化物語(下): 第五話 つばさキャット 004
audio from Amazon Audible
desc: 梳着麻花辫、戴着眼镜的班长 —— 羽川翼。这位曾帮助过阿良良木历的少女,究竟被何种怪异所缠身……?
さて、六月十四日の水曜日、つまり次の日、夢から覚めて──無論これは、ロマンチックな天体観測を無事内に終え、戦場ヶ原父の運転によってまた二時間ほどかけて住む町へと帰り、深夜一時を回る頃に床について、まあとりとめのない、大半を忘れているような夢を見て、その夢から覚めて、起床して、という意味であって、昨晩の戦場ヶ原との初デートが夢オチだったという意味ではない──寝不足ながらに自転車を漕ぎつつ、学校へと向かう途中、僕は八九寺を発見した。
接着,六月十四号礼拜三,也就是隔天,我从梦中醒来——当然,这并不是说昨晚和战场原的初次约会是南柯一梦。而是因为在罗曼蒂克的天体观测平安结束后,由战场原父亲的接送下,我们又花了两小时左右回到所住的城镇,然后凌晨一点过后我上床就寝,作了一个不知所云、起床后有大半都被遗忘的梦,然后从梦中清醒起床的意思。之后睡眼惺忪的我,踩着脚踏车往学校的途中,发现了八九寺的身影。
八九寺真宵。
八九寺真宵。
前髪の短い、眉を出したツインテイル。
绑着双马尾,短短的浏海露出了眉毛。
リュックサックを背負った小学五年生の女の子。
身上背着一个大背包的小学五年级女生。
「うおっと」
「唉呀!」
僕はペダルを漕ぐ足を止める。
我停住了踩着踏板的脚。
向こうはまだこちらに気付いていない。きょろきょろとしながら、早朝の散歩を楽しんでいるという風だった。
她似乎完全没注意到我。只见她东张西望,似乎在享受晨间的散步一样。
うーん、なんだか久し振りだ。
嗯——总觉得我们好久不见了。
いや、考えてみれば、最後に会ってから二週間ちょっとってところだから、客観的には久し振りってほどじゃないのかもしれないが、でも、なんだろう、こうして八九寺と偶然出会えて、とても嬉しい感じがある。まあ、相手が小学五年生じゃ、中学二年生以上に、連絡を取る手段なんてないからなあ。
不对,仔细想想,上次见面是在两个星期前左右,客观来看可能还不到好久不见的程度,不过,这是为什么呢,能够像这样巧遇八九寺,让我觉得非常高兴。大概因为她是小学五年级生,比国中二年级生还要更难取得联络吧。
いつぞやと違って、時間には余裕がある。少しくらい話し込むのもいいだろう(八九寺が暇だろうことは勝手に確定)。となると、問題は、どんな風に声を掛けるかだ……、と、僕はとりあえず、音を立てないよう細心の注意を払いながら、自転車から降りる。スタンドを立てて、道の端に停めた。
今天和前些时候不一样,时间上还很充裕。稍微和她聊个天也不错吧(我擅自认为八九寺很闲)。既然这样,现在的问题就是该怎么和她搭话呢……我决定小心翼翼地不发出声音,从脚踏车上下来,将车子架起停放在路边。
さてさて。
唉呀唉呀。
しかし、相手が八九寺だからな。
不过对方可是八九寺。
なるべく、こっちが今嬉しいと思っていることを悟られたくはない。そんな感情を示したらあの子供は調子に乗る可能性がある。生意気に増長されても困る。さりげなく、というかそっけなく、「あ、なんだ、いたの? 他に用事がないからついうっかり声をかけちゃったよ」くらいの感じで、ぽんと肩を叩く程度で、丁度いいのではないだろうか。そうだ、大体、僕は友達と再会したくらいではしゃぎまくるような、薄い人間ではないのだ。ドライでクールを売りにしていきたいお年頃である。
我不想被她发现自己现在很高兴。要是表露出那种感情的话,那孩子有可能会得寸进尺。要是让她屁股翘起来可就伤脑筋了。我要装作若无其事,应该说要装作一副很冷淡的模样,「啊,搞啥啊,原来你在啊?我闲闲没事做,一个不小心就出声叫你了。」大概用这样的感觉,拍一下她的肩膀搭话应该恰到好处吧。没错,基本上,我也不是那种,会因为和朋友再会这种小事情而不停喧闹的轻浮者。我现在这个年纪,是以理智和冷静为卖点。
よし。
好。
じゃあ、そっと後ろから近付いて……。
那我就蹑手蹑脚地,从后面接近她……
「はっちくじー! 久し振りじゃねえか、この!」
「八九寺!好久不见了啊,你这家伙!」
そっと後ろから近付いて、がばっと抱きついた。
我悄悄从她身后靠近,给了她一个熊抱。
「きゃーっ!?」
「呀——!」
悲鳴を上げる少女八九寺。
少女八九寺发出悲鸣。
しかし構わず、僕は八九寺の矮軀を握りつぶさんばかりに全力で抱きしめ、彼女の顔に頰擦りを繰り返す。
但我毫不在乎,有如要捏烂八九寺的矮小身体般,使劲全力地紧抱她,不停用脸颊磨蹭她的脸。
「はははは、可愛いなあ、可愛いなあ! もっと触らせろもっと抱きつかせろ! パンツ見ちゃうぞ、このこのこのこの!」
「哈哈哈哈!你好可爱、好可爱啊!多让我摸一下,多让我抱一下!你的内裤露出来啰,你这家伙、你这家伙!」
「きゃーっ! きゃーっ! ぎゃーっ!」
「呀——!呀——!呀——!」
八九寺は大声で悲鳴を上げ続け、
八九寺扯开喉咙不停惨叫,
「がうっ!」
「吼!」
と、僕に嚙み付いてきた。
随后朝我咬了过来。
「がうっ、がうっ、がうっ!」
「吼、吼、吼!」
「痛え! 何すんだこいつ!」
「好痛!你这家伙干什么!」
痛いのも。何すんだこいつも、僕だった。
无可救药和这家伙在干什么,
这两句话都是在说我自己。
「しゃーっ! ふしゃーっ!」
「吓!呼吓!」
三箇所ほど嚙まれることによって僕はようやく正気を取り戻したが、八九寺はしばらくの間、超サイヤ人よろしく髪の毛を逆立てて、そんな、野生の山猫みたいな威嚇の声を出し続けた。
我被咬了三个地方,才终于恢复到正常状态;但八九寺片刻之间,头发就像超级赛亚人一样完全倒竖,口中不断发出那类似野生山猫般的威吓声。
まあ、当然だろう。
唉呀,这也很正常吧。
「だ、大丈夫、大丈夫。敵じゃないぞ」
「没、没事,没事。我不是敌人。」
「しゃー! しゃー!」
「赫!吓!」
「ほら、落ち着いて、ゆっくりと呼吸して」
「好了,你冷静一点,慢慢深呼吸。」
「ふしゃーっ……こーほー、こーほー」
「呼吓……咳——呼——!咳——呼——!」
「…………」
ロボ超人1みたいな呼吸音だな。
这呼吸声和机器超人一样呢。
というか、ここで登場して以来、まだ八九寺は一言も日本語らしい日本語を喋っていない。
话说,八九寺至今登场以来,都没说过一句像样的中文。
「僕だ、僕だぞ。よく見ろ。近所の気のいいお兄さんで有名な……かつて文字通り迷える子羊であったお前を導いてあげた……」
「是我,是我啦。你看清楚一点。我是这附近以人品好闻名的大哥哥……以前还替你这只迷路的小羊带过路……」
「ん……ああ……」
「嗯……啊啊……」
ここで八九寺の左右の眼が、ついに、僕を認識したようだった。逆立っていた髪の毛が、少しずつ、元の形に戻っていく。
到此,八九寺的双眼才认出了我的模样,倒竖的头发也逐渐恢复原状。
「むらら木さんじゃないですか」
「这不是奥良良木哥哥吗?」
「他人のことを欲求不満みたいな名前で呼ぶな。僕の名前は阿良々木だ」
「别用那种听起来好像欲求不满的名字来称呼别人。我的名字叫阿良良木。」
