梶井基次郎: 冬の日
first published:『青空』 1927年2月・通巻24号-4月・通巻26号
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desc: 作品由六章的片段式插曲构成,是一篇抒情写意的内心独白式作品。在肺结核症状明显加重、开始持续咳血痰的时期,作者将内心的焦躁与绝望,同隆冬时节不断更迭的季节景致交织在一起进行描绘
一
季節は冬至に間もなかった。堯の窓からは、地盤の低い家々の庭や門辺に立っている木々の葉が、一日ごと剥がれてゆく様が見えた。
时序即将来到冬至。尧从窗户可以望见低矮的民房庭院和门边的树木,树叶日渐凋谢。
ごんごん胡麻は老婆の蓬髪のようになってしまい、霜に美しく灼けた桜の最後の葉がなくなり、欅が風にかさかさ身を震わすごとに隠れていた風景の部分が現われて来た。
虎葛变得像老太婆的一头乱发一样,因寒霜而褪成美丽颜色的樱树,最后的叶片同样落尽,山毛榉随风簌簌颤抖,而隐藏其后的部分风景就此随之显现。
もう暁刻の百舌鳥も来なくなった。そしてある日、屏風のように立ち並んだ樫の木へ鉛色の椋鳥が何百羽と知れず下りた頃から、だんだん霜は鋭くなってきた。
伯劳鸟已不在破晓时分前来。某天,像屏风般排成一列的橡树上,停了不知几百只铅色的灰椋鸟,从那时候起,寒霜日益冷冽。
冬になって堯の肺は疼んだ。落葉が降り留っている井戸端の漆喰へ、洗面のとき吐く痰は、黄緑色からにぶい血の色を出すようになり、時にそれは驚くほど鮮かな紅に冴えた。堯が間借り二階の四畳半で床を離れる時分には、主婦の朝の洗濯は夙うに済んでいて、漆喰は乾いてしまっている。その上へ落ちた痰は水をかけても離れない。堯は金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管1の口へ持って行くのである。彼は血の痰を見てももうなんの刺戟でもなくなっていた。が、冷澄な空気の底に冴え冴えとした一塊の彩りは、何故かいつもじっと凝視めずにはいられなかった。
入冬后,尧的肺部开始隐隐作痛。洗脸时,他朝堆满落叶的井边灰泥地上吐了口痰,黄绿色中带有暗红的血色,有时甚至是鲜艳的红色。尧租的是位于二楼的一间四叠半榻榻米大的房间,早上他离开被窝时,家庭主妇们早已完成早上的洗衣工作,灰泥地已干。落在上头的那口痰,即使泼水也冲不掉。尧就像拈起一只小金鱼般,将它带往排水管丢弃。现在他就算看到血痰,也已经不再感到震惊。但不知为何,在清冷的空气中,那无比鲜艳的色块,总是让他忍不住凝视良久。
堯はこの頃生きる熱意をまるで感じなくなっていた。一日一日が彼を引き摺っていた。そして裡に住むべきところをなくした魂は、常に外界へ逃れよう逃れようと焦慮っていた。――昼は部屋の窓を展いて盲人のようにそとの風景を凝視める。夜は屋の外の物音や鉄瓶の音に聾者のような耳を澄ます。
尧最近完全感受不到生存的热情。日子一天一天拖着他走。而在他体内已失去容身处的灵魂,总是急着想逃往外面的世界。——白天时,他打开房间的窗户,只是愣愣地望着窗外,像盲人一样对窗外的风景熟视无睹。夜晚时,又像一个聋人一般,对屋外的声响或铁壶的声音充耳不闻。
冬至に近づいてゆく十一月の脆い陽ざしは、しかし、彼が床を出て一時間とは経たない窓の外で、どの日もどの日も消えかかってゆくのであった。翳ってしまった低地には、彼の棲んでいる家の投影さえ没してしまっている。それを見ると堯の心には墨汁のような悔恨やいらだたしさが拡がってゆくのだった。日向はわずかに低地を距てた、灰色の洋風の木造家屋に駐っていて、その時刻、それはなにか悲しげに、遠い地平へ落ちてゆく入日を眺めているかのように見えた。
