迎えて無意味に徹夜アッパー系モードになっていた上条の頭は寝不足で軋んだ痛みを発していたが、まぁ一学期丸々四ヶ月分のサボりを一週間ぐらいで巻き返せるなら安い買い物かなー、と無理矢理なポジティブ思考へ持ち込んでいく。

唉,去学校的路上再到便利商店买点东西好了。上条这么想着,脱掉用来当作睡衣的T恤,穿上夏季制服。如同全国的无脑学生一样,上条也用了嗑药般的彻夜玩乐方式,来迎接暑假第一天的到来,如今正因为睡眠不足而头疼。「一个学期整整四个月份的跷课,只要用一个礼拜左右的暑假补课就能补回来,真是赚到了!」上条尽量往好处想。

「いーい天気だし、布団でも干しとくかなー」

「天气真好,晒个棉被吧——」

思わずそんな事を呟いてしまうぐらいに気持ちを持ち直すと、上条はベランダに繫がる網戸を開ける。補習が終わって帰ってくる頃には布団もふかふかになってる事だろう。

重新振作起开朗的心情,上条如此喃喃自语,打开了通往阳台的纱门。现在拿出去晒,等到补课回来,棉被一定变得香香软软的了。

と。七階のベランダ、そこから二メートルもない先に隣のビル壁が迫っていた。

嗯,不过再看仔细一点吧,这个位于七楼的阳台,两公尺远的前方就是隔壁栋的墙壁。

「空はこんなに青いのにお先は真っ暗♪」

「天空为什么这么蓝~前途为什么这么灰暗~」

激しく鬱。無理して明るく言ったのが思いっきり逆効果だった。

好忧郁。本来是想让自己开朗才决定晒棉被的,现在反而让自己更忧郁了。

ツッコミを入れてくれる人がいない孤独感にさいなまれつつ、ベッドの上の布団を両手で抱える。せめてこれをふかふかにせねば死んでも死にきれん、とか思っていると、足の裏がぐにゅっと柔らかいモノを踏んづけた。見れば透明なラップでくるんだヤキソバパンだった。例の絶滅冷蔵庫の中に突っ込んでいたモノなので、きっとすっぱくなってるだろう。

加上一个人在搞笑,旁边甚至连个帮忙吐槽的人都没有,那种孤独感真是无可言喻。但是,上条还是将床上的棉被抱了起来。如果连晒个棉被都做不到,真的是死不瞑目了。就在这时,上条脚底突然踩到一个柔软的东西。仔细一看,原来是包在透明塑胶袋里面的炒面面包。由于是从冰箱里面拿出来的,现在一定也酸掉了吧。

「……つか、いきなり夕立とか降ったりしねーだろーな」

「……等一会儿该不会突然下雨吧?」

そこはかとなく嫌な予感を口に出しつつ、上条は開いた網戸からベランダに向かい、

心中那股不好的预感不知不觉脱口而出,但是上条还是带着棉被穿过纱门走向阳台。

と、すでに白い布団が干してあるのが見えた。

这时上条才发现,阳台上已经晒了一条棉被。

「?」

学生寮と言っても造りはまんまワンルームマンションなので、上条は一人暮らしだ。なので、この部屋でベランダの手すりに布団を引っ掛けるような人物は上条当麻以外に存在しない。

这里虽然是学生宿舍,但是构造跟一般的套房公寓没什么两样,而上条住的是单人房。也就是说,会在这个房间的阳台的栏杆上晒棉被的,除了上条当麻以外不会有第二个人。

なので、よくよく見れば布団なんて干してなかった。

再仔细一看,原来晒在那里的不是棉被。


干してあったのは白い服を着た女の子だった。

晒在那里的,是个身穿白衣的女孩子。


「はぁ!?」

「啊?」

両手で抱えていた布団がばさりと落ちた。

原本抱在手中的棉被掉到地上。

謎だ。しかも意味不明だ。女の子は、なんか鉄棒の上でぐったりバテてる2みたいに、腰の辺りにベランダの手すりを押し付け、体を折り曲げて両手両足をだらりと真下に下げている。

真是诡异,而且一整个莫名其妙。女孩简直就像是昏倒在栏杆上似的,腰部靠着阳台的栏杆,身体弯成两半,双手双脚都垂了下来。

歳としは……十四か、十五か。上条より一つ二つ年下という感じ。外国人らしく、肌は純白で髪の毛も白髪──じゃなくて銀髪だろう。かなり長いらしく、逆さになった頭を完全に覆い隠して顔が見えないぐらいだった。おそらく腰ぐらいまで伸びてるんじゃないだろうか?

年纪大概……十四或十五岁吧?感觉应该比上条年轻个一两岁。似乎是个外国人,不但皮肤非常白,连头发也是白的……不对,头发是银色的。由于头发非常长,身体上半身又是倒的,所以头整个被头发盖住了,看不到脸。如果站起身来,头发应该可以到腰部吧?

そして服装は、

而穿的衣服则是……

「うわ、本物のシスターさんだ……、いや妹ではなく」

「哇,我还是第一次看到真正的修女SISTER……不,不是指妹妹啦。」

修道服? とでも言うのか。教会のシスターが着てそうなアレだ。足首まである長いワンピースに見えなくもない服に、頭には帽子とはちょっと違う、一枚布のフード。ただし、一般の修道服が『漆黒』であるのに対し、女の子のそれは『純白』だった。おそらくシルクじゃないだろうか? さらに衣服の要所要所にはきんの刺繡が織り込まれている。同じデザインの服でも色づけカラーリングが違うだけでこうもイメージが変わるのかと思う。これじゃまるで成金趣味のティーカップみたいだった。

这种衣服叫什么来着?修道服?反正就是教会修女穿的那种衣服。看起来就像是一件长度到达脚踝的连身洋装,但是头上的帽子却有别于一般,是用一块布包起来的。但是一般修道服应该是黑色的,而这个少女身上穿的修道服却是纯白的。质料应该是丝质吧,再加上修道服的每个角落都有金色的刺绣,所以即使是同样剪裁的衣服,看起来的感觉就跟一般修道服完全不同。简直就像是暴发户最喜欢的那种画了金线的西式茶杯。

ピクン、と女の子の綺麗な指先が動いた。

忽然,少女那美丽的手指抖了一下。

だらりと下がった首が、ゆらりと上がる。絹糸のような銀髪がサラリと左右に別れ、上条の方を向いた少女の顔が長い長い髪の隙間から、カーテンでも開くように現れる。

原本垂着的脑袋,慢慢地升了上来。像丝一般的银色长发自然地往两侧分开,就像拉开窗帘一样,少女的脸孔出现在上条眼前。

(うわっうわっ……ッ!)

(呜……哇啊……!)

女の子は割と可愛らしい顔をしていた。白い肌に緑色の瞳が海外スキルゼロの上条にとっては新鮮に映って、何だかお人形めいた印象がある。

这女孩的长相还满可爱的。白色的肌肤配上绿色的眼睛,让从来没出过国的上条感到非常新鲜,看起来就像是个洋娃娃似的。

だが、上条がうろたえてるのはそんな事ではない。

但是,让上条开始慌张的理由却不是因为她长得可爱。

そもそも『外国人』だ。英語教師に『お前は一生こくしてろ』とまで言われる上条当麻である。どこの国のお人か分からない人にいきなりまくしたてられたら、きっと思わず羽毛布団だって買ってしまうだろう。

而是因为她是「外国人」。上条的英语实力,曾经被英语老师下了一个评论:「你就锁国一辈子吧!」如果这个不知道是哪国人士的美少女是个推销员,不管她卖的是是羽绒被还是什么玩意,上条大概都会不由自主地掏出钱包吧。

「ォ、───────」

「我………………」

女の子の、可愛らしいけどちょっと乾いた唇がゆっくりと動いた。

少女那有点干燥的可爱嘴唇,缓缓地吐出话来。

思わず上条はそのまま後ろへ一歩二歩。ぐにゅっと床に落ちたヤキソバパンを踏み潰す。

上条不由自主地往后退了两步,再次踏在炒面面包上。


「おなかへった」

「我肚子饿了。」


「…………………………………………………………………………………………………………」

一瞬。上条は自分があまりにバカだから外国語を勝手に日本語に置き換えたのかと思った。歌詞を知らない歌にトンデモない歌詞をつけてしまうバカ小学生のごとく。

有一瞬间,上条以为是自己太蠢,把对方说的外国话听成日语了。就像听不懂歌词,就自己随便乱唱的呆瓜小学生一样。

「おなかへった」

「肚子饿了。」

「……、」

「おなかへった」

「肚子饿了。」

「…………、」

おなかへった、って言ってるんだよ?」

「我说……我肚子饿了……」

いつまでも固まっている上条に、ちょっぴりムッとしたように銀髪の少女は言った。

看着一直维持僵硬状态的上条,银发少女似乎在表达自己的不满。

もうダメだ。ダメに決まってる。こんなの、こんなのは日本語以外に聞こえない。

这下没救了,真的没救了。为什么怎么听都觉得她在说日语?

「ぁぅ、えっと?」ベランダに干してある女の子を眺めながら、「ナニ? ひょっとして、アナタはこの状況で自分は行き倒れですとかおっしゃりやがるつもりでせう?」

「啊……呃……」上条凝视着晒在栏杆上的少女说道:「怎么回事?难不成你打算告诉我,你是路过这里不支倒地的路人甲?」

「倒れ死に、とも言う」

「也可以说是挂点。」

「……」超日本語ぺらぺら少女だった。

「…………」这少女的日语还真溜。

「おなかいっぱいご飯を食べさせてくれると嬉しいな」

「如果你能够让我饱餐一顿,我会很感激你。」

上条は足元でぐにゅぐにゅ言ってる、ラップでくるんだすっぱそうなヤキソバパンを見る。

上条看了一眼脚下,那块被自己踩烂的酸臭炒面面包。

コレが一体何なのかは分からないが、何にしてもお関わりにならない方が良いに決まってる。この子には遠い所で幸せになってもらおう、とラップにくるんだままの潰れたヤキソバパンを少女の口元へと突きつける。まぁいくら何でもこのすっぱい匂いを嗅いだら逃げるだろ、京都ではお茶漬けを出すと『もう帰れ』って意味になるらしいしとか思っていると、

他决定不管这个女的是什么来路,总之别跟她有任何牵连。上条胡思乱想着:就让她到远方过幸福快乐的生活吧,他把扁掉的炒面面包连塑胶袋一起递到少女嘴边。上条心想:闻到这种味道,再怎样的怪人一定也会逃之夭夭吧?就像在京都,如果主人拿出茶泡饭就代表「送客」——

「ありがとう、そしていただきます」

「谢谢你。我要开动了。」

がっつりラップごと喰われた。ついでに言うと上条の腕ごと。

炒面面包就这么被大口大口的咬着。包含塑胶袋,以及上条的手掌。

こうして、今日も上条の一日は悲鳴と共に不幸から始まっていく。

就这样,上条今天也在不幸的哀号中,开始了一天的生活。

2#

「まずは自己紹介をしなくちゃいけないね」

「首先请容我自我介绍。」

「……ぃゃ、まずは何であんなトコに干してあったのか────」

「……你不如先解释为什么会挂在我家阳台吧——」

「私の名前はね、インデックスって言うんだよ?」

「我的名字叫茵蒂克丝INDEX。」

「誰がどう聞いても偽名じゃねーか! 大体何だインデックスって! 『目次』かお前は!」

「最好有人会相信这是真名啦!什么茵蒂克丝啊?那我是不是干脆叫你『目录』比较快?」

「見ての通り教会の者です、ここ重要。あ、バチカンの方じゃなくてイギリス清教せいきょうの方だね」

「如你所见,我是个神职人员。啊,这里是重点哟。不是梵蒂冈体系,而是英国清教那边的。」

「意味分かんねーしこっちの質問は無視かよ!?」

「我听不懂那是啥玩意啦,还有不要逃避我的问题!」

「うーん、禁書目録インデツクスの事なんだけど。あ、魔法名ならDedicatus3545だね」

「嗯……关于禁书目录的事情有点难解释耶。啊,我的魔法名是 Dedicatus545。」

「もしもし? もしもーし? 一体ナニ星人と通話中ですかこの電波はー?」

「喂?喂喂?请问我这会儿是在接收哪个星人的电波啊?」

聞く耳持たない上条が小指で耳をほじっているとインデックスはガジガジと自分の親指の爪を嚙み始めた。癖、なんだろうか?

看着上条不屑地开始用小指头挖耳朵,茵蒂克丝咬着自己的姆指指甲。看来咬指甲是她的习惯动作。

一体どうしてガラステーブルを挟んでお見合いよろしく正座で向かい合ってんだろうと思う。

我干嘛要跟这种人围着玻璃矮桌面对面,正襟危坐搞得跟相亲一样?

上条としてはもうそろそろ学校へ行かないと夏休みの補習に間に合わない訳だが、かと言ってこんな得体の知れない人間を部屋の中に残していく訳にもいかない。しかも最悪な事に、インデックスと名乗るこの不思議ギンパツ女の子は床をゴロゴロしちゃうぐらいこの部屋を気に入ってしまったらしい。

现在的时间,上条差不多该准备去学校参加暑假补课了,但是他又不想把这个莫名其妙的银发女生就这么留在自己房里。而且最糟糕的是,这个自称叫茵蒂克丝的银发少女,好像还很喜欢这个房间,一副想要躺下来打滚的神情。

まさかこれも上条の『不幸』が呼んできたんだろうか? だとすれば嫌すぎる。

难道这也是上条所召唤来的「不幸」?如果是的话,那真是够不妙的。

「それでね、このインデックスにおなかいっぱいご飯を食べさせてくれると私は嬉しいな」

「所以,如果你能让我茵蒂克丝吃得饱饱的,我会非常感激你。」

「何でだよ! ここでお前の好感度パラメータ上げてどーするよ? 変なフラグが立ってインデックスルートに直行なんて俺ぁ死んでも嫌だからな!!」

「我干嘛要那样做?我增加你的好感度有什么好处?要是因此触发了奇怪的条件,开始进入『茵蒂克丝路线』的话,还不如砍掉重练算了!」

「えっと……流行語スラング、なの? ゴメンなさい。何を言ってるのか分からないかも」

「呃……请问这是流行语吗?对不起,我好像听不懂你在说什么。」

流石は外国人、日本の戦略物資オタクぶんかにはご理解がないらしい。

不愧是外国人,不懂日本的宅男文化。

「けど、このまま外に出たらドアから三歩で行き倒れるよ?」

「可是如果你把我赶出去的话,我大概走个三步又会不支倒地啰?」少女说。

「……いや、行き倒れるよ? じゃなくて」

「……不支倒地?那关我屁事。」

「そしたら最後の力を振り絞ってダイイングメッセージを残すね。君の似顔絵つきで」

「到时候我会用最后的力气写下遗书,包括一幅你的画像。」

「なん……ッ」

「什么……?」

「仮に誰だれかに助け出されたら、そこの部屋に監禁されてこんなにやつれるまでいじめ倒されたって言っちゃうかも。……こんなコスプレ趣味を押し付けられたとも言う」

「如果我被人救起的话,我可能会说自己是被监禁在这个房间里,还被折磨得不成人形……连这身奇怪的变装,我都会说是你逼我穿的。」

「言っちゃうかもじゃねえよ! ってかオマエ実は相当詳しいだろこっちの世界オタクぶんか!」

「你竟敢威胁我!其实你很懂宅男文化吧!」

「?」

初めて鏡を見た子猫みたいに小さく首を傾げられた。

茵蒂克丝歪着头露出疑惑的表情,好像第一次看到镜子的小猫咪。

悔しい、とぼけられた。何だか自分一人だけひどく汚れてしまった気分。

真是败给她了。怎么有种只有自己是下流胚子的感觉?

やるよ、やってるよーっ! と上条はドカドカ台所へ向かう。どうせ冷蔵庫の中は全滅で生ゴミしか存在しない。こんなモン食わせた所で上条のサイフは痛まない。熱を通せば大丈夫だろ、と。とりあえずフライパンに残り物を全部ぶち込んで野菜いため風にしてしまう。

你等着!想吃是不是!上条怒气冲冲地走向厨房。反正冰箱里面那些东西现在都臭掉了,把那些东西都塞给她吃,对上条的荷包而言也不痛不痒。于是上条把剩下的食物都丢进平底锅,像炒青菜一样整锅炒了起来。反正加热之后,吃下去大概不至于死人吧?

そう言えばこの子はどこからやってきたんだろう?

话说回来,这女孩到底是从哪里来的?

もちろん学園都市の中にだって外国人はいる。が、どうにも『住人』特有の『匂い』がしないのだ。かと言って、外からやってきたというのも妙な話だと思う。

学园都市里面当然也是有外国人,但是这个女孩并没有这里的居民所特有的一种「感觉」。但是若说她是从外地来的,那也很奇怪。

学園都市は扱いとして『何百もの学校を集めた街』だが、ニュアンスとしては『街サイズの全寮制の学校』と思ってもらえれば良い。東京の三分の一を占める広さであるが、一応万里の長城みたいに壁で覆われている。刑務所のような厳重なものではないが、何となくでふらふらと迷い込んでしまう、というような所ではないはずだ。

学园都市在表面上虽然打的口号是「聚集数百所学校的城市」,但在实际运作上却比较像是「一大间到处都是学生宿舍的学校」。范围可以涵盖东京的三分之一,外围有如同万里长城的墙壁所包围,虽然比不上监狱那么森严,但是要随随便便就进来倒也没那么容易。

……と、見せかけておいて、実は工業大学が実験目的で打ち上げた三基の人工衛星が街に絶えず監視の目を光らせている。街の内外の人の出入りは完全に走査スキヤンされ、ゲートの記録と一致しない不審な人影の元には即座に警備員アンチスキルや各学校の風紀委員ジヤツジメントが向かうはずだが……。

看起来似乎没什么在管制进出,其实工业大学以实验目的为幌子,打上天空的三具人造卫星却无时无刻不在监视整座城市。所有进出的人都会被追踪调查,只要发现城市里出现跟大门进出纪录不一致的可疑人物,警卫跟各学校的风纪委员马上就会出动……

けど昨日はビリビリ女が雷雲を呼んだし、それで衛星の目を逃れたのかも、と上条は思う。

不过,或许是因为昨天那个放电少女引来乌云落雷,所以人造卫星才没发现这个女孩闯进来吧?上条心想。

「でさー、何だってお前はベランダに干してあった訳?」

「对了,为什么你会晾在我家阳台的栏杆上?」

悪意満々の野菜炒め風にしょう油をぶち込みながら上条は少女に向かって言ってみる。

上条将酱油不断倒进那充满恶意的大锅菜里面,向少女发问。

「干してあった訳じゃないんだよ?」

「我不是晾在那边。」

「じゃあ何なんだよ? 風に流されて引っかかってたんかお前」

「那不然是怎样?别跟我说你是随风飘啊飘的就挂在那儿了。」

「……、似たようなモノかも」

「……情况好像有点像。」

冗談のつもりで言った上条は、フライパンを止めて思わず少女の方を振り返った。

原本只是说笑的上条,不自觉地转头望向少女。

「落ちたんだよ。ホントは屋上から屋上へ飛び移るつもりだったんだけど」

「我本来想从那一幢的屋顶跳到这一幢的屋顶,结果掉下来了。」

屋上? と上条は天井を見る。

屋顶?上条看了一下天花板。

この辺りは安い学生寮が建ち並ぶ一角だ。八階建ての同じようなビルがずらっと並んでいて、ベランダを見れば分かる通りビルとビルの隙間は二メートルぐらいしかない。確かに、走り幅跳びの要領で屋上から屋上へ飛び移る事もできるとは思うが……。

这里是廉价学生宿舍丛聚的一个小角落,长得一模一样的八层楼高宿舍整齐排列。光看阳台就可以知道,建筑物之间的距离只有不到两公尺。想要以助跑跳远方式从那个屋顶跳到这个屋顶,的确并非不可能的事。不过……

「でも、八階だぜ? 一歩間違えば地獄行きじゃねーか」

「真的假的?屋顶可是八层楼高耶?一个不小心你就得准备投胎了!」

「うん、自殺者にはお墓も立てられないもんね」インデックスは良く分からない事を言って、「けど、仕方なかったんだよ。あの時はああする他に逃げ道がなかったんだし」

「嗯,自杀的人连坟墓都不能有呢。」茵蒂克丝给了一个莫名其妙的回答,接着又说:「可是没办法,那时候我想逃命只有这样做了。」

「逃げ、道?」

「逃……命?」

不穏な言葉に上条は思わず眉まゆをひそめると、インデックスは子供のように「うん」と言って、

听到这个充满危险讯息的字眼,上条不禁皱了眉头。但是茵蒂克丝却像小孩子一样「嗯」了一声,继续说:


「追われてたからね」

「有人在追杀我。」


「……、」

熱したフライパンを揺する手が、思わず止まった。

摇晃着平底锅的手,不由自主地停了下来。

「ホントはちゃんと飛び移れるはずだったんだけど、飛んでる最中に背中を撃たれてね」

「其实本来能跳得过去,但是跳到一半的时候背后被击中了。」

インデックスと名乗る女の子は、笑っているみたいだった。

自称茵蒂克丝的少女,似乎笑了一下。

「ゴメンね。落っこちて途中で引っかかっちゃったみたい」

「结果就往下掉,挂在你家栏杆上了。真是对不起。」

自嘲でも皮肉でもなく、ただ上条当麻に対して微笑みかけるために。

既非自嘲亦非讽刺,她只是对着上条当麻单纯的微笑。

「撃たれたって……、」

「被击中……?」

「うん? ああ、傷なら心配ないよ。この服、一応『防御結界』の役割もあるからね」

「嗯?啊……不用担心我的伤势啦,这件衣服有『防御结界』的效果哦。」

『防御結界』って何だろう? 防弾チョッキ?

「防御结界」又是什么?是防弹背心吗?

新しい服を見せびらかすように回転する少女は、確かに怪我人には見えない。て言うか、ホントに『撃たれた』のだろうか? 何もかも虚言妄想ウソっぱちの方が現実味があると思う。

少女转了一圈,像在炫耀自己新买的衣服似的,看起来的确不像受伤的样子。但是,她真的被「击中」过吗?若说这一切都是她的幻想,说不定可信度还更高。

けれど、

可是……

この少女は、確かに七階のベランダに引っかかっていた事だけは本当なのだ。

至少有一点是确定的,那就是她真的挂在我家七楼的阳台栏杆上。

もし、仮に、この少女の言う事が全部本当の事だったら、

如果……这少女所说的都是真的呢?

彼女は一体『誰に』撃たれたって言うんだろう?

到底是「谁」攻击了她?

上条は、考える。

上条开始思考。

八階建ての屋上から屋上へ飛ぶ、という事にどれだけの覚悟が必要なのかを。七階のベランダに運良く引っかかっていた、という事実を。行き倒れ、という言葉の裏を。

从八层楼高的建筑物屋顶跳到另一个屋顶,需要多大的勇气?能够挂在七楼的阳台,是多么的幸运?不支倒地,代表了多少的涵义?

追われていたからね、と。

「因为有人在追杀我」。

そう言って微笑む、インデックスの作る表情の意味を。

笑着这么说的茵蒂克丝,她的表情背后又蕴含了多少复杂的故事?

上条はインデックスの事情を知らないし、断片的な言葉の意味も良く分からない。おそらくインデックスが一から十まで説明したって半分も理解できないだろうし、もう半分だって理解してやろうと思う事さえできないかもしれない。

上条对茵蒂克丝的事情完全不了解,对于她说的那些话,也是听不太懂。而且就算茵蒂克丝从头到尾详细跟他解释,他也大概连一半都无法理解。甚至也不会想去理解不懂的另外一半。

だけど、たった一つの現実リアル

但是,上条理解到一个事实。

七階のベランダに引っかかっていたという、一歩間違えばアスファルトに叩きつけられていたという現実だけは、胸を締め付けるように理解する事ができた。

那就是她挂在七楼阳台的这个事实。一个弄不好,她可能会摔在柏油路上的这个事实。这个事实,让上条牵挂不已。

「ごはん」

「饭……」

と、上条の後ろからにゅっとインデックスの顔が伸びてきた。日本語は使えてもハシには慣れてないのか、スプーンみたいにグーで握ってフライパンの中をわくわくと眺めている。

茵蒂克丝的脸从上条的身后探了过来。她手上以握拳的方式握着筷子。看来她虽然日语讲得流利,筷子却还不会用。她兴奋地看着平底锅,

たとえるなら、雨に濡ぬれた段ボールから拾い上げられた子猫みたいな目。

那种眼神简直就像是在下雨天,从湿掉的瓦愣纸箱中抱出来的小猫咪眼神。

「……………………………………………………………………………………………………、ぁ」

で。フライパンの中には生ゴミ同然の食材をぶっ込んだ野菜炒めモドキ(有毒)。

平底锅里,是用了跟垃圾没两样的食材所做出来的「炒青菜(有毒)」。

何か。この空腹少女を前に、上条の中に渦巻くエンジェル上条(普段はデビル上条とワンセット)がものすごい勢いで身悶えているのが分かった。

看着这个饥饿的少女,上条可以感觉到自己的身体里面,天使上条(平常都跟恶魔上条一起出现)正在痛苦挣扎。

「ぁ、あーっ! け、っけどアレだ! そんなにお腹すいてるならこんな残り物ぶっ込んだいかにも不味まずそうな男料理じゃなくてキチンとファミレス行こう! 何なら出前でもいいし!」

「啊……呃……我……我说啊,既然你肚子那么饿,就别吃这种男生用剩菜煮出来的难吃东西了,不如我们去大众餐厅吧!或是叫外送也行!」

「そんなに待てないよ?」

「人家等不及了啦……」

「……ぁ、かっ!」

「……啊……呜……」

「それに、不味そうなんかじゃないよ。私のために無償で作ってくれたご飯だもん。美味おいしくないはずがないんだよ?」

「而且看起来不难吃啊。这是你不求回报为了我而做的料理,一定很好吃的。」

こういう時だけシスターさんっぽくにっこりキラキラ微笑みやがった。

这时的茵蒂克丝真的就像个修女,发出闪耀的微笑。

ギリギリと胃袋を雑巾ぞうきん絞りされるような苦痛に襲われる上条をよそに、インデックスはグーで握ったハシでフライパンの中身をすくって口に運んでしまう。

毫不理会整个胃袋正在翻滚的上条,茵蒂克丝握着拳头,用筷子捞起了平底锅内的食物送进嘴里。

ぱくぱく。

嚼啊嚼。

「ほら、やっぱり不味くなんかない」

「看,果然不难吃。」

「……ぁ、そですか」

「……真……真的吗?」

もぐもぐ。

嚼啊嚼。

「あれだよね、さりげなく疲労回復のためにすっぱい味付けしてる所がにくいよね」

「你好体贴喔,为了帮助我消除疲劳,故意弄得比较酸吧?」

「げっ! すっぱ!?」

「咦?呃……酸……酸吗……」

がつがつ。

嚼啊嚼。

「うん、だけどすっぱいの平気。ありがとうね、何だか君、お兄さんみたいだね」

「别担心,我敢吃酸的。谢谢你。你好像我哥哥喔。」

にっこり笑顔だった。ほっぺたにモヤシがくっつくほどの純心な食いっぷりだった。

灿烂的笑容。茵蒂克丝专心地吃着,脸颊上还沾着豆芽菜。

「……ぐ、……ぅ、ぅ、ぅぅぉぉおおおおおおおおぁぁぁあああああああああ!」

「……唔……呜呜……呜呜喔喔喔喔喔喔喔啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!」

グバァ!! と上条は音速でフライパンを取り上げる。ものすごく不満そうな顔をするインデックスに、地獄には俺が一人で落ちると上条は心に誓う。

上条急忙用音速把平底锅举高。他看着一脸不满表情的茵蒂克丝,心里想着:地狱我一个人去就行了。

「君もおなかへってるの?」

「你也肚子饿了吗?」

「……、は?」

「……啊?」

「そうじゃないなら、おあずけなんかしないで食べさせて欲しいかも」

「如果你肚子不饿的话,能不能把这些菜都给我吃?我等不及了……」

ちょっぴり上目遣いでハシの先をガジガジ嚙むインデックスを見て、上条は悟りを開いた。

茵蒂克丝的眼神由下往上看着上条,嘴里咬着筷子的前端。看着露出这种神情的茵蒂克丝,上条下了一个决心。

神様は言う、責任持ってお前が食え。

这是神的旨意。自己搞出来的东西自己就得负责吃掉。

不幸がどうのという問題ではなく、完璧に自業自得だった。

这回跟是否不幸完全无关,纯属自作自受。

3#

上条当麻は、口の中いっぱいに熱した生ゴミを詰め込んでにっこり微笑んでいた。

上条当麻把那些热热的「垃圾」都塞进嘴里,面露微笑。

インデックスと名乗る少女は、むーっと文句を言いたそうな顔でビスケットをガジガジと嚙んでいた。小さなビスケットを両手で持っているため、どこかリスみたいな感じがする。

自称茵蒂克丝的少女,则是露出不满的表情,啃着饼干。由于她是用两手拿着饼干在啃,看起来就像只松鼠。

「───で、追われてるって。お前一体ナニに追われてる訳?」

「……对了,你说有人在追杀你,到底追你的人是谁啊?」

はんから帰ってきた上条は、とりあえず一番のネックを聞いてみた。

好不容易从地狱回来的上条,开口就问了最重要的一个关键问题。

いくら何でも、出会って三〇分も経たない女の子に地獄の底までついていく、とまでは思えない。かと言って、このまま何もなかった事にするのは、おそらく無理だ。

当然,上条并不打算去为一个才认识三十分钟的女生淌这趟浑水。但是事到如今,要完全装作局外人,似乎已经办不到了。

結局は偽善使いフオツクスワードだよな、と上条は思う。何の解決にならないって知っていても、とりあえず『何かをやった』というなぐさめが欲しいだけなのだ。

反正就假好心一下吧,上条心想。虽然无法帮她解决任何问题,但至少自己可以说服自己「我尽力了」。

「うん……、」ちょっと喉が渇いたような声で、「何だろうね? 薔薇十字ローゼンクロイツ黄金夜明S∴M∴か。その手の集団だとは思うんだけど、名前までは分からないかも。……連中、名前に意味を見出すような人達じゃないから」

「嗯……」少女用似乎有点口渴的声音说:「我也不知道。或许是『蔷薇十字』或是『黄金黎明』吧。虽然猜得到是那些组织,但是我不知道那些人的名字……而且名字对他们来说也没意义。」

「連中?」

「他们?」

上条は神妙に聞く。という事は、相手は集団で、組織だ。

上条一头雾水地重复着。对手是集团,是组织?