「失礼。嚙みました」
「抱歉。我口误。」
実際に嚙まれてからその台詞を聞くのは、どうやらこれが初めてだったが……でも、今回に限っては、嚙まれた責任も、むらら木などと呼ばれる原因も、全部僕の側にある気がした。
她这次好像是第一次因为真的口误而说错话……不过唯独这次,她会口误把我叫成奥良良木,原因似乎全都出在我身上。
感情に抑えがきかなかった。
我没办法压抑住自己的感情。
暴走しちゃった。
所以失控暴走了。
昨日のことでハイになっていたというのもあるな。
昨晚的事情让我太兴奋也有关系吧。
「おや。阿良々木さん、夏服ですね」
「唉呀,阿良良木哥哥穿夏季制服呢。」
八九寺は言う。
八九寺说。
けろっとしたものだ。
一脸若无其事的表情。
馬鹿なのかもしれない。
或许她是个笨蛋吧。
「うーん。筋肉質な割に身体が細いから、とにかく半袖が似合いませんねえ、阿良々木さん」
「嗯——你浑身肌肉,身体却很纤细,短袖整个就是不适合你呢,阿良良木哥哥。」
「それを言われてしまったら、僕は夏場どうすればいいんだよ」
「你这样说的话,那我夏天该怎么办才好啊。」
ノースリーブもどきは、男子の間でははやっていない。男がやっても、あれ、可愛くも何ともありゃしないし。
女生那种类似无袖上衣的穿著,男生之间并不流行。毕竟男生弄成那个样子,也和可爱八竿子打不着边。
「半袖が似合わないというより、カッターシャツが似合わないのかもしれませんね。阿良々木さん、詰襟姿が素敵でしたのに。一年間、あれで通したら如何です?」
「要是短袖不适合你,倒不如说是你不适合穿西装衬衫吧。阿良良木穿立领装明明很好看的说。干脆你一整年都穿那样上学如何?」
「応援団じゃねえんだから……」
「我又不是应援团的人……」
ちなみに、直江津高校に応援団はない。
附带一提,直江津高中没有应援团。
部活動がそんなに頑張らないからね。
因为社团活动不怎么受到推广。
「袖が短くなった分、髪が伸びましたね。阿良々木さんは凶暴な内面に反比例して大人しい顔立ちをされてますから、それ以上伸ばすと女の子みたいに見えますよ?」
「你的袖子变短了,头发倒是变长了呢。阿良良木哥哥的长相和凶暴的内心成反比,感觉很秀气,要是再继续留长下去,看起来会很像女生喔?」
「これはしょうがないんだ。夏に向けて、暑苦しいのは確かだけどさ。あと、お前に凶暴とか言われたくないぞ」
「这也没办法吧。夏天留长头发,的确会很闷热没错。还有,你没资格说我凶暴。」
「女の子みたいなのは名前だけで十分でしょうに」
「你有一个像女生一样的名字就已经够了吧。」
「引っ張るなー、その話題。お前こそ、ウルトラマンに出てくる怪獣みたいな髪型してる癖に」
「不要扯这个话题。你自己才是,发型就像奥特曼里面出现的怪兽一样,还敢说别人。」
「それは名前だけ2です」
「那只是名字像而已吧。」
「まあ、そうだけど」
「是这样讲没错啦。」
「阿良々木さんはアフロ星人みたいな髪型ですよね」
「阿良良木哥哥的发型就跟阿福罗星人一样。」
「いやいや! アフロ星人なんてのは寡聞にして聞いたことのない多分お前の造語だけれど、そいつは恐らくアフロだろ! 僕は普通にストレートに伸ばしてるだけだよ!」
「没有没有!阿福罗星人那种东西,孤陋寡闻的我从来没有听过,我想那应该是你自创的词汇,可是那个外星人的发型是阿福罗吧!我只是把头发留长而已喔!」
「そんなことを言われても、阿良々木さんの影の薄さはギャルゲーで言えば立ち絵のないキャラっぽいですからね。言ってしまえば言ったもの勝ちです。わたしがアフロと言えばアフロ、ドレッド3と言えばドレッドになります」
「就算你这么说,因为阿良良木哥哥的稀薄存在感,用美少女游戏来比喻的话,就像是没有立绘的角色一样。所以,我爱怎么说就怎么说。我说你是阿福罗就是阿福罗,我说你是雷鬼头你就会变成雷鬼头。」 「そうなのか!? だ、だったら八九寺、今すぐ僕のことを、背が高くて肩幅の広いマッチョな男だと言え!」
「是这样吗!既、既然这样,八九寺你现在马上说我是一个虎背熊腰的肌肉男!」
「阿良々木さんが自分からそう仰ることによって、そうではないということが明らかになってますが……しかし、阿良々木さんの理想の自分像は、背が高くて肩幅の広いマッチョな男なのですか」
「阿良良木哥哥会这么说,很明显就表示你完全不是那种体型的人……不过,你希望自己变成一个虎背熊腰的肌肉男吗?」
「え? 何その白い目?」
「咦?你那白眼是怎样?」
「おや、阿良々木さん、頭から血が出てますね」
「唉呀,阿良良木哥哥,你的头在流血呢。」
「凶暴な奴に嚙まれたからな」
「因为刚才有一个凶暴的家伙咬我。」
「早く首を縛って止血しませんと」
「要赶快掐住脖子止血才行。」
「死んじゃうよ!」
「那样我会先上西天!」
なんでだろうなあ。
真不知道是为什么。
戦場ヶ原のことが一番好きだし、神原とは誰よりも仲良しだけど、どうして八九寺と話しているときが中でも断トツ4で楽しいのだろう。
我最喜欢战场原,和神原的关系也比任何人都还要友好,可是和八九寺聊天时的愉快程度,在这当中却是位居第一位。
僕は小学生に癒されているのだろうか……。
我的心灵被一个小学生治愈了吗……
「大丈夫。この程度、すぐに治るよ」
「没事的。这点小伤马上就会好了。」
「ああ。吸血鬼さんなんでしたね、阿良々木さん」
「对喔。你是吸血鬼嘛,阿良良木哥哥。」
「もどきだけどな」
「类吸血鬼就是了。」
春休み──僕は吸血鬼に襲われた。
我在春假时间……遭到吸血鬼的袭击。
羽川が猫に魅せられ、戦場ヶ原が蟹に行き遭い、八九寺が蝸牛に迷い、神原が猿に願い、千石が蛇に絡まれたように──僕は鬼に襲われた。
就像羽川被猫魅惑、战场原遭遇到螃蟹、迷路蜗牛八九寺、神原向猿猴许愿,以及千石被蛇缠上一样,我被鬼袭击了。
髪を伸ばしたのは、そのときの傷を隠すためだ。
我会把头发留长,就是为了遮掩住那时候的伤口。
ヴァンパイアハンターでもなければキリスト教の特務部隊でもなく、同属殺しの吸血鬼でもない通りすがりのおっさん、軽薄なアロハ野郎、忍野メメによって、その窮地からはとりあえず救ってもらったのだが──要するにはその後遺症である。
当时拯救我脱离困境的不是吸血鬼猎人、也不是天主教的特种部队,更不是专门猎杀同类的吸血鬼杀手,而是一个路过的大叔,穿着夏威夷衫的轻浮混蛋——忍野咩咩,总之这就是当时留下的后遗症。
僕の身体の回復能力は著しく高い。
我身体的恢复能力非常地高。
「回復能力ですか……となると、試してみたいことがありますね」
「恢复能力吗……这样的话,有件事情我想要尝试一下呢。」
「試してみたいこと?」
「想要尝试?」
「ええ。こう、正中線に沿ってチェーンソーやらで真っ二つにしたら、阿良々木さんが二人、できあがるのでしょうか」
「对。我想要拿着一把电锯之类的东西,把你从中间对切,看看阿良良木哥哥会不会变成两个人。」
「猟奇的なことを考えるなあ小学生!」
「你这小学生的想法还真是变态啊!」
ミミズじゃねえんだから!
我又不是蚯蚓。
そんなうまいこといくか!
哪有那么简单就变成两个人!