在冬至将至的十一月,阳光是那般微弱,每天他起床还不到一个小时,窗外的太阳便已逐渐隐没。在形成阴影的低洼地,连他住家在地上形成的投影也被阴影抺去。尧看了之后,像墨汁般黑暗的悔恨和焦躁,在他心中不断扩大。阳光洒落在前方一栋灰色的木造洋房上,与这处低洼地仅有数尺之遥,这时候他脸上透着悲戚,看起来就像在凝望朝远方地平线落下的夕阳。
冬陽は郵便受のなかへまで射しこむ。路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及のピラミッドのような巨大な悲しみを浮かべている。――低地を距てた洋館には、その時刻、並んだ蒼桐の幽霊のような影が写っていた。向日性を持った、もやしのように蒼白い堯の触手は、不知不識その灰色した木造家屋の方へ伸びて行って、そこに滲み込んだ不思議な影の痕を撫でるのであった。彼は毎日それが消えてしまうまでの時間を空虚な心で窓を展いていた。
冬阳甚至照进邮筒内。路上不管是再小的石头,也都有各自的影子,细看后会发现,它们个个都浮泛着像埃及金字塔般巨大的悲戚。——这时,与低洼地有段距离的洋房墙壁上,映照着一整排梧桐那宛如鬼魂般的树影。尧那拥有向阳性、如同豆芽般苍白的手,不知不觉朝那栋灰色木造洋房延伸而去,抚摸着渗入房子里的神秘影痕。他每天都怀着空虚的心,打开窗户,等候这幕景象消失。
展望の北隅を支えている樫の並樹は、ある日は、その鋼鉄のような弾性で撓ない踊りながら、風を揺りおろして来た。容貌をかえた低地にはカサコソと枯葉が骸骨の踊りを鳴らした。
撑起这幕风景北边角落的整排橡树,某天展现出它那钢铁般的弹性,一面弯挠舞动,一面把风摇落地面。样貌改变的这处低洼地,枯叶跳着骸骨之舞,沙沙作响。
そんなとき蒼桐の影は今にも消されそうにも見えた。もう日向とは思えないそこに、気のせいほどの影がまだ残っている。そしてそれは凩に追われて、砂漠のような、そこでは影の生きている世界の遠くへ、だんだん姿を掻き消してゆくのであった。
这时,梧桐的影子几欲就此消失。已完全不像向阳处的那个地方,仍留有一丝残影,仿佛是自己心理作用似的。接着它也在寒风的追赶下,被赶往宛如沙漠般只有影子存在的世界远方,逐渐消失踪影。
堯はそれを見終わると、絶望に似た感情で窓を鎖しにかかる。もう夜を呼ぶばかりの凩に耳を澄ましていると、ある時はまだ電気も来ないどこか遠くでガラス戸の摧け落ちる音がしていた。
尧看完这一幕,在一股近似绝望的情感下,锁上窗户。竖耳细听一味呼唤黑夜的寒风,有时会听到某个连电灯也没亮的远处发出玻璃门碎裂落地的声响。
二
堯は母からの手紙を受け取った。
尧收到母亲寄来的信。
「延子をなくしてから父上はすっかり老い込んでおしまいになった。おまえの身体も普通の身体ではないのだから大切にしてください。もうこの上の苦労はわたしたちもしたくない。 わたしはこの頃夜中なにかに驚いたように眼が醒める。頭はおまえのことが気懸りなのだ。いくら考えまいとしても駄目です。わたしは何時間も眠れません。」
失去延子后,你爸整个人苍老许多。你的身体状况也不如常人,所以一定要好好保重。我们已不想再受到更多打击。最近我常在夜里受惊醒来。满脑子担心的都是你。就算告诉自己别多想,但还是办不到。躺在床上好几个小时都睡不着。
堯はそれを読んである考えに悽然とした。人びとの寝静まった夜を超えて、彼と彼の母が互いに互いを悩み苦しんでいる。そんなとき、彼の心臓に打った不吉な摶動が、どうして母を眼覚まさないと言い切れよう。
尧看着书信,心中感到悲戚。在人们皆已入睡的夜里,只有他和母亲为彼此烦忧。像这种时候,他如何能保证不是他内心不吉利的悸动吵醒了母亲呢?