うん、と当の追われるインデックスの方がかえって冷静な風に、

但是被追赶的茵蒂克丝本人却是非常的冷静,「嗯」了一声之后说道:


「魔術結社だよ」

「他们是魔法结社。」


…………………………………………………………………………………………………………。

「はぁ。まじゅつって……、はぁ なんじゃそりゃあ!! ありえねえっ!!」

「啥?魔法……?呃……那是什么玩意?我有没有听错?」

「は、え、アレ? あ、あの、日本語がおかしかった、の? 魔術マジツクだよ、魔術結社マジツクキヤバル

「啊……咦……?呃……我说的日语很奇怪吗?我的意思是 MAGIC!MAGIC CABAL!」

「……、」英語で言われるとさらに分からなかった。「なに、なーに? それって得体の知れない新興宗教が『教祖サマを信じない人には天罰が下るのでせう』とか言ってお薬LSD飲ませて洗脳したりする危ない機関の事? いやいろんな意味で危険なんだが」

「……」被她用英语一解释,上条更迷糊了:「那是啥鬼玩意啊?你说的是那种神秘的新兴宗教,打着『不信奉教祖的人会遭天谴』的教义,让别人吃奇怪的药然后加以洗脑的组织?那听起来还真是有够危险咧。」

「……、そこはかとなく馬鹿にしてるね?」

「……你有点取笑的意思吧?」

「あー」

「呃……」

「……、そこはかとなく馬鹿にしてるね?」

「……你有点取笑的意思吧?」

「────。ゴメン、無理だ。魔術は無理だよ。俺も発火能力パイロキネシス4とか透視能力クレアボヤンス5とか色々『異能の力』は知ってるけど、魔術は無理だ」

「——抱歉啦,我办不到。要我相信魔法的存在实在是办不到。虽然我对引火能力、透视能力之类的『异能之力』很熟悉,但是讲到魔法,我真的无法相信。」

「……?」

インデックスは小さく首を傾げた。

茵蒂克丝歪着脑袋思考着。

おそらく科学万能主義の常識人なら『世の中に不思議な事なんて何もないっ!』と否定されると思っていたんだろう。

如果是个拥抱科学万能主义的一般人,这时候一定会大喊:「世界上没有科学无法证实的东西!」

だけど、上条の右手には『異能の力』が宿っている。

但是,上条的右手却真的存在着某种「异能之力」。

幻想殺しイマジンブレイカーと名乗る、それが常識の外にある『異能の力』であるならば、たとえ神話に出てくる神様の奇跡システムでさえも一撃で打ち消す事のできる力を。

只要拥有这种名为「幻想杀手Imagine-Breaker」的超常「异能之力」,即使是只在神话中出现的神迹,也会完全化于无形。

学園都市こっちじゃ超能力なんて珍しくもねーんだ。人間の脳なんざ静脈にエスペリン打って首に電極貼り付けて、イヤホンでリズム刻めば誰だって回線開いて『開発』できちまう。一切合財が科学で説明できちまうんじゃ誰だって認めて当然だろ?」

「在这座学园都市里,超能力并不稀奇。只要把药打进静脉,脖子上通电流,耳朵听着耳机的特殊节奏,任何人的脑袋都可以『开发』。一切都可以用科学来解释,谁又能不承认它的存在?」

「……よくわかんない」

「……你说的我不太能理解耶。」

「当然なの! 当然なんだよ当然なんです三段活用!」

「不用懂!总而言之,超能力是货真价实理所当然的!」

「……。じゃあ、魔術は? 魔術だって当然だよ?」

「……那魔法为什么不行?魔法也是理所当然的啊?」

むすっと。お前んのペットは駄ネコだとか言われたように、インデックスはふてくされた。

茵蒂克丝一脸不满的表情,那种感觉就像是被人家批评你家的宠物只是只杂种猫一样。

「えーっと。例えばジャンケンってあるだろ? ってか、ジャンケンって世界共通?」

「呃……我这么说好了,你知道猜拳吗?咦,等等,猜拳是世界共通的文化吗?」

「……、日本文化だと思うけど、知ってる」

「……应该是日本文化吧,不过我知道。」

「じゃあジャンケンを一〇回やって一〇回連続負けた。そこになんか理由があると思うか?」

「假设连续猜拳十次就连输十次,你觉得这会有理由吗?」

「…………、む」

「……唔……」

ないよな丶丶丶丶? けど、そこになんかあるって考えちまう丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶のが人間なのさ」上条はつまらなそうに、「自分がこんな連続で負けるはずがない。そこにはきっと見えない法則ルールがあるはずだ。そんな風に考える人間の頭ん中に、例えば『星占い』を混ぜたらどうなっちまう?」

「当然是没有理由,对吧?但是人类就会以为是有一股力量在操纵!」上条用充满无趣的口吻说着:「一般人都会觉得自己怎么可能那么倒楣,这之中一定有种看不见的法则存在。而当一个人这么想之后,假如再混进了『占星』的要素,那会怎么样?」

「………………、巨蟹宮カニざのあなたはついてないから勝負はやめておけ、とか?」

「…………例如说,『你是巨蟹座,现在运势不好,还是别赌了吧!』之类的对吧?」

「そ。ウチらの間じゃ、非現実オカルトの正体はソレなんだ。運とかツキとか、見えない歯車ルールを夢見る瞬間。ただの偶然なんてちっぽけな現実を、エライ必然と勘違いする心。それが、非現実オカルトさ」

「在我们生活周遭的『魔法、神秘力量』之类的东西,其实就是这么产生的。人们想象自己的运势有种看不见的法则,把一些偶然发生的琐事当成命中注定,这就是『魔法』。」

インデックスはしばらく不機嫌なネコみたいにむすーっとしていたが、

茵蒂克丝就像心情不高兴的猫一般嘟着嘴巴,好一阵子才说:

「……頭ごなしに否定するって訳でもないんだね」

「……看来你也不是毫无理由的不相信。」

「ああ。だからこそ丶丶丶丶丶真剣に考えてるからこそ丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶、カビ臭い昔話はダメなんだ。絵本に出てくる魔術師なんて信じられない。MP消費で死人が復活するってんなら誰も育脳かいはつなんかやんねーしな。まったくもって『科学ゲンジツ』と無関係な代物オカルトは、やっぱり俺でも信じらんねーよ」

「是啊。但是,就是因为认真思考过,所以才无法相信那些荒谬的说词。谁能相信童话故事书里面的魔法师真的存在?如果花费 MP 就可以让死人复活,谁还玩超能力开发?完全没有科学根据的『魔法』要我怎么相信?」

超能力なんて代物が『不思議』に見えてしまうのは、人間が単にバカだからで

至于那些不相信「超能力」的存在的人,则只是群笨蛋而已。

本当は、やっぱり超能力さえ『科学』で説明できてしまうというのが、ここでの常識なのだ。

在这座学园都市,「超能力」已经是种常识,可以用科学来合理解释。

「……、けど。魔術はあるもん」

「……可是,真的有魔法!」

むーっと口を尖らせながらインデックスは言う。おそらく、彼女にとっては心を支える柱のようなモノなんだろう、上条の『幻想殺し』と同じく。

茵蒂克丝嘟着嘴巴说道。或许,「魔法」对她而言已经如同心灵支柱,就像「幻想杀手」对上条的意义一样。

「まぁ良いけど。で、何でソイツらがお前を狙ってるって───」

「好啦,随便。那他们又为什么要追你——」

「魔術はあるもん」

「……是真的有魔法!」

「……、」

「魔術はあるもん!」

「真的有魔法!」

どうやら意地でも認めて欲しいみたいだった。

看来她无论如何都要上条承认这一点。

「じゃ、じゃあ魔術って何なんだよ。手から炎が出るのか、ウチPSY時間割りカリキユラム受けなくても出せんのかぁ? 何ならそこで一丁見せてくれよ。そしたら信じる事ができるかもしんないから」

「好吧,那你告诉我,魔法到底是什么?可以从手中放出火球吗?就算没有受过我们的超能力课程,也可以放出火球吗?你表演一下让我见识见识,那我可能就会相信吧。」

「魔力がないから、私には使えないの」

「我没有魔力,所以没办法使用魔法。」

「……、」

カメラがあると気が散るのでスプーンを曲げられません、というダメ能力者を見た気がした。

这跟那些说「摄影机会让我分心,所以没办法折弯汤匙」的冒牌超能力者有什么两样?

とはいえ、なんか複雑な気分であるのも事実だ。

话说回来,其实上条的内心也很复杂。

オカルトなんてない、魔術なんてありえないとか言っておきながら、実は上条は自分の右手に宿る『幻想殺しイマジンブレイカー』について何も知らない。それがどういう仕組みで、見えない所で何が働いているのか。能力開発においては世界最高峰である学園都市の『身体検査システムスキヤン』でさえ、上条の能力を見抜く事すらできずに『無能力レベル0』の烙印を押しているのだ。

虽然嘴上说绝不可能有魔法这种东西,但是其实上条对自己右手的能力「幻想杀手」的来龙去脉却也是完全不了解。到底是怎么办到的?在那看不见的空气中,到底有什么力量?即使是位居世界超能力开发最高峰的学园都市,也无法借由身体检查找出上条的这种「能力」,所以他才被贴上「等级零无能力者」的标签。

科学的な時間割りで後付けされたのではなく、生まれた時から右手に宿るこの力。

而且并非在接受符合科学原理的开发课程后才获得,而是右手与生俱来的能力。

この世に『不思議なものオカルト』なんて存在しない、と言っておきながら、自分自身こそが常識ルールを無視した『非現実オカルト』な存在であるという事実。

虽然他老说着「这世界上不可能有魔法」,但是自己却确实拥有超越常识的「非现实」力量。

……まぁ、だからと言って『世の中には不思議な事があるんだから、魔術だってあってもおかしくないよね♪』というハチャメチャ理論はやっぱり納得できないが。

……但是总不能因为如此,就作出「既然世界上真的有不可思议的力量,那魔法也说不定真的存在呢♪」这种毫无根据的结论吧。

「……魔術はあるもん」

「……真的有魔法!」

ハァ、と上条はため息をついた。

上条「唉」的一声,叹了一口气。

「じゃあ、仮に丶丶魔術なんてモノがあるとして、」

「好吧,假设有魔法好了,」上条说。

仮に丶丶?」

「假设?」

「あるとして、」上条は無視して続けた。「お前がそんな連中に狙われてる理由ってのは何なんだよ? その服装となんか関係あったりすんの?」

「假设有魔法好了,」上条无视她的插嘴继续说下去:「那你又是为什么被那些人所追赶?跟你的服装有关系吗?」

上条の言ってるのは、インデックスの着ている純白のシルク地に金糸の刺繡という超豪華な修道服の事だ。日本語に変換すると『宗教がらみ?』と言いたい。

上条指的,就是茵蒂克丝身上所穿的纯白丝质金线刺绣超豪华修道服。换个说法,其实就是在问「是否牵扯到宗教信仰」。

「……私は、禁書目録インデツクスだから」

「……因为我是禁书目录。」

「は?」

「啊?」

「私の持ってる、一〇万三〇〇〇冊の魔道書。きっと、それが連中の狙いだと思う」

「我想他们想要的,一定是我所拥有的十万三千本魔道书吧。」

…………………………………………………………………………………………………………。

「……まーたまた、良く分からない話になってきたんですが」

「……为什么我是愈听愈迷糊了?」

「だから、何で説明していくたびにやる気が死んでくの? もしかして飽きっぽい人?」

「为什么我愈说明你愈是一副不想理我的样子?你是个很容易不耐烦的人哦?」

「えっと、整理するけど。その『魔道書』ってのが何なのか良く分からないけど、とにかくそれって『本』なんだよな? 国語辞典みたいな」

「好吧,我来归纳一下好了。那个『魔道书』我不知道是啥玩意啦,不过是『书』没错吧?跟国语字典一样的东西?」

うん。エイボンの書6ソロモンの小さな鍵レメゲトン7、ネームレス、食人しょくじんさいしょ、死者の書。代表的なのはこういうのだけど。死霊術書ネクロノミコンは有名すぎるから亜流、しょが多くてアテにならないかも」

「嗯,哀邦之书、所罗门的小钥匙之书、无名之书、食人祭祀书、死者之书……有代表性的大概就这些吧。死灵术书因为太有名了,亚流与伪作非常多,或许可信度不高。」

「いや、本の中身はどうでも良いんだ」

「呃……我不管书的内容到底是什么啦……」

どうせラクガキだし、という言葉はぐっと飲み込んで、

上条硬是把后面要说的「反正还不是写些废话」这句话吞了回去。

「で、一〇万冊って──────どこに?」

「你说有十万本——在哪里?」

これだけは譲れない。一〇万冊なんて言ったら図書館一つ丸々レベルだ。

只有这一点,无论如何必须弄清楚。十万本书,都可以盖一间图书馆了。

「なに、どっかの倉庫のカギでも持ってるって意味なのか?」

「意思是说,你身上带着某间仓库的钥匙吗?」

「ううん」インデックスはふるふると首を横に振って、「ちゃんと一〇万三〇〇〇冊、一冊残らず持ってきてるよ?」

「不是,」茵蒂克丝摇摇头说:「十万三千本书,我现在都带着哟。」

は? と上条は眉をひそめて、

……什么?上条皱起眉头。

「……バカには見えない本とか言うんじゃねーだろーな?」

「……难不成你接下来要说,只有笨蛋看不见那些书?」

「バカじゃなくても見えないよ。勝手に見られると意味がないもの」

「就算不是笨蛋也看不见啦!要是被大家看见就没意义了。」

インデックスの言葉は飄々としていて、何故だか馬鹿にされた気分になる。上条は辺りを軽く見回す。魔道書、なんてカビ臭い本はやはり一冊もなく、床に散らばってるのはゲーム雑誌とマンガと部屋の隅にぶん投げた夏休みの宿題ぐらいだ。

茵蒂克丝的每一句话都让人摸不着边际,感觉好像自己在被她耍着玩似的。上条稍微往左右看了一下,哪有什么鬼魔道书,只有散落在地板上的游戏杂志、漫画、以及被丢到房间角落的暑假作业。

「……、うわぁ」

「……唉……」

今まで我慢して聞いてきたが、これ以上は無理だと上条は絶句する。

一直在忍耐的上条,现在终于忍不下去了。

ひょっとしたら『誰かに追われている』というのも単なる妄想なんじゃないだろうかと上条は思う。ただの妄想で八階建ての屋上からジャンプして、一人で勝手に失敗してベランダに引っかかったとしたら。そんな人間にはもう付き合いきれない。

说不定连「有人在追我」这件事,也只是她的妄想。如果是自己胡思乱想,结果真的从八层楼的屋顶跳出去,然后还跳失败结果卡在阳台上,这种人可千万别跟她有任何瓜葛。

「……超能力は信じるのに、魔術は信じないなんて変な話」むすっと、インデックスは口を尖らせて、「そんなに超能力って素晴らしいの? ちょっと特別な力を持ってるからって、人を小馬鹿にして良いはずがないんだよ」

「……相信有超能力,却不相信有魔法,这样不是很奇怪吗?」茵蒂克丝嘟着嘴巴不满地说:「而且超能力有那么了不起吗?就算拥有一点特别的能力,也不可以因此瞧不起别人啊!」

……。

「ま、そりゃそーだわな」上条は小さく息をつき、「そりゃそうだ。お前の言う通りだよ。こんな一発芸を持ってる程度で、誰かの上に立てるだなんて考え方は間違ってる」

「嗯,你说得是没错啦!」上条轻轻地叹了一口气:「没错,你说得对。不过是一些小把戏,却被拿来把人分等级,这种想法的确很糟糕!」

上条は自分の右手に視線を落とした。

上条低头看着自己的右手。

そこからは炎もかみなりも出ない。閃光も爆音も起きないし、手首に変な模様が浮かぶ訳でもない。

右手不会发出火焰或闪电,不会发光也不会发出声音,手腕上当然也不会浮现奇怪的纹路。

だが、それでも上条の右手はあらゆる『異能の力』を無力化させる。力の善悪は問わず、神話に出てくる神様の奇跡システムさえ、問答無用で。

但是,上条的右手却可以消灭任何的「异能之力」。不论善恶好坏,就算是出现在神话中的神迹等级能力也一样。

「ま、この街に住んでる人間ってな能力チカラ持ってる事が一個の心の支えパーソナリテイになってっから、その辺は大目に見て欲しいかな。ってか、俺も能力者そーゆーのの一人なんだけど」

「不过,对这城市里面的人来说,超能力就像是一种心灵支柱吧,所以你就别太追究了。而事实上,我也是这群团体中的一分子。」

「そうだよバカ、ふん。頭の中いじくり回さなくったってスプーンぐらい手で曲げられるもん」

「知道就好,笨蛋!哼,干嘛要把头脑里面弄得乱七八糟,汤匙明明用手就可以折弯了。」

「……、」

「ふんふん。天然素材を捨てた合成着色男のどこが偉いってーのさー、ふん」

「哼,舍弃了自然本色,追求后天皮相的男人有什么好臭屁的?哼。」

「……、ナメたプライドごと口を封じて構わねーか?」

「……我可以堵住你那张讲话机车的嘴巴吗?」

「て、暴力テロには屈しないもん」ふん、と不機嫌な猫みたいなインデックス。「だ、大体、超能力だなんて言って、君には一体何ができるって言うの?」

「暴……暴力是吓不倒我的!」茵蒂克丝看起来就像一只心情不高兴的猫:「而且你从刚刚就开口闭口都是超能力,你自己又会什么了不起的超能力咧?」

「……、えっと。何がって言うか」

「……呃,关于这个……该怎么解释呢……」

上条はちょっと戸惑った。

上条感到有点困扰。

自分の幻想殺しイマジンブレイカーについて、誰かに説明する機会は滅多にない。しかも『異能の力』にしか反応しないという事は、まず『異能や超能力』について知っててもらわないと説明にならない。

自己很少有机会跟别人说明关于「幻想杀手」这个能力。而且由于这个能力只对「异能之力」有反应,所以如果对方根本不接受「异能与超能力」这种概念,那再怎么说明也是枉然。

「えっとな、この右手。あ、ちなみに俺のは合成着色ドーピングじゃなくて天然素材うまれたときからなんだけど」

「嗯,就是我的右手…………啊,我先声明,这可是天然素材,可不是合成上色的喔!」

「うん」

「哦。」

「この右手で触ると……それが異能の力なら、原爆級の火炎の塊だろうが戦略級の超電磁砲レールガンだろうが、神の奇跡システムだって打ち消せます、はい」

「只要用这只右手这么一碰……任何特殊能力,管他是核爆等级的火球还是战略级的超电磁炮,或者神的奇迹都会被消灭,就这样。」

「えー?」

「……咦——?」

「……つかテメェ何だその幸運を呼ぶミラクルストーンの通販見てるみてーな反応は?」

「……你那是什么眼神啊?好像看见什么神奇幸运水晶石的邮购目录似的!」

「だってー、神様の名前も知らない人にー、神様の奇跡だって打ち消せますとか言われてもー」

「哎哟……连神的圣名都没听过的人,跟我说什么可以消灭神的奇迹,这样我有点为难耶——」

驚くべき事にインデックスは小指で耳の穴をほじって鼻で笑いやがった。

茵蒂克丝竟然用小指挖着耳朵嘲笑着。

「……くっ。む、ムカつく。こんな、魔法はあるけどアナタには見せられませんなんて言うインチキ魔法少女に小馬鹿にされた事がここまでムカつくとは……、」

「……唔,气死我啦!没想到我竟然被一个说什么『魔法是真的存在,只是我无法证明给你看』的冒牌魔法少女给嘲笑,我真的火大了……」

と、上条当麻タマシイの呟きにインデックスもカチンときたみたいで、

听到上条当麻的这句嘀咕,茵蒂克丝似乎也生气了。

「い、インチキじゃないもん! ちゃんと魔術はあるんだもん!」

「我……我才不是冒牌魔法少女!魔法是真的存在的!」

「じゃあなんか見せてみろやハロウィン野郎! ソイツを右手でぶち抜きゃ俺の幻想殺しイマジンブレイカーも信じるしかねーんだろ、このファンタジー頭!」

「那你就证明给我看啊,万圣节混蛋!到时候我就用我的『幻想杀手Imagine-Breaker』把你的魔法消灭,看谁厉害!你这满脑子发大梦的幻想狂!」

「いいもん、見せる!」むきーっ! という感じでインデックスは両手を振り上げ、「これっ! この服! これは『歩く教会』っていう極上の防御結界なんだからっ!」

「好啊!我就让你见识一下!」茵蒂克丝气鼓鼓地把两手举起来:「就是这个!这件衣服!它是一种名叫『移动教会』的终极防御结界!」

インデックスが両手を広げて強調しているのは、例のティーカップみたいな修道服だ。

茵蒂克丝举起两手,让上条看清楚她身上那件让人联想到高级茶杯的修道服。

「何だよ『歩く教会』って、もう意味分かんねーよ! さっきっから聞いてりゃ禁書目録インデツクスだの防御結界だの訳の分からない専門用語をぶち込みやがって、この不親切野郎! 『説明』ってな何も分からない人に向かって嚙み砕いて教えるモノなんだ、そこんトコ分かってんのか!」

「什么『移动教会』,我听不懂啦!你从刚刚就在扯些什么禁书目录、防御结界之类的专门术语,是不会为听的人解释一下啊?太不友善啦!你有没有听过什么叫深入浅出,因材施教啊?」

「なっ……ちっとも理解しようと思わない人が言う台詞!?」インデックスはぶんぶんと両手を振り回して、「だったら論より証拠! ほら、台所にある包丁で私のおかを刺してみる!!」

「你……你自己根本没有心想理解,还来跟我抱怨?」茵蒂克丝挥动着双手:「事到如今,事实胜于雄辩!你可以拿厨房的菜刀来刺我的肚子看看!」

「じゃあ刺してみる! ……って何だよそれ、きっかけは些細な事でしたってオチか?」

「好!我就刺给你看!…………搞……搞什么啊!最好是刺给你看啦!想害我吗?」

「あ、信じてないね」インデックスはハァハァと肩を上下させ、「これは『教会』として必要最低限な要素だけ詰め込んだ『服のカタチをした教会』なんだから。布地の織り方、糸の縫い方、刺繡の飾り方まで……全すべてが計算されてるの。包丁ぐらいじゃ傷一つつかないんだよ?」

「啊!你完全不相信我对吧?」茵蒂克丝激动得肩膀上下起伏:「这件衣服包含了『教会』的所有必备要素,所以可以称之为『以衣服为形体的教会』!包括布的织法、线的缝法、刺绣的装饰法……全都经过严密的计算!区区菜刀是无法伤我一根汗毛的!」

「つかないんだよって……あのな。じゃあハイぐっさり刺してみますなんて言う馬鹿いるか。未曾有みぞうの少年犯罪だぞそれ」

「我听你在放屁……如果我真的刺下去,那就是有史以来最可笑的少年犯罪啦!」

「とことん馬鹿にして……。これはトリノ聖骸せいがい8──神様殺しロンギヌスの槍9に貫かれた聖人を包み込んだ布地を正確にコピーしたモノだから、強度は法王級ぜったいなんだよ? うん、君達で言うなら核シェルターって感じかな。物理・魔術を問わず全ての攻撃を受け流し、吸収しちゃうんだから。……さっき、背中を撃たれてベランダに引っかかったって言ったけど、『歩く教会』がなかったら風穴が空いてたところだったんだよ。そこんとこ分かってる?」

「你果然不相信我……!这件衣服的布料可是正确仿制了杜林圣骸布,就是圣人被朗基努斯之枪贯穿时身上包的布耶。所以它的强度是教宗等级的,以你们的术语来说,就是核弹避难所的等级吧?不论是物理或是魔法攻击,都会被它完全吸收……刚刚我不是说,我是因为背上被击中,所以才掉到你家阳台吗?假如没有这件『移动教会』,我身上早就开个洞了!这样你明白了吗?」

うるせーばか。

这小丫头还真是聒噪!

一気にインデックスに対する好感度ゲージが下がった上条は、ジト目で彼女の服を見る。

上条对茵蒂克丝的好感度一口气跌到谷底,翻着白眼看着她的衣服。

「……、ふぅん。てか、つまりアレだ。それが本っっっ当に『異能の力』だってんなら、俺の右手が触れただけで木っ端微塵、って訳だな?」

「……是,好了不起喔,不过既然这也是『异能之力』,那表示只要用我的右手一碰,你的衣服就会完蛋啰?」

「君のチカラが本っっっ当な・ら・ね? うっふっふーん」

「那就得看你的能力是真是假啰~呵呵……」茵蒂克丝不屑地笑着。

上等だゴルァ!! と上条はインデックスの肩をがっちり摑んでみる。

上条心想:「跟你拼了!」于是用右手抓住茵蒂克丝的肩膀。

と、確かに雲を摑むような──柔らかいスポンジに衝撃を吸収されるような変な感覚がした。

……咦……还真的有一种很奇怪的触感……感觉好像在抓云一样,所有的冲击都被柔软的海绵吸收掉似的。

「て、…………あれ?」

「……啊,慢着……」

頭が冷えてきた上条は、ちょっと考えてみる。

脑袋瞬间冷静下来的上条,开始思考起一个问题。

もし仮に。インデックスの言う事が(全くありえないとは思うが)全部本当で、その『歩く教会』とやらが『異能の力』で織り上げられているとしたら?