「冗談です。お世話になった阿良々木さんに、そんなことをするわけがないじゃないですか」
「我开玩笑的。阿良良木哥哥以前帮过我的忙,我不可能会对你做那种事情吧。」
「そうか……そうだよな。僕達、友達だもんな」
「是嘛……也对啦。我们是朋友嘛。」
「ええ。八つ裂きにしても物足りないのに、その程度で済ませるだなんてとんでもありません」
「对啊。就算把你五马分尸都嫌不够了,我怎么可能会因为那点程度就善罢甘休呢。」
「………………」
そんなにけろっとした奴でもないらしい。
看来她不是若无其事。
しっかり恨まれているようだ。
她现在整个就是在记恨。
「今に見ておいてください、阿良々木さん。今度、自由帳に阿良々木暦という名前を、赤鉛筆で書いておきますからね」
「请你等着看吧,阿良良木哥哥。下次我会在空白笔记本上头,用红色铅笔写上阿良良木历这个名字的。」
「な、なにおう!? そんなことをされたら早死してしまうじゃないか!」
「你、你做什么!你这样搞的话,会害我早死吧!」
「それだけではありません。今度はわたしが阿良々木さんに後ろから近づいて、人差し指で背骨の上を上から下へすーっとなぞってさしあげます」
「事情没那么简单。下次我会从阿良良木哥哥的身后靠近,用食指从你的背脊,由上往下快速地刷下来。」
「こ、この外道が! 下から上になぞり直してくれとお願いしろと言うのか!?」
「你、你这个旁门左道!你是想要我求你,再从下面往上刷一次吗?」
「そんなのはまだまだ序の口です。可哀想に、わたしを怒らせるからこういうことになるのです。阿良々木さんは真の恐怖というものを、味わうことになるでしょう」
「这些不过是一个开端罢了。你真可怜,惹我生气就是这种下场。阿良良木哥哥,你将会体会到真正的恐怖是什么样的滋味吧。」
「ふっ……」
「哼……」
そこで笑い返す僕。
在此,我哼笑回应。
「それはこっちの台詞だな、八九寺」
「那是我的台词吧,八九寺。」
「はい?」
「嗄?」
「真の恐怖を知るのはお前だと言っている。もしも本当に僕の名前を赤鉛筆で書いてみろ……僕は暴力に訴えるぜ!」
「会体验到真正恐怖的人是你。你用红色铅笔写我的名字试看看……我可是会诉诸暴力喔!」
赤鉛筆で名前を書かれたら早死するからという理由で、子供を暴力で脅す高校生がいた。
有一个高中生,因为用红色铅笔写名字会短命这种理由,而用暴力威胁一个小女孩。
なんと僕である。
那个人居然是我。
「ごめんなさいと謝れば、今なら許してやるぞ」
「要是你肯道歉的话,现在我还可以饶你一命。」
「ふっ……」
「哼……」
しかし、さすがは僕の永遠のライバル。
然而,八九寺不愧是我永远的劲敌。
八九寺もまた、不敵に笑うのだった。
她也露出了无畏的笑容。
「それはダッチの台詞です、阿良々木さん」
「你那是荷兰人的台词吧,阿良良木。」
「ダッチ!? 僕はオランダ人に謝って許してもらわなくちゃならないのか!? 僕がオランダに何をしたというんだ!?」
「荷兰人!为什么我要跟荷兰人道歉,请求对方原谅才行?我对荷兰人做了什么事情?」
「早く謝らないと風車回転乱舞の餌食ですよ」
「你不快点道歉的话,就会变成风车回转乱舞的牺牲品喔。」
「なんだその超必っぽい技!?」
「那个听起来像是超必杀技的东西是什么鬼!」
「ドン・キホーテの二の轍を踏みたくなければ、早く謝ってしまうことです」
「你如果不想和唐吉诃德一样的话,最好赶快道歉。」
「ドン・キホーテはスペインだけどな!」
「唐吉诃德应该是西班牙的吧!」
「さあ、どうするのです、阿良々木さん。あなたはドン5と呼ばれたいのですか」
「好了,那你想要怎么做呢,阿良良木哥哥。你希望人家叫你『唐(大哥)』吗?」
わけのわからない展開だ。
这对话的发展变得很莫名其妙。
しかしドンとは呼ばれたくない。
可是我不希望别人用「唐(大哥)」来称呼我。
「ここまで言っても謝らないとは……阿良々木さんの物分りが悪いのか阿良々木さんの物分りが悪いのか阿良々木さんの物分りが悪いのかわたしの言い方が悪いのか、どれでしょうね」
「我都说到这种地步了,阿良良木哥哥你居然还不肯道歉……是你理解能力有问题吗?是你理解能力有问题吗?是你理解能力有问题吗?还是我的表达方法太差劲呢?」
「確率的には四分の三まで、僕の物分りが悪いのか……。ったく……はいはい、わかったわかった。オランダ人に謝ればいいんだな」
「以机率来看有四分之三是我的理解能力太差吗……真是的……好啦好啦,我知道了、我知道了。只要跟荷兰人道歉就行了吧。 」
「はいは百回です、阿良々木さん」
「『好』要说一百次才行,阿良良木哥哥。」
「そんなに言えるか!」
「一百次谁说得下去了!」
「確かにハイリスクではありますね」
「的确有高风险呢。」
「うまいこと言った!」
「说得真妙!」
というか。
话说回来。
お前には謝らなくていいのかよ。
我不跟你道歉可以吗?
「わたしはオランダ人ほど寛容ではありませんからね。謝ったくらいで許してもらえると思ったら大間違いです」
「我的心胸没有荷兰人那么宽大。要是阿良良木哥哥以为只要道个歉,我就会原谅你的话,那就大错特错了。」
「オランダ人、評価高いな……」
「荷兰人的评价还真高啊……」
「どうしても許してほしいのならば、そうですね、カステラ6蒸しパン一年分で手を打ちましょう」
「要是你无论如何都希望我原谅你的话,这个嘛,你只要给我一年份的蜂蜜蛋糕,我就原谅你吧。 」
「まあ、それで許してもらえるなら……」
「也罢,要是那样你就可以原谅我的话……」
「一日三個ですよ」
「一天三个喔。 」
「割と結構な値になるぞ、それ!」
「那还挺贵的耶!」
金額にして軽く十万円を超えている。
换算成金额来看,随便都超过十万日币。
すげえたかり7具合だ。
这竹杠敲得还真响。
「ま、許してくれてありがとうと言っておいてやる」
「算了,你原谅我的事情,我先跟你說声谢谢。」
「いえいえ、ノーサンクスです」
「不会不会,No Thanks。」
「…………」
この娘は、ノーサンクスを『礼には及ばない』的な意味だと思っているのだろうか……。
这位小妹妹以为 No Thanks 是「不用谢」的意思吗……
すげえなあ。
太强啦。
「阿良々木さんはこれから学校ですね。いつもお勤め、お疲れさまです。出席日数がまずいという話でしたっけ?」
「阿良良木哥哥等一下要去学校吧。你每天都这样上学,可真是辛苦了。上次你好像说过出席日数不太妙来着?」
「そうだな。一年二年のときのつけがあるから、最悪留年だ。けどまあ、今は目的のランクが一つ上がってるから、僕はそんな程度の低いところで悩んでる場合じゃないんだ」
「是啊。这是我一、二年级出席率太差的报应,最惨可能会留级。不过,现在我的目标已经往上提升了一个等级,所以现在我没空为了那点程度的小事情而伤脑筋。」
「目的のランクが一つ上がってる? 不可思議な表現をされますね。どういうことでしょう」
「目标往上提升一个等级?这个表现还真是不可思议呢。是什么意思啊?」
「今までは卒業が目的だったけど──」
「以前我是以毕业为目标啦——」
ん、いや、言ってもいいのかな。
嗯?不对,这件事能跟她说吗。
まあ、こいつなら喋っても、他人に伝わる心配はないか。それより、話せる相手にはできるだけ話しておいて、もうちょっと自分を追い込んでおいた方がいいかもしれない。
唉呀,对象是她的话,说了也不用怕她会跑去跟别人讲吧。况且,我先把这件事情告诉所有能够透露的对象,稍微把自己逼紧一点或许也不错。
「これからは、受験が目的になるから」
「我未来是以考试为目标。」
「受験? ああ、英検五級ですか」
「考试?喔,是英检五级吗?」
「小学生でも取れるような資格をなんで今更受験しなきゃいけないんだよ!」
「为啥我现在还要去考那种小学生都考得上的证照啊!」
僕は八九寺に、羽川や神原に言ったのと同じような事情を説明した。こう見えてかなりな聞き上手の八九寺は、「そうなのですか」「なるほど」「と言いますと」「さすがです」「知りませんでした」などと、打って欲しいところに綺麗に相槌を打ってくれるので、話しやすかった。まあ、この話をするのも、羽川神原に続いてこれで都合、三度目だということもあるのだろうが。
我对八九寺说明了事情的原委,就像对羽川和神原那样。八九寺人不可貌相,还颇会听人倾诉,「是这样啊。」「原来如此。」「这么说是?」「了不起!」只见她漂亮地在我希望她附和的地方出声回应,因此我说明起来很容易。唉呀,我继羽川和神原之后,连同这次总共已经说了三次,这或许也有关系吧。
…………。
でも、目的を上手に話せるようになるって、結局、まだ何も達成できてないってことなんだよな……口ばっかり達者になってどうするんだ。
可是,就算能把自己的目标讲得很顺口,现在我还是一事无成啊……要是变成只会耍嘴皮子的话还得了。
目的は成果にならなくてはならない。
我必须要达成目标才行。
「阿良々木さん、しばらく会わない間に、色々あったのですね。男子三日会わざれば刮目してみよとはよく言ったものです」
「阿良良木哥哥,和你一阵子不见就发生了许多事情呢。士别三日刮目相看这句话,说得还真是好啊。 」
「はは……まあな」
「哈哈……还好啦。」
「考えてみれば早いものです」
「现在想想,时间过得还真快。」
八九寺は物憂げな口調で言った。
八九寺语气沉闷,开口说。
物憂げで、しかし、どこか懐かしむように。
语气沉闷,却带有一丝的怀念。
「あれから三年ですか……」
「在那之后,已经三年了吗……」
「そんなに経ってねえよ!」
「没那么久好吗!」
二週間だ!
是两个礼拜!
最終回みたいな台詞を吐いてんじゃねえ!
不要吐出那种好像要完结篇一样的台词!