堯の弟は脊椎カリエス2で死んだ。そして妹の延子も腰椎カリエスで、意志を喪った風景のなかを死んでいった。そこでは、たくさんの虫が一匹の死にかけている虫の周囲に集まって悲しんだり泣いたりしていた。そして彼らの二人ともが、土に帰る前の一年間を横たわっていた、白い土の石膏の床からおろされたのである。
尧的弟弟死于脊椎结核。而妹妹延子也因罹患腰椎结核,在丧失自主意识的情况下离开人世。当时的情景,就像许多虫子围在一只弥留的虫子周围悲泣。他们两人在入土前的一整年时间,都躺在白色的石膏地板上,死后才从上头移走。
――どうして医者は「今の一年は後の十年だ」なんて言うのだろう。
——“现在的一年,关系着往后的十年”,为什么医生要说这种话呢?
堯はそう言われたとき自分の裡に起こった何故か跋の悪い3ような感情を想い出しながら考えた。
当初尧听到医生这么说时,不知为何,心中生起一股很尴尬的情感,此刻他一面回想,一面思索。
――まるで自分がその十年で到達しなければならない理想でも持っているかのように。どうしてあと何年経てば死ぬとは言わないのだろう。
——讲得好像我抱持着什么理想,得花十年的时间才能达到似的。为什么不直接说我得再过几年才会死呢?
堯の頭には彼にしばしば現前する意志を喪った風景が浮かびあがる。
尧的脑中不时会浮现他失去自主意识的景象。
暗い冷たい石造の官衙の立ち並んでいる街の停留所。そこで彼は電車を待っていた。家へ帰ろうか賑やかな街へ出ようか、彼は迷っていた。どちらの決心もつかなかった。そして電車はいくら待ってもどちらからも来なかった。圧しつけるような暗い建築の陰影、裸の並樹、疎らな街燈の透視図。 ――その遠くの交叉路には時どき過ぎる水族館のような電車。風景はにわかに統制を失った。そのなかで彼は激しい滅形を感じた。
眼前的车站,设在一处黑暗冰冷的石造官厅林立的市街。他在那里等电车。他感到犹豫,不知道是回家好,还是到热闹的街上好。他迟迟拿不定主意。而他等了许久,电车也迟迟不来。朝他压迫而来的昏暗建筑阴影、树叶落尽的行道树、稀疏的路灯透视图。 ——远处的十字路不时有像水族馆般的电车路过。风景突然失控。他从中感受到强烈的形体破灭。
穉い堯は捕鼠器に入った鼠を川に漬けに行った。透明な水のなかで鼠は左右に金網を伝い、それは空気のなかでのように見えた。やがて鼠は網目の一つへ鼻を突っ込んだまま動かなくなった。白い泡が鼠の口から最後に泛んだ。
尧小时候曾拿着逮到老鼠的捕鼠器到河边,整个浸入水中。在透明的河水中,老鼠沿着铁丝网左窜右逃,看起来宛如置身在空气中一般。接着,老鼠把鼻子卡进其中一个网眼中,就此不再动弹。最后它口中冒出白沫……
堯は五六年前は、自分の病気が約束している死の前には、ただ甘い悲しみを撒いただけで通り過ぎていた。そしていつかそれに気がついてみると、栄養や安静が彼に浸潤した、美食に対する嗜好や安逸や怯懦は、彼から生きていこうとする意志をだんだんに持ち去っていた。しかし彼は幾度も心を取り直して生活に向かっていった。が、彼の思索や行為はいつの間にか佯りの響をたてはじめ、やがてその滑らかさを失って凝固した。と、彼の前には、そういった風景が現われるのだった。
五六年前,在尧的疾病与他约定好的死期到来前,他就只是一味地挥洒甘甜的悲伤,以此度日。某天,当他意识到此事时,才发现自己浸润在营养与静养中,对美食的嗜好、静养带来的安逸以及怯懦,渐渐夺走他的求生意志。不过他也多次重振精神,正向面对生活。但他的思索和行为,不知不觉间开始发出虚伪的声音,不久进而失去那份平顺,就此凝固。这时,他眼前出现这样的风景。