如果茵蒂克丝说的都是事实(虽然觉得很扯),这件号称「移动教会」的衣服真的是用「异能之力」所织出来的,那会怎么样?

その『異能の力』を打ち消してしまうという事は、つまり服がバラバラに?

如果那个「异能之力」真的被消除,那是不是表示衣服会散掉?

「あれぇぇぇえええええええええええええええええええええ──────────!?」

「不会吧啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊————?」

あまりに唐突な大人の階段の予感に上条は反射的に絶叫する、が……。

一种突然要进入成人时间的预感,让上条反射性地发出惊叫声。

……。

……、

……?

「──────────えええええええええ、え……って。あれ?」

「——————啊啊啊啊啊…………………………咦?」

起きない。何にも起きない。

什么事都没发生。

何だよちくしょう心配させやがって、と思いつつ何かやりきれないモノを感じる上条だった。

上条一边觉得「妈呀,害我紧张了一下」,一边又觉得好像有点可惜。

「ほらほら何が幻想殺しイマジンブレイカーなんだよ。べっつに何にも起きないんだけど?」

「你看你看!什么幻想杀手嘛!根本什么事都没发生!」

ふっふーん、という感じで両手を腰に当てて小さな胸を大きく張るインデックスだったが、次の瞬間、プレゼントのリボンをほどくようにインデックスの衣服がストンと落ちた。

茵蒂克丝把两手扠在腰间,挺起她那小小的胸部呵呵笑着。但就在下一个瞬间,茵蒂克丝的衣服就像礼物的缎带被解开,全部散落到地上。

修道服の布地を縫っている糸という糸が綺麗に解けて、本当にただの布地に逆戻りしている。一枚布の、帽子のようなフードだけは服から独立していたせいか無事で、頭の部分にそれだけ載っかっていると逆に切ない気持ちになる。

原本将修道服布料缝合在一起的丝线全部松脱,修道服变回了一块块的布料。只有罩在头上的那块布制帽子,或许是因为没有跟衣服连在一起的关系,还保持着原本的形状,但是那使得整体看起来反而更加有一股淡淡的哀伤。

ふっふーん、という感じで両手を腰に当てて小さな胸を大きく張ったまま凍りつく少女。

少女手叉着腰,挺起她那小小的胸部,就这样面带笑容僵在那儿。

詰まる所、完全無欠に素っ裸だった。

对,就是全身上下一丝不挂。

4#

インデックスと名乗る女の子は怒ると人に嚙み付く癖があるらしい。

看来这位名叫茵蒂克丝的少女,有一生起气来就会想咬人的坏习惯。

「痛ったー……。あちこち嚙み付きやがって、合宿ん時のかお前は?」

「痛痛痛……别在我身上乱咬啦!你是夏天集训时的蚊子吗?」

「……、」

返事はない。

她没有回答。

素っ裸に毛布を巻いただけのインデックスは、女の子座りのまま解けた修道服の布地を安全ピンでチクチク刺して何とか服のカタチに戻そうと(無駄な)努力をしている。

身上只包着一块毛毯的茵蒂克丝,正端坐在地板上,用一大堆安全别针,努力地(白费工夫)将变成一块块布料的修道服弄回原本的模样。

どーん、という効果音が部屋を支配していた。

一股糟糕又可怕的气氛支配整个房间。

別に新手のスタンド使いが攻めてきた訳ではない。

当然,并不是替身杀手马上要攻进房间里来。

「……あの、姫? 僭越せんえつながらこちらにワイシャツとズボンのセットがあるのですが」

「……呃,公主殿下?打扰您一下,这里有一套区区在下的衬衫跟裤子……」

「……、」ヘビみたいな目で睨まれた。

「……」少女用像蛇一样的眼神来回答他。

「……、あの、姫?」

「……呃……公主?」

さっきっからどんなキャラクターだと思いつつ、上条当麻は声をかけてみる。

上条当麻一边想着这女孩的表情还真多,一边继续想办法跟她说话。

「……、なに?」

「…………干嘛啦?」

「今のは一〇〇%俺が悪かったんでせう?」

「刚刚都是我不好啦!」

返事の代わりに目覚まし時計が飛んできた。ひぃ! と上条が絶叫すると同時、巨大な枕が襲ってきた。まったくありえない事にゲーム機や小型のラジカセまで飛んでくる。

上条没有得到少女的回话,只得到一个飞过来的闹钟。就在上条惊叫的同时,巨大的枕头也飞过来了。接着,更可怕的是连游戏机跟小型收录音机都飞了过来。

「あれだけの事があったっていうのに、どうして普通に話しかけられるんだよう!?」

「为什么发生了这么丢脸的事情,你还可以若无其事地跟我讲话!」

「あーいえ! じぃも大変ドギマギしておりますというか青春ですねというか!」

「呃……这个……那个……其实小的现在也很紧张,这该怎么形容呢……这就是青春吧?」

「バカにして……ぅぅうううううううううう!!」

「你还在开玩笑……呜呜呜呜呜呜……!」

「分かっ……謝る、謝るから! それ借りてるレンタルビデオだからハンカチみたいに嚙むな馬鹿!」

「是!是!……对不起!我错了!我道歉!那是我租来的录影带,不是手帕!拜托你不要咬!」

ははーっ、とギャグみたいに両手をついて土下座モードの上条当麻。

上条当麻夸张地用五体投地的方式来跟少女道歉。

というか、史上初の女の子の裸に内心、上条は心臓を握り潰されるかと思っていた。

事实上,这辈子第一次看到光溜溜女生的上条,现在紧张得心脏好像快被捏扁似的。

顔には出さないオトナな上条当麻である。

幸好我脸上看不出来。上条心想。

……と、本人が思ってるだけで、鏡で見るとエライ事になってる上条当麻だった。

但其实只是他自己这么认为而已。如果他去照镜子,会发现其实一切都写在他脸上了。

「できた」

「修好了……」

ぐしぐし鼻を鳴らしながら、インデックスは地獄の内職で何とかカタチを取り戻した真っ白な修道服を広げてみせた。

带着哭泣的鼻音,茵蒂克丝经过地狱般的家庭手工时间,终于把纯白的修道服弄回原本的形状。接着把修道服摊开来一看……

……何十本もの安全ピンがギラギラ光る修道服を。

……嗯,一件闪耀着几十根安全别针的修道服。

「…………………………………………………………………………………………………(汗)」

「えっと、着るのか?」

「呃……您真的要穿?」

「…………………………………………………………………………………………………(黙)」

「着るのか、そのアイアンメイデン?」

「您真的要穿这个像『铁处女』的玩意?」

「…………………………………………………………………………………………………(涙)」

「日本語では針のむしろと言う」

「在日语里这叫『别针』……」

「……………う、ぅぅぅううううううう!!」

「………………呜…………呜呜呜呜呜呜呜呜!」

分かったーっ! と上条は全力で床に頭突きして謝る。ちなみにインデックスはいじめられっ子睨みで今まさにテレビの電源コードを嚙み千切ろうとしていた。ダメなネコか。

「我错了!对不起!」上条立刻再度五体投地磕头如捣蒜。而茵蒂克丝则是露出一种被欺负的小孩特有的眼神,用力咬着电视的电线,而且快要咬断了。真是没教养的小猫咪。

「着る! シスターだし!!」

「我要穿!再怎么说我也是修女!」

良く分からない叫びと共に、インデックスはイモ虫みたいに丸めた毛布の中でもぞもぞと着替えを始めた。ぴょこん、と毛布から唯一出ている顔だけが爆弾みたいに真っ赤だった。

茵蒂克丝发出谜般的怒吼,像毛毛虫一样在毛毯里磨蹭着开始穿了起来。唯一从毛毯里面露出来的脸孔,红得跟炸弹一样。

「……あー、なんかその着替えプールの授業思い出すなー」

「……啊,你换衣服的模样让我联想到学校的游泳课——」

「…………何で見てるのかな? せめてあっち向いて欲しいかも」

「……干嘛一直看啦,你应该转过头去才对吧?」

「あんだよ別に良いじゃんよ。さっきと違ってエロくねーだろ着替えなんて」

「看一下又不会死,反正刚刚那样都看过了,换个衣服又没什么。」

「………………………………………………………………………………………………………、」

インデックスの動きがピタリと止まったが、上条がまるで気づいていないようなので諦めてもそもそと毛布の中で着替えを続けた。毛布の中に意識を集中しているせいか、頭の上のフードがぽてんと落っこちても全然気づいていない。

茵蒂克丝的动作停了片刻,但是她发现上条完全没察觉自己又说错话了,所以只好继续换衣服的动作。或许是她正专心地在毛毯里面穿衣服吧,连头上的帽子已经掉在地板上也没发现。

何となく、会話がないとエレベーターの中みたいに気まずい空気が漂ってくる。

不知道该说什么话。但是不说话,场面又很尴尬,就像跟陌生人一起搭电梯的那种感觉。

やや現実逃避を始めた上条の頭に、ようやく『夏休みの補習』という言葉が浮かんできた。

开始想要逃避现实的上条,脑袋里面终于闪过了一件事:暑假补课!

「ぅわっ! そーだ補習だ補習!」上条は携帯電話の時計を眺めて、「えっと、あー……俺これから学校行かなきゃなんないけど、お前どーすんの? ここに残るんならカギ渡すけど」

「哇啊!糟糕!我要去补课了!」上条看着手机上的时间,一边说:「啊……呃……我现在得去学校了,你有什么打算?如果想留在这里,我就给你钥匙。」

叩き出す、という選択肢は上条の中から消えていた。

「把这女生赶出去」这个选项,已经从上条的脑海中消失了。

インデックスの修道服『歩く教会』が幻想殺しイマジンブレイカーに反応した以上、やはり彼女も『異能の力』に関わっている事は間違いない。そうなると、彼女の言っている事も一〇〇%ウソではないという事になる。

既然茵蒂克丝的修道服「移动教会」对「幻想杀手」有反应,这已经证明她的衣服的确有「异能之力」。这样看来,她所说的那些话也不见得都是在说梦话了。

例えば、魔術師達に追われてビルの屋上から落ちた事とか。

比如她说她被魔法师追赶,从大楼的屋顶掉下来。

例えば、インデックスはこれからも命懸けの鬼ごっこを続ける事とか。

比如她说她接下来也得继续逃命。

超能力ESP/PSYさえ理論化したほどの科学の街で、魔法使いなんて絵本に出てくるほどのぶっ飛んだ連中が大暴れしている事とか。

难道在这个连超能力都可以被理论化的科学之都,真的有一群像是刚从童话故事书中走出来的魔法师,正在胡作非为?

……まぁ、そういう事を抜きにしても、あんなずーんとしたインデックスはそっとしておきたい、という感情もある訳だが。

……就算不考虑这些现实面,光是看到茵蒂克丝这么沮丧,上条也想让她在这里冷静一下。

「……、いい。出てく」

「……不用了,我要离开。」

なのに、どーんという効果音を引きずったままインデックスはすっくと立ち上がった。幽霊のように上条の横をすり抜けていく。頭の上からフードが落っこちている事さえ気づいている様子がない。下手に上条が拾おうとするとあのフードもバラバラになりそうだし。

但是,茵蒂克丝却带着沮丧的表情,缓缓地站了起来。她就像幽灵无力地飘过上条的身边,似乎连头上的帽子已经掉在地上也没察觉。上条想帮她捡,又怕自己右手的能力让帽子也解体。

「あっ、あー……」

「啊……呃……那个……」

「うん? 違うんだよ」インデックスは振り返って、「いつまでもここにいると、連中ここまできそうだし。君だって部屋ごと爆破されたくはないよね?」

「嗯?你别想太多啦!」茵蒂克丝回头说:「我不是因为生气才要离开,只是如果我一直待在这里,那些人可能会追来。你也不希望自己的房间被炸掉吧?」

サラリと答えるインデックスに上条は絶句する。

听到茵蒂克丝轻轻松松地说出这么可怕的话,上条不知道自己该说什么。

のろのろと玄関のドアを出るインデックスを上条は慌てて追い駆ける。せめて何かできないかとサイフの中を確かめてみれば残金は三二〇円。それでもとにかくインデックスを引き留めようと勢い良く玄関を出ようとしたところでドア枠に足の小指が音速で直撃した。

茵蒂克丝慢慢地走向玄关,出了大门,上条慌忙地追了上去。心里想着至少该给她一点帮助,但是钱包掏出来,发现里面只有三百二十圆。即使如此上条还是想把茵蒂克丝留住,于是又匆忙地奔出了大门口,结果是脚趾以音速直击门框。

「ばっ、みゃ! みゃああ!!」

「啊……唔啊!唔喔喔!」

片足を押さえて奇声を上げる上条に、ビクンとインデックスが振り返る。あまりの激痛に大暴れしようとした上条のポケットからスルリと携帯電話が滑り落ちた。あっ、と気づいた時には固い床に激突した液晶画面がビキリと致命傷な音を立てる。

茵蒂克丝回头看了一眼抱着脚哀嚎的上条。因为实在太痛了,上条跳来跳去,结果手机从上条的口袋滑了出来。上条发现的时候已经来不及了,手机摔在坚硬的地板上,液晶萤幕发出碎裂的声响。

「ぅ、うううううう! ふ、不幸だ」

「呜呜……呜呜呜呜呜呜……我真是不幸……」

「不幸というより、ドジなだけかも」ちょっとだけインデックスが笑った。「けど、幻想殺しイマジンブレイカーっていうのがホントにあるなら、仕方がないかもしれないね」

「这要说是不幸,也许只是笨手笨脚吧……?」茵蒂克丝微微笑了。「不过既然你的『幻想杀手』是真的,那这也是无可奈何的事吧?」

「……、どゆことでせう?」

「……什么意思?」

「うん、こういう魔術こつちの世界のお話なんて君はきっと信じないと思うけど」インデックスはくすくすと笑って、「神様のご加護とか、運命の赤い糸とか。そういうものがあったとしたら、君の右手はそういうもの丶丶丶丶丶丶もまとめて消してしまっているんだと思うよ?」

「嗯,这些魔法世界的事,说出来或许你也不会相信。」茵蒂克丝呵呵笑道:「神明的庇佑、命运的红线……这些东西如果真的存在,也会被你的右手给消灭掉吧。」

インデックスは安全ピンまみれの修道服をひらひらさせながら、『歩く教会』にあった力も神の恵ラツキーみだからね、と言った。

茵蒂克丝把扎满安全别针的修道服在上条面前晃了晃,说道:「就像『移动教会』原本拥有的神力,也是来自于神的庇佑呢。」

「待てよ。幸運だの不幸だのって言葉は、確率と統計のお話だぜ? んなのある訳……、ッ!」

「哼……什么幸运不幸运的,应该都是机率与统计的问题吧?怎么可能真的……」

言った瞬間、ドアノブに触れていた上条の指に壮絶な静電気が襲いかかった。な!? と反射的に体がビクンと震えると、筋肉が変な風に動いたのかいきなり右足のふくらはぎがつった丶丶丶

话还没说完,手指触摸到门把的上条突然感觉到一股静电。上条吓了一跳,反射性地全身抖了一下,结果因为肌肉做了不习惯的动作,右后小腿抽筋了。

~~ッ!! と、悶絶する事おおよそ六〇〇秒。

「————呜呜呜呜……」上条闷哼了将近六百秒。

「……………………………………………………………………………あの、しすたーさん?」

「……………………………………………………呃……修女小姐……」

「なに?」

「什么事?」

「……………………………………………………………………………ごせつめいを」

「……………………………………………………请你解释一下吧……」

「ご説明っていうか、」インデックスは当然の事のように、「君の右手の話が本物ならね、その右手があるだけで『幸運』ってチカラもどんどん消していってるんだと思うよ?」

「这道理很简单啊,」茵蒂克丝以理所当然的口吻说道:「如果你右手的能力是真的,那只要你的右手存在一天,『幸运』的力量就会不断被你的右手给消灭。」

「……………………………………………………………………………つまり、あれですか」

「………………………………………………您的意思是说…………」

「君の『右手』が空気に触れてるだけで、バンバン不幸になっていくって訳だね♪」

「只要你的右手接触到空气,你就会一直不幸下去♪」茵蒂克丝说。

「ぎゃあぁぁぁああああああああああ!! ふ、不幸だぁぁぁあああああああああ!!」

「啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊!我真是太不幸啦啊啊啊啊啊!」

オカルトをまるで信じない上条だったが、こと『不幸』に関してのみは別腹だった。とにかく大宇宙の悪意のようなものを感じてしまうほど上条は思った事が上手くいかない人間なのだ。

上条虽然不相信魔法,但是对于「不幸」这件事却特别有感慨。因为上条的日常生活,倒楣到让他觉得是不是有一股大宇宙的敌意在跟他作对。

そんな上条当麻をにこにこ聖母の微笑みで眺めている純白のシスターが一人。

而如此不幸的上条当麻的眼前,正站着一位纯白的修女,闪耀着如同圣母般的微笑。

人は言う。あれは勧誘する目だ。

每个人都会告诉你,那是想拉你信教的眼神。

「何が不幸って、君。そんな力を持って生まれてきちゃった事がもう不幸だね♪」

「如果要说不幸的话,你带着这种能力出世就已经是不幸啰♪」

にっこり笑顔のシスターに思わず涙する上条は、ようやく話がズレてる事に気づく。

面对着微笑的修女,上条不禁流下了眼泪……咦……等等,现在的重点好像不是这件事?

「ち、違くて! お前、ここを出てどっか行くアテでもあんのかよ? 事情は分かんねーけど、魔術師ってのがまだ近くをうろついてんならウチに隠れてりゃいーじゃねーか」

「不对!我现在不是要谈这个!你……离开这里以后有地方去吗?虽然我不知道来龙去脉,不过那些魔法师很可能还在附近晃来晃去吧?你要不要躲在我家比较安全?」

「ここにいると『敵』が来るからね」

「我待在这里,会把『敌人』引来的。」

「何で断言できんだよ? 目立った行動しないで大人しく部屋ん中にいりゃ問題ねーだろ」

「你怎么能这么肯定?只要不做些引人注意的举动,乖乖躲在房间里,应该不会被发现吧?」

「そうでもないんだよ?」インデックスは自分の服の胸元をつまんで、「この服、『歩く教会』は魔力で動いてるからね──教会は神力しんりょくって呼ばせたいみたいだけど、同じマナだし。つまり簡単に言っちゃえば、敵は『歩く教会』の魔力を元に探知サーチかけてるみたいなんだよね」

「事情没那么简单。」茵蒂克丝抓起自己衣服的领口说道:「这件衣服,『移动教会』,它是靠魔力来维持机能的。教会虽然管那个叫『神力』,但是其实跟『魔力』是相同性质的力量。也就是说,敌人可以靠侦测『移动教会』的魔力来找出我的位置。」

「だったら、何だってそんな発信機みてーな服着てんだよ!」

「既然如此,那你干嘛一直穿着这件跟发讯机没两样的衣服?」

「それでもこれの防御力は法王級ぜったいだからだよ? もっとも君の右手に粉砕されちゃったけど」

「因为它的防御能力可是教宗级的……假如没有被你的右手消灭的话。」

「……、」

「粉砕されちゃったけど?」

「『假如没有被你的右手消灭的话?』」

「悪かったから涙目でこっち見んな。……けどよ、俺の右手イマジンブレイカーで『歩く教会』ってのはぶっ壊れちまったんだろ? だったら発信機みてーな機能もなくなっちまってんじゃねーか?」

「对不起啦,拜托别含着眼泪看我……话说回来,既然『移动教会』已经被我的右手给毁了,那它应该也失去『发讯机』的机能吧?」

「だとしても、『歩く教会が壊れた』って情報は伝わっちゃうよ。さっきも言ったけど、『歩く教会』の防御力は法王級なの、簡単に言っちゃえば『要塞』みたいにね。……私が『敵』なら、理由はどうあれ『要塞』が壊れたと分かれば迷わず打って出ると思う」

「即使如此,他们还是会获得『移动教会被毁』这个情报。刚刚我说过,『移动教会』的防御能力是教宗级的,换句话说就跟一座『移动要塞』一样……如果我是『敌人』,虽然不知道『要塞』为何会失去机能,但一定不会放过这个好机会吧?」

「ちょっと待てよ、だったらなおさら放っとけねーだろ。魔術オカルトなんざ今でも信じらんねーけど、とにかく『誰か』が追ってきてるって分かってんのにお前を外になんか放り出せるかよ」

「等一下!那我更没理由让你离开了!虽然我到现在还是不相信有魔法这种东西,但是既然真的有『敌人』在追你,我怎么能让你到外面去冒险?」

インデックスはきょとんとする。

茵蒂克丝愣了一下。

本当に、本当に。その顔だけ見ていると、それはただの女の子にしか見えなくて、

光看她这个表情,真的,真的,看起来就像是个普通的少女。

「……、じゃあ。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」

「……你的意思是,即使我下地狱,你也愿意陪着我?」

にっこり笑顔だった。

茵蒂克丝露出淡淡的笑容。

それはあまりにも辛そうな笑顔で、上条は一瞬にして言葉のすべてを失ってしまった。

那是一种多么艰辛无助的微笑,让上条在一瞬间为之语塞。

インデックスは、優しい言葉を使って暗にこう言っていた。

在茵蒂克丝这句温柔的话背后,隐藏着这样的涵义:

こっちにくんな。

别再陷进来了。

「大丈夫だよ、私も一人じゃないもの。とりあえず教会まで逃げ切ればかくまってもらえるから」

「别担心,我也不是没有同伴。只要逃进教会里,教会的人会保护我的。」

「……、ふぅん。で、その教会ってのはどこよ?」

「……喔?那……那个教会在哪里?」上条问道。

「ロンドン」

「伦敦。」茵蒂克丝说。

「遠すぎ! 一体どこまで逃げ切るつもりだお前!!」

「也太远了吧?你想逃到何年何月啊!」

「うん? あ、大丈夫だよ。日本にもいくつか支部があると思うし」

「嗯?啊,别担心啦!日本应该也有几个分部吧。」茵蒂克丝回答。

安全ピンまみれの、一体どんなよめいびり10だと言わんばかりの修道服をひらひらさせながらインデックスは答える。

插满安全别针的修道服微微晃动着,看起来像是被欺负得很惨的小媳妇。茵蒂克丝回答道:

「教会、ねえ。それなら街に一つはあるかもな」

「教会啊……对了,这座城市里好像也有个教会。」

教会、と聞くと巨大な結婚式場でも思い浮かべそうなモノだが、日本のそれははっきり言ってしょぼい。元々、十字教という文化に乏しく、さらに地震国なので『歴史ある建物』はそうそう残らない。上条が電車の窓から見た事のある教会なんて、プレハブ小屋のてっぺんに十字架が載っかってるだけだ。……まぁ、逆に成金趣味の教会ってのも間違ってる気はするけど。

一般人听到教会,都会联想到那种巨大的结婚会场,但是其实日本的教会都非常小。原本在日本,广义的基督教文化本来就扎根不深,再加上国内多地震,「具有历史意义的建筑物」很难保存下来。上条在搭电车的时候偶然从车窗外看到的教会,只不过是个组合屋,屋顶竖起一个十字架而已……不过话说回来,如果是暴发户式的教会建筑,似乎也有点偏离正道。

「うーん。けど単純に教会ってだけじゃダメなんだよ。私の所属してるのは英国式だから」

「嗯……可是并不是所有的教会都行……我所隶属的是英国式的教派……」

「???」

「えっとね、単純に十字教っていっても色々あるの」インデックスは苦笑いして、「まずは旧教カトリツク11新教プロテスタント12。さらに私のぞくする旧教でも、バチカンを中心とするローマ正教、ロシアに本拠地を置くロシア成教、そしてセントジョージ大聖堂を核とするイギリス清教せいきょうって感じで色々あるの」

「呃……广义的基督教其实分成很多教派的。」茵蒂克丝苦笑着解释:「首先可以分为天主教跟新教两大派别。而我所属的天主教教派,又可以细分为以梵蒂冈为中心的罗马正教、以俄罗斯为根据地的俄罗斯成教、以圣乔治大圣堂为核心的英国清教等分支。」

「……間違ってほかの教会に入っちまうとどうなるんだ?」

「……如果搞错了跑到别派的教会里面,会怎样?」

「門前払い」インデックスはやっぱり苦笑だった。「ロシア成教やイギリス清教はそれぞれの『国の中』にしかないからね。日本でイギリス清教の教会っていうのは珍しいんだよ」

「会吃闭门羹。」茵蒂克丝继续苦笑:「俄罗斯成教跟英国清教都只在『本国之内』盛行,所以在日本,英国清教的教会非常稀少。」

「……、」

なかなかに雲行きの怪しそうな話だった。

上条越听越觉得不对劲。

ひょっとして、インデックスは空腹で行き倒れる前に、何度も『教会』を訪れたんじゃないだろうか? そのたびに門前払いを食らった彼女はどんな気持ちで逃げ続けていたんだろう?