「そうでしたっけ。まあ、考えてみれば、二週間でできたくらいの簡単な決意なんて同じく二週間あればあっさり覆りますから、現時点ではあまり鵜吞みにできませんね。三日で変わったものは三日で戻ります。六日会わなければ元通りです」
「是这样吗?唉呀,仔细想想,那种短短两个礼拜就能作出简单决定,同样只要再过两个礼拜就可以把它整个推翻掉,所以现在我只能姑且听听。三日就改变的东西,过了三日又会恢复原样。所以只要六天不见,一切又会照旧了。」
「嫌なことを言うな、お前」
「你說这话还真讨厌啊。」
まあ、その通りだけど。
可是,她说得没错。
一昨日羽川に選んでもらった数々の参考書類にしたって、まだ一ページも目を通していない状態だからな。
因为前天我请羽川帮我挑的那几本参考书,现在我连一页都还没看啊。
「あー、参考書を買っただけで満足しちゃったという奴ですね。ありますあります。わたしもテレビゲームを買って、買うだけで満足して遊ばないことが割かし頻繁です」
「啊——有有有。就是那种光买参考书就会满足的人。我买电玩游戏的时候也常这样,光买就满足了,都不去玩它们。」
「小学生でそれはやばくないか……?」
「小学生这样是不是有点糟糕……?」
それに、決意が揺らいだから、面倒臭くて、折角の参考書類に目を通していないというわけではない……たまたま、正にその参考書類を買った本屋で千石を見つけてしまい、それからは怪異に掛かりっきりになって、学習塾跡で雑魚寝して家に帰って二度寝して、学校に行けば文化祭の準備と、それから、戦場ヶ原とのデートだったのだから。
而且,我不是因为决心动摇,觉得麻烦才不去看那些专程买回来的参考书……只是刚好在买参考书的书店遇到了千石,之后和怪异扯上关系,最后在旧补习班睡通铺,回家后又睡回笼觉,起床去学校还要准备文化祭,然后又和战场原约会。
参考書を見る隙間がどこにあるというのだ。
我根本没时间去看参考书。
「デートというのは、遊びなのでは」
「约会的话,就是跑出去玩对吧?」
「う……」
「呜……」
それはそうだった。
的确没错。
全く、と呆れたように言う八九寺。
真是的,八九寺一脸愕然地说。
「忙しいなんて言葉は時間の配分ができない人間の言い訳ですよ、阿良々木さん。その気になれば、学校の休み時間でも、参考書を見ることはできたはずです。勉強は授業中、あるいは家でするものである、などという先入観、固定観念が、阿良々木さんを縛っているのです」
「很忙这种话是不会分配时间的人爱用的借口喔,阿良良木哥哥。其实只要你想的话,你在学校的休息时间,应该也可以看参考书才对。现在的你,被读书只能在课堂上,或者是只能在家里那种先入为主的固定观念给束缚住了。」
「おお……なんかいいこと言ってるな」
「喔喔……你这话说得还真不错呢。」
うん。
嗯。
それもまた、その通りである。
这点也没错。
「八九寺、僕は今までお前のことを、根っから頭の悪い子供だと誤解していたのかもしれないが、お前ひょっとして、ちゃんとお勉強とか、できる奴なのか? 前に成績はよくないとか言ってたけど、あれはあくまで僕に気を遣った謙遜で……」
「八九寺,我可能一直对你有误会,觉得你是一个头脑很差的小孩,你该不会很会读书吧?你說过自己的成绩不是很好,其实是怕会伤害到我才会那么谦虚的吧……」
「さあ……勉強したことがないからわかりません」
「这个嘛……我从来没有读过书,所以我不知道。」
「………………」
ものすごい馬鹿がいた。
我眼前有一个超级笨蛋。
いや、ひょっとするととんでもない天才肌かもしれないが。
不对,她可能是一个超乎常理的天才也说不定。
どっちだろうか……よし、試してみよう。
她到底是笨蛋还是天才呢……好,我就测试一下吧。
「八九寺、尻取りで勝負だ。僕から行くぜ。尻取りの『り』から……『林檎』!」
「八九寺,我们来比赛文字接龙。我先开始。从文字接龙的『RI』开始……『苹果』!」
「『ゴリラ』!」
「『猩猩』!」
「『ラッパ』!」
「『喇叭』!」
「『パン』!」
「『面包』!」
「うわっ! 尻取りで『ん』で負ける奴に初めて会った!」
「鸣哇!我第一次碰到玩文字接龙会因为『N』输掉的人!」
とても低能っぽい。
她似乎非常低能。
というか、とてもノリのいい奴だった。
应该说,她的搞笑配合度非常之高。
すぐに『ご飯』などと言わず、一拍呼吸を置く辺りに、さりげないセンスを滲ませている。本当に話していて楽しいと言うか、家に持って帰って、寝る前に一日三十分、日課としてお喋りしたいくらいの逸材だ。
她没有立刻说出「饭」之类的词汇,而是先停一拍,然后再若无其事地将自身的搞笑品味表露出来。和她聊天真的很快乐,应该说她是那种让我会想把她带回家,每天睡前固定和她聊三十分钟的人才。
ただし、これでは、低能っぽいだけでノリのいい天才肌だという可能性は否定できない。当初の目的は全く達せられていないと言ってよかった。
不过,光是这样还无法下结论,她可能是一个低能,但搞笑配合度很高的天才。我当初的目的可说是完全没有达成。
では、リトライ。
好,重来一遍。
もう一回、試してみよう。
再来测试她一下。
「八九寺、今度はなぞなぞだ」
「八九寺,这次我们来玩脑筋急转弯。」
「勿論受けて立ちましょう。わたし、敵に背中を見せたことはありません。阿良々木さんは敵ではありませんが、それでも向かってくる以上は容赦しません。阿良々木さんはわたしの恐ろしさを知ることになるでしょう」
「我当然奉陪。我不会在敌人面前逃走的。阿良良木哥哥虽然不是敌人,不过既然你向我挑战,我就不会手下留情。你将会知道我有多恐怖。」
「頭は二つ、目は三つ。口は四つで歯は百本。手が七本に足が五本、象を丸吞みできる小さな動物は、なーんだ」
「有两个头、三个眼睛、四张嘴和一百颗牙齿、手有七只、脚有五只,还可以够吞掉一头大象的小动物是什么?」
「……阿良々木さんのお友達ですか?」
「……是阿良良木哥哥的朋友吗?」
「そんなのいるかでイルカ8だ! ていうか本当にいねえよ、そんな友達! お前は友達の友達にそんな奴がいて平気なのか!?」
「……答案是『有那种东西吗?是海豚对吧』才对!而且我才没有那种朋友勒!你的朋友里面有那种人的话,你不会觉得很可怕吗!」
僕は友人は選ぶタイプなんだよ!
我是会谨慎交友的人!
く……しかし、粋な切り返しだと考えれば、これでも頭脳の程度は測れない……と、思っていると、今度は八九寺の方から、
呜……可是就算她的反击做得很潇洒,这样还是无法测出她的智商程度正当我这么想时,
「ではお返しです」と言ってきた。「頭は猿で胴は狸、手足は虎で尾は蛇、鳴き声はトラツグミな動物は、なーんだ」
「那换我反问了。」这次换八九寺开口。 「头是猴头、身体是狸猫、四肢是虎手虎脚、尾巴是蛇、叫声像虎鹤的动物是什么?」
「そんなのいるかで、イルカだろ?」
「有那种东西吗?是海豚吧?」
「鵺9です」
「答案是鵺。」
「………………」
そうだった。
的确没错。
一本取られた感じだ。
我感觉自己被反将了一军。
やはりこの小学生、天才肌なのか……?
这小学生果然是天才吗……?
くそう、どこまでも底の見えない子供だ。
该死,她的实力到底要深不可测到什么地步啊。
「しかし小学生がよく鵺なんて知ってるな」
「可是,小学生居然会知道『鵺』这种东西。」
「色々と勉強中です」
「我正在多方面学习当中。」
「あっそ」
「喔,是吗。」
「とにかく、ぼらら木さん」
「总之,波良良木哥哥。」
「人を淡水汽水10どちらにも生息する出世魚みたいな名前で呼ぶな。僕の名前は阿良々木だ」
「别用那种,听起来像是栖息在淡水或汽水里头的出世鱼一样的名字来叫我。我的名字是阿良良木。」
「失礼。嚙みました」
「抱歉。我口误。」
「違う、わざとだ……」
「不对,你是故意的……」
「嚙みまみた」
「我狗误。」
「わざとじゃないっ!?」
「还说不是故意的!」
「神はいた11」
「神曾经存在。」
「どんな奇跡体験をっ!?」
「那是哪们子的奇迹体验!」
恒例のやり取りも七回目ともなると、いい加減こなれてきちゃって。手順に一つの狂いもない。
惯例的对答要是到了第七次,要不得心应手也难。我俩对答的顺序,毫无错乱。
「とにかく、阿良々木さん。いいですか、受験っていうのは大変なんですよ」
「总之,阿良良木哥哥。你知道吗,考试可是很辛苦的喔。」
「わかってるよ、そんなこと」
「那种事情我当然知道。」
「そうですか。わたしはわかってませんけど」
「是吗。我完全都不知道呢。」
「だよなあ!」
「我想也是!」
したことあるはずないよなあ。
你不可能有考过吧。
「それにしたって、重ね重ね、心配ですねえ。老婆心かもしれませんが、阿良々木さんに、果たして願書が書けるのかどうか」
「可是我还是很担心你。我这么说可能担心过头了,不过我很怕阿良良木哥哥不会写入学申请书。」
「そんな地点から心配されてるのか!? 恐るべし、少女の老婆心!」
「你从那种地方就开始担心了吗!?少女的担心还真可畏!」
「願書さえ書ければ、後は当日の体調管理に気をつけさえすれば、阿良々木さんでも受験くらいはできますよ」
「只要会写申请书,接下来只要当天注意好自己的身体状况,就算是阿良良木哥哥也有办法参加考试喔。」
「違う! 僕は受験さえできればそれで満足なんじゃない、その後ちゃんと合格しなければならないんだ!」
「不对!我不是只要参加考试就好,参加考试还要合格才行!」
「受験勉強ですか……まあ、わたし、らしくもなく苦言を呈してしまいましたが、阿良々木さんなら大丈夫でしょう。阿良々木さんはやればできる人ですからね」
「为了考试而读书吗……唉呀,这种忠告可能不像是我会说的啦,不过如果是阿良良木哥哥的话,应该没问题吧。因为你是那种只要肯做,就会成功的人。 」
「おお。そう言ってくれるか」
「喔喔。你这么夸奖我啊。」
「勿論です。受験を決意した段階で、もう阿良々木さんは受かっているようなものです」
「那还用说。当阿良良木哥哥决定要参加考试的时候,就等于已经考上了。」
「なんと、そこまで言ってくれるのか」
「没想到你会夸奖我到这种地步。」
「まだ言い足りないくらいですね。受かっているというより、もう大学を卒業していると言っても過言ではないかもしれません」
「我还觉得说得不够呢。就算说你已经跟大学毕业没两样了也不为过吧。」
「おいおい、受験の決意をしただけでそれは言い過ぎだろう、八九寺」
「喂喂,我只是决定要参加考试而己,你說得太夸张了吧,八九寺。」
「いえ、わたしには学士号を取った阿良々木さんの姿がもうはっきりとこの眼に見えています。そうです、敬意を込めて、阿良々木さんのことを、これからは学士号と、肩書きで呼ばせていただきます」
「不会,我这双眼睛已经清楚看见,阿良良木哥哥取得学士的样子了。没错,为了表示敬意,以后就让我用学士学位的头衔来称呼你吧。 」
「まあまあ、呼びたいように呼べばいいさ。僕がそうさせてしまうんだ、それを批難することはできない」
「好啦好啦,你想叫就叫吧。是我害你那样叫的,所以也没办法批评你。」
「よりアカデミックに、英語で呼びましょう」
「我就用英文称呼你吧,听起来会更有学术气息。」
「英語で呼ぶとどうなるんだ?」
「英文是什么?」
「バカロリート」
「笨蛋萝莉特」
「うるせえよ! そして振りも長いよ!」
「要你管!而且你这个梗也铺得太长了吧!」
さすがに待ちくたびれたわ!