何人もの人間がある徴候をあらわしある経過を辿って死んでいった。それと同じ徴候がおまえにあらわれている。
许多人在出现某种征兆、经历某个过程后,就此离开人世。现在,同样的征兆出现在你面前。
近代科学の使徒の一人が、堯にはじめてそれを告げたとき、彼の拒否する権限もないそのことは、ただ彼が漠然忌み嫌っていたその名称ばかりで、頭がそれを受けつけなかった。もう彼はそれを拒否しない。白い土の石膏の床は彼が黒い土に帰るまでの何年かのために用意されている。そこではもう転輾することさえ許されないのだ。
一名近代科学的使徒第一次向尧告知此事时,他根本不具备抗拒的权限,脑中全是那令人厌恶的名称,难以接受。如今他已不再抗拒。白色的石膏地板,是为他回归黝黑尘土前的这几年岁月特地准备的。躺在上头,甚至连翻身都不允许。
夜が更けて夜番の撃柝4の音がきこえ出すと、堯は陰鬱な心の底で呟いた。
夜又加深一分,传来更夫打更的声响后,尧在阴郁的心中低语:
「おやすみなさい、お母さん」
“晚安,妈。”
撃柝の音は坂や邸の多い堯の家のあたりを、微妙に変わってゆく反響の工合で、それが通ってゆく先ざきを髣髴させた。肺の軋む音だと思っていた杳かな犬の遠吠え。――堯には夜番が見える。母の寝姿が見える。もっともっと陰鬱な心の底で彼はまた呟く。
尧的住家附近有许多坡道和宅邸,更夫路过这一带时,打更的声响会产生微妙的回音变化,让人想象起更夫此刻的行经之地。还有远方的犬吠声,感觉像是肺部的挤压声。——尧可以看见更夫,看见母亲的睡姿。他在变得更加阴郁的心里,暗自低语道:
「おやすみなさい、お母さん」
“晚安,妈。”
三
堯は掃除をすました部屋の窓を明け放ち、籐の寝椅子に休んでいた。と、ジュッジュッという啼き声がしてかなむぐらの垣の蔭に笹鳴き5の鶯が見え隠れするのが見えた。
尧打扫完房内,打开窗户,坐进藤制躺椅稍事休息。这时他听见“啁啁”的叫声,从葎草的树篱后方,看见啁啁鸣叫的黄莺时隐时现。
ジュッ、ジュッ、堯は鎌首をもたげて、口でその啼き声を模ねながら、小鳥の様子を見ていた。――彼は自家でカナリヤを飼っていたことがある。
啁、啁。尧抬起头,一面模仿黄莺的叫声,一面观察黄莺的模样。——他曾在家中饲养过金丝雀。
美しい午前の日光が葉をこぼれている。笹鳴きは口の音に迷わされてはいるが、そんな場合のカナリヤなどのように、機微な感情は現わさなかった。食欲に肥えふとって、なにか堅いチョッキでも着たような恰好をしている。――堯が模ねをやめると、愛想もなく、下枝の間を渡りながら行ってしまった。
上午的艳阳朝叶片洒落金光。黄莺虽然因为他的模仿声而感到迷惘,但仍和先前的金丝雀一样,没显现出丝毫的情感。黄莺因旺盛的食欲而吃得圆滚滚,那模样活像是穿着一件坚硬的背心。——尧停止模仿后,黄莺也冷漠无情地一路越过低矮的树枝远去。
低地を距てて、谷に臨んだ日当りのいいある華族の庭が見えた。黄に枯れた朝鮮芝に赤い蒲団が干してある。――堯はいつになく早起きをした午前にうっとりとした。
可以望见那与低洼地有段距离、紧临山谷、日照充足的华族庭院。枯黄色的天鹅绒草草坪上晾着红色棉被。——这难得早起的上午,尧看得无比陶醉。
しばらくして彼は、葉が褐色に枯れ落ちている屋根に、つるもどきの赤い実がつややかに露われているのを見ながら、家の門を出た。
过了一会儿,他望着掉满褐色枯叶的屋顶上,冒出的南蛇藤光泽鲜艳的红色果实,就此步出家门。
風もない青空に、黄に化りきった公孫樹は、静かに影を畳んで休ろうていた。白い化粧煉瓦を張った長い塀が、いかにも澄んだ冬の空気を映していた。その下を孫を負ぶった老婆が緩りゆっくり歩いて来る。