说不定,茵蒂克丝在饿到不支倒地之前,早已经拜访过非常多的「教会」了,只是每次都吃闭门羹,逼得她继续逃命。那种感觉一定不好受。

「大丈夫。英国式の教会を見つけるまでの勝負だから」

「别担心,只要找到英国式的教会,就是我赢了。」

「……、」

上条は一瞬だけ、自分の右手の『力』の事を考えて、

一瞬间,上条想着自己右手的「能力」。

「おい! ……なんか困った事があったら、また来て良いからな」

「喂!……如果遇到什么困难,可以再来找我没关系。」

そんな事しか言えなかった。

结果还是只能选择跟她说这句话。

神様でも、殺せる男のくせに。

即使,自己是个连神都可以杀死的男人。

「うん。おなかへったら、またくる」

「嗯,肚子饿了的话,我会再来的。」

ひまわりみたいな笑顔で、それは完璧な笑顔だったからこそ、上条は何も言えなかった。

茵蒂克丝露出了向日葵般的灿烂笑容。那如此完美的笑容,让上条一句话都说不出口。

そんなインデックスを避けるように、清掃ロボットが通りすぎていく。

旁边一架清扫用机器人靠了过来,绕过茵蒂克丝,继续往前驶去。

「ひゃい!?」

「呀啊啊!」

完璧な笑顔が一瞬でぶっ飛んだ。まるで足がつった丶丶丶みたいにビクンと震えたインデックスは、そのまんま後ろへコケた。がつん、というヤバめの音と共に頭の後ろが壁に激突する。

完美的笑容在一瞬间消失,茵蒂克丝整个人向后倒,简直像是脚抽筋似的全身抖了一下。咚的一声,后脑勺狠狠地撞上了墙壁。

「~~~~ッ! な、なんか変なのがさりげなく登場してる……ッ!?」

「————!有个奇怪的东西若无其事地冒了出来……?」

インデックスは涙目だったが、頭を押さえるのも忘れて思わず絶叫していた。

茵蒂克丝含着眼泪尖叫,甚至连用手抚摸后脑勺都忘记了。

「変なのが変なのを指差してんじゃねえ。ありゃただの掃除ロボだよ」

「你自己才是最奇怪的东西咧!那玩意只是清洁用的机器人啦!」

上条はため息をついた。

上条叹了一口气。

大きさ、カタチはドラム缶だと思えば良い。底には小さなタイヤを装備し、業務用の掃除機みたいな円形の回転するモップがぐるぐる回っている。人間と障害物を避けるためにカメラがついてるせいでミニスカ女の子にメチャクチャ嫌われている一品である。

清洁用机器人的大小跟形状就像个大铁桶,底部装有小小的滚轮。就像大型清洁机一般,靠着底部的圆形抹布的转动来清洁地板。为了避开行人与障碍物,上面装有摄影机。穿迷你裙的女生都恨死了这玩意。

「……そっか。日本は技術大国って聞いてたけど、使い魔アガシオン13も機械化されてる時代なんだね」

「……原来如此,日本不愧是科技大国,已经进入连使魔都机械化的时代了。」

「もしもし?」妙な感心をしているインデックスがちょっと怖こわい。「ここは学園都市だからな。こんなん街中のそこらじゅうに散らばってるよ」

「喂?」莫名其妙开始佩服起日本的茵蒂克丝,还真让人觉得有点发毛。「这里是学园都市,街上到处都可以看到这些玩意啦!」

「がくえんとし?」

「学园都市?」

「そ。東京の西地区の開発が遅れてる辺りを一気に買い取って作った『街』だよ。何十もの大学に何百もの小中高校がひしめき合ってる『学校の街』だ」上条はため息をついて、「街の住人の八割は学生だし、マンションに見えるのはみんな学生寮だよ」

「是啊,东京西区开发较缓慢的区域一次全部收购,建立起这座『城市』。这个『学校之城』包含了数十间大学与数百间国小、国中及高中。」上条叹了一口气继续说道:「城市里的居民有八成都是学生,看起来像公寓的建筑物其实都是学生宿舍。」

勉強のみならず、能力や肉体までも開発する『裏の顔』もある訳だが。

这座「学园都市」不只教导学生念书,暗地里还进行着超能力与肉体的开发。

「……街の様子がおかしいのもそのためだ。生ゴミの自動処理オートメーシヨンとか実用レベルの風力発電とか、さっきの掃除ロボとか、あーいう大学の実験品がそのまま街に溢れてやがんのさ。おかげで二〇年ばっかり文明レベルが先に進んじまってる訳だな」

「……所以街上的景色会有点不一样。厨余自动处理机、到达实用等级的风力发电机、还有刚刚的清扫机器人……这些大学研发出来的实验性产品满街都是。这里的科技文明等级大概比外面还先进个二十年吧。」

「ふうん」インデックスは清掃ロボットをじーっと眺めて、「じゃあ、この街の建物はみんな『がくえんとし』の傘下って事になるのかな?」

「嗯……」茵蒂克丝看着清扫用机器人,说道:「这么说,这座城市里的建筑物,都是归『学园都市』管辖啰?」

「だな。……ま、イギリス教会の傘下を探すってんなら、街の外に出た方が良いかもな。この街の教会なんて、どうせ神学とかユング心理学とかの教育施設だろ」

「是啊……所以如果你想要找英国教会,劝你还是到城市外面去碰碰运气吧。在这个城市里面的教会,大概都是些神学或荣格心理学的教育机构吧。」

ふうん、とインデックスは頷いて、ようやく壁にぶつけた頭の後ろを手で押さえた。

茵蒂克丝「喔」的一声点了点头,这才想到要用手抚摸刚刚撞上墙壁的后脑勺。

「ひゃい!? あ、あれ? 頭のフードがなくなってる!?」

「……咦?啊……咦?我……我的帽子不见了!」

「何だよ今頃気づいたのか。さっき落としたぞお前」

「你现在才发现吗?刚刚就掉了啦。」

「ひゃい?」

「咦?」

上条は『毛布の中で着替えてる時に落っことした』と言ってるつもりだったが、インデックスは『清掃ロボットにびっくりして後ろへコケた時に落とした』と勘違いしたようだ。あちこち通路の床を見ながら、しばらく頭に「?」を浮かべていたが、

上条的意思是「刚刚你在毛毯里换衣服的时候就掉了」,但是茵蒂克丝却似乎听成「刚刚你被清扫机器人吓到跌倒的时候就掉了」。茵蒂克丝于是在走廊地板上东摸西找,但是却又没看到帽子,头上因此冒出非常多的问号。

「あっ、そうか! あの電動使い魔アガシオン!」

「啊!对了!一定是那个电动使魔!」

何か勘違いしたまま通路の角へ消えた清掃ロボットをダッシュで追い掛けて行ってしまった。

完全朝错误方向思考的茵蒂克丝,朝正要消失在走廊转角的清扫机器人狂奔而去。

「……、あー。何だかなぁ」

「……呃……现在这是啥鬼状况?」

上条はインデックスのフードが残された部屋のドアを見てから、通路の先を見た。もうインデックスの姿はどこにもない。別れも涙もあったもんではない。

上条看着自己房间的房门,茵蒂克丝的帽子还在里面呢。接着又看了一下走廊,茵蒂克丝已经不见人影。还真是没情调的离别方式。

なんていうか、ああいう姿を見ているとアイツ世界が滅んでもなんだかんだで生き残りそうだよなぁ、などと何の根拠もなく思ってしまうのだった。

这让他有种毫无根据的预感:即使世界毁灭,这家伙大概也会莫名其妙就存活下来吧?

5#

「はーい。それじゃ先生プリント作ってきたのでまずは配るですー。それを見ながら今日は補習の授業を進めますよー?」

「来~老师做了讲义,现在发下去啰——这就是今天的补课内容哦——」

もうこのクラスになって一学期つが、いまだにありえねぇと上条は思う。

进入这个班级已经一个学期了,到现在上条依然觉得不可思议。

一年七組の担任、つくよみもえは教卓の前に立つと首しか見えなくなるというとんでもない教師だった。身長は一三五センチで、安全面の理由からジェットコースターの利用をお断りされたという伝説を持つ、誰がどう見ても黄色い安全帽あんぜんぼうに真っ赤なランドセル、ソプラノ14リコーダー15標準装備の十二歳にしか見えない、学園七不思議に指定されるほどの幼女先生である。

一年七班的班导师,月咏小萌是个站在讲桌后面,学生只能看到她头顶的奇妙老师。身高一三五公分,据说曾经想坐云霄飞车,却因为安全性考量而被拒绝。不管谁来看,都会觉得她应该是个适合头戴黄色安全帽背个红书包,配备直笛的十二岁小学生。这位小女孩老师,真是学园七大不思议之一。

「おしゃべりは止めないですけど先生の話は聞いてもらわないと困るですー。先生、気合を入れて小テストも作ってきたので点が悪かったら罰ゲームはすけすけ見る見るですー」

「虽然老师不禁止大家说话,但是老师说的话也要听进去哦——老师很用心地连小考的题目都准备好了,要是考不及格的话,就要罚玩透视游戏啰——」

「ってかそれ目隠しでポーカーしろってアレでしょう先生! ありゃ透視能力クレアボイアンス専攻の時間割りカリキユラムだし! 手元のカードも見えないのに一〇回連続で勝てるまで帰っちゃダメとか言われたらそのまま朝までナマ居残りだとわたくし上条当麻は思うのでせうが!」

「老师,你说的是那个蒙着眼睛玩扑克的游戏吗?那是透视能力系的专业课程耶!看不见手上的牌还得连续赢十次,不然不准回家,我上条当麻认为,这样会搞到早上都没办法回家啦!」

「はいー。けれど上条ちゃんは記録術かいはつの単位足りないのでどの道すけすけ見る見るですよ?」

「是啊——可是上条你的开发课程学分数不够,反正迟早得玩透视游戏嘛?」

うわぁ、と上条はリーマン教師の営業スマイルに絶句する。

上条在心中对这个「上班族老师」的职业性笑容实在没辄。

「……むう。あれやね。小萌ちゃんはカミやんが可愛かわいくて仕方がないんやね」

「……唔,看来小萌很喜欢阿上哦!」

と、隣に座っていた青髪ピアスの学級委員(男)が訳の分からない事を言ってくる。

坐在上条隔壁,蓝发戴耳环的班长(男),对上条说了莫名其妙的话。

「……おまいはあの楽しそうに黒板に背伸びしてる先生の背中に悪意は感じられんのか?」

「……你不觉得那个正在开心踮着脚尖写黑板的老师,对我有敌意吗?」

「…なに? ええやん可愛い先生にテストの赤点なじられんのも。あんなお子様に言葉で責められるなんてカミやん経験値高いでー?」

「……什么?那么可爱的老师,就算她给你几科不及格有什么关系咧?被那样的小女孩责骂,你一定可以获得很多经验值啦!」

「…ロリコンの上にMかテメェ! まったく救いようがねーな!!」

「……你这个被虐狂加恋童癖!真的是没救了啦!」

「あっはーッ! ロリ『が』好きとちゃうでーっ! ロリ『も』好きなんやでーっ!!」

「啊哈——!恋童癖『只是』我的喜好之一而已,我并不是『只』喜欢小女生哦!」

雑食!? と上条が叫ぼうとした所で、

就在上条正打算回他「你这只杂食动物」的时候——

「はーいそこっ! それ以上一言でもしゃべりやがったらコロンブスの卵ですよー?」

「那边那两个!再继续聊天就请你们玩『哥伦布的蛋』哦!」小萌老师说。

コロンブスの卵っていうのは文字通り、逆さにした生卵を、何の支えもなく机の上に立ててみろって事だと思う。念動力サイコキネシス専攻の人間だって脳の血管切れそうになるまで踏ん張ってようやく卵がコケないようにする、アレだ(念動力が強すぎても卵を割ってしまう。難易度超高)。例によって成功しなければ朝までナマ居残りである。

所谓「哥伦布的蛋」,就是将生鸡蛋倒过来直立,不使用任何支撑,要让它在桌上立起来。就算是念动力系的学生,也得拼到脑血管快爆炸才能够控制鸡蛋不倒下去(因为如果念力太强鸡蛋会破掉,所以难度超高)。而且,没成功的话一样会被留到隔天早上。

上条と青髪ピアスは呼吸も忘れて教卓の月詠小萌をじっと眺める。

上条跟蓝发耳环这下只好猛盯着讲台上的月咏小萌,几乎连呼吸都忘了。

「おーけーですかー?」

「这样了解了吗~?」

にっこり笑顔が超怖かった。

好可怕的微笑。

小萌先生は『可愛い』と言うと喜ぶくせに『小さい』と呼ぶと激怒するのだった。

小萌老师最讨厌人家提到「小」这个字眼,但是却又喜欢人家称赞她「可爱」。

とはいえ、小萌先生は生徒から低く見られる事をあんまり気にするタイプにも見えない。それは学園都市の中では仕方がない部分もある。ただでさえ、ここは人口の八割以上が『学生』という子供達の国ネバーランドだ。普通の学校と比べても『リーマン教師』に対する風当たりは強いし、何より学生の『強さ』の基準は『学力』と『能力』の二つで決まってくる。

不过小萌老师却不太在意自己没被学生当老师看待。当然,部分理由是因为这里是学园都市。这里的人口有八成是「学生」,可以说是个「小孩的国度」。所以在这里,对于那种「不够尽责的老师」的评价,比外面的学校更严苛。更何况在这里,学生的优劣高低评断基准,除了「功课」之外还有「超能力」。

先生というのは学生を『開発』する人間であって、先生そのものは何の能力も持たない。体育教師や生活指導などは能力者レベル3学生バケモノきたえ抜いた己のこぶしだけでぶっ飛ばす、何だか外国人部隊みたいな連中なのだが、化学の小萌先生にそれを期待するのも酷だろう。

在这里,老师的职责只是「开发」学生的超能力,老师本身并不具有任何超能力。体育老师跟教官之类的教职人员,都是些活像参加过外籍兵团的怪物,光是用自己的铁拳就可以对付拥有超能力的学生,但是教化学的小萌老师当然并不具备这样的条件。

「……、なぁカミやん?」

「……我说阿上啊。」

「あんだよ?」

「干嘛?」

「小萌先生に説教くらうとハァハァせーへん?」

「被小萌老师骂,会不会让你觉得兴奋咧?」

「テメェだけだ馬鹿! もう黙れ、黙れ馬鹿! 念動力サイコキネシスにも目覚めてねーのに生卵とたわむれてたら夏休みが終わっちまうわ! 分かれこのエセ関西弁!」

「会兴奋的只有你啦,白痴!够了,你闭嘴!我们这些没有念动力的要是被抓去玩生鸡蛋,恐怕整个暑假都完蛋啦!你这个假关西腔可别害我!」

「エセ…… え、ええええええエセ言うな! ボクはホンマに大阪人やねんな!」

「假……假关西腔?干嘛说偶假关西腔?偶真的素大阪人哩!」

「黙れ米どころ出身。イライラしてんだから無駄にツッコミいれさせんなよ」

「闭嘴!你这个稻米之乡出生的!我已经够烦了,不要再让我花心思吐你槽!」

「こ、こここ米どころ違いますよ! あ。あ、あーっ! タコヤキ美味しいなぁ」

「偶……偶偶偶才不素稻米之乡出生的咧!啊……啊……章鱼烧真好吃~」

「無理矢理な関西属性やめろ! テメェ役作りのためにタコヤキおかずにメシ食えんのか」

「别勉强自己去当关西人啦,你有办法吃饭只配章鱼烧吗?」

「いや何言うてん。いくら大阪人でもタコヤキオンリーで食卓を彩る訳ないやろ」

「你……你在说什么啊,就算素大阪人,也不会粗饭只配章鱼烧啦~」

「……、」

「ないやろ? ないと思う──いや待ち。けど……でも、ない───けど、あれ? どっち?」

「应该不会吧……应该不会……等等……可是…………咦……到底素会不会咧?」

「メッキがれてんぞ関西モドキ」

「露馅了吧,假关西人!」

はぁ、とため息をついて上条は窓の外を見る。

上条叹了一口气,望向窗外。

こんな無駄な補習なら、やっぱりインデックスの側にいるべきだったと思う。

早知道补课这么无聊,就应该陪在茵蒂克丝身边才对。

確かにインデックスの着ていた修道服『歩く教会』は上条の右手に反応したけど(否、反応だなんて生ぬるい表現ではなかったが)、だからと言って『魔術』そのものを信じた訳ではない。おそらくインデックスの言ってた事は十中八九ウソっぱちだし、仮にウソをついてないつもりでも、実は単なる自然現象が不思議オカルトに見えていただけかもしれない。

虽然茵蒂克丝所穿的修道服「移动教会」,的确对上条的右手有反应(用「反应」这样的字眼或许温和了点),但并不表示上条就相信有「魔法」存在。茵蒂克丝说出来的那些话,十之八九是瞎掰的吧?就算不是瞎掰,也可能只是把一些自然现象误认为魔法而已。

それでも、

但是……

(……逃がした魚はデカかったかなぁ)

(……漏网之鱼看起来总是特别大只。)

上条はため息をついた。こんなエアコンもない蒸し風呂ぶろ状態の教室で机に縛り付けられるぐらいなら、いっそ剣と魔法のファンタジーに飛び込んでみた方が良かったかもしれない。今なら可愛い(キレイ、と呼ぶのはどうも抵抗があるが)ヒロインもセットでついてくる事だし。

上条又叹了一口气。与其被关在这间没有冷气的闷热教室里,倒不如随着茵蒂克丝进入魔法与剑的幻想世界还有趣得多。而且现在参加活动,还附赠一位可爱(讲美丽总觉得有点勉强)的女主角。

「……、」

上条はインデックスが部屋の中に忘れていったフードを思い出す。

上条想到了茵蒂克丝留在自己房间内的修女帽。

結局、返さなかった。返せなかった丶丶丶丶丶丶ではないと思う丶丶丶丶丶丶丶。たとえインデックスの姿が見えなくなっても、本気で探せばすぐ見つかっただろうし、見つからなかったとしたら今も彼女を探してフード片手に街中を走り回っているはずである。

结果还是没有还给她。真的要还,其实是有机会的。就算茵蒂克丝已经跑得不见踪影,如果当时认真去找,应该马上就可以找到她。就算真的没找到,现在上条也应该还拿着修女帽在街上乱晃才合理。

今になって思えば、なんだかんだで繫がりが欲しかったのだ。いつか、忘れ物を取りに彼女が戻ってくるかもしれない、と。

现在回想起来,其实上条只是想要为两人之间留下一点羁绊吧。上条心中偷偷地期望,她有一天会回来拿她忘记带走的东西。

あの白い少女が、あんなにも完璧な笑顔を見せるから、

因为那个白色的少女,笑容是多么地完美。

何か繫がりを残しておかないと、そのまま幻のように消えてしまいそうで、

如果不留下一些羁绊,感觉她好像会如同幻影一样,从指缝消失。

こわかったんだと、思う。

上条只是在害怕这件事。

(……、なんだ)

(……怎么回事?)

ちょっと詩人な上条はそこまで考えて、ようやく気づいた。

突然变得罗曼蒂克的上条,想到这里,突然察觉一件事。

なんだかんだ言った所で、あのベランダに引っかかっていた少女は嫌いではなかったのだ。もう二度と関わりを持たない事に、こんな小さな未練を残してしまうぐらいには。

上条虽然对这个挂在阳台的少女讲话很毒,但是其实自己并不那么讨厌这名少女。对于以后可能跟她再无瓜葛,甚至觉得有一点点可惜。

「……あーくそ」

「……可恶」

舌打ちする。後からこんなに気になってくるならやっぱり引き止めておけばよかった。

上条在嘴里「啧」了一声。早知道现在会后悔,当初就应该坚持把她留下的。

そういえば、彼女の言っていた『一〇万三〇〇〇冊の魔道書』というのは何だったんだろう?

话说回来,她所说的「十万三千本魔道书」到底是指什么东西?

インデックスを狙う魔術結社とかいう連中(……結社って、株式会社なの?)は、その『一〇万三〇〇〇冊の魔道書』が欲しくて彼女を追い掛け回しているらしい、というのは聞いた。そして、インデックスは『一〇万三〇〇〇冊の魔道書』を持って逃げ続けているらしい。

追赶茵蒂克丝的那些「魔法结社」(……「结社」?这么说他们是有限公司吗?)据说就是为了得到这「十万三千本魔道书」而追赶她。至少她是这么说的。而茵蒂克丝,则带着这「十万三千本魔道书」四处逃亡。

大量の本を押し込んだ倉庫のカギとか地図、とかそういうモノのたとえではなく。『そんな大量の本をどこに?』と言った上条に、インデックスは『ここにある』と言った。が、上条の見る限り本なんて一冊もなかったし、そもそも上条の部屋は一〇万冊もの本を押し込めるほど広くない。

而且,她的意思并不是她手上握有某个塞满书的仓库钥匙或地图。上条曾经问她「那些书在哪里」,而她的确回答的是「都在这里」。但是,上条却连一本书都没看到。更何况,上条的房间也塞不下那么多书。

「……何だったんだろうな?」

「……她指的到底是什么?」

上条は思わず首を傾げた。インデックスの修道服『歩く教会』が幻想殺しに反応する本物だった以上、彼女の言っている事が一〇〇%妄想、という事でもないだろうが……。

上条不禁歪着脑袋思考。既然茵蒂克丝的修道服「移动教会」对上条的「幻想杀手」有反应,那这么看来她所说的也不是百分之百都是假的……

「センセー? 上条クンが窓の外の女子テニス部のひらひらに夢中になってまース」

「老师,上条一直在看窗外女子网球社女生的裙子哦!」

と、青髪ピアスの無理矢理関西言語に「あん?」と上条の意識が教室の中へUターンすると、

听到蓝发耳环那硬梆梆的假关西腔,上条才「啊?」的一声,把意识拉回教室里。

「……、」

小萌先生が沈黙している。

小萌老师沉默不语。

授業に集中してくれない上条当麻君にものすごくショックを受けているらしい。何だかサンタさんの正体を知ってしまった十二歳の冬みたいな顔をしている。

看来小萌老师对于上条当麻同学没有专心上课这件事情,感到非常的震惊与难过。她的表情看起来就像少女在十二岁那年冬天,突然发现圣诞老人原来都是假的一样。

と、思った瞬間。子供の人権を守るべくクラス中の敵意ある視線が上条当麻に突き刺さった。

上条才刚这么联想,全班同学已经向上条投以充满敌意的视线。看来这些人都是儿童人权保护团体的准会员。


夏休みの補習、とか言っておきながらしっかり完全下校時刻まで拘束された。

明明只是暑假补课,上条却还是被留到平常放学的时间才被释放。

「……、不幸だ」

「……我真是不幸。」

夕焼けにギラギラ光る風力発電の三枚プロペラを眺めながら上条は呟いた。夜遊び厳禁、という事で、基本的に学園都市の電車やバスの最終便は下校時刻に合わせてある。

上条望着夕阳中闪闪发光的发电风车三枚叶片,喃喃自语。由于校规禁止夜游,因此基本上学园都市内的电车跟巴士,末班车都是在放学时刻。

終バスをのがし、延々と続く灼熱の商店街を歩く上条の横を警備ロボットが追い抜いていく。やはりドラム缶に車輪をつけた代物で、役割は歩く防犯カメラといった感じ。最初は犬型ロボットを改良したモノだったが、子供が集まって進路の邪魔になるから、というミもフタもない理由で作業用ロボットはみんなドラム缶なのである。

没有赶上巴士的上条,只好慢慢地在炎热的商店街上走着。一架警卫机器人通过上条身旁。警卫机器人的造型也是看起来就像个大铁桶下面装着轮子。功能类似移动式防止犯罪监视器。一开始原本是由小狗型机器人改良而成,但是小狗造型太容易聚集小孩围观,造成移动上的困难,因此这类作业用机器人最后全都改成铁桶造型。嗯,这理由其实还挺好笑的。

「あっ、いたいた。この野郎! ちょっと待ちなさ……ちょっと! アンタよアンタ! 止まりなさいってば!!」

「啊!终于被我找到了,你这家伙!等……等一下!给我站住!我在说你啦!快给我站住!」

夏の暑さにやられた上条は、のろのろ走る警備ロボットを見ながら、そういえばインデックスは清掃ロボットを追っ掛けてどこまで旅に出たんだろうかと考えていたため、初めその声が自分に向けられたモノだと気づかなかった。

被夏天的热气蒸得受不了的上条,正一边看着缓慢前进的警卫机器人,一边想着:「茵蒂克丝那时候追赶清扫用机器人,不知道追到哪个天涯海角去了?」他完全没有察觉,后面的声音是在喊他。

何だろう? という感じで振り返る。

上条只是觉得后面似乎很吵,于是往后看了一眼。

中学生ぐらいの女の子だった。肩まである茶色い髪は夕焼けで燃え上がるような赤色に輝いて、顔面はさらに真っ赤に染まっている。灰色のプリーツスカートに半袖のブラウスにサマーセーター───と、ここまで考えて、ようやく思い出した。

后面,站着一个国中生年纪的少女。及肩的茶色长发在夕阳下,闪耀着如同正在燃烧般的红光。少女的脸颊也被染得通红。灰色的百褶裙、短袖上衣与夏季用薄毛衣……看了好久,上条才终于认出她是谁。

「……あー、またかビリビリ中学生」

「…………啊——又是你啊,放电国中妹。」

「ビリビリ言うな! 私にはさかことってちゃんとした名前があんのよ! いい加減に覚えなさいよ、アンタ初めて会った時からビリビリ言ってるでしょ!」

「不准叫我放电国中妹!我的名字叫御坂美琴啦!你怎么到现在还没记住啊?我记得你从第一次见到我,就一直叫我放电妹对吧!」

初めて会った時……? と、上条はちょっと思い出してみる。

「第一次见到你的时候」……上条开始回想。

うん、そうだ。確か初めて会った時もこの女は不良達に絡まれていた。それで、これこれわらども寄ってたかって女の子のサイフを狙うんじゃありませんと浦島太郎的展開に持ち込んだ所、うっさいわね人のケンカの邪魔してんじゃないわよビリビリィ! と、何故か女の方に逆ギレされた。で、上条は当然『右手』で女の電撃ビリビリを防いだ訳で、彼女の反応としては……あれ? 何で効かないのアンタ、じゃあこれは? あれー? と、こんな感じで現在に至る。

嗯,对。第一次遇到她的时候,她也正被不良少年缠上。原本上条想发挥浦岛太郎的精神,上去劝那群少年们不要抢一个柔弱少女的钱包。结果那个少女却反而对他发飙。「吵死了!不要干扰我跟别人打架!」少女说着就对上条放出电击。当然,上条用右手把她的攻击给化解。少女的反应则是愣了一下……咦?怎么回事?为什么没效?那这招呢……咦?也没效……最后,就发展成今天这种局面。

「……て、あれ? 何だろう? 哀しくないのに涙が出るよお母さん」

「……咦?为什么?明明没那么难过,怎么有股哀伤的感觉啊,妈妈?」

「なに遠い目してんのよアンタ……?」

「你干嘛两眼凝视远方啊……?」

上条は補習で疲れているので目の前のビリビリ女を適当にあしらう事にした。

刚下课的上条非常疲累,于是他决定对眼前这个放电妹敷衍过去。

「何やら呆れ顔で上条の顔を眺めている女は、昨日の超電磁砲レールガン女だ。たった一度ケンカに負けたのが相当悔しいらしく、それから上条の元を何度も訪れては返り討ちに遭っているのだ」

「一名少女正看着两眼茫然的上条。这个少女就是昨天的超电磁炮少女。她对于打输他非常地不甘心,所以常来找上条报仇,但是每次都铩羽而归。」

「……。誰に対して説明してんのよ?」

「……你现在是对谁说明啊?」

「気が強くて負けず嫌いだけど、実はとっても寂しがり屋でクラスの動物委員を務めてます」

「这名少女虽然态度强硬又不服输,但是其实很怕寂寞,在班上是动物股长。」

「勝手に変な設定考えんな!!」

「别随便乱掰奇怪的人物设定!」

両手をビュンビュン振り回す少女、御坂美琴に道行く人々が目を向けている。まぁ無理もない。美琴の着ている何の変哲もない夏服は、実は学園都市でも五本の指に入る名門エリート常盤ときわだい中学のものだ。ラッシュ時の駅の中でも何故か見分けがつくという、あの気品爆発の常盤台のお嬢様が、電車の床に座ってケータイいじってる人間と同じ風に動いていたら誰だってビビる。

御坂美琴气得两手乱挥,路上的行人都不禁转头看她。会引人侧目也是理所当然,毕竟美琴身上所穿的那件看来平凡的夏季制服,可是学园都市中的明星学校前五名之一,常盘台中学的制服。以气质优雅著称的常盘台中学大小姐们,即使在拥挤的车站中也特别显眼。但是眼前这少女的言行,感觉起来却像是会坐在电车地板上玩手机的那种学生,当然会让周围的人觉得惊讶。

「でー、何なんだよビリビリ? ってか七月二〇日なつやすみなのに何で制服着てんの? 補習?」

「咦?对了,放电妹你干嘛?今天不是七月二十日?你怎么穿着制服?去学校补课?」

「ぐ……う、うっさいわね」

「呜……你……你管我!」

「動物小屋のウサたんが気になったの?」

「我知道了,一定是放心不下动物饲养区的小兔子吧?」

「だから勝手に動物設定付け加えてんじゃないわよ! それよかアンタ! 今日という今日こそ電極刺したカエルの足みたいにひくひくさせてやるから遺言と遺産分配やっとけグルァ!」

「你不要随便把动物加进我的人物设定里啦!臭小子,今天一定要让你好看!等一下你就会像被通电的青蛙两脚发抖,趁现在赶快写遗言跟分配财产吧!」

「やだ」

「不要。」

「何でよ!?」

「为什么?」

「動物委員じゃないから」

「因为我不是动物股长。」

「こ──────の。っざけてんじゃねーぞアンタぁ!!」

「你——这家伙还敢继续戏弄我!」

ドン! と、中学生は勢い良く歩道のタイルを踏みつける。

咚的一声,国中少女的脚用力踏在人行道的红砖上。

瞬間、辺りを歩いていた人達の携帯電話が一斉にバギンと凄まじい音を立てた。商店街の有線放送がブツンと途切れ、そこらを走っていた警備ロボットがビキンと嫌な音を鳴らす。

那一瞬间,周围行人的手机都发出刺耳的破裂声。商店街的有线电视立刻断线,连附近的警卫机器人都发出嘎嘎的诡异声响。

パリパリ、と。中学生の髪が静電気のような音を立てる。

国中少女的头发发出如同静电般的劈啪声。

生身の体一つで超電磁砲を扱う超者能力レベル5の少女は、獣のように犬歯を剝き出しにして笑い、

明明是血肉之躯,却可以发出超电磁炮的等级5超能力少女,如同野兽般露出虎牙笑了。

「ふん。どうよ、これでようやく腑抜けた頭のスイッチ切り替えられた? ─────むぐっ!」

「哼!如何?这样有没有让你的脑袋清醒点…………呜……!」

と、ゆうしゃくしゃくの御坂美琴の顔面全部を覆い隠すように、上条は慌てて片手で口を塞ぐ。

上条慌慌张张地,用手把自信满满的御坂美琴整张脸给盖住。

(だっ、黙れ、お願いだからその口を閉じて黙れっ! ケータイ焼かれた人間みんな殺気立ってるからっ!! バレたらみんな弁償だからっ、有線放送とかいくらかかるか分かんねーし!!)