害我都等得不耐烦了!
途中でオチがないのかと疑ったくらいだ!
我在途中甚至还怀疑,这个梗是不是没有结尾勒!
「馬鹿とロリで、バカロリート……正に阿良々木さんのためにある言葉です」
「笨蛋和萝莉,笨蛋萝莉特……这个字简直是为了阿良良木哥哥而存在的。」
「僕のためにある言葉なんてねえよ! 馬鹿は認めてもいいがロリは認めん! 僕は日々健全に生きているんだよ!」
「并不是好吗!笨蛋我就认了,萝莉我可不承认!我的身心每天都过得很健全!
「そういう穿った視点で見てみれば、最後の『リート』という部分も、どことなく『ニート』を連想させますよね」
「用更深入的角度来看,最后的『莉特』两个字,总觉得会让人联想到『尼特』呢。」
「やめろ! これから先学士号という言葉をおいそれと使いにくくなるようなことを言うのを今すぐやめろ!」
「住口!你马上住口!你要是继续再说下去,我以后就不敢随便乱用『学士学位』这个字了。」
「やればできるなんて、聞こえのいい言葉に酔っていてはいけませんよ、阿良々木さん。その言葉を言うのは、やらない人だけです」
「你可不能沉浸在『只要肯做就会成功』这种好听的话里头喔,阿良良木哥哥。只有光说不练的人才会说那种话。 」
八九寺は真面目ぶって言う。
八九寺正经八百地说。
勉強をしたことがない癖に……。
这家伙的肚子里面明明没有半点墨水……
「ったく、ずけずけと言いたいこといいやがって。お前は本当に生意気なガキだな、お仕置きしてやりたくなってくるよ」
「实在是,你說话真的是口无遮拦,毫不留情,实在是一个臭屁的小鬼。让我想要惩罚你一下了!」
「お前は本当に生意気なおっぱいだな、お仕置きしてやりたくなってくるよ? 阿良々木さんは時たまとんでもなくいやらしいことを仰いますね」
「你真的是一对臭屁的奶子,让我想要惩罚你一下?有时候阿良良木哥哥说的话,出乎意料地还挺下流的嘛。」
「言ってねえよ!」
「我什么时候说过了!」
「ガキをおっぱいと置き換えるだけでここまでいやらしい台詞になるとは驚きです」
「只是把小鬼换成奶子两个字,居然会变成如此下流的台词,真让我感到惊讶啊。」
「メインの単語をおっぱいと置き換えていやらしくならない台詞なんかねえよ!」
「不管是哪句话,把关键字换成奶子都会变得很下流吧!」
何の会話だ。
这是什么对话。
この辺は勢いだけで喋っている気がする。
我感觉自己是乘着兴头,而说出这几句话的。
「でもまあ、確かにお前の言う通りだ。ちゃんと腹をくくらないとな」
「不过呢,你說得没错。我要好好地下定决心才行。」
「ええ。ついでに首もくくってください」
「对。也请你顺便上吊一下。」
「やだよ! まあ、そうは言っても、その辺は僕の優秀な家庭教師陣に任せておけば心配ないだろ。あいつらは、僕にサボることなんて許さないぜ。嫌でも毎日、勉強することになるさ。はは、学年一位と学年七位がついているからな、はっきり言って無敵だぜ」
「才不要!不过应该不用担心吧,我身边有优秀的家庭老师阵容,交给她们准没错。她们可不会允许我偷懒的。就算我不愿意也要每天读书。哈哈,有学年第一和第七名做我的后盾,老实说我已经无敌了。」
「プラスチックな考え方ですねえ」
「你的思考方式还真是塑胶啊。」
「…………」
プラスチックに『前向き』的な意味はない。
塑胶里头,并没有「乐观」的意思。
「しかし阿良々木さん、いかにその名だたるお二方と言えど、学年最下位を相手取るとなると、一筋縄では……」
「不过阿良良木哥哥,就算她们两个是名师,想要把全年级倒数第一的人教好,用普通的方法应该……」
「さすがに最下位なんか取ったことねえよ! それに今回はかなりいい順位だったんだって! 僕の話を聞いてろよお前は!」
「我没考过倒数第一名好吗!而且这次我的成绩还不错,刚才我有说过吧!你仔细听一下我在说什么好吗!」
「自慢話を聞けと言われても困りますね。阿良々木さんの話で面白いのは、不幸自慢だけです。その辺りをもっと掘り下げてください」
「要我听你臭屁,会让我很困扰的。阿良良木哥哥只有在臭屁自己的不幸时,才会让我觉得有趣。那方面麻烦你多讲一点。」
「なんで僕がそんな自分苛めみたいなことをしなくちゃならないんだよ!」
「为什么我要那样虐待自己啊!」
「では、不肖ながらこのわたし、八九寺真宵が代弁しましょう。阿良々木さんの不幸自慢シリーズ。『鴨が葱を背負ってやってきた12! でも阿良々木さんは葱が嫌いでした!』」
「那么,就让不才我八九寺真宵,来替你代言吧。阿良良木哥哥的吹嘘自己不幸系列。『野鸭背着葱走了过来!可是阿良良木哥哥却讨厌葱!』」
「僕の不幸をでっちあげるな! 葱は好きだよ、栄養があるもん! 風邪引いたとき喉に巻いたりするもん!」
「不要随便捏造我的不幸!我喜欢吃葱,因为葱很营养!我感冒的时候,还会把葱缠在脖子上呢!」
「一見幸せなようだけれど、よく考えてみれば実は不幸というのが、阿良々木さんの売りです」
「乍看之下很幸福,可是仔细想想其实很不幸,这就是阿良良木哥哥的卖点。」
「ねえよそんな設定! 今後行動しづらくなるような、中途半端に変な設定を付け加えるな!」
「并没有那种设定好吗!不要随便乱添加那种会让我以后行动起来绑手绑脚、又很半吊子的奇怪设定!」
「阿良々木さんの不幸自慢シリーズパート2」
「阿良良木哥哥的吹嘘自己不幸系列 Part2。」
「パート2まであるのか!? パート1が全米ナンバーワンヒットでも記録したのか!?」
「还有 Part2 吗?Part1 该不会荣登全美票房冠军了吧!」
「『阿良々木さんは夜中に小腹が空いたので、カップラーメンを食べることにしました。けれどそのカップラーメン、インスタント食品の癖に作り方が意外と難しい!』」
「『阿良良木哥哥半夜肚子饿决定要吃泡面。可是那碗泡面明明是速食产品,泡的方法却意外地困难!』」
「ち……畜生! 否定したいところだが、残念ながら何回かあるな、そういう経験! パート2の方が名作とは、これは稀有な例だ!」
「啧……该死!我很想否定你,可惜那种经验我有过好几次了!想不到 Part2 反而是杰作,这种例子还真是稀有啊!」
「阿良々木暦は永久に仏滅13です」
「阿良良木历这个历法,永远都是佛灭。」
「何もかもが嫌になるフレーズだ!」
「这句话听了会让人厌恶一切啊!」
「しかし、学年一位と学年七位ですか」
「可是,学年第一和第七名吗?」
と、八九寺は一旦話題をそこで戻す。
八九寺又将话题绕了回去。
「羽川さん……は、この間、わたしもお会いした、あの三つ編みの方ですよね」
「羽川姐姐……就是上次我拜见过的那位,绑着麻花辫的姐姐对吧。」
「ああ……そういや、お前は、戦場ヶ原のことも羽川のことも、知ってるんだよな」
「对……这么说来,战场原和羽川你都认识嘛。」
「そして──戦場ヶ原さんの方が、阿良々木さんの彼女さん」
「然后……战场原姐姐是阿良良木哥哥的女朋友。」
「だ」
「对。」
「ふうむ」
「嗯——」
腕を組んで、難しい顔をする八九寺。
八九寺把手交又在胸前,一脸难以理解的样子。
考えごとをしているようだが、似合わない。
她似乎正在思考,但这副模样和她的风格并不相符。