(闭……闭嘴!拜托你不要说话!你没看见手机被弄坏的那些人正在冒着杀气啊!要是被发现是你干的,可是要负责赔给人家,还有那个有线电视不知道要赔多少钱咧!)

何となく銀髪のシスター少女の事を思い出しながら、上条はクリスマスの時ぐらいしか名前の浮かんでこない神様に思いっきり祈りを捧げてみる。

上条向着平时只有在圣诞节才会想到的上帝拼命祈祷,同时脑中还浮现出那位银发修女。

と、祈りが通じたのか、誰も上条と美琴に詰め寄るような事はなかった。

或许是他的祈祷奏效了,周围没有人向上条及美琴这边靠过来。

良かったぁ、と上条は(微妙に美琴を窒息させつつ)ホッとため息をつく、と。

正当上条松了口气(但是手掌下的美琴已经快窒息了)的时候……

『───メッセージ、メッセージ。エラーNo.100231-YF。電波法に抵触する攻撃性電磁波を感知。システムの異常を確認。電子サイバーテロの可能性に備え、電子機器の使用を控えてください』

「——警讯!警讯!错误 No.100231-YF。侦测到违反电波法的攻击性电磁波。确认系统异常。有可能是电子恐怖攻击事件,请各位不要使用电子器材!」

幻想殺しイマジンブレイカー超電磁砲レールガンは恐る恐る振り返る。

幻想杀手跟超电磁炮颤抖着回头看。

ぷすぷす、と。煙を噴いて歩道に転がるドラム缶が良く分からない独り言を呟いて、

倒在人行道上的大铁桶,正一边冒烟一边发出些让人听不太懂的讯号。

次の瞬間、警備ロボットは甲高い警報を辺り一面に鳴り響かせた。

下一个瞬间,警卫机器人开始响起巨大而尖锐的警报声。


もちろん逃げるに決まっていた。

当然要逃了。

裏路地へ入りポリバケツを蹴っ飛ばし黒猫を追い散らすように走り続けた。そう言えば俺は悪い事してないのに何で一緒に逃げてるんだろう、とか思いながらも逃げ続けた。警備ロボットは一体一二〇万円するというのをワイドショーで聞いていたからだ。

钻进小巷,踢翻了塑胶水桶,吓走了黑猫,不断地往前跑。上条一边跑一边想着:「等等,不对,我又没做坏事,干嘛一起跟着跑?」但是心里这样想,脚底还是只能继续跑。记得以前某个电视节目中曾经说过,一架警卫机器人造价要 120 万圆。

「うう、ぐすっ。ふ、不幸だ。……こんなのと関わったばっかりに」

「呜呜……我真不幸!全都是因为跟这种人扯上关系!」

「こんなのって言うな! 私には御坂美琴って名前があんのよ!」

「不要叫我『这种人』!我的名字是御坂美琴!」

裏路地の裏の裏の裏で、ようやく二人は立ち止まった。建ち並ぶビルの一つだけを取り壊したのか、四角い空間が広がっている場所だ。ストリートバスケに向いてそうにも見える。

在小巷的深处的深处的深处,两个人终于停下脚步。或许是拆掉了整齐排列的大楼中的其中一幢而形成的,这里的地形是个四方形的广场。很适合拿来打三对三斗牛赛。

「うるせえビリビリ! 大体テメェが昨日ド派手にかみなりなんぞ落とすからウチの電化製品まとめてられちまったんだぞ! この期に及んでまだなんかあんのか!」

「吵死了,放电妹!还不都是因为你昨天招来落雷,我家的电器设备都被搞坏了!现在你还想怎样?」

「アンタがムカつくから悪いのよっ!」

「谁叫你那么惹人厌!」

「意味の分かんねえキレ方すんな! 大体俺ぁテメェに指一本触れちゃいねーだろが!」

「你到底在气什么啦!我有碰过你一根汗毛吗?」

あの後───さんざん襲いかかってきた美琴の『攻撃』の全てを、上条は右手一本で受け止めた。それは超電磁砲だけではない。砂鉄をり集めた鋼鉄の『むちのような剣』に、内臓を狂わせるための強力な電磁波、トドメは空から降ってくる本物の『雷』。

昨天,上条用右手把美琴的一切攻击都挡了下来。不只「超电磁炮」,还包括聚集了钢筋铁砂所形成的「如鞭之剑」、以内脏为攻击目标的强力电磁波、以及最后的绝招——真正的「落雷」。

けどまぁ、どれもこれも上条当麻の敵ではない。

但是,每一招都无法伤到上条当麻分毫。

それが『異能の力』であるならば、上条当麻はその全てを無効化できるのだから。

只要是「异能之力」,上条当麻就可以将之完全消灭。

「ありゃお前が勝手に殴りかかって勝手に疲れただけだろ! 力の使いすぎで勝手にぐったりしやがって、お前のスタミナ不足を俺のせいにすんなビリビリ!」

「那是你自己拼命攻击,结果累垮了而已吧?明明是自己耐力不足,不要把错推给我啦!」

「~~ッ!!」ギリギリと美琴は奥歯を嚙かみ締めて、「あ、あんなの無効よ、ありえないわよ! だって私だって一発も殴られてないもん、それってお互い様で引き分けって事でしょ!!」

「~~唔……!」美琴气得咬牙切齿说道:「那……那根本不算我输!我……我连一拳都没被打中!那样应该算平手吧!」

「……はぁ、じゃあもういいよお前の勝ちで。ビリビリ殴ってもエアコン直る訳じゃねーし」

「唉,不用啦,算你赢,反正就算我现在揍你出气,坏掉的冷气机也修不好了。」

「が……ッ! ちょ、ちょっとアンタ! マジメにやりなさいってば!!」

「唔……!你……你给我站住!快拿出你的真本事跟我对决!」

両手をブンブン振り回して叫ぶ美琴に、上条は小さくため息をついて、

看着一边挥舞双手一边吼叫的美琴,上条叹了一口气……


じゃあ丶丶丶マジメにやっても良いんかよ丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶?」

「你确定我可以来真的?」


か……ッ、と美琴の言葉が詰まる。

美琴说不出话来。

上条は右手を軽く握って、もう一度開く。たったそれだけの仕草に、御坂美琴の全身からダラダラと嫌な汗が噴き出す。たった一歩、後ろへ下がる事もできずにその場で凍りつく。

上条的右手轻轻握拳,然后又打开。光是这个简单的动作,就让御坂美琴全身冷汗直流。连退后一步都不敢,只能僵在那里。

上条の『力の正体』が分からない美琴としては、表情一つ変えずに自分の切り札全すべてを封じた上条はまさに『未知の恐怖』そのものだ。

上条可以若无其事地将美琴的所有绝招都挡住,但是美琴却连上条的「能力」到底是什么都摸不着边际。对于上条,美琴其实充满了「未知的恐惧」。

無理もない、上条当麻は御坂美琴の『攻撃』を二時間以上受け続けて、たった一つのかすり傷も負わなかった男なのだ。『コレが本気を出したらどうなるんだろう?』と思って当然だ。

美琴会害怕也是理所当然的。毕竟上条当麻可是承受了御坂美琴整整两个多小时的攻击,身上却毫发无伤的男人。一想到「如果他认真起来不知道会多厉害」这点,就让美琴恐惧不已。

ふぅ、と上条はため息をついて目を逸らす。

过了一会,上条叹了口气,移开了视线。

全身を縛っていた糸が切れたように、ようやく美琴は一歩二歩とよろめいた。

美琴像是终于挣脱束缚似的,终于可以一步一步往后退。

「……、なんていうか、不幸だ」そんなにビビられると逆にショックな上条だった。「部屋の電化製品はボロボロだし、朝は自称エセ魔術師に夕方はビリビリ超能力者ときたもんだ」

「……为什么我……这么不幸……」看到美琴这么害怕,上条反而有点沮丧。接着说道:「房间的电器设备全毁,早上遇到冒牌魔法师,晚上又遇到放电妹……」

「ま、まじゅつしって……なに?」

「魔……魔法师……?那是什么……?」

「……、」上条はちょっと考えて、「……えっと、何なんだろう?」

「……」上条稍微想了一下,说道:「……嗯,到底是什么啊?」

いつもの美琴なら、『ぐらぁナメてんのかアンタ、チカラも変なら頭も変かぁ!?』とか叫んでビリビリする所だろう。だが、今日はどこか様子を見るようにびくびくしている。

平常的美琴,一定会大喊「臭小子你瞧不起我吗?还是你的怪能力把脑袋也给烧坏了?」接着就放出攻击电磁波。但是她现在却只敢小心翼翼地窥探上条的脸色。

もちろん相手を騙すためのハッタリなのだが、ここまで効果があるとちょっぴり切ない。

当然,上条只是吓唬她一下而已。没想到她怕成这样,反倒让上条有股淡淡的哀愁。

(……それにしても、魔術師、か)

(…………魔法师……)

上条はちょっとだけ思い出す。あの白いシスターがいた時は割とアッサリそんな言葉が出てきたけど、やっぱりちょっと離れてみれば現実から外れた言葉だと痛感させられる。

上条突然开始回想。跟那个纯白的修女讲话的时候,这个字眼好像出现得很自然。但是现在她不在了,上条才更加体验到这个字眼距离自己的现实生活有多遥远。

インデックスがいた時は何で感じられなかったんだろうと思う。

为什么跟茵蒂克丝在一起的时候,自己能够如此轻易地说出这个字眼?

そう信じられるだけの、それこそ神秘的な『何か』があったとでも言うんだろうか?

难道有股神秘的「气氛」,让上条在不知不觉中已经相信了她?

「……ていうか、ナニ考えてんだか」

「…………我到底在想些什么啊?」

子犬みたいにビビっているビリビリ女こと御坂美琴を放ったらかしにして、上条は呟く。

上条毫不理会身旁那个如今像小狗般直发抖的放电妹御坂美琴,一个人自言自语。

インデックスとは、あそこで縁を切った。この広い世界で何の意味もなく『偶然』再会するなんて事はまずありえない。魔術師がどうだとか考えた所で、もう何の意味もないのだ。

跟茵蒂克丝的缘分就这么断了。世界这么宽广,「再次偶遇」是无法期待的。现在再去思考「魔法师」到底是什么,已经没有意义了。

そう思うのに、忘れる事ができなかった。

即使如此,上条却无法忘怀。

部屋の中に忘れられた、頭に被る純白のフード。

上条想起自己的房间中,她忘记带走的那顶纯白修女帽。

たった一つだけ残った『繫がり』が、上条の心の隅をチクチク刺してイライラさせる。

她唯一所留下的,两人之间的「羁绊」,不断牵动上条的心,让上条烦躁不安。

何でそんな事を思ってしまうのか、上条当麻は自分自身の内側さえ分からなかった。

连上条自己也不知道,为什么会如此牵挂。

神様でも殺せる男のくせに。

他明明是个连神都杀得死的男人。

6#

今日び三二〇円では牛ぎゆう丼どん大盛も頼めない。

三百二十圆……今天没办法吃大碗牛丼了。

「………………………………………………………………………………………………、並かぁ」

「……………………………………………………中碗啊……」

文庫本サイズのお弁当をおハシの先でちょこちょこ食べてる女の子にはご理解できないだろうが、育ち盛りの汗だく野郎にとって並盛なんぞは『オヤツ』扱いである。

平常总是斯斯文文吃着跟文库本小说一样大小便当的少女们,或许无法体会吧。对于正在发育期的男孩子来说,中碗的牛丼只能称之为「点心」。

御坂美琴ビリビリおんなを追い払い、牛丼屋で『オヤツ』を食べた上条は、残金全財産三〇円(税込み)を手に、の落ちた学生寮の前まで戻ってきた。

打发了御坂美琴,进了牛丼屋吃完「点心」的上条,带着剩余的全部财产 30 圆(含税),在太阳下山前回到了宿舍门口。

人の気配はない。

一个人都没有。

おそらく夏休み初日だから、みんな街に出て遊びほうけているんだろう。

或许是因为刚放暑假,大家都上街玩疯了的关系吧。

見た目は典型的なワンルームマンションだ。四角いビルの壁一面に直線通路とズラリと並ぶドアが見える。鉄格子のような金属の手すりに『ミニスカのぞき防止用』のプラ板が張ってないのは、ここが『男子寮』だからだろう。

宿舍外观看起来就是个典型的套房式公寓。方形的建筑,墙壁上沿着走道整齐排列着房门。连着铁棒的金属扶手旁,并没有贴上用来「防偷窥狂」的塑胶板,因为这里是男生宿舍。

学生寮の建物は縦に──奥へ延びるように作られていて、玄関や反対側のベランダは、道路から見て側面──つまりビルとビルの隙間にある。

学生宿舍是纵向的,往前方延伸出去。玄关跟另一侧的阳台,由马路这个方向来看是在侧面,也就是在宿舍与宿舍的缝隙之间。

入口は一応オートロックになっているが、両隣のビルとの間隔はそれぞれ二メートル。今朝、インデックスがやったようにビルからビルへ飛び移れば簡単に侵入できる。

大门虽然有自动上锁系统,但是相邻的宿舍之间只有两公尺间隔,就像茵蒂克丝今天早上那样,只要从别幢宿舍跳过来,要入侵是很简单的事。

オートロックを抜けて、管理人室と呼ばれる物置丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶の横をすり抜けてエレベーターに乗る。工場の搬入用エレベーターより狭くて汚いのはご愛嬌、屋上を示す『R』のボタンが小さな鉄板で封印されているのは夜な夜なビルの屋上を飛んでやってくるロミオとジュリエット対策だ。

进入大门,穿过原本是管理员室的仓库,搭上电梯。这里的电梯比工地用来搬货用的还要狭窄且肮脏,写着代表屋顶的「R」字按钮,被铁板封印起来了。这是为了阻绝每天晚上都会在屋顶来来去去的那群罗密欧与茱丽叶。

電子レンジみたいな音と共にエレベーターは七階に止まる。

电梯发出如同微波炉般的金属声,停在七楼。

がこがこ音を立てて開くドアを押しのけるように上条は通路に出た。七階という高さだがビル風はなく、隣のビルとの圧迫感もあるせいか余計に蒸し暑い気がした。

电梯门发出嘎嘎声响,缓慢地往两侧分开,不耐烦的上条,推了电梯门一把走出电梯。虽然是七楼的高度,却没有大楼风。而且或许是隔壁宿舍靠得太近所造成的压迫感,让上条感觉似乎比平地还要闷热。

「ん?」

「嗯?」

と、上条はようやく気づいた。直線的な通路の向こう──自分の部屋のドアの前で、三台の清掃ロボットがたむろしている。三台、というのは珍しい。そもそもこの寮に配備された清掃ロボットは全部で五台のはずなのに。それぞれ体を小刻みに前後させている所を見ると、よっぽどひどい汚れを掃除しているようにも見える。

上条终于发现了,在直线的走廊远端,自己的房间门口,聚集了三架清扫用机器人。三架都聚集在同一个地方是很少见的事。这间宿舍所配备的清扫用机器人,总共也才五架而已。这三架清扫用机器人都以一定的频率前后震动,看来是正在清洁一块非常脏的污垢。

……何となく、とてつもなく不幸な予感。

……不知为什么,上条有种不好的预感。

大体、床に貼り付いたガムだって素通りで剝がすほどの破壊力を持つドラム缶ロボだ。一体何をどうしたら三台もの清掃ロボットが苦戦しなければならないのか。もしかして童貞を捨てるために無理して不良ぶってる隣人つちかどもとはるが酔っ払って人んのドアを電柱代わりに、盛大にゲロをぶちまけたんじゃあるまいかと上条は戦慄する。

这些大铁桶机器人的清洁能力,就算是粘在地板的口香糖也可以靠通过一次就连根拔起。到底是什么样的污垢,让三架机器人陷入如此的苦战中?难道是为了抛弃处男而假装不良少年的隔壁邻居土御门元春喝醉了酒,把我家房门当成电线杆吐了一地?想到这种情况,上条就不寒而栗。

「一体何が……、」

「到底是什么……」

人間には怖いモノ見たさという常軌を逸した機能が備わっている。

人类都有种对恐怖的东西感到好奇的愚蠢机能。

一歩、二歩と思わず前に足が進んだ時、ようやくソレが見えた。

上条无法控制自己的脚一步、两步地往前走去。终于,他看见了那个东西。


不思議少女インデックスが空腹でぶっ倒れていた。

奇妙少女茵蒂克丝饿昏在那里。


「…………………………………………………………………………………………………、あー」

ロボットの陰に隠れて全体は見えないが、うつ伏せに倒れた安全ピンがギラギラ光る白い修道服は誰がどう見ても行き倒れていた。

虽然有些部分被机器人挡住而看不见,但是这个趴在地上,安全别针闪闪发光的白色修道服,任谁来看都知道是这家伙又不支倒地了。

三台ものドラム缶にがっつんがっつん体当たりをぶちかまされても、インデックスはピクリとも動かない。何だか都会カラスに小突かれているようで異常に哀れに見えた。大体、清掃ロボットは人間や障害物を避けて通るように作られているはずなのだが、機械にさえ人間扱いしてもらえないというのは一体どういう事なんだろう?

三架大铁桶不断用身体撞击着茵蒂克丝,但是她却动也不动。这跟正在被都市内的乌鸦啄食的景象,真有异曲同工之妙,看起来有够可怜。事实上,清扫机器人应该懂得避开行人跟障碍物才对,这表示连机器都不把茵蒂克丝当人看待,真是太凄惨了。

「……。なんていうか、不幸だ」

「…………我真是……不幸啊……」

とか何とか言いながら、上条当麻は鏡を見れば自分の顔に驚いていただろう。彼の顔は誰がどう見ても笑っていた。

虽然嘴里这么说着,但是假如眼前有面镜子的话,上条当麻一定会被自己的表情吓一跳吧。任谁来看,都会用笑容满面来形容他。

やはり心のどこかに引っかかっていたのだ。『魔術師』という言葉は信じられなくても、怪しげな新興宗教の連中が一人の女の子を追い掛け回している、と解釈する事もできる。

毕竟上条心中还是有不安的。就算关于「魔法师」的事情不是真的,也可以解释成一个孤零零的少女,正在被一群隶属诡异新兴宗教的人所追赶。

それが何でもない、いつもの姿(?)で現れた事が嬉しかった。

看她如今又若无其事地,以最自然的方式(?)出现在自己眼前,实在是件让人高兴的事。

そんな理屈を取っ払っても、もう一度再会できた事が何故だか純粋に嬉しかった。

而且就算不理会这些表面的借口,光是能够再见到她,就是件让人高兴的事了。

上条は思い出す。たった一つの忘れ物。渡し損ねた純白のフード。その存在が、まるでおまじないのように見えてくるのが不思議だった。

上条突然想起来,她唯一遗忘在这里的那件东西。那顶纯白的修女帽。如今对上条来说,那顶修女帽简直就像个灵验的魔法道具。

「おい! こんな所でナニやってんだよ?」

「喂!你又在这里干什么啦!」

声をかけて、走る。たったそれだけの作業で、何で遠足前夜の眠れない小学生みたいな気分にさせるんだろうと上条は思う。一歩一歩近づく事が、何で大作RPGの発売日にお店に向かうような気持ちにさせるんだろうと上条は考える。

他呼喊着开始往前跑。光是这样的动作,就让上条的心情像远足前一天睡不着觉的小学生。一步一步靠近她,那种感觉就像是超大作RPG游戏的发售日,自己正兴高采烈地要跑去购买。为什么会那么兴奋,连上条自己也不明白。

インデックスはまだ気づかない。

茵蒂克丝还没发现上条来了。

上条当麻はそんな『インデックスらしい』仕草に笑みを嚙み殺して、

上条当麻看着茵蒂克丝的这副德行,觉得这个姿势真是太适合你了,实在是忍不住好笑。


インデックスが血だまりの中に沈んでいる事に、ようやく気づいた。

接着上条才发现,茵蒂克丝是倒在血泊之中。


「……、あ……?」

「…………啊……?」

最初に感じたのは、むしろ驚きよりも戸惑いだった。

一瞬间,上条感觉到的不是震惊,反而是疑惑。

たむろする清掃ロボットの陰になっていて見えなかったのだ。うつ伏せに倒れたインデックスの背中──ほとんど腰に近い辺りが、真横に一閃いっせんされている。まるでじょうとカッターナイフを使って段ボールへ一直線に切り込みを入れたような刃物の傷。腰まである長い銀髪の毛先は綺麗に切り揃えられ、その銀髪も傷口から溢れ出す赤色に染め上げられていく。

刚刚被清扫机器人所挡住,所以没看见。趴在地上的茵蒂克丝,背上靠近腰部的地方,有一道水平的伤口。伤口非常笔直,简直像是使用尺跟刀片在瓦愣纸板上切割出来一样。及腰的银色长发最前端,也被整齐地切断了。连这些银色的头发,都被伤口所流出的血给染成了红色。

上条は一瞬、それを『人間の血液』と認識する事ができなかった。

上条在一瞬间,甚至没有想到这是「人血」。

一瞬前と一瞬後。あまりにギャップのありすぎる現実リアルが、思考を混乱させた。真っ赤な真っ赤な……ケチャップ? 空腹でぶっ倒れる直前のインデックスが最後の力を振り絞ってケチャップでも吸っていたのかと、そんな微笑ましい絵を想像して上条は笑おうとする。

前一分钟跟后一分钟,如此大的现实落差让上条思绪陷入混乱。这些红红的是……番茄酱吗?肚子饿得快昏倒的茵蒂克丝,用尽最后的力气挤出番茄酱要吃?这个想象中的画面实在是太好笑了,上条忍不住就要笑出来。

笑おうとしたけど、笑えない。

但是,上条笑不出来。

そんな事、できるはずがない。

怎么可能笑得出来?

三台の清掃ロボットがぎこぎこ音を立てて小刻みに前後する。床の汚れを掃除している。床に広がる赤色を、インデックスの体から溢れる赤色を。薄汚れた雑巾で傷口をほじくり返すように、インデックスの体の中身を残らず吸い出すように。

三架清扫用机器人发出嘎嘎的声音,不断前后移动。它们在清洁地板上的污垢。从茵蒂克丝身上流出来,不断在地板上扩散的红色液体。看起来就像是正在用肮脏的抹布不断翻弄着伤口,要把茵蒂克丝身体里的东西全部吸出来似的。

「や、……めろ。やめろっ! くそ!!」

「住……住手!快住手!可恶!」

ようやく上条の目が現実にピントを合わせた。重傷のインデックスに群がる清掃ロボットに慌てて摑みかかる。盗難防止のため無駄に重たい清掃ロボットは馬力もあって、なかなか引き剝がす事ができない。

上条终于认清了现实,急忙抱住了一架聚集在重伤的茵蒂克丝旁边的清扫用机器人。但是清扫用机器人为了避免遭到偷窃,本身就做得很沉重,再加上马力十足,实在很难拉开。

もちろん、清掃ロボットは『床に広がり続ける汚れ』を掃除しているのであって、直接インデックスの傷口には触れていない。それでも上条には清掃ロボットが腐りかけた傷口に群がる羽虫のように見えた。

当然,清扫用机器人只是在清洁「不断在地板扩散的污垢」而已,并没有真的碰到茵蒂克丝的伤口。但是在上条的眼中,这些清扫用机器人就跟聚集在腐烂伤口上的苍蝇没两样。

そこまで思っているのに。一台でさえ重たく馬力のある清掃ロボット、それが三台にもなると全すべてを引き剝がせない。一台に気を取られていると他の二台が『汚れ』に向かってしまう。

虽然上条已经尽了全力,但是光一架就让人觉得又重又有力的清扫用机器人,现在有三架,实在很难全部拉开。而且对付其中一架的时候,另外两架又会向「污垢」移动。

神様でも殺せる男のくせに。

即使是连神都能杀死的男人,一样无计可施。

こんなオモチャをどかす事さえ、できない。

连这样的玩具,都没有办法对付。

インデックスは何も言わない。

但是茵蒂克丝却没有嘲笑他。

血の気を失って紫色になった唇は、呼吸しているかどうかさえ怪しいほどに動かなかった。「くそ、くそっ!!」混乱した上条は思わず叫んでいた。「何だよ、一体何なんだよこれは!? ふざけやがって、一体どこのどいつにやられたんだ、お前!!」

因失血过多而变成紫色的嘴唇,一动也不动。甚至让人怀疑,她是否还有呼吸。「可恶!可恶!」脑袋一片混乱的上条不由自主地怒吼:「这到底是怎么回事,开什么玩笑!你快告诉我到底是哪个家伙干的!」


「うん? 僕達『魔術師』だけど?」

「唔?就是我们『魔法师』干的啊?」


だから────だからこそ、背後からかかった声は、インデックスのものではない。

所以——这个从背后传来的声音,当然不是出自茵蒂克丝之口。

殴りかかるように上条は体ごと振り返る。エレベーター……ではない。その横にある非常階段から、男はやってきたようだった。

上条用力转身,一副马上要上前拼命的姿势。电梯……没人。但是旁边的逃生梯口却站着一个男人。他似乎是走楼梯上来的。

白人の男は二メートル近い長身だったが、顔は上条より幼そうに見えた。

这个皮肤白晰的男人,身高将近两公尺,面貌似乎比上条还年轻。

歳は……おそらくインデックスと同じ十四、五だろう。その高い身長は外国人特有のものだ。服装は……教会の神父が着ているような、漆黒の修道服。ただしコイツを『神父さん』と呼ぶ人間は世界中を探しても一人として存在しないだろう。

年纪……大概跟茵蒂克丝一样,十四、五岁左右吧。看他的身高,应该是个外国人。至于他的服装……则是如同教会的神父般,穿着黑色的修道服。但是找遍全世界,大概也不会有人相信这人是个神父。

相手が風上に立っているせいか、十五メートル以上離れた上条の鼻にも甘ったるい香水の匂いが感じ取れる。肩まである金髪は夕焼けを思わせる赤色に染め上げられ、左右一〇本の指には銀の指輪がメリケンのようにギラリと並び、耳には毒々しいピアス、ポケットから携帯電話のストラップが覗のぞき、口の端では火のついた煙草が揺れて、極めつけには右目のまぶたの下にバーコードの形をした刺青タトウーが刻み込んである。

或许是他站在上风处的关系吧,上条跟他之间的距离至少有十五公尺,鼻子却已经可以闻到甜甜的香水味。及肩的金发被染成如同夕阳般的红色,左右十只手指上都戴着闪闪发亮的银戒,耳朵上戴着恶心的耳环,口袋露出手机吊饰,嘴角咬着一根已经点火的香烟正在不断摇晃,最夸张的是右眼睑下方还有条码型的刺青。

神父と呼ぶにも、不良と呼ぶにも奇妙な男。

这名奇怪的男人可以说是神父,却也可以说是不良少年。

通路に立つ男を中心とした、辺り一帯の空気は明らかに『異常』だった。

男人站在走廊上,以他为中心,周围的气氛很明显的不太对劲。

まるで今まで自分が使ってきた常識が全部通用しないような、まったくもって別のルールが支配しているような────そんな妙な感覚が氷の触手のように辺り一帯に広がっている。

在这里,似乎上条过去所认定的常识都不再适用。在这里,世界似乎被完全不一样的规则所支配。这样的奇妙气氛,如同冰冷的触手般不断向外扩散。

上条が最初に感じたのは、『恐怖』でもなければ『怒り』でもない。

上条最初的感觉,不是「恐惧」,也不是「愤怒」。

『戸惑い』と『不安』。まるで言葉も分からない異国でサイフを盗まれたような、絶望的な孤独感。じりじりと、体の中へ広がる氷の触手のような感覚に心臓は凍り、上条は思い至る。

而是「困惑」与「不安」。简直像是在语言不通的国家被偷了钱包一样,充满绝望的孤独感。如同冰冷触手般的感觉,慢慢地在身体里面扩散,心脏渐渐冻结。这时候上条才想到。

これが丶丶丶魔術師丶丶丶

这个人,就是魔法师。

ここは丶丶丶魔術師という違うモノが存在してしまう丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶一つの丶丶丶異世界丶丶丶と化していた丶丶丶丶丶丶

这里似乎已经变成了另外一个「异世界」。在这里,魔法师这种特殊的角色是存在的。

一目で分かる。

上条一眼就看得出来。

魔術師なんて言葉は今でも信じられないけれど、

虽然自己到现在还是不相信「魔法师」这个字眼……

これは、間違いなく自分の住んでいる常識セカイの『外』の住人だという事が。

但是眼前这个人,很明显的不能用自己的世界的常识来加以思考。

「うん? うんうんうん、これはまた随分と派手にやっちゃって」

「唔?嗯嗯嗯……这下可砍得真重啊……」

口の端の煙草を揺らしながら魔術師はあちこち見回す。「神裂かんざきったって話は聞いたけど……、まぁ。血の跡がついてないから安心安心とは思ってたんだけどねぇ」

魔法师一边摇晃嘴角的香烟左顾右盼,接着说道:「虽然知道是被神裂砍的……但是一路上都没看见血迹,本来还安心了一下呢。」

魔術師は上条当麻の後ろでたむろしている清掃ロボットを見る。

魔法师看着聚集在上条当麻背后的清扫用机器人。

おそらくインデックスはどこか別の場所で『斬られて』、ここまで命からがら逃げてきた所で力尽きた。途中、辺りにべったりと鮮血をなすりつけただろうが、それらは全て清掃ロボットが綺麗に拭い去ってしまったのだ。

茵蒂克丝大概是在别的地方「被砍」,挣扎着逃到这里来,最后终于不支倒地吧。一路上应该到处都留下血迹,但是后来都被清扫用机器人给清洁得干干净净。

「けど、何で……」

「可是……为什么……」上条不禁喃喃自语。

「うん? ここまで戻ってきた理由かな。さあね、忘れ物でもしたんじゃないのかな。そういえば昨日背中を撃った時点では被り物フードがあったけど、あれってどこで落としたんだろうね?」

「嗯?你要问她为什么会回到这里?谁知道呢,或许是忘记东西了吧。对了,昨天击中她的时候,她头上还戴着修女帽,不知道后来掉在哪里了?」

目の前の魔術師は『戻ってきた』と言った。

眼前的魔法师,用了「回到这里」这样的字眼。

つまり、今日一日のインデックスの行動をついしていた。そして修道服『歩く教会』の一部フードを忘れている事も摑んでいる。

换句话说,茵蒂克丝今天一整天的行动,都在他们的监视之中。甚至连修道服「移动教会」的帽子掉了这件事,都掌握得清清楚楚。

インデックスは『歩く教会』の魔力は探知サーチされている、とか言っていた。

茵蒂克丝说过,魔法师可以侦测出「移动教会」的魔力。

となると、この魔術師達はインデックスの『歩く教会』が持つ『異能の力』を感知して追い掛けていた訳だ。『歩く教会』が破壊された事を知っているのも、『信号』が途切れた事を知ったから───これも確かインデックスから聞いた。

她也曾说过,这些魔法师就是靠着侦测茵蒂克丝「移动教会」的「异能之力」来追踪她的。一旦「讯号」中断,魔法师们也会知道这代表「移动教会」被破坏了。

けど、それはインデックスも分かっていたはずだ。

但是茵蒂克丝自己当然也很清楚这一点。

分かっていながら、それでも『歩く教会』の防御力に頼ってきたらしいんだから。

然而,她还是不得不依赖「移动教会」的防御能力。

けど、それなら彼女は一体何のためにここまで戻ってきた? 破壊されて使えもしない『歩く教会』の一部をどうして回収する必要がある? 上条の右手のせいでもう『歩く教会』全体そのものが使い物にならなくなったのなら、その一部フードを回収したって何の意味もないというのに……。

可是……她为什么又要回到这里来?「移动教会」已经被破坏而无法发挥功能,何必再回来拿那顶帽子?「移动教会」既然已经被上条的右手给毁了,回收那顶帽子又能怎么样……?


『……、じゃあ。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?』

「……你的意思是,即使我下地狱,你也愿意陪着我?」


不意に、全てが繫がった。

一瞬间,所有的片段都串联起来了。

上条は思い出す。上条の部屋に置き去りにした『歩く教会』の残骸フード。上条は、アレには触れていない。つまり被り物には魔力が残っている。それを探知して魔術師がやってきてしまうかもしれないと、彼女は考えた。

上条想起来了。被留在上条房间里的那顶「移动教会」的帽子,还没有被上条的右手碰过。换句话说,那顶帽子还在散发魔力。她一定是担心魔法师们会追踪魔力来到上条的房间。

だから、インデックスはわざわざ危険を冒して『戻ってきた』。

所以,她才冒着极大的风险「回到这里」。

「……、ばっかやろう」

「……你这个笨蛋。」

そんな事する必要はないのに。『歩く教会』を壊したのは上条の不手際だし、部屋に忘れた被り物フードにしたって上条は気づいていながらわざと部屋に放置しておいた。そして何より───インデックスは、上条の人生を守り抜く義理も義務も権利だってありはしないはずなのに。

根本没必要冒这样的风险。「移动教会」会被破坏,根本就是上条的错。遗忘在房间的修女帽,其实上条也早就察觉,只是故意放着不管而已。而且更重要的是……茵蒂克丝根本没有必要保护上条的人生,既没理由也没义务更没权利。

それでも、彼女は引き返さなければ気が済まなかった。

即使如此,她还是决定要回来。

赤の他人の、出会って三〇分も経っていない上条当麻の事を。

为了一个陌生人,一个才认识三十分钟的上条当麻这个人。

命を賭けて、魔術師達との戦いに巻き込ませないために。

为了不让上条当麻卷入自己与魔法师之间的战争,她赌上了性命。

戻ってこなければ、気が済まなかった。

她就是觉得必须回来。

「───ばっかやろうが!!」

「——你这个笨蛋!」

ピクリとも動かないインデックスの背中が、妙にかんに障った。

茵蒂克丝一动也不动的背影,更让上条感到无比的愤怒。

前に、上条の『不幸』はこの右手のせいらしい、という話をインデックスから聞いた。

之前茵蒂克丝曾经跟上条说过,上条「不幸」的原因全是来自于右手。

何でも『神様のご加護』とか『運命の赤い糸』とか、そういう微弱な『異能の力』さえ、右手は無意識の内に打ち消してしまっているらしい。

上条的右手会在无意识间,将「神的庇佑」、「命运的红线」之类微弱的「异能之力」消除。

そして、上条が不用意に右手で彼女に触れなければ、修道服『歩く教会』を壊していなければ、少なくても彼女が戻ってくる事はなかった。

如果上条没有随随便便就用这样的右手碰她,修道服「移动教会」就不会坏掉,她也不用冒着危险回到这里。

いや、良い。そんな言い訳はどうでも良い。

不,这些都还不是重点。

右手が何だろうが『歩く教会』が壊れていようが、彼女がここに戻ってくる必要はなかった。

不管上条的右手有什么能力,不管「移动教会」是否坏掉,都不构成她回到这里的理由。

上条が、『繫がり』なんぞ求めなければ。

全部都只因为,上条想要一个「羁绊」。

あの時、あの瞬間。キチンと彼女が落としたフードを返していれば。

如果那时候就把帽子还给她,现在也不会变成这样。

「うん? うんうんうん? 嫌だな、そんな目で見られても困るんだけどね」魔術師は口元の煙草たばこを揺らし、「ソレを斬ったのは僕じゃないし、神裂だって何も血まみれにするつもりなどなかったんじゃないかな。『歩く教会』は絶対防御として知られるからね。本来ならあれぐらいじゃ傷もつかないはずだったのさ。……まったく、何の因果でアレが砕けたのか。セントジョージのドラゴンでも再来しない限り、法王級の結界が破られるなんてありえないんだけどね」

「唔?唔唔唔?别这样嘛,不要用那种眼神看我啦!」魔法师晃动着嘴角的香烟说道:「『那东西』又不是我砍的,是神裂砍的。而且神裂应该也没打算把『那东西』砍成重伤吧。『移动教会』具有绝对防御能力,那种程度的攻击,本来应该可以毫发无伤才对……真不晓得『移动教会』怎么会被毁了?除非圣乔治之龙再度降临,否则教宗级的结界应该绝不会被破坏才对啊……」

言葉の終わりは独り言のように、それでいて笑みが消えていた。

魔法师说到后来有点像是在喃喃自语,而且笑容也消失了。

だが、それも一瞬。すぐに思い出したように口の端の煙草が小さく揺れる。

不过,那只是一瞬间的事。马上,他又开始摇晃嘴边的香烟。

「なんで、だよ?」思わず、答えを期待していないのに上条の口は動いていた。「何でだよ。俺おれは魔術なんて絵本メルヘン信じらんねえし魔術師テメエらみてえな生き物は理解できねえよ。それでもお前達にも正義と悪ってモンがあるんだろ? 守る物とか護る者とかあるんだろ……?」

「为什么……」上条不由自主地,问出了根本不期待对方会回答的问题:「为什么……?其实我根本不相信魔法这种东西,也无法理解魔法师到底是什么样的生物……但是……你们的世界之中,应该也有正邪之分吧?应该也有想保护的东西以及守护者吧……」

そんな事、偽善使いフオツクスワードに言えた義理ではない事は良く分かっている。

上条非常清楚,身为一个假惺惺的伪善者,其实根本没资格问这些问题。

上条当麻は、去っていくインデックスをそのまま見捨てて日常へ帰ったんだから。

毕竟上条当麻曾经抛弃了茵蒂克丝,回到自己的日常生活。

それでも、言わない訳にはいかなかった。

即使如此,上条还是非问不可。

「こんな小さな女の子を、寄ってたかって追い回して、血まみれにして。これだけの現実リアルを前に! テメェ、まだ自分の正義を語る事ができんのかよ!!」

「你们一大群人,追着这样一个孤零零的小女孩,还把她砍成重伤……你们做出这种事,为什么还能坚持自己的正义?」

「だから、血まみれにしたのは僕じゃなくて神裂なんだけどね」

「我说过了,砍伤『那东西』的又不是我,是神裂。」

なのに、魔術師は一言で断じた。微塵も欠片かけらも、響いていなかった。

但是,魔法师却回了他一句这么简单的话。完全没有任何愧疚感。

「もっとも、血まみれだろうが血まみれじゃなかろうが、回収するものは回収するけどね」

「不过,不管有没有受重伤,反正该回收的还是要回收。」魔法师说。

「かい、しゅう?」意味が分からない。

「回……收……?」上条没听懂这句话。

「うん? ああそうか、魔術師なんて言葉を知ってるから全部筒抜けかと思ってたけど。ソレは君を巻き込むのがこわかったみたいだね」魔術師は煙草の煙を吐いて、「そう、回収だよ回収。正確にはソレじゃなくて、ソレの持ってる一〇万三〇〇〇冊の魔道書だけどね」

「嗯?啊……原来如此。刚刚从你口中听到『魔法师』这字眼,我还以为你什么都知道了呢!看来『那东西』很怕把你卷入这事件之中吧?」魔法师吐出了一口烟,继续说道:「没错,就是回收。不过正确来说并不是回收『那东西』,而是回收『那东西』所带着的十万三千本魔道书。」

……また、『一〇万三〇〇〇冊の魔道書』だ。

……又是「十万三千本魔道书」。

「そうかそうか、この国は宗教観が薄いから分からないかもしれないね」魔術師は笑っているのにつまらなそうな声で、「Index-Librorum-Prohibitorum──この国では禁書目録って所か。これは教会が『目を通しただけで魂まで汚れる』と指定した邪本じゃほん悪書あくしょをズラリと並べたリストの事さ。危険な本が出回っていると伝令しても、タイトルが分からなければ知らず知らずの内に手に取ってしまうかもしれないからね。───かくして、ソレは一〇万三〇〇〇冊もの『悪い見本』を抱えた、毒書の坩堝と化したって訳だ。ああ、注意したまえ。ソレが持ってる本ね、宗教観の薄いこの国の住人なら、一冊でも目を通せば廃人コースは確定だから」

「对了对了,这个国家的宗教观很薄弱,所以你可能还是听不懂吧。」魔法师一边笑,一边用觉得无聊的声音解释:「Index-Librorum-Prohibitorum——用你们国家的话来说,可以翻译成『禁书目录』吧。目录上都是些教会认定『只要看了一眼就会让灵魂受到污染』的邪恶书籍。你想想,就算教会发出公告说世界上有很多危险的书,但是大家不知道书名的话,也有可能在不知情的情况下拿来看不是吗?所以教会才故意让『那东西』带着十万三千本『邪书范本』,等于是个邪书集中管理处。对了,我劝你要小心点喔,『那东西』身上所带的书啊,对这个宗教观薄弱的国家的人来说,只要看了一本就会变成废人呢。」

そんな事を言ったって、インデックスは一冊の本も持っていない。あんな体のラインがはっきり見える修道服なら服の下に隠したって分かるはずだ。大体、一〇万冊もの本を抱えて人が歩けるはずがない。一〇万冊って……それは図書館一つ分もあるんだから。

但是茵蒂克丝身上明明一本书都没有。她穿着身形线条那么明显的修道服,就算把书藏在修道服底下,也应该看得出来才对。更何况一个人怎么可能带着十万本书走路?十万本书……都可以盖间图书馆了。

「ふ、ざけんなよ! そんなもん、一体どこにあるって言うんだ!?」

「开什么玩笑!哪有什么书?」

「あるさ。ソレの記憶あたまの中に」

「就是有。就在她的脑袋里。」

サラリと。魔術師は当然のように答えた。

魔法师若无其事般地说着:

「完全記憶能力、って言葉は知ってるかな? 何でも、『一度見たものを一瞬で覚えて、一字一句を永遠に記憶し続ける能力』だそうだよ。簡単に言えば人間スキャナだね」魔術師はつまらなそうに笑い、「これは僕達みたいな魔術オカルトでも君達みたいな超能力SFでもなく、単なる体質らしいけど。彼女の頭はね、大英博物館、ルーブル美術館、バチカン図書館、華子城パータリプトラ16遺跡、コンピエーニュ17古城、モン=サン=ミシェル18修道院……。これら世界各地に封印され持ち出す事のできない『魔道書』を、その目で盗み出し丶丶丶丶丶丶丶丶保管している『魔道図書館』って訳なのさ」

「你听过『完全记忆能力』这种东西吗?据说是『只要看过一眼的东西,就可以在瞬间记忆下来,而且一辈子都会记住,一个字也不会忘记』的能力。简单地说,就像是个人形的扫描器。」魔法师用一种丝毫提不起兴致的口气笑着说:「这并不是我们的魔法,也不是你们那种超能力,单纯只是种体质而已。在她的脑袋里啊,收藏了大英博物馆、罗浮宫美术馆、梵蒂冈美术馆、华子城遗迹、贡比涅古城、圣米歇尔修道院……这些世界各地的『魔道书』,原本都是被封印起来,根本偷不出去的,但是她却可以用她的眼睛将这些书给『偷』出来,保管在自己脑袋中,就像个『魔道书图书馆』一样。」

信じられる、はずがない。

天底下怎么可能会有这种事?

魔道書なんて言葉も、完全記憶能力なんて言葉も。

什么魔道书,什么完全记忆能力,全都太荒谬了。

だけど、重要なのはそれが『正しい』かどうかじゃない。こうして目の前に、実際にそれを正しいと『信じて』少女の背中を斬り刻んだ人間がいる事だ。

但是,重要的并不是这些事情到底是不是「真的」。重要的是,眼前有个少女被「相信这些事情都是事实」的一群人给砍伤了。

「ま、彼女自身は魔力を練る力がないから無害なんだけど」魔術師は愉快げに口の端の煙草を揺らし、「そんな安全装置ストツパーを用意する辺り、『教会』にもいろいろ考えがあるんだろうね。まぁ魔術師の僕には関係ないけど。とにかくその一〇万三〇〇〇冊は少々危険な代物なんだ。だから、使える連中丶丶丶丶丶に連れ去られる前にこうして僕達が保護しにやってきた、って訳さ」

「不过她本身无法产生魔力,所以是无害的。」魔法师愉快地晃动着嘴边的香烟说道:「看来『教会』那些人也不是笨蛋,故意让她无法使用魔力。不过,这些事情反正都跟身为魔法师的我没有关系。总而言之我想强调的就是,这十万三千本书是很危险的,要是被能使用魔法的人带走就麻烦了,所以我们是来保护她的。」

「ほ……、ご?」

「保……护……?」

上条は愕然とした。これだけ真っ赤な光景を前に、この男は今なんて言った?

上条一阵错愕。如今茵蒂克丝已经倒在血泊之中,而眼前这个人竟然还能说出这样的字眼。

「そうだよ、そうさ。保護だよ保護。ソレにいくら良識と良心があったって拷問と薬物には耐えられないだろうしね。そんな連中に女の子の体を預けるなんて考えたら心が痛むだろう?」

「是啊,保护。就算『那东西』本身还有些道德跟良心,但是应该也禁不起拷问与药物折磨吧?一想到这样一个女孩子要是落在那些坏人手中,你不觉得心痛吗?」

「……、」

カチカチと。体のどこかが震えていた。

上条的身体某处,开始剧烈颤抖。

それは単純な怒りではない。現に上条の腕には鳥肌が立っている。目の前の男の、自分だけは正しいという考え方。自分の間違いが見えないという生き方。それら全てが、まるで何万匹ものナメクジで満たした風呂に突き飛ばされたみたいな悪寒を全身に駆けずり回らせる。

这并不只是单纯的愤怒。上条的手臂上,甚至起了鸡皮疙瘩。眼前这个男人,完全相信只有自己是对的。他活在完全看不到自己的错误的生活之中。看着这样的男人,上条感觉自己像是跳进塞满几万只蛞蝓的浴缸一样,恶心感席卷全身。

狂信集団マツドカルト、という言葉がじわりと脳に染み込んでくる。

上条脑中浮现了一个名词:宗教狂热集团。

そんな根拠も理論もない『妄信』のために人間狩りをする魔術師に頭の神経がブチ切れて、

这些人竟然为了一些毫无根据的「妄想」而伤害他人,让他的愤怒到达顶点。

「て─────メェ、何様だ!!」

「你这个混蛋————!」

バギン、と、右手が怒りに呼応するように熱を帯びたような気がした。

如同要呼应自己的愤怒似的,上条感觉到右手也开始发热起来。

地面にい留められていた二本の脚が、考えるより早く動く。血と肉の詰まった鈍重どんじゅうな体が弾丸みたいに魔術師へ向かう。右手を、五本の指を粉々に砕く勢いで握り締める。

原本半步也移动不得的双脚,如今动得比脑袋所想的还快。由血肉所组成的笨重身体,像炮弹般朝魔法师飞去,他的右手紧握着,几乎要把五根手指头捏碎。

右手なんて役に立たない。不良の一人も倒せずテストの点も上がらず女の子にもモテない。

上条的右手一点用处都没有。没办法打倒不良少年或增加考试分数,也没办法用来把妹。

だけど右手はとても便利だ。目の前の、クソ野郎を殴り飛ばす機能があるんだから。

但是上条的右手却非常好用。至少还可以拿来扁眼前这个混蛋。

「ステイル=マグヌスと名乗りたい所だけど、ここはFortis931と言っておこうかな」

「我的名字叫史提尔·马格努斯。不过这种时候,或许我应该自称 Fortis931 吧……」

なのに、魔術師は口の端を歪めて煙草を揺らしているだけだった。

魔法师丝毫不为所动,只是嘴角微微笑着,晃动香烟。

口の中で何かを呟いた後、まるで自慢の黒猫でも紹介するように上条に告げる。「魔法名だよ、聞き慣れないかな? 僕達魔術師って生き物は、何でも魔術を使う時には真名まなを名乗ってはいけないそうだ。古い因習だから僕には理解ができないんだけどね」

接着魔法师似乎在嘴里小声地念了些什么,然后用如同要介绍自己饲养的心爱黑猫似的表情,对上条开始解释:「这是我的魔法名。你可能没听过魔法名这玩意吧?不知道为什么,我们魔法师在使用魔法时,是禁止使用真名的。这只是以前流传下来的传统,所以我也不知道理由……」

両者の距離は十五メートル。

双方的距离约十五公尺。

上条当麻はたった三歩でその距離を半分に縮める。

上条当麻只用三步,就把双方的距离拉近了一半。

「Fortis───日本語では強者と言った所か。ま、語源はどうだって良い。重要なのはこの名を名乗りあげた事でね、僕達の間では、魔術を使う魔法名というよりも、むしろ───」

「『Fortis』这个字翻译成日文就是『强者』。不过语源并不重要,重要的是在我们魔法师之间,喊出魔法名并不只代表将要使用魔法,更代表着……」

さらに二歩、上条当麻は勢い良く通路を駆け抜ける。

上条当麻以很快的速度,在走廊上又踏出两步。

それでも魔術師は笑みを崩さない。上条では笑みを消す相手にもならないとでも言うように。

但是魔法师的笑容依然没有消失。或许对他来说,上条还不足以让他收敛起笑容。

「─────殺し名丶丶丶かな丶丶?」

「……杀戮之名。」

魔術師、ステイル=マグヌスは口の煙草を手に取ると、指で弾いて横合いへと投げ捨てた。

魔法师史提尔·马格努斯取下嘴边的香烟,用手指往旁边弹了出去。

火のついた煙草は水平に飛んで、金属の手すりを越え、隣のビルの壁に当たる。

香烟带着火星水平飞出,越过金属制的扶手,撞上隔壁大楼的墙壁。

オレンジ色の軌跡ラインが残像のように煙草の後を追い、壁に当たって火の粉を散らす。

一道橙色的线条紧追在香烟之后,撞上墙壁冒出火花。

炎よKenaz19────」

「火焰啊——」

ステイルが呟いた瞬間、オレンジの軌跡ラインごう! と爆発した。

史提尔小声念了咒语之后,橙色线条轰然一声炸了开来。

まるで消火ホースの中にガソリンを詰めて噴いたように、一直線に炎の剣が生み出される。

简直像是在消防水管中灌满汽油之后点火一般,出现一条直线状的火焰之剑。

ジリジリと、写真をライターであぶるようにそうが変色していく。

墙壁上的油漆逐渐焦黑,就像拿打火机烧相片的感觉一样。

触れてもいないのに、それを見ただけで目を焼かれるような気がして、上条は思わず足を止めて両手で顔を庇っていた。

不用触摸,光是用眼睛看,就有种眼睛要被烧焦的错觉,让上条不禁停下脚步,举起双手保护着脸孔。

ザグン! と上条の足が地面にくいで打ちつけられたように止まってしまう。

上条的双脚,简直像是被钉在地板上一样。

ふとした、疑問。

他脑中闪过一抹疑问。

幻想殺しイマジンブレイカーはあらゆる『異能の力』を一撃で打ち消す事ができる。それは『災害級レベル5』と呼ばれる、核シェルターさえ一撃で破壊しかねない御坂美琴ビリビリおんな超電磁砲レールガンでさえも例外ではない。

「幻想杀手」号称可以消灭任何「异能之力」。就算是等级5的超能力者御坂美琴那招连核子避难所也可能挡不住的超电磁炮,也难逃抹灭的命运。

けれど、逆に言えば。

然而,有个重要的问题是……

上条はいまだ『超能力』以外の『異能の力』を見た事がない。

上条并没有见过「超能力」以外的「异能之力」。

つまり、試した事がない。

也就是说,没有实际测试过。

魔術に丶丶丶

魔法呢?

魔術なんていう得体の知れない力に丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶本当に上条の右手は通用するのか丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶

对于「魔法」这种神秘的力量,上条的右手真的能发挥作用吗?

「────巨人に苦痛の贈PurisazNaupizGebo20り物を」

「——赐与巨人痛苦的赠礼!」

顔を庇った両手の向こうで、魔術師は笑っていた。

用双手保护脸孔的上条,面对的是微笑的魔法师。

ステイル=マグヌスは笑いながら、灼熱の炎剣えんけんを横殴りに上条当麻へ叩き付けた。

史提尔·马格努斯一边笑着,一边将灼热的炎剑打横朝上条当麻挥了过来。

それは触れた瞬間にカタチを失い、まるで火山の奔流ほんりゅうのように辺り構わず全てを爆破した。

在碰到上条的瞬间,火焰之剑失去形体,周围的一切就像火山爆发般全部炸了开来。

熱波と閃光と爆音と黒煙が吹き荒れる。

热浪、闪光、爆炸声、黑烟四起。

「やりすぎたか、な?」

「会不会做得太过火了点?」魔法师喃喃自语。

まさしく爆弾による爆破事件を前に、ステイルはぼりぼりと頭を搔いた。一応、辺り一帯の人の出入りはチェックしている。夏休み初日の男子寮という事でほとんどの住人は外に出払っていた。が、友達のいない引きこもりがいるとなると少し厄介になる。

看着眼前像是才刚被炸弹炸过的现场,史提尔伸手在头上搔了搔。事前,他已经大致上确认过了。因为今天是暑假第一天,这里又是男生宿舍,所以住在这里的人几乎都出门去玩了。但是假如有那么几个没朋友的关在宿舍里没出去的话,那可有点麻烦。

眼前は黒煙と火炎のスクリーンに覆われている。

眼前的视线,完全被黑烟与火焰所遮蔽。

だが、いちいち見なくても分かる。今の一撃はせっ三〇〇〇度の炎の地獄だ。人肉は二〇〇〇度以上の高熱では『焼ける』前に『溶ける』らしいから、あめ細工のようにひしゃげた金属の手すりと同じく、学生寮の壁に吐き捨てたガムのようにべっとりこびりついている事だろう。

但是,根本不必用眼睛确认上条的死活。刚刚那一击可是摄氏三千度的火焰地狱,人肉遇到超过两千度以上的高温,在「燃烧」前就会先「熔化」。眼前这个人的命运一定也跟那融化成麦芽糖状的金属扶手一样,就好像是有人吐在学生宿舍墙壁上的一大块口香糖,与墙壁再也分不开。

つくづく、あの少年をインデックスから引き剝がして正解だったとステイルは息を吐いた。あそこで傷だらけのインデックスを盾にされたら少し厄介な展開になっていただろう。

史提尔松了一口气,心想:「幸好刚刚故意激怒他,让他离开茵蒂克丝身边。要是刚刚他拿身受重伤的茵蒂克丝来当挡箭牌,事情可就麻烦多了。」

……しっかし、これではインデックスを回収できないな。

……话说回来,这下子没有办法回收茵蒂克丝了。

ステイルはため息をつく。炎の壁を挟んで通路の向こうにいるインデックスの元まで歩いていく事はできない。通路の反対側に非常階段でもあれば良いが、回り道をしている間にインデックスが炎に巻かれてしまっては笑い話にもならない。

史提尔叹了口气。即使是史提尔,也没办法穿过眼前这道火焰之墙,走到茵蒂克丝身边。如果另外一边也有楼梯的话,当然可以绕过去,但是在绕远路的这段时间,要是茵蒂克丝被卷入火焰之中,那一切都完了。

ステイルはやれやれと首を振りながら、もう一度だけ煙の中を透かし見るように、言った。

史提尔无可奈何地摇了摇头。接着,他再次试着看透浓烟的中心说道:

「ご苦労様、お疲れ様、残念だったね。ま、そんな程度じゃ一〇〇〇回やっても勝てないって事だよ」

「辛苦你了,你失败了。看来以你的程度,再来一千次也赢不了我。」


「誰が、何回やっても勝てねえって?」

「你说……谁赢不了你?」


ギクリ、と。炎の地獄の中から聞こえてきた声に、魔術師の動きが一瞬で凍結する。

从火焰地狱中传出来的声音,让魔法师一瞬间僵住了。

ごう! と辺り一面の火炎と黒煙が渦を巻いて吹き飛ばされた。

轰的一声,出现一个旋涡,将周围的火焰与黑烟都卷起。

まるで、火炎と黒煙の中央でいきなり現れた竜巻が全てを吹き飛ばすように。

简直就像是火焰与黑烟的中央,突然产生一道龙卷风似的。

上条当麻はそこにいた。

上条当麻就站在那里。

飴細工のように金属の手すりはひしゃげ、床や壁の塗装はめくれ上がり、蛍光灯は高熱で溶けてしたたり落ち───そんな炎と灼熱の地獄の中、傷一つなく少年はそこに佇んでいた。

金属扶手如同麦芽糖般融化,地板跟墙壁的油漆全部翻了起来,因高热而融化的日光灯不断往下滴——在这种火焰与灼热的地狱之中,少年毫发无伤地站着。

「……、ったく。そうだよ、何をビビってやがんだ────」

「……真是的,对哦,我到底在怕什么啊——」

上条は、本当につまらなそうに口の端を歪めて一人で呟いた。

上条不耐烦地牵动嘴角,一个人喃喃自语。

「────インデックスの丶丶丶丶丶丶丶歩く教会丶丶丶丶をぶち壊したのだって丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶この右手だったじゃねーか丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶

「——把茵蒂克丝的『移动教会』搞坏的,不也是这只右手吗?」

上条は正直、『魔術』なんて言われても何も理解できない。

老实说,上条根本不了解什么是「魔法」。

それがどんな仕組みで動いているものなのか、見えない所で一体何が起きているのか。上条はきっと一から十まで説明されたって半分も理解できないだろう。

不了解它的原理是什么,也不了解在那看不见的空气之中,到底有什么样的运转机制。就算从头到尾说明给他听,他可能也只能理解不到一半。

だけど、バカな上条でも一つだけ分かる事がある。

但是,笨蛋上条却知道一件事。


所詮、ただの『異能の力』だ。

说穿了,不过就是「异能之力」。


吹き飛ばされた真紅の火炎は、完全には消滅しない。

被吹散的鲜红色火焰,并没有完全熄灭。

まるで上条を取り囲むように、綺麗な円を描いてジリジリと燃え続けている、が。

剩余的火焰围绕着上条画出一个工整的圆形,继续燃烧着。但是……

「邪魔だ」

「别挡路!」

一言。摂氏三〇〇〇度の魔術の炎に上条の右手が触れた瞬間、全ての炎が同時に消し飛んだ。

上条一边说,一边用右手碰触那些火焰。摄氏三千度的魔法之火,就在那一瞬间全部消失。

まるで、バースデーケーキに刺さったロウソクをまとめて吹き消すように。

简直就像是一口气吹熄生日蛋糕上面的所有蜡烛。

上条当麻は目の前の魔術師を見る。

上条当麻看着眼前的魔法师。

目の前の魔術師は、突然の『予想外』に対し、人間みたいにうろたえていた。

眼前的魔法师,对于这个「意想不到的结果」,开始像人类一样感到恐惧了。

いいや、これ丶丶は人間だった。

对,魔法师也是凡人。

ぶん殴れば痛みを感じるし、一個一〇〇円のカッターで切りつければ赤い血を流す、

挨揍一样会痛,拿一把一百圆的便宜小刀来割,一样会流血。

ただの人間だった丶丶丶丶丶丶丶丶

跟凡人没两样。

もう上条は、恐怖で足がすくんだり、緊張で体が固まったりはしない。

上条已经不会因害怕而裹足不前,不再紧张得身体僵硬。

いつものように、手足は動く。

上条的手脚,开始正常运作。

動く!