「なんだよ。それがどうかしたか?」
「干么啊。有什么地方不对吗?」
「いや、普通、あの二人だったら、羽川さんの方を選ぶんじゃないかと思いまして。どうして阿良々木さんは羽川さんじゃなくて戦場ヶ原さんとお付き合いなされているのか、ふと、不思議に思ってしまいました」
「没有,我在想如果是那两位的话,通常都会选择羽川姐姐才对吧。为什么阿良良木哥哥会选择和战场原姐姐交往,而不是羽川姐姐呢,我突然觉得很不可思议。 」
「どうしてって……」
「你问我为什么……」
そんなことを訊かれても。
就算你这么问……
なんだその質問。
这问题还真奇怪。
「お二方とも別嬪さんだとは思いますが、性格が、月と鼈でしょう。わたしの見たところ、羽川さんは優しいお姉さんでしたが──戦場ヶ原さんは、そう……悪意の塊です」
「她们两位都是美人胚子,可是性格方面却是天差地远吧。照我来看,羽川姐姐是温柔的大姐姐;战场原姐姐则是……对,恶意的集合体。」
「戦場ヶ原も、やっぱりお前に言われたくはないとは思うけれどな」
「战场原应该也不想从你口中听到这句话吧。」
まあ、八九寺は戦場ヶ原から割と酷い言葉を浴びせられているから、それはわからなくもない。それに較べれば、羽川は八九寺に優しかったからな。
毕竟,战场原曾经用很过分的话洗礼过八九寺,所以也情有可原。相较之下,羽川就对八九寺温柔多了。
優しくて──厳しかった。
温柔……而严格。
ちゃんと、お姉さんしていた。
一个模范的大姐姐。
子供から見れば、不思議かもしれない。
从小孩子的角度来看,或许会觉得我的选择很不可思议吧。
「けれど、羽川は僕にとってそういう対象じゃないからな──あいつは恩人なんだよ。詳しくは言えないけれど。羽川の方だって、僕なんか願い下げだろうし。それに、そもそも僕はあの性格を含めて、戦場ヶ原のことが」
「可是,羽川对我来说不是恋爱的对象啊……她是我的恩人。详细的情况我不方便告诉你就是了。羽川她大概也不会把我当成对象吧。而且说到底,我就是连同战场原的那种个性在内,全部都很……」
うう。
呜呜。
さすがに口にするのは恥ずかしいな。
要说那个词实在让人很不好意思。
僕は文末を濁した。
所以我在句尾含糊其词。
八九寺はそこを突っ込んでくるような意地悪なことはせずに、「そうですか」と、頷いた。
八九寺没有使坏刻意吐槽,「这样啊。」她点头说。
「皮肉な話ですね」
「这还真是讽刺啊。」
「皮肉って、何のことだよ」
「什么东西很讽刺?」
「分かりませんか? ではひき肉な話ですねと言い換えましょう」
「你不懂?那我就换句话说吧,这还真是绞肉啊。」
「益々わからなくなったぞ!?」
「这样我越听越莫名其妙了!」
「まあ阿良々木さんは、『虹色町の奇跡』でリンツを狙うタイプっぽいですからね。異性への好みが普通ではないのでしょう」
「唉呀,阿良良木哥哥很像在玩『虹色盯的奇迹』的时候,会跑去攻略琳姿的那种人。你喜好的女性类型异于常人对吧。」
「その比喩には解説が必要じゃないのか!?」
「你那种比喻,要附解说才行吧!」
難しいな。
还真难说明啊。
えーっと、その昔、CAPCOMが開発した『QUIZなないろDREAMS 虹色町の奇跡』というアーケードの恋愛クイズゲームがあって、それはクイズに答えながら七人ほど登場する女の子のキャラクターと仲良くなって、半年掛けて好感度を上げながら、最後には復活した魔王を倒して意中の女の子とハッピーエンドというゲームなのだけれど、作中に、魔王の手下として主人公の邪魔をするリンツというキャラクターがいて、そのキャラクターもそのキャラクターで女の子なのだけれど、残念ながらどんな工夫をしたプレイをしても、そのリンツとエンドを迎えることはできないのである。彼女とのハッピーエンドを求めてどれほどの百円玉が筐体の中に消えていったのか、それは計り知れない。なお、プレイヤーからの要請があったのか、コンシューマー版ではちゃっかりリンツも攻略できるようになっていた、解説終了!
这个嘛,以前卡普空公司曾经开发过一款名为:「益智问答七色之梦 虹色町的奇迹」的动作恋爱解谜游戏(大型机台),游戏中能够一边回答问题,同时和登场的七位女性角色培养感情,在游戏时间半年内提升好感度后,再打倒复活的魔王,最后和自己心仪的女生迎接幸福的结局。而游戏中,有一位名叫琳姿的角色是魔王的手下,专门负责妨碍主角,这个角色虽然是女性,但很可惜的是不管玩家用什么方式去攻略,都无法和那位琳姿共同迎接结局。为了寻求和她的圆满结局,不知道有多少的百元硬币消失在机台当中。此外,或许是因应玩家的要求,之后推出的家用版当中,琳姿也变得可以让玩家攻略了,说明结束!
「さすが阿良々木さん、よくご存知で」
「不愧是阿良良木哥哥,知道得还真是详细啊。」
「いやいや、これくらい……ていうかここまで解説が必要な比喩をそもそも持ち出すな! 達急動の方がまだいいよ! 多分二十一世紀になってから『虹色町の奇跡』についてこれだけ語った人間は僕が初めてだ!」
「哪里哪里,区区这点程度……话说回来,你打从一开始就不应该用这种需要长篇大论来说明的比喻!达急动反而还好多了!到了二十一世纪的现在,还会对『虹色町的奇迹』说明这么一大串的人,只有我而已!」
「しかし、こうやって地道な草の根14活動を続けていれば、いつかリメイクされるかもしれないじゃないですか」
「可是,只要像这样持续着朴素的草根运动,那款游戏总有一天搞不好会出复刻版吧?」
「地道過ぎー!」
「那也太朴素了!」
「まあ、戦場ヶ原さんの方がいいと阿良々木さんが仰るのでしたら、それはそうなのでしょう。人の好みは選別差別という話です」
「总之,既然阿良良木哥哥觉得战场原姐姐比较好的话,那就这样吧。因为人的喜好是选别差别的。」
「千差万別だろ!?」
「是千差万别才对吧!」
「ときに阿良々木さん」
「对了,阿良良木哥哥。 」
八九寺はそこで、ふと、話題を転換する。なんだ、折角盛り上がってきたのに、水を差すような真似をするじゃないか。八九寺らしくもない。
八九守在此,突然改变话题。搞什么,气氛好不容易才炒热了,你这样不就等于在破坏气氛吗?真不像八九寺的作风。
「この間聞いた話ですが、阿良々木さんを吸血鬼──人間もどきの吸血鬼もどきにせしめたという、女吸血鬼さん。えーっと、なんでしたっけ、今は忍野忍さんと仰るんでしたっけ」
「上次阿良良木哥哥你说的那个,害你变成吸血鬼——类人、类吸血鬼的女吸血鬼。那个,名字叫什么来着,现在好像叫忍野忍是吗?」
「ん? ああ」
「嗯?是啊。」
話したな。
我好像有跟她说过。
初対面の母の日だっけ?
是在母亲节,我们第一次见面的时候吗?
「八歳児くらいで、金髪で、ヘルメットにゴーグル……でしたよね?」
「她八岁左右、金发、戴着防风眼镜帽……对吧?」
「うん。それがどうした?」
「嗯。她怎么了吗?」
「直接お会いしたことがないので、確実に断ずることはできませんが、昨日、その忍さんを、お見かけしたのですが」
「我没有亲眼看过她,所以也无法断言啦,不过昨天我好像看到那位忍的样子。」
「え?」
「咦?」
忍を?八九寺が見かけた──だと?
八九寺她看到了……?
「……その子のそばに、薄汚いおっさんがいなかったか? 今時考えられないようなサイケデリックな趣味の悪いアロハ服を着た、見るからに軽薄そうな……」
「……那孩子的身旁,有没有一个邋遢的大叔?他穿着一件色彩奇幻、品味差劲、现在这个时代无法想像的夏威夷衫,外表看起来很轻浮……」
「ふむ? いまいち把握しかねますが、それはその子のそばに阿良々木さんがいたかどうかという意味の質問ですか?」
「嗯?我不太懂你的意思呢,这个问题的意思是问我:有没有在那孩子的身边,看到阿良良木哥哥的意思吗?」
「違うよ! お前僕のことを薄汚いおっさんだと思っていたのか!? アロハ服なんてどんな地味な柄のものでも着たことねえよ!」
「并不是!在你眼里我是一个邋遢的大叔吗!夏威夷衫那种东西,我连花纹朴素的都没穿过勒!」
「自分が言われて嫌なことを他人に言ってはいけませんよ、阿良々木さん」
「不想被别人那么说,就不要那样说别人,己所不欲勿施于人喔,阿良良木哥哥。」
「正論だ!」
「正确!」
正論は人を傷つける。
正论总是会伤害人。
いつだって。
不管什么时候。
「まあ、いずれにしても、阿良々木さん、その金髪のお子さんは、一人でした。誰もそばにはいませんでしたよ」
「总之呢,阿良良木哥哥,那个金发的小孩是自己一个人。她的身边没有其他人。」
「ふうん……何時頃の話だ?」
「嗯……那是几点的事情?」
「確か、夕方の五時頃だったかと」
「好像是傍晚五点左右吧。」
「五時頃……」
「五点左右……」
僕はまだ、文化祭の準備に手一杯な頃だな。
当时,我还在学校忙着准备文化祭。
千石と正門で話す前だ。
那个时间,是在我和千石在校门口聊天之前。
「どこら辺で?」
「你在哪里看到的?」
「国道沿いの、ドーナツ屋さんのそばです」
「国道上的那家甜甜圈店的旁边。」
「ああ、あそこか……八九寺、お前、結構遠くまでお散歩してんのな。子供の足で、行動範囲広いじゃん……ドーナツ屋ねえ」
「啊,那边吗……八九寺,你散步的距离还满远的嘛。以小孩的脚程来说,你的行动范围还真广呢……甜甜圈店吗。 」
そのドーナツ屋は、ミスタードーナツだ。
那间甜甜圈店是间 Mister Donut。
それは、多少のリアリティが生じる要素だった。
因为这个要素,让八九寺的话产生了几分真实感。
でも、あの忍が一人で──なんて。
可是,忍居然会单独一个人……
そんなことが、ありえるのか?
这种事情有可能吗?
いや、しかし、こんな地方の田舎町でのことだからな……茶髪ですら珍しいってのに、まして金髪だろ? そんなの、忍以外にいるわけがない。そこに加えて、ヘルメットにゴーグルと来れば……。だけど、どうなのだろう、忍って、あの学習塾跡からそんなに離れて行動できるものなのか? なんとなく、僕は勝手に、忍はあの場所から離れられないのだろうと思い込んでいたけれど……そう言えば忍野は、そんなこと、一言も言っていないな。けれど、あの忍野が果たして忍に、単独行動を許すか……?
不对,这里可是一个乡下城镇……就连茶色的头发都很少见了,更何况是金发?那种发色,除了忍以外不可能有别人。再加上还戴着防风眼镜帽……可是,这是真的吗,忍可以离开那间旧补习班,跑到那么远的地方吗?或许只是我擅自认为忍无法离开那里……现在说起来,忍野好像从来没这么说过。可是,那个忍野真的会允许忍单独行动吗……?
「ええ。わたしもそう思いまして」
「对。我也是这么想。」
と、八九寺。
八九寺说。
「もしもその子が本当に吸血鬼だったら、わたしなど相手になりませんから、見かけた位置から近付くことさえできませんでしたが、これは阿良々木さんにご報告しておいた方がよいのではと、本日はこの場所で阿良々木さんを待ち伏せしていたというわけなのです」
「要是那孩子真的是吸血鬼的话,像我这种人根本不是对手,所以我看到她之后根本不敢靠近她。这件事情我觉得跟阿良良木哥哥你报告一下会比较好,所以今天才会在这里等你的。」
「あ、そうなの?」
「啊,真的吗?」
偶然会ったんじゃなかったんだ。そう言われてみれば、見かけたとき、八九寺はなんだかきょろきょろしていた。
原来我们不是巧遇啊。听她这么一说,刚才我看到八九寺的时候,她似乎正在东张西望。
今日も僕は、待たれていたのか。
今天我也是被人等吗。
「それならそうと最初に言えよ」
「既然这样,你就早说嘛。」
「申し訳ありません。どこかのロリコンが背後から突然抱きついて頰擦りをかましてきたため、ショックですっかり忘れてしまっていました」
「真的很对不起。因为不知道哪里跑来了一个萝莉控,从背后突然抱住我,还用力磨赠了我的脸颊,害我吓了一跳全都忘光了。」
「ロリコン? この町にそんな生物がいるのか。それは善良なるいち住人として、ちょっと許せないことだな」
「萝莉控?这个城镇里头有那种生物吗?我身为一个善良的市民,有点无法原谅他呢。」
「いいんです。小さな人間には大きな心で接してあげましょう。わたしのクラスでは、『ロリコンに優しく』が今月の標語ですから」
「没关系的。我们要以宽大的心胸,去接纳那些心胸狭窄的人。因为这个月我班上的标语是:『温柔对待萝莉控。』」
「なんだその学校!? 大丈夫か!?」
「你的学校是怎么回事!脑子没问题吧?」
まあつまり、僕の所為だった。
总而言之呢,都是我害的。
自業自得である。
这是自食其果。
「やー、そっか。わざわざ気を回してもらって、悪かったな。助かったよ。早速今日にでも、忍野のとこに行って、確認してみることにしよう」
「唉呀,这样啊。让你费心了,真是不好意思。我今天马上找时间去忍野那边确认一下吧。」
「阿良々木さんのお役に立てて何よりです」
「能够帮上阿良良木哥哥的忙,真是再好不过了。」
それより、お時間はよいのですか、と八九寺は言った。僕は右手首に巻いた時計を見る。ん、結構話し込んでしまった。楽しい時間は本当に早く過ぎてしまう……。
对了,你时间方面不要紧吧?八九寺说。我看了戴在右手腕上的手表。嗯,我们已经聊了一段时间了。快乐的时间真的很短暂……
次に八九寺に会えるのはいつのことになるのか。
下次再见到八九寺,会是多久以后的事情呢?
あーあ。
唉——!
「八九寺。お前携帯電話とか持ってないの?」
「八九寺,你有没有手机啊?」
小学生に無茶苦茶を言ってみた。
我对小学生问了一个荒唐的问题。
中学生でも持っていない土地柄なのに。
这个地方明明就连国中生都没有带手机的习惯说。
「んー。残念ながら、わたし、メカには限りなく弱いのです」
「嗯——很可惜,我对机械方面的东西非常不擅长。」
「そうなのか」
「真的吗?」
「ええ。正直、テレビも二〇一〇年までしか見られないでしょう」
「对。老实说,我电视也只能看到二〇一〇为止吧。」
「地上デジタル放送15がもうわからないんだ……」
「你连地上数位放送的事情都不懂吗……」
それは弱いなんてもんじゃねえな。
那已经不叫不擅长了吧。
あの神原や忍野でさえも、そこまでの機械音痴ではないだろう。
就连神原和忍野,也都没有机械白痴到这种地步吧。
「ワンセグ16って一体何でしょう?」
「单波段到底是什么东西呢?」
「馬鹿みたいな台詞だ……」
「好蠢的一句话……」
うーむ。
嗯——
ま、仕方ないか。
那也没办法了吧。
縁って奴だろ。
这就是所谓的缘分了吧。
ぶらぶらしていて、たまたま会うって感じが、八九寺真宵との関係においては、丁度いいのかもしれない。あまり欲張り過ぎてもつまらない。偶然だからこそ貴重ってこともある。それに、今回みたいに、八九寺の方から会いに来てくれるケースには、何の問題もないわけだしな。
这种在路上闲晃偶然相遇的感觉,对我和八九寺真宵的关系来说,或许刚刚好也说不定。要是太过奢求也很无趣。有些事情正因为偶然而显得贵重。而且,八九寺也能够像今天一样自己跑来找我,所以应该没什么问题吧。
僕は自転車に跨り直す。
我重新跨上脚踏车。
「じゃ、八九寺。またな」
「那八九寺。再见啦。」
「はい。またお会いできると確信しております」
「好的。我确信我们能够再度相见。」
小学五年生の友達に見送られながら、僕は学校へと向かった。結構ぎりぎりな時間だったので、ペダルを漕ぐ足には力が入る。
在小学五年级的朋友目送下,我往学校出发。现在的时间还满吃紧的,因此我用力踩着脚踏车。
八九寺真宵。
蝸牛に迷った少女。
迷失方向的蜗牛少女。
元気そうで何よりだったが──しかし、何よりと言うには、彼女の立ち位置は、非常に危ういものなのだった。ある意味、僕が知っている誰よりも、怪異にかかわった者としては、最悪なポジションにいるのかもしれない。
她看起来很有朝气,是再好不过的了——话虽如此,她所站的立场,可说是非常地危险。在某种层面上,以一个和怪异扯上关系的人来说,她的立场或许比我认识的任何人都还要来得糟糕吧。
だからと言って──どうしてやることもできない。
就算如此……我也莫可奈何。
自分が何かできると思っては駄目だ。
我不能去想自己能为她做什么。
人は──一人で勝手に助かるだけ。
人……只能够自己救自己。
そこを勘違いしてはいけない。
这一点我千万不能搞错。
いけないんだけれど。
千万不能。
「………………」
怪異にかかわり──怪異を知ってから、三ヵ月。
我和怪异扯上关系知道怪异的存在后,已经过了三个月。
あれから三年──ではないが。
不是像八九寺说的一样,过了三年……
ないが、僕は、随分変わってしまった。
虽然不是,但我已经改变了许多。
これも──
这也只是……
一人で、勝手に変わっただけなのだろうか?
我一个人擅自在改变吗?