移动!

「───────、な」

その一方で、ステイルは目の前の理解不能な現象に危うく一歩後ろへ下がる所だった。

另一方面,史提尔则对眼前这无法理解的现象感到恐惧,往后倒退一步。

周囲の状況を見れば、先の一撃が不発だったとは考えられない。だとすれば、あの少年は生身の体で摂氏三〇〇〇度を受け止めるほどの強度があるのか? いや、それはもう人間ではない。

依周围状况来判断,刚刚那一击绝对没有失误。这么说来,难道这个少年有办法用肉身抵挡摄氏三千度的高温?不,人类不可能有这种能耐。

上条当麻はステイルの混乱など気にも留めない。

上条当麻完全不在乎史提尔的迷惑。

熱を帯びる右手を岩のように強く握り締めながら、ゆらりとステイルの元へ、一歩

带着热气的右手握得像岩石一般坚硬,上条慢慢朝向史提尔,再前进一步。

「チッ!!」

「啧!」

ステイルは右手を水平に振るう。生み出される炎剣を同じように、勢い良く叩きつける。

史提尔右手水平挥出,重新产生出来的炎剑像前一次一样,用力打在上条身上。

爆発が起きた。火炎と黒煙がき散らされた。

再次发生爆炸。火焰跟黑烟四散。

けれど、火炎と黒煙が吹き飛ばされた後には、やはり上条当麻は同じように佇んでいる。

可是火焰跟黑烟被吹散之后,上条当麻还是一样站在那里。

……、まさか。魔術を─────?

……难道……他会使用魔法?

ステイルは口の中で呟いたが、即座に否定する。こんな魔術はおろか降誕祭クリスマス交尾デートの日としか感じないようなとぼけた国に魔術師なんているはずがない。

史提尔在口中如此喃喃自语。可是他马上就否定了这个假设。别说世界上没这样的魔法,在这个只把圣诞节当作约会与做爱日的愚蠢国家,根本也不可能有魔法师。

それに、───それに、魔力を持たないインデックスが『魔術師』と手を組めば、そもそも『逃げ出す』必要はどこにもない。それほどまでにインデックスの記憶は危険なのだ。

而且……而且……没有魔力的茵蒂克丝如果已经跟「魔法师」联手,她根本就不需要「逃走」。茵蒂克丝脑袋中那些东西,就是如此可怕。

一〇万三〇〇〇冊の魔道書とは、単に核ミサイルを持つのとは訳が違う。

她身上的那十万三千本魔道书,甚至比核弹还危险。

生き物は必ず死ぬ、上から落としたリンゴは下に落ちる、1+1=2……。そんな、世界としては当たり前で、変えようのない『ルール』そのものを破壊し、組み替え、生み出す事ができる。1+1は3になり、下から落としたリンゴは上に落ち、死んだ生き物が必ず生き返る。

生命一定会死亡,苹果一定会由上往下掉,一加一等于二……这些世界上绝对不会改变的「法则」,都能够用魔道书中所记载的魔法加以破坏、重组与创造。一加一会变成三,苹果会由下往上掉,死去的生命一定会复活。

魔術師達は、その名を魔神と呼ぶ。

魔术师将能够做到这种事的人,称之为魔神。

魔界の神ではなく、魔術を極めて神の領域にまで辿り着いた魔術師、という意味の。

并非指魔界之神,而是指魔法技术进入巅峰,达到神的领域的魔法师。

魔神。

魔神。

しかし、目の前の少年からは『魔力』を感じられない。

可是,从眼前这个少年身上却丝毫感觉不到「魔力」。

魔術師ならば、一目で見れば分かる。あれには魔術師という『同じ世界の匂い』がしない。

只要是魔法师,一眼就应该看得出来。但眼前这个少年,并没有「与自己属于同一个世界的味道」。

ならば、何故?

既然如此,他是怎么做到的?

「!!」

ぶるっと。全身に走る震えをごまかすように、さらに炎剣を生み出し上条へ叩きつける。

史提尔为了遮掩全身的颤抖,再次向上条挥出炎剑。

今度は爆発さえ起きなかった。

但是这次,甚至没有爆炸。

上条が羽虫でも振り払うように右手で炎剣を叩いた瞬間、ガラスが砕けるように炎剣が粉々に砕け散り、虚空へ溶けるように消えてしまった。

上条如同赶苍蝇般地用右手把炎剑拨开。在那一瞬间,炎剑就像玻璃一样裂成碎片,接着溶化在虚空之中。

摂氏三〇〇〇度の炎の剣を、何の魔術強化も施していない生身の右手で、叩き砕いた。

摄氏三千度的火焰之剑,被没有经过任何魔法强化的一只右手给敲碎了。

「──────、ぁ」

唐突に。本当に唐突に、ステイル=マグヌスの脳裏に何かが浮かぶ。

突然间,真的是突然间,史提尔·马格努斯脑中想起了一件事。

インデックスの修道服『歩く教会』は法王級ぜったいで、その結界の力はロンドンの大聖堂に匹敵する。アレを破壊するには伝説にあるセントジョージのドラゴンでも現れない限り絶対に不可能だ。

茵蒂克丝的修道服「移动教会」的能力是教宗级的,它的结界威力可以媲美伦敦大圣堂。这道结界除非传说中的圣乔治之龙再度降临,否则绝不可能破坏。

しかし、現に神裂に斬られたインデックスの『歩く教会』は完膚なきまで破壊されていた。

可是,被神裂砍伤的茵蒂克丝,身上的「移动教会」早已经完全被破坏了。

一体、誰が? 全体、どうやって?

是谁做的?怎么做的?

「………………………………………………………………………………………………………、」

上条当麻はもうステイルの目の前まで歩いてきている。

上条当麻已经来到了史提尔眼前。

あと一歩踏み込んだだけで、殴りかかれるほど近くまで。

只要再往前踏一步,就是拳头可及的范围。

「────世界MT構築WOる五TF元素FT一つO偉大IIGOIIO炎よF

「……构筑世界五大元素之一,伟大的始祖之炎啊……」

ステイルの全身から嫌な汗が噴き出した。目の前の夏服を着た生き物が、人間のカタチをしているからこそ。その皮の中には、血や肉ではなくもっと得体の知れないドロドロした何かが詰まっているような気がして、ステイルは背骨が震えるかと思った。

史提尔全身开始冒出冷汗。在他看来,眼前这个身穿夏季制服的生物虽有人类的外型,但在皮肤之下或许根本不是血肉,而是某种神秘而浓稠的物质。想到这里,史提尔感到背脊发寒。

「そIは生Iを育B恵みO光にLて、邪悪Aを罰IするI裁きAの光OなりE

「那是孕育生命的恩惠之光,那是惩罚邪恶的制裁之光。

それは穏Iやかな幸I福を満たMすと同時H冷たきA闇をI滅するI凍えBる不幸OなりD

带来安稳幸福的同时,也是消灭冰冷黑暗冻寒之不幸。

そのIINFそのIIMS

其名为炎,其职为剑。

ICせよR我がM身を喰MらいBて力とG為せP───────────────ッ!」

显现吧,啃噬我身,化为力量————!」

ステイルの修道服の胸元が大きく膨らんだ瞬間、内側からの力でボタンが弾け飛んだ。

史提尔的修道服胸口部分开始膨胀,一股内侧的力量将钮扣都弹飞出去了。

轟! という炎が酸素を吸い込む音と同時───服の内側から巨大な炎の塊が飛び出した。

轰然一声巨响,那是火焰吸收了氧气的声音。从他的衣服内侧,飞出一块巨大的火焰球。

それはただの炎の塊ではなかった。

而且那并不只是一块单纯的火焰球。

真紅に燃え盛る炎の中で、じゅうのような黒くドロドロしたモノが『しん』になっている。それは人間のカタチをしていた。タンカーが海で事故を起こした時、海鳥が真っ黒な重油でドロドロに汚れたような───そんなイメージを植え付けるモノが、永遠に燃え続けている。

在剧烈燃烧的鲜红色火焰中心,有如同重油般漆黑又浓稠的「核心」。这个核心长得像人形。持续燃烧的核心,让人联想到油轮在海上遇难后,海鸟被漆黑的重油搞得全身油腻肮脏的景象。

その名は『魔女狩りの王イノケンテイウス21』。その意味は『必ず殺す』。

其名为「猎杀魔女之王」,其意为「必杀」。

必殺の意味を背負う炎の巨神は両手を広げ、それこそ砲弾のように上条当麻へ突き進み、

带着必杀之意的火焰巨神伸出双手,如同炮弹般向上条当麻冲来——


「邪魔だ」

「别碍事!」


ボン!! と。

咚!

裏拳うらけん22気味に、目の前のクモの巣を振り払うぐらいの面倒臭さで。

上条不耐烦地反手一挥,感觉就像是要拨掉眼前的蜘蛛网似的。

上条当麻はステイル=マグヌスの最後の切り札を吹き飛ばした。まるで水風船を針で刺したように、炎の巨神をかたど23重油の人型は、飛沫となって辺り一面に飛び散った。

史提尔·马格努斯最后的绝招,竟然就这样被上条给终结了。简直就像是拿针刺破水球一般,火焰巨神般的重油人偶化为泡沫散落一地。

「……、?」

その時。上条当麻が最後の一歩を踏み込まなかったのは、何か理屈があった訳ではない。

但是,上条当麻却没有继续往前踏出最后一步。当然那并不是有什么明确的理由。

だが、最後の切り札を潰されたステイルはそれでも笑っていた。その表情が、不用意に最後の一歩を踏み込む事をためらわせた。

只是上条看见,最后绝招也被消灭的史提尔依然在微笑。这样的表情,让上条不敢贸然踏出最后一步。

ビュルン!! と粘性の液体が飛び跳ねる音が四方八方から響き渡る。

粘稠液体蠢动的声音从四面八方传来。

「な、──────ッ!?」

「什么————?」

驚いて上条が一歩後ろへ下がった瞬間、四方八方から戻ってきた黒い飛沫が空中で寄り集まり、再び人のカタチを作り上げた。

吃惊的上条往后退了一步,就在那一瞬间,来自四面八方的黑色泡沫集结在空中,再次塑出人形。

あのまま一歩進んでいれば、間違いなく四方八方から襲いかかる炎の中へ取り込まれていた。

如果刚刚再往前踏一步,一定会受到来自四面八方的火焰袭击。

上条は目の前の光景に混乱しそうになる。上条の右手『幻想殺しイマジンブレイカー』のうたい文句が正しければ、それは神話に出てくる神様の奇跡システムさえ一撃で打ち消してしまう。アレが『魔術』とかいう『異能の力』である以上、たった一度触れただけで『全てを無効化』させるはずなのに……。

上条对眼前的景象感到迷惑。如果上条的右手「幻想杀手」所宣称的效果是正确的,那么就算是出现于神话中的神迹,应该也会一击溃灭。只要「魔法」也是属于「特殊能力」,那应该一碰就会「完全无效化」才对……。

炎の中の重油はのたくり、カタチを変え、まるで両手で剣を持っているような形になる。

火焰中的重油开始蠕动,变换形状,最后形成了如同巨人两手持剑的外型。

いや、それは剣ではない。人間でもはりつけにするような、二メートル以上の巨大な十字架だ。

不,那不应该称之为剑。那就像是一把可以轻松辗毙活人,超过两公尺的巨大十字架。

ソレは大きく両腕を振り上げると、ツルハシでも振り下ろすように上条の頭に襲いかかる。

巨人将握着十字架的双手奋力上举,如同挥动十字镐般地朝上条的头顶挥下。

「……っ!!」

上条はとっさに右手で受け止めた。元より上条は右手を除けば単なる高校生だ。目の前の攻撃を見切って避けるような戦闘スキルは持ち合わせない。

上条急忙用右手格挡。原本上条除了右手的能力以外,本来就只是个普通高中生。对于眼前的攻击,他并没有办法看清楚并闪躲。

ガギン! と十字架と右手がぶつかり合う。

铿的一声,十字架与右手互击。

今度は『消える』事さえなかった。まるでゴムの塊でも握り締めているように、ともすれば上条の指の方が押し負かされそうになる。相手は両手で、こちらは右手しか使えない。ジリジリと。炎の十字架が上条の顔へと一ミリ一ミリ近づいてくる。

这一次,巨人甚至没有消失。上条感觉右手像是握着橡皮块,但是手指却渐渐抵挡不住。毕竟对方是用两手,而上条却只能使用右手。火焰的十字架开始逐渐往上条头顶靠近。

混乱する上条は、かろうじて気づく事ができた。この炎の塊『魔女狩りの王イノケンテイウス』は確かに上条の幻想殺しイマジンブレイカーに反応している。だが、消滅した直後に復活しているのだ。おそらく消滅と復活のタイムラグは一秒の一〇分の一にも満たないだろう。

搞不清楚是怎么回事的上条,这时候察觉到一件事。这个名叫「猎杀魔女之王」的火焰躯体,的确对上条的「幻想杀手」有反应。但是,它可以在消灭之后的瞬间马上复活。消灭与复活之间的时间差距,或许只有不到十分之一秒。

右手を、封じられた。

右手的能力,被封住了。

たった一瞬でも手を離せば、おそらくその瞬間に『魔女狩りの王』に灰にされる。

只要将右手一放开,恐怕上条就会被「猎杀魔女之王」在瞬间烧成灰。

「────ルーン」

「——符文……」

と、上条当麻の耳が何かを捉えた。

上条的耳朵好像听到了什么。

目の前の危機のせいで後ろを振り返る訳にはいかない。だが、誰の声かは一瞬で分かった。

眼前的紧张局势,让上条无法回头。但是上条一听就知道是谁的声音。

「───『神秘』『秘密』を指し示す二四の文字にして、ゲルマン民族により一世紀から使われる魔術言語で、古代英語のルーツとされます丶丶丶丶

「——象征『神秘』与『秘密』的二十四个符号……日耳曼民族从西元二世纪就开始使用的魔法语言,据说也是古代英语的起源。」

だが、上条はそれがインデックスの声だと分かっているのに、信じられなかった。

上条虽然听得出来那是茵蒂克丝的声音,却无法相信。

「な……、」

「什么……?」

こんなにボロボロで丶丶丶丶丶丶丶丶丶こんなに血まみれで丶丶丶丶丶丶丶丶丶どうしてこんな冷静に話せるんだ丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶

茵蒂克丝明明已经奄奄一息,为什么可以那么冷静地说话?

「───『魔女狩りの王』を攻撃しても効果はありません。壁、床、天井。辺りに刻んだ『ルーンの刻印』を消さない限り、何度でも蘇ります」

「——攻击『猎杀魔女之王』是不会有效果的。只要没有除去刻在墙壁、地板、天花板等各个角落的『符文刻印』,它就会不断重生。」

押される右手の手首を左手で摑んで、かろうじて上条当麻は十字架との均衡を保つ。

上条当麻用左手抓住右手腕,勉强撑住了十字架的下压。

上条は、恐る恐る丶丶丶丶振り返る。

上条心中带着寒意回头一瞥。

そこには、確かに一人の少女が倒れていた。けれど、上条は『それ』をインデックスと呼ぶ事ができなかった。まるで機械のような、あまりにも感情の欠落したひとみ

少女的确还倒在那边。但是上条却没办法称「她」是茵蒂克丝。因为少女的眼神,就像机械般毫无感情。

一言一言、告げるたびに背中の傷から血が溢れていく。

少女每说一句话,背上的伤口都在流出鲜血。

そんな事にも全く気に留めない、まさしく魔術を説明するためだけの『装置システム』。

但是少女却完全不在意背上的伤,简直就是个专门为了解释魔法而存在的「装置」。

「お、まえ─────インデックス、だよな?」

「你……你……是茵蒂克丝……吧?」

「はい。私はイギリス清教内、第ゼロ聖堂区『必要悪の教会ネセサリウス24』所属の魔道書図書館です。正式名称はIndex-Librorum-Prohibitorumですが、呼び名は略称の禁書目録インデツクスで結構です」

「是的。我是英国清教内,第零圣堂区『必要之恶教会』所属魔道书图书馆。正式名称是 Index-Librorum-Prohibitorum,但简称为禁书目录就可以了。」

魔道書図書館───禁書目録という生き方に、上条は自分を殺そうとする炎の巨神イノケンテイウスの事さえ忘れそうになってしまう。それほどまでの『寒気』がそこにある。

对于魔道书图书馆、禁书目录这样的生存意义,上条感到全身发寒,甚至忘记自己都快被火焰巨神给杀死。

「自己紹介が済みましたら、元のルーン魔術に説明を戻します。───それは簡単に言えば、夜の湖に映る月と同じ……いくらみなつるぎで切り裂いても意味はありません。水面に映る月を斬りたければ、まずは夜空に浮かぶ本物の月に刃を向けなければ」

「自我介绍到此结束,容我回到关于符文魔法的说明。简单地说,就好像夜晚映照在湖中的月亮一样……就算再怎么拿剑砍水里的月亮也是没有意义的。如果想要砍断水中的月亮,就必须拿剑砍向空中那个真正的月亮。」

そこまで『説明』されて、上条はようやく目の前の敵イノケンテイウスの事を思い出した。

茵蒂克丝说明到这里,上条才想起来眼前这个敌人。

ようは、これは『異能の力』の本体丶丶ではない、という事か? 写真とネガのように、どこかでこの炎の巨神を作っている『他の異能の力』を潰さない限り、何度でも復活してしまう……?

意思就是说,这不是「异能之力」的本体?就像照片跟底片的关系一样,只要没有消灭那位于某个角落持续创造出火焰巨神的「另一个异能之力」,火焰巨神就会不断复活……?

この期に及んで、上条はまだインデックスの言葉を完全に信じられなかった。

即使是现在,上条依然没有完全相信茵蒂克丝说的话。

どこまで行っても、魔術なんて存在しないという『常識』という言葉が胸にこびりつく。

世界上根本没有魔法。这样的「常识」已经在上条心中根深蒂固。

しかし、『魔女狩りの王イノケンテイウス』に右手を封じられて身動きが取れない状態では、どの道試してみる事もできない。血まみれのインデックスに協力を仰ぐというのも難しい話だろう。

而且,右手被「猎杀魔女之王」封住,半步动弹不得的上条,根本也没办法试着照茵蒂克丝的话去做。茵蒂克丝如今倒在血泊之中,当然也不可能来帮忙。

灰は灰にAshToAsh────」

「尘归尘……」

ギョッとした。炎の巨神の向こうで、ステイルは右手に炎剣を生み出している。

在火焰巨神的身后,史提尔又从右手生出炎剑。

「────塵は塵にDustToDust────」

「……尘土归土……」

さらにもう一本。左手には青白く燃える炎剣が音もなく伸びる。

史提尔的左手,也出现了一把燃烧着蓝白色火焰的炎剑,不带一点声音。

「────────────吸血殺Squeamish25しの紅Bloody十字Rood!」

「……………………吸血猎杀红十字!」

力ある言葉と同時、左右から炎の巨神ごと引き裂くように、大ハサミのように二本の炎剣が水平に襲いかかる。『魔女狩りの王』に右手を封じられた上条はこれ以上防ぐ事ができない。

伴随着强而有力的呼喊声,两把炎剑水平从两侧袭来,如同一把大剪刀从左右要将上条连同火焰巨神一起撕裂。被「猎杀魔女之王」封住右手的上条,根本无法防御。

(ヤ、バ…………とりあえず、逃げ──────ッ!!)

(糟……糟糕……总之得先逃走——————!)

上条当麻が何かを叫ぶ前に。

上条当麻甚至还来不及发出叫声。

二本の炎剣と炎の巨神が激突し、一つの巨大な爆弾と化して大爆発を巻き起こした。

两把炎剑撞击火焰巨神,简直像是融合成了一枚巨大炸弹,发出了大爆炸。

7#

炎と煙が晴れてみれば、辺り一面は地獄だった。

火焰跟黑烟散去之后,周围一带形同地狱。

金属の手すりは飴細工のようにひしゃげ、床のタイルさえも接着剤のように溶け出している。

金属扶手如同麦芽糖般变形,连地板的瓷砖也像粘着剂一般地溶化。

壁の塗装は剝がれてコンクリートが剝き出しになっている。

墙壁的油漆剥落,露出水泥墙面。

少年の姿はどこにもなかった。

但是,却不见少年的身影。

だが、階下の通路を走り去る足音が一つ、ステイルの耳に届いた。

史提尔只听到楼下的走廊,传来逐渐远去的脚步声。

「……、『魔女狩りの王イノケンテイウス』」

「……『猎杀魔女之王』!」

ささやくと、辺り一面の炎は人のカタチを取り戻し、手すりを越えて足音を追う。

史提尔一喊,周围的火焰便再次聚集成人形,越过扶手往脚步声的方向追去。

内心で、ステイルは驚いていた。何の事はない。爆発の直前、ステイルの両手剣が炎の巨神を切り裂いた一瞬を突いて、上条は右手を離して手すりを飛び越えたのだ。

但是史提尔的内心其实非常惊讶。在爆炸的前一瞬间,上条利用史提尔两手之剑将火焰巨神切断的一瞬间放开了右手,跳过扶手轻轻松松就逃走了。

落下した上条は一階下の手すりに摑まって、通路に体を乗り上げたんだろう。命綱も何もなく、ただの根性度胸で実行するにはあまりに命知らずだと思う。

往下掉的上条抓住下一层楼的扶手,将身体重新拉回走廊上。身上没绑钢索也没任何保护措施,竟然就敢做这种事,看来真是个不怕死的家伙。

「だけど、まぁ」

「不过……也罢。」

ステイルはそっと微笑む。インデックスの一〇万三〇〇〇冊の知識によってルーンの弱点は突かれた。その通り、ステイルの扱うルーン魔術は『刻印』を刻む事で力を発動させる。逆に言えば『刻印』を消されてしまえばどんな強大な魔術も無効化されてしまう。

史提尔微微笑了。借由茵蒂克丝脑中的十万三千本魔道书知识,上条知道了符文的弱点。没错,史提尔的符文魔法必须先刻上「符文刻印」才能发动。反过来说,只要「符文刻印」被破坏,不管再强大的魔法也会失去效力。

「だけど、それが何だ」ステイルは余裕の表情で、「君にはできないよ。この建物に刻んだルーンを完全に消滅させるなんて、君には絶対に無理だ」

「但是,那又怎么样?」史提尔一派轻松的表情,说道:「你做不到的。你绝对没办法把这幢建筑物中的所有符文全部破坏。」


「死ぬ! ホントに死ぬ! ホントに死ぬかと思った!!」

「会死!真的会死!这次我真的死定了!」

命綱もなしに七階の手すりから飛んだ上条は、未だに心臓がバクバクしていた。

身上没有绑钢索就越过七楼扶手跳出去的上条,现在心脏还在蹦蹦跳。

一直線の通路を走りながら上条はあちこちを見回す。インデックスの助言を完全に信じた訳ではない。とにかく一度『魔女狩りの王イノケンテイウス』から逃げて体勢を立て直そうと考えているだけだ。

跑在一直线的走廊上,上条开始左顾右盼。其实他还没完全相信茵蒂克丝的话。他目前只打算先逃离「猎杀魔女之王」的追击,找个地方重整攻势。

「ちっくしょう! 一体全体何なんだよこりゃあ!!」

「该死!这是怎么回事?」

だが、目の前の光景を前に上条は思わず絶叫してしまう。

但是,看到眼前的景象,上条却不禁发出尖叫。

この広い学生寮のどこにルーンが刻んであるか───なんて話ではなかった。むしろ、そんなものはとっくに見つかっている。床の上に、ドアの前に、消火器の腹に。テレホンカードぐらいの大きさの紙切れが、建物中のあらゆる場所に耳なし芳一ほういち26みたいに貼はり付けてある。

原来,问题并不在于符文到底藏在广大学生宿舍的哪个地方。而是符文的位置实在是太明显了。地板上、门上、灭火器上……如同电话卡大小的纸片,把整幢建筑物的每个角落贴得密密麻麻到处都是。

禁書目録インデツクスの助言(あの人形みたいな顔は思い出したくないが)によれば、この魔術は結界っていう妨害電波みたいなもので、あの紙切れルーンは妨害電波を飛ばすアンテナみたいなもの……なんだろうか? って言っても、あんな何万枚もある紙切れアンテナを全部剝がすなんてできるのか?

根据茵蒂克丝的说法(虽然很不愿意想起那张毫无感情的脸),这种魔法有如同干扰电波般的结界,而那些纸片就像是发出干扰电波的天线……应该是这意思没错吧……?但是,难不成要把这几万张纸片全撕下来?

轟! という酸素を吸い込む音と同時、金属の手すりの向こうから人型の炎が降ってきた。

轰然一声,那是火焰吸收了氧气的声音。由金属扶手的另一边,人形的火焰从天而降。

「くそっ!!」

「可恶!」

もう一度捕まったらもう引き剝がす事はできない。上条はとっさに横合いの非常階段へと飛び込んだ。下へ下へと飛び降りていく間にも、階段の隅や天井にルーン文字とやらの怪しげな記号の書かれた紙切れがセロテープで貼り付けてあるのが見える。

要是再被捉住的话,可就没有那么轻易能逃掉了!上条立刻往身旁的紧急逃生楼梯跳了过去。随着不断向楼下狂奔,上条看见楼梯的每个角落及天花板也贴满了符文。说是符文,其实只是写着诡异记号的纸片,用胶带贴得到处都是而已。

それは、明らかにコピー機を使って大量生産したものだった。

这些纸片,一看就知道是用影印机大量印出来的。

こんなちゃちい偽物モンで効果あんのかよ、と上条はキレそうになるが、そう言えば少女マンガの付録でもタロット占いはできるし聖書だって印刷所で大量印刷コピーしている事に気づく。

这种假东西也能奏效?上条不禁想要吐槽。可是仔细想想,少女漫画附赠的塔罗牌也可以拿来占卜,而且就算是圣经,不也是印刷厂大量印制的吗?

(なんていうか……オカルトって、ずるい)

(魔法这玩意真是……有够过分!)

泣きそうになる。おそらく建物全体で何万枚と貼り付けてある『ルーンの刻印』。その全すべてを一枚残らず見つけ出す、なんて事ができるだろうか? しかも、こうしている今も、ステイルは新たにコピー用紙をあちこちに貼り直しているかもしれないのに……。

真想哭。整幢建筑物大概贴了几万张「符文刻印」。真的有办法全部找出来吗?而且自己在找的时候,史提尔会不会也在拿新的影印纸片到处乱贴……?

考えを断ち切るように、階段の上から『魔女狩りの王イノケンテイウス』が降ってきた。

「猎杀魔女之王」如同要切断他的思路般,再次从天而降。

「くそっ!」

「可恶!」

これ以上階段を下りるのは諦め、横合いへ転がるように通路へ出る。床に激突した炎の巨神が辺りに炎を撒き散らし、バウンドしながら通路へ飛び出す。

上条放弃继续下楼,向旁边的走廊滚了过去。火焰巨神撞击地面,身上的火焰洒在四周。反弹起来的火焰巨神也朝着走廊飞去。

通路は一直線で、単純な速さだけなら『魔女狩りの王イノケンテイウス』を足で振り切る事はできない。

走廊是一直线的,单纯靠跑步的速度,上条没办法把「猎杀魔女之王」甩掉。

「……、ッ!」

上条は非常階段の入口を見る。階数表示を見るとここは二階らしい。

上条看了一眼逃生梯入口,楼层数字显示这里是二楼。

轟ごう! と『魔女狩りの王イノケンテイウス』は上条の右手を捕縛するために一直線に襲いかかってくる。

轰的一声,「猎杀魔女之王」直线冲过来,打算再次牵制住上条的右手。

「お、おおあっ!!」

「喔喔……喔喔喔喔!」

上条は右手も使わず、後ろへ逃げ出さず───二階の手すりを勢い良く飛び越えた。

上条没有使用右手,也没有再往后逃,而是选择用力跳过二楼的扶手。

飛び降りて、初めて気づく。下はアスファルトで、何台もの自転車がめてあった。

上条跳出去之后,才发现下面是水泥地,而且停了好几台脚踏车。

「ひっ、わあああああああああああああ!!」

「呜……哇啊啊啊啊啊啊啊!」

かろうじて自転車と自転車の隙間に着地できたが、そこは硬いアスファルト。ヒザを曲げてショックを吸収しようとしたが、足首が嫌な音を立てた。二階という高さのせいか折れた感じはしないが、どうやら少し足首を痛めたようだ。

虽然运气好在脚踏车之间的缝隙着地,但那是坚硬的水泥地。即使借由弯曲膝盖来吸收冲击力,上条的脚踝还是发出了难听的声音。二楼的高度虽不至于让脚骨折,但是看来脚踝扭伤了。

轟! と頭上で炎が酸素を吸い込む音を上げる。

轰然一响,头上再次发出火焰吸收氧气的声音。

「!?」

上条は自転車を蹴散けちらすように地面を転がったが、それ以上何も起こらなかった。

上条往地面滚倒,还踹飞了脚踏车。但是,却没有再发生任何事情。

? と、上条は思わず頭上を見上げて首を傾げる。

上条不禁抬头往上看。

ごうごうと音を立てる『魔女狩りの王イノケンテイウス』は二階の手すりに張りついたまま、地上の上条をじっと見ている。まるで見えない壁に阻まれているように、上条の元へ行く事ができないらしい。

「猎杀魔女之王」紧贴着二楼的扶手,发出轰轰的声音,一直盯着上条看。但似乎是被看不见的墙壁给阻挡住,它没办法再追击上条。

どうやら、ルーンを貼り付けてあるのはこの学生寮だけらしい。建物の外に出てしまえばステイルの炎から逃れる事ができるようだった。

看来,只有学生宿舍里面贴有符文。只要离开建筑物,就可以逃出史提尔的火焰魔掌。

こういう『ルール』を目の当たりにすると、魔術という目に見えない『仕組みシステム』の一端を知った気持ちになる。RPGの魔法使いみたいに呪文一つで何でもできるデタラメな相手ではなく、上条の知る能力PSYと同じような一定のルールで動くたぐいのものなんだろう。

见识到这些「规则」,上条感觉自己似乎更了解魔法那眼睛看不见的「机制」了。对手并不是像 RPG 的魔法师一样,只要念个咒就什么都做得到。就跟上条所熟悉的超能力一样,魔法也有本身运作的法则。

はぁ、とため息をつく。

上条吐出了一口气。

直接的な命の危機から解放されると、途端に上条は体から力が抜けた。思わず地面に座り込む。恐怖、ではない。もっと別の、けだるい疲労感に似た感覚が襲ってくる。このまま外へ逃げ切ってしまえば、もう危険は去るんじゃないのか。そんな考えまで浮かんでくる。

逃离了生死危机,上条突然感觉全身的力量在消失。上条不禁坐在地上。并不是因为恐惧,而是一种类似疲劳的无力感。上条脑中甚至出现一种想法,只要我继续往外逃,应该就再也不会遇到这种危险吧?

「そうだ、警察……、」

「对了……报警……」

上条は呟いた。何で気づかなかったんだろう。学園都市の『警察』とは対能力者用の特殊部隊の事だ。上条がわざわざ死の特攻をかけなくても彼らに通報すれば良いじゃないか。

上条喃喃自语。为什么没有想到报警?学园都市里面的「警察」是专门对付超能力者的特殊部队。所以上条根本不用拼死去当神风特攻队,只要交给警察处理就好了。

上条はズボンのポケットを探ったが、携帯電話は今日の朝、自分の足で踏んづけたんだった。

上条往口袋一掏,才想起来,手机已经在今天早上被自己摔坏了。

上条は表通りへ視線を向ける。公衆電話を探すために。

上条将视线移向大马路,寻找公用电话的踪影。

ここから逃げるためじゃない。

不是为了从这里逃走……

ここから逃げるためじゃない。

不是为了从这里逃走……

『……、じゃあ。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?』

「……即使我下地狱,你也愿意陪着我?」

なのに、その言葉は上条の胸にザグンと突き刺さった。

但是茵蒂克丝的这句话,此刻却深深刺在上条胸口。

何も悪い事はしていないのに。何も悪い事はしていないはずなのに。

明明没做错什么事……应该没做错什么事……

これと全く同じ状況で、インデックスは上条当麻のために戻ってきたんだとしても。やっぱり上条は、出会って三〇分も満たない赤の他人と一緒に地獄へ落ちようなんて考えられない。

即使茵蒂克丝在面临相同的情况时,却愿意选择为了上条当麻而回到这里。但上条当麻还是不认为,自己有必要陪着一个才认识三十分钟的陌生人一起下地狱。

「ちくしょう、そうだよな……。地獄の底まで、ついて行きたくなけりゃあ」上条は笑いながら、「……地獄の底から、引きずり上げてやるしかねーよなぁ」

「可恶……真不想陪她下地狱啊……」上条露出了微笑,「……看来只好把她从地狱拉上来啦!」

もういい加減、理解してやっても良いと思う。

到这地步,也该相信她了。

どんな仕組みで魔術が動いているかなんて知らない。見えない所がどうなってるかなんて分かる必要もない。携帯電話でメールを打つのに設計図はいらないんだから。

管他魔法的原理是什么?管他在那看不见的空气中到底发生了什么事?就好像拿手机传简讯,难道需要先看设计图吗?

「……、何だ丶丶分かっちまえばどうって事ねーじゃねえか丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶

「……其实想通了之后也没什么嘛!」

するべき事が分かっているなら、後は試してみれば良い。

既然知道该怎么做,那就去尝试看看不就得了?

たとえそれが失敗だったとしても、何もしないでいるよりはずっとマシだ。

就算最后失败了,也总比什么都没做好。

轟! とオレンジ色にひしゃげた金属の手すりが降ってきて、上条は慌てて地面を転がった。

轰的一声,烧成橙黄色的金属扶手掉了下来,上条慌忙地往地面滚倒。

格好良く決めてみたのは良いが、インデックスを助けるためにはまずあの炎の巨神イノケンテイウスをどうにかしないといけない。現実の問題として何万枚ものルーンの刻印をどうするかが残っている。というか、建物中に貼ってある紙切れを全て剝がす事なんてできるのか。

虽然帅气地决定了自己的想法,但是想要救出茵蒂克丝,却必须先解决那个火焰巨神才行。一个最现实的问题是,那几万张的符文刻印要怎么处理?真的有办法把它们全部撕下来吗?

「……ってか、あんなに派手にやってよく火災報知器が動かねえな」

「……话说回来,为什么这家伙闹成这样,火灾警报器却没有响?」

何気なく呟いてから、上条当麻の動きがピタリと止まった。

原本只是随口抱怨一下,但是一瞬间上条当麻的动作停止了。

火災報知器?

火灾警报器?


建物中に設置された火災報知器のベルが、一斉に鳴り響いた。

建筑物里面设置的火灾警报器,一口气全响了起来。

「!?」

爆撃のような轟音のあらしに、ステイルは思わず天井を見上げる。

如同遭遇空袭般的巨大声响,让史提尔不禁往天花板看了一下。

一秒すら待たずに取り付けられたスプリンクラーが台風のような人工の雨を撒き散らした。一応、消防隊を呼ぶと面倒臭い事になるので『魔女狩りの王イノケンテイウス』には警報装置セキユリテイセンサーに触れないように命令文を書いてある。となると、上条当麻が火災報知器のボタンを押したんだろう。

不到一秒的时间,天花板上的洒水器便如台风来袭般洒下人工雨。原本为了怕惊动消防队,所以史提尔早就对「猎杀魔女之王」下达避开警报装置的命令。这么说来,是上条当麻把火灾警报器按钮按下去的?

まさか、『魔女狩りの王』という炎の塊を消すために?

难道他以为,这样就可以浇熄「猎杀魔女之王」的火焰?

「……、」

馬鹿馬鹿しくて笑いも起きないが、そんなつまらない理由でびしょ濡れにされると思うと魔術師は頭の血管が切れるかと思った。

这样愚蠢的战术让史提尔连笑都笑不出来。倒是全身因此淋湿,让史提尔感到非常不高兴。

ステイルは壁に取り付けられた、真っ赤な火災報知器をいまいましげに睨みつける。

史提尔带着怒气,瞪着墙壁上深红色的火灾警报器。

ベルを鳴らすのは簡単だが、こちらから止める事はできないだろう。夏休みの学生寮という事でほとんどの住人は出払っているが、消防隊がやってくると面倒な事になるかもしれない。

要让警报响起很简单,但是从这一端却没有办法让它停止。虽然暑假的学生宿舍几乎都没有人,但是消防队一来,事情或许会麻烦得多。

「……、ふむ」

「……哼……」

ステイルはぐるりと辺りを見回し、それから手っ取り早くインデックスを拾って立ち去る事にした。目的はあくまでインデックスの回収で、上条を殺し尽くす事に夢中になる必要はない。どうせ消防隊がくるまでのタイムラグで、自動追尾の『魔女狩りの王イノケンテイウス』に抱き締められて真っ黒な炭か真っ白な灰にされているだろうし。

史提尔四下张望了两眼,决定先把茵蒂克丝带走再说。反正自己的目的只是回收茵蒂克丝,没有必要那么执着于杀死上条。而且在消防队赶到以前,这个臭小子大概就已经受到自动追踪敌人的「猎杀魔女之王」热情拥抱,而变成漆黑的焦炭或白色的灰烬了。

(……というか、エレベーターが止まっているなんて事はないだろうね)

(……话说回来,电梯应该不会停了吧?)

緊急事態にはエレベーターは停止するように作られているらしい、という話を聞いた事がある。ステイルとしてはそっちの方が憂鬱だった。ここは七階だ。女の子とはいえ、ぐったりした人間を一人抱えて階段を下りるのは少し疲れる。

记得以前曾经听过,遇到紧急事故时电梯似乎会自动停止运转。对史提尔来说,这件事反而更让他担忧。毕竟这里是七楼,抱着一个不会动的少女下楼梯实在是件有点吃力的工作。

だから、背後からキンコーン、と電子レンジみたいな音が聞こえた時、ステイルは正直ホッとしていた。

这时,背后传来「叮」的一声,如同微波炉的金属声响。史提尔松了一口气,看来电梯还能使用。

それから、ふと我に返る。

但是,史提尔忽然惊觉。

誰が? 誰がエレベーターに乗ってきた?

是谁?是谁使用了电梯?

夏休みの夕暮れという時間帯、生徒達は完全に出払っていて学生寮が無人状態である事は確認済みだ。ならば、一体どこの誰が、全体どうしてエレベーターなんかを動かす必要がある?

在这个暑假的傍晚时候,学生们全部都外出了,整个学生宿舍几乎是无人状态,这已经确认过了。既然如此,到底是谁,需要在这个时间搭电梯?

がこがこ、と。ガラクタみたいなエレベーターの扉が開く音が鳴り響く。カツン、と。ただの一歩だけ、スプリンクラーに濡れた床を踏む足音が、通路に響く。

背后传来嘎嘎的声响,那是老旧电梯门打开时所发出的声音。接着,又传来「啪」的一声脚步声。只有一声。踏在被洒水器给淋湿的地板上的这一声脚步声,回响在整个走廊。

ステイルは、ゆっくりと振り返る。

史提尔慢慢地回头。

一体どうして体の内側が小刻みに震えているのか、そんな理由も分からずに。

他甚至不知道,为什么自己体内正在发出小小的颤抖。

上条当麻が、そこにいた。

上条当麻就站在那里。


(……何だ? 自動追尾の『魔女狩りの王イノケンテイウス』は一体どうしたんだ?)

(……怎么回事?自动追踪敌人的「猎杀魔女之王」跑到哪里去了?)

ステイルの頭の中でぐるぐると思考が空回りする。『魔女狩りの王イノケンテイウス』は戦闘機に積んだ最新鋭のミサイルと同じようなものだ。一度でもロックしたら最後、絶対に逃げ切る事はできないし、どこへ逃げようが隠れようが、三〇〇〇度という炎の塊は壁や障害物──そう、鋼鉄さえ溶かして一直線に進んでくる。普通に建物を走り回るだけで振り切る事なんてできるはずがない。

史提尔的脑袋不断空转。「猎杀魔女之王」就跟战斗机上的最新型飞弹一样,一旦锁定,就绝对不会让猎物逃掉。不论躲到天涯海角,三千度的火焰躯体都会笔直朝敌人前进,路上的墙壁、障碍物、甚至是钢铁,都会被融化。在建筑物里面东躲西窜,根本不可能甩得掉「猎杀魔女之王」的追杀。

なのに、上条当麻はそこにいた。

但是,上条当麻却站在那里。

不敵に。無敵に素敵に宿敵に、そして何より天敵として─────立っていた。

还露出一副天下无敌的表情站在那里。

「そーいや、ルーンってのは壁や床に『刻む』モンだったんだっけな」上条は冷たい人工の雨に打たれながら、「……ったく参ったぜ、アンタすげぇよ。正直、ホントにナイフ使って刻まれてたら勝ち目ゼロだったよ、こいつは周りに自慢したって構わねーぜ」

「……符文这种东西,本来应该是要『刻』在墙壁跟地板上的对吧?」沐浴在冰冷的人工雨中的上条说道:「……我真是服了你啦!你真的很厉害。如果你的符文真的是用刀子刻在墙上,那我可就一点胜算也没有了。这点你大可以去跟朋友炫耀。」

言いながら、上条当麻は右腕を上げて、人差し指で自分の頭上を指差した。

上条当麻说着举起右腕,用食指指着自己的头顶。

天井。スプリンクラー。

天花板。洒水器。

「……、まさか。まさか! 三〇〇〇度もの炎の塊が、こんな程度で鎮火するものか!」

「……怎么可能!三千度的火焰躯体,怎么可能被这样的水气给浇熄!」

「ばーか。炎じゃねえよ、テメェは人ん家に何ベタベタ貼っつけてやがった丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶?」

「白痴!跟火焰无关啦!你想想看你在人家家里贴的那些怪东西吧!」

ステイルは思い出す。学生寮に何万枚と仕掛けた『ルーン』はコピー用紙だった事を。

史提尔想起来了。学生宿舍里几万张的「符文」,都是用影印纸印出来的。

紙は水に弱い丶丶丶丶丶丶。幼稚園児でも分かる理屈だ。

纸遇水会变脆弱。这是幼稚园小孩子也知道的事。

スプリンクラーを使って建物中を水浸しにしてしまえば、何万枚のルーン文字が仕掛けてあろうが問題ない。建物中を走り回る必要もなく、ボタン一つで全ての紙切れを殺す事ができる。

只要使用洒水器将整幢建筑物洒得到处是水,再多的符文又有什么用?根本没有必要在建筑物里面忙得满头大汗,只要按一个按钮,所有的纸片都会完蛋。

魔術師は思わず顔面の筋肉を痙攣させて、

魔术师不由得面部肌肉抽搐了起来。

「──────『魔女狩りの王イノケンテイウス』!」

「————『猎杀魔女之王』!」

叫んだ瞬間丶丶丶丶丶上条の背後から丶丶丶丶丶丶丶───エレベーターの扉をアメ細工のように溶かしながら丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶炎の巨神が通路に這い出てきた丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶

但是史提尔一喊,火焰的巨神却又沿着走廊爬了过来,来到上条背后。电梯的门如同麦芽糖般地融化。

しゅうしゅう、と。炎の体に雨粒がぶつかるたびに獣の吐息のような蒸発音が響く。

雨滴打在火焰的躯体上,发出嘶嘶的蒸气声,如同野兽的低吟。

「は、はは。あははははははは! すごいよ、君ってば戦闘センスの天才だね! だけど経験が足りないかな、コピー用紙ってのはトイレットペーパーじゃないんだよ。たかが水に濡れた程度で丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶完全に溶けてしまうほど弱くはないのさ丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶丶!」

「哈……哈哈……哈哈哈哈哈!你很厉害!你真是战斗天才!但是你的经验不够!影印纸可不像是卫生纸,并没有脆弱到一淋湿就完全糊掉!」

ギチギチと。両手を広げて爆発するように笑いながら、魔術師は『殺せ』と叫んだ。

魔法师张开双手,如同爆炸般地狂笑。

魔女狩りの王イノケンテイウス』は、その腕をハンマーのように振り回して、

「猎杀魔女之王」在魔法师发出「杀了他」的命令后,挥起了那如同铁锤般的手臂。


「邪魔だ」

「少烦我。」


一言。上条当麻は、振り返りすらしなかった。

上条只说了三个字。甚至没有回头。

ずぼん、と。裏拳気味の上条の右手に触れた炎の巨神は、正直笑ってしまうほど間抜けな音を立てて爆発、四方八方へ吹き飛ばされた

上条的右手反手一挥,被右手碰触到的火焰巨神,便发出可笑的声音往四周炸了开来。

「な!?」

その瞬間、ステイル=マグヌスの心臓は確かに一瞬だけ驚きで停止した。

那一瞬间,史提尔·马格努斯的心脏就在瞬时几乎完全停止。

吹き飛ばされた『魔女狩りの王イノケンテイウス』が、復活しない。重油のように黒い肉片は辺り一面に飛び散ったまま、もぞもぞとうごめくのが精一杯のようだった。

飞散四周的「猎杀魔女之王」,并没有复活。如同重油一般的黑色肉片,散落在地板上,虚弱地缓缓蠕动。

「ば、か────な。なぜ、何故! 僕のコピー用紙ルーンはまだ死んでないのに……ッ!」

「这……这怎么可能!为什么会这样!影印纸应该不会破掉才对啊……!」

「インクは?」

「但是墨水呢?」上条说。

上条当麻の声がステイルの耳まで届くのに、五年はかかるかと思った。

史提尔感觉上条的声音传到自己的耳朵,好像花了五年似的。

「コピー用紙は破れなくっても、水に濡れりゃインクは落ちちまうんじゃねーか?」上条は、むしろのんびりした調子で、「……ま、それでも一つ残らず潰す事はできなかったみてえだが」

「影印纸就算没破,淋湿之后墨水是不是会花掉?」上条慢条斯理地说:「……嗯,不过看刚刚那样子,应该还是有漏网之鱼吧!」

もぞもぞと動く『魔女狩りの王イノケンテイウス』の破片。

「猎杀魔女之王」的碎片在地板上蠕动。

スプリンクラーが生み出す人工の雨が降り注ぐたびに、黒い肉片が一つ、また一つと空気に溶けるように消えていく。まるで建物中に貼り付けたコピー用紙のインクが一つ一つ雨に溶けていき、どんどん力を失っていくように。

但是随着洒水器不断洒出人工雨,黑色的肉片开始一片片溶解在空气中。在大雨的洗礼下,建筑物内贴得到处都是的影印纸上的墨水逐渐被带走。火焰巨神的力量,也一点一滴的消失。

一つ一つ肉片が消えていき……ついには最後の一つまで、溶けるように消えていく。

肉片一片接着一片地消失……终于连最后一片也归于无形。

「い、のけんてぃうす……『魔女狩りの王イノケンテイウス』!」

「Innocentius……猎杀魔女之王!」

魔術師の言葉は、まるで一方的に切られた電話の受話器に叫ぶような声だった。

魔法师的声音,如同对着已经挂断的电话筒喊叫一般。

「さて、と」

「接下来就剩下……」

たった一言。上条の言葉に、魔術師は体全体をビクンと震わせた。

上条的一句话,就让魔法师全身颤抖。

上条当麻の足が一歩、ステイル=マグヌスの元へと踏み出される。

上条当麻的脚,朝着史提尔·马格努斯踏出了一步。

「い、の……けんてぃうす」

「Inno……centius……」

魔術師は告げる。───けれど、世界は何も応答しない。

魔法师不断呼唤,但是世界没有给予他任何回应。

上条当麻の足がさらに、ステイル=マグヌスの元へと歩き出す。

上条当麻的脚,继续朝史提尔·马格努斯迈进。

「いのけんてぃうす……イノケンティウス、魔女狩りの王イノケンテイウス!」

「Innocentius……Innocentius……猎杀魔女之王!」

魔術師は叫ぶ。────けれど、世界は何も変化しない。

魔法师不断吼叫,但是世界没有发生任何变化。

上条当麻の足がついに、ステイル=マグヌスの元へ弾丸のように駆け抜ける。

上条当麻的脚,开始像子弹一样朝着史提尔·马格努斯狂奔。

「ァ、─────灰は灰にAshToAsh塵は塵にDustToDust吸血殺しの紅十字SqueamishBloodyRood!」

「…………尘归尘!土归土!吸血猎杀红十字!」

魔術師はついにえた。けれど、炎の巨神はおろか、炎の剣さえ生まれなかった。

魔法师开始哀嚎。但是别说是火焰巨神,连炎剑也不再出现。

上条当麻の足はそして、ステイル=マグヌスの懐まで飛び込み、さらに奥へと突き進み、

上条当麻的脚步,终于来到史提尔·马格努斯跟前。但是上条没有停止,继续往前突进。

拳を、握る。

他握紧拳头。

何の変哲もない右手。相手が『異能の力』でない限り、何の役にも立たない右手。不良の一人も倒せず、テストの点も上がらず、女の子にモテたりする事もない、右手。

毫无特色的右手。只要对手没有「异能之力」,就完全派不上用场的右手。没办法用来打倒不良少年,没办法用来增加考试分数,也没办法拿来把妹的右手。

だけど、右手はとても便利だ。何せ、目の前のクソ野郎を思う存分ぶん殴る事ができるんだから。

但是这只右手,非常好用。至少可以拿来扁眼前这个混蛋。


上条の拳が魔術師の顔面に突き刺さる。

上条的拳头,埋入魔法师的脸颊。

魔術師の体は、それこそ竹とんぼのように回転し、後頭部から金属の手すりへ激突した。

魔法师的身体,如同竹蜻蜓般在空中旋转,后脑勺撞上了金属扶手。

Footnotes#

  1. ルーレット ([仏] roulette):[名]回転式賭博盤またはその賭をいう

  2. ばてる:[動タ下一]すっかり疲れてしまう

  3. 拉丁语中的献身,也是 dedicate 的词源

  4. パイロキネシス (pyrokinesis):通过集中精神力量,‌在不借助物理手段的情况下点燃或操控火焰的能力

  5. クレアボヤンス‌ (clairvoyance):不依赖常规感官的情况下,感知远处、隐藏或未来事件的能力

  6. エイボンの書 (Book of Eibon):克苏鲁神话体系中的一本虚构魔法典籍

  7. レメゲトン (Lemegeton):托名古以色列国王所罗门的神秘学著作

  8. トリノ聖骸布:相传这块裹尸布曾包裹过耶稣的尸体,一直被基督徒视为圣物

  9. ロンギヌスの槍 (Lance of Longinus):基督教圣物之一,最早记载于《圣经·约翰福音》。据传罗马百夫长朗基努斯用此枪刺穿耶稣侧腹验证其死亡,并在接触圣血后复明皈依

  10. 嫁いびり:[名]姑などが嫁をいじめて苦しめること

  11. カトリツク ([荷] katholiek):旧教

  12. プロテスタント (protestant):新教,16 世纪宗教改革运动中从罗马天主教分离出来的基督教分支

  13. アガシオン (Agathion):阿拉伯传说中一类为人类使役的精灵总称,通常被封印于壶、戒指等容器内,可通过特定仪式召唤

  14. ソプラノ ([伊] soprano): 同一属の管楽器のうち最も高い音域をもつもの

  15. リコーダー (recorder):直笛

  16. パータリプトラ (Pāṭaliputra):古印度摩揭陀国孔雀王朝 (前321 - 前185) 的都城

  17. コンピエーニュ ([仏] Compiègne):法国上法兰西大区瓦兹省的一个市,1430年圣女贞德在此被擒获

  18. モン=サン=ミシェル ([仏] Mont-Saint-Michel):天主教除耶路撒冷和梵蒂冈之外的第三大圣地,位于法国芒什省一小岛上

  19. Kenaz (ᚲ):卢恩字母的第六个,代表能量和创造力

  20. Purisaz: 卢恩字母的第三个 (ᚦ, Thurisaz), 象征保护;Naupiz:卢恩字母的第十个 (ᚾ, Naupiz),象征必要;Gebo:卢恩字母的第七个 (ᚷ),象征好运

  21. イノケンテイウス (innocentius):拉丁语的 innocent

  22. 裏拳:[名]空手などで、こぶしの甲で打つこと

  23. 象る:[動ラ五(四)]物の形を写し取る

  24. ネセサリウス (necessarius):拉丁语,必要的

  25. squeamish:易恶心的

  26. 耳なし芳一:日本的民间故事。盲眼的琵琶法师芳一,被平家的亡灵邀请,每夜为他们讲述《平家物语》。担心他的和尚在芳一全身写满了经文,却唯独忘了写在耳朵上。结果芳一的耳朵被亡灵扯了下来

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