予鈴が鳴る前に、校門をくぐることに成功した。考えてみれば、僕の鞄の中には今、千石から預かった、神原に返すための、ブルマーとスクール水着が入っている。今日は早めに学校に着いて、二年の教室を訪ねる予定だったのだが……ううむ、もう間に合わない。まあいいか。どうせ人目をはばかる届けものだ、呼び出したりする手間を考えれば、昼休みか放課後辺りの方が、都合がいいだろう。そんなことを思いながら、僕は自転車置き場の定められた箇所に、自転車を停める。
在预备龄响起前,我成功穿过校门。仔细想想,现在我的书包里头,放着千石托我还给神原的灯笼裤和学校泳装。今天我原本打算早点到校,去二年级的教室找她……呜唔,时间已经来不及了。也罢。反正这两样东西转交时也不能让别人看见,要找时间叫她出来的话,大概午休时间或放学后最方便吧。我一面思考,同时把脚踏车停放到脚踏车停车场内我分配到的位置上。
校舎内に這入って、階段を昇る。
接着我走进校舍,正准备要上楼。
と、携帯電話が震えた。
此时,我的手机突然震动了。
おっと、教室に入る前に電源切らないとな……、うっかりしてた。振動がすぐに終わったということは、電話じゃなくてメールか? しかしこんな早朝に? 妹達かな……、戦場ヶ原と神原は、そんな積極的にメール機能を使わない奴らだから……、と、僕は、携帯電話をポケットから取り出し、その表示を確認する。差出人を見たときは眼を疑ったが、しかし、その本文を読めば、そんな疑いは払拭された。日本広し日本史長しと言えど、携帯電話におけるメールのやり取りで、『前略』から始まり『草々不一』で結ぶ文章を送ってくる人間は、確実に一人しかいない。
唉呀!在进教室前,不把电源关掉可不行……我太粗心了。刚才的震动很快就停了,这表示刚才是邮件而不是来电吗?可是一大清早的会是谁?是我两个妹妹吧……因为战场原和神原不是那种会用邮件功能的人,她们两个没那么勤快……我从口袋中拿出手机,确认上头的显示。当我看见寄件者的名称时,顿时怀疑了自己的双眼,但是在看过内文之后,我的怀疑瞬间被抹除殆尽。就算日本地大物博、历史悠久,在用手机发送邮件的时候,文章会用「前略」开头「草草而书」结尾的人,恐怕也只有一个人而已。
そして、僕は、その『前略』と『草々不一』の間に挟まっている文章を読んで──繰り返して二回読んで、教室へと向かう、階段を昇る足を止め、迷いなく踵を返した。
接着,我看了夹住「前略」和「草草而书」之间的文章——重复看了两遍后,停住了准备爬楼梯进教室的双腿,毫不犹豫地折返了脚步。
生徒の流れを逆走。
我在学生人群中,逆向行走。
そのまま、自転車置き場へと取って返す。
直接往脚踏车停车场走去,想取回脚踏车。
「あら」
「唉呀。」
そこで、戦場ヶ原ひたぎと出会った。予鈴寸前──ではあるが、しかし彼女の場合は僕のように遅刻寸前というわけではない、戦場ヶ原は、いつでも、計ったように計算ずくで、一切の無駄なく、この時間に登校してくるのだった。
此时,我遇见了战场原黑仪。虽然正值预备铃响前,但她的情况和我差点迟到的我不同,因为战场原总是在这个时间来学校,仿佛把时间计算得刚刚好一样,没有一丁点地浪费。
昨日のことがあったから、突然顔を合わせて、僕は気恥ずかしくてちょっと言葉に詰まったが、そこはさすがは戦場ヶ原ひたぎ、まるっきり平坦な態度、全くの無表情で、
我因为昨天的事情,现在和她突然碰面,不免因害躁而有些语塞;但对方不愧是战场原黑仪,态度非常平静且完全面无表情。
「何よ」
「干么?」
と言った。
她说。
「阿良々木くん、どこかに行くの?」
「阿良良木你要去哪里?」
「ちょっとそこまで」
「我要稍微出去一下。」
「何をしに行くの?」
「去做什么?」
「人道支援」
「人道救援。」
「あらそう」
「喔,是吗。」
取り澄ましたものだった。
只见她一脸若无其事的模样。
さすがは戦場ヶ原ひたぎ。
真不愧是战场原黑仪。
もう、僕のことはわかっているようだ。
她似乎已经知道我在想什么了。
これも以心伝心──なら、いいんだけれど。
这也是一种心灵相通……的话就好了。
「いいわ。行ってらっしゃい、阿良々木くん。本来ならばあり得ないことだけれど、特別に情けをかけて、私が代返しておいてあげる」
「好吧。你去吧,阿良良木。本来我是不会这样帮你的啦,这次我就特别对你亲切一点,待会老师点名的时候我会帮你回答的。」
「四十人ぽっちの高校の授業で代返なんて、何の意味もないと思うが……て言うかお前が怒られて終わりなような気がするぞ」
「我觉得在只有四十人的高中课堂上,你的帮忙似乎没有任何意义……应该说,我觉得你只会白白被老师骂一顿。 」
「ちゃんと阿良々木くんの声色を使うから大丈夫よ、任せておいて。私の声を担当している声優さんは優秀なのよ」
「我会确实模仿阿良良木你的语调,所以没问题的,包在我身上。替我配音的声优可是很优秀的喔。」
「声優!? この世界ってアニメだったの!?」
「声优!原来这个世界是动画的世界吗?」
「『神原を可哀想な目に遭わせる奴はこの僕が許さねえよ! それがたとえお前でもだ!』。どう、似てた?」
「『让神原遭遇不幸的家伙我绝对不会原谅他的!就算那个人是你也一样!』如何?像吗?」
「似てねえよ! ちょっと期待しちゃったけど思いのほか似てなかったよ! そしてそんな恥ずかしい台詞をわざわざピックアップしてリフレインするな! チョイスに悪意を感じるぞ!」
「一点都不像!我还稍微期待了一下说,结果出人意料地完全不像!而且你不要故意挑那种让我不好意思的台词来复述!我从你挑选句子的方式上,感觉到一种恶意哦!」
「神原に教えてやったら泣いて喜んでいたわ」
「我告诉神原之后,她高兴得痛哭流涕呢。」
「そんなくだらねえことでいちいち後輩を泣かせるんじゃねえ! 今や神原はお前だけの後輩じゃないんだぞ!?」
「不要因为那种无聊的事情,害学妹痛哭流涕好吗!现在神原不光是你的学妹喔!」
「『ひたぎさん……なんて美しいんだ。正に僕の理想の人だよ。愛してる』。どう、似てた?」
「『黑仪同学……你实在好美。正是我心目中的理想对象。我爱你。』如何?像吗?」
「似てねえし、そもそもまだ言ってねえだろうがよ、そんな台詞!」
「一点都不像,而且那句话我还没说过吧!」
「まだということは、これから予定があるのかしら」
「『还没』的意思,就表示以后有这个计划啰?」
「……、…………っ、ある!」
「………………呜,有!」
なんて。
如此这般。
そんな馬鹿なやり取りをしている時間は圧倒的になかったのだが、それでも僕は、焦るばかりの気持ちを十全に落ち着かせてくれた礼を、戦場ヶ原に言って、そこから更に駆け足で、自転車置き場へと向かった。
虽然我现在没那个美国时间陪她耍宝,但我急躁的心情却因而得到平复,接着我向战场原道谢后,更加快了脚步,朝脚踏车停车场奔跑而去。
Footnotes
-
ロボ超人:漫画《筋肉人》中,一种半人半机器的角色 ↩
-
杰克奥特曼中的双尾怪和双马尾的写法一样 ↩
-
ドレッド (dread): 雷鬼头 ↩
-
断トツ:[名]2位以下とは大きな差をつけて首位にある状態をいう俗語 ↩
-
ドン:唐吉诃德 (Don Quixote) 的 Don 一词在西班牙语当中是一种尊称 ↩
-
カステラ:[名]スポンジケーキの一種。日本には天正年間にポルトガル人がその製法を伝えた。原料は鶏卵,砂糖,小麦粉に水飴,蜂蜜,清酒,食塩などを配し,その配合量,焼き方にそれぞれの店の秘法がある ↩
-
集り:[名]人をおどして金品をまき上げること ↩
-
イルカ:脑筋急转弯的一种。故意先问一个不会有答案的问题,然后再用「有那种东西吗?是海豚对吧」回答对方。原因在于「有那种东西吗」和「海豚」在日文中的发音相同 ↩
-
鵺:近卫天皇在位时期,传说由源赖政在宫中射落的异兽。据《平家物语》记载,它头似猿、身如狸、尾如蛇、四肢似虎,啼叫声阴郁沉闷,酷似虎鸫的鸣响 ↩
-
汽水:[名]海水と淡水の混合による低塩分の水 ↩
-
神はいた:与口误的发音相近 ↩
-
鴨が葱を背負って来る:まるで鴨が具材の葱まで背負ってくるように、狙った相手が望みどおりのものを持って現れること ↩
-
仏滅:[名]六曜の一つで大凶日 ↩
-
草の根:[名]民衆ひとりひとり ↩
-
地上デジタル放送:日本于二〇一一年七月二十四日停止类比播放,全面改采数位放送 ↩
-
ワンセグ (one segment broadcasting):日本 ISDB-T 地面数字电视标准中,专门面向手机等移动终端的低码率、小画面广播电视服务 ↩