叶片已完全转黄的银杏,与背后无风的蓝天重叠,静静地休憩。铺着白色装饰砖的长长围墙,充分衬托出清澈的冬日空气。底下有位老太太背着孙子,缓步走过。
堯は長い坂を下りて郵便局へ行った。日の射し込んでいる郵便局は絶えず扉が鳴り、人びとは朝の新鮮な空気を撒き散らしていた。堯は永い間こんな空気に接しなかったような気がした。
尧走下漫长的坡道,前往邮局。阳光照进室内的邮局,大门不断发出声响,人们享受着早晨的新鲜空气。尧仿佛已许久不曾接触这样的空气。
彼は細い坂を緩りゆっくり登った。山茶花の花ややつでの花が咲いていた。堯は十二月になっても蝶がいるのに驚いた。それの飛んで行った方角には日光に撒かれた虻の光点が忙しく行き交うていた。
他慢步登上一处窄坡。一路上开满了山茶花和八角金盘花。都已十二月了,竟然还有蝴蝶,这令尧颇感惊讶。蝴蝶飞往的方向,有牛虻在日光照射下形成的光点,忙碌地来去。
「痴呆のような幸福だ」と彼は思った。そしてうつらうつら6日溜りに屈まっていた。――やはりその日溜りの少し離れたところに小さい子供達がなにかして遊んでいた。四五歳の童子や童女達であった。
“这是像傻瓜般的幸福。” 他心想。接着弓身在令人恍惚欲睡的阳光下。——离那个向阳处不远的地方,也有孩童在那里玩耍。是四五岁的男孩和女孩。
「見てやしないだろうな」と思いながら堯は浅く水が流れている溝のなかへ痰を吐いた。そして彼らの方へ近づいて行った。女の子であばれているのもあった。男の子で温柔しくしているのもあった。穉い線が石墨で路に描かれていた。――堯はふと、これはどこかで見たことのある情景だと思った。不意に心が揺れた。揺り覚まされた虻が茫漠とした堯の過去へ飛び去った。その麗かな臘月の午前へ。
“他们应该是没看到我吧。” 他心想,往只有浅浅水流的水沟里吐了口痰。接着朝孩童们走近。女孩当中,有人个性粗鲁。而男孩当中,也有人个性温顺。有人用石墨在路上画出微细的线条。——尧突然觉得这幕情景似曾见过,内心就此动摇,被晃醒的牛虻,朝尧那模糊不明的过去飞去。飞向那风和日丽的腊月上午。
堯の虻は見つけた。山茶花を。その花片のこぼれるあたりに遊んでいる童子たちを。――それはたとえば彼が半紙などを忘れて学校へ行ったとき、先生に断わりを言って急いで自家へ取りに帰って来る、学校は授業中の、なにか珍しい午前の路であった。そんなときでもなければ垣間見ることを許されなかった、聖なる時刻の有様であった。そう思ってみて堯は微笑んだ。 午後になって、日がいつもの角度に傾くと、この考えは堯を悲しくした。穉いときの古ぼけた写真のなかに、残っていた日向のような弱陽が物象を照らしていた。
尧追随着牛虻发现了山茶花,还有在落满花瓣的地方玩耍的孩童。——他到学校去时,发现自己忘了带纸,向老师知会一声后,急忙返家拿取,当时学校正在上课,在这难得的上午,他独自走在路上。如果不是这种情况,他不会有机会窥见那神圣的时刻。想到这里,尧脸上泛起微笑。到了下午,太阳像往常一样西沉,这个想法令尧感到悲伤。在老旧的儿时照片中,微弱的太阳犹如残存的余晖,照耀着万物。
希望を持てないものが、どうして追憶を慈しむことができよう。未来に今朝のような明るさを覚えたことが近頃の自分にあるだろうか。そして今朝の思いつきもなんのことはない、ロシアの貴族のように(午後二時頃の朝餐)が生活の習慣になっていたということのいい証拠ではないか。
不抱持希望的人,为什么能百般怜惜地追忆过往呢?最近的我,可还能从未来中感受到像今天早上这样的明亮?而今天早上想到的事,其实也没什么,就像俄罗斯的贵族一样,下午两点左右吃早餐,这已是他们的生活习惯,这不就是很好的证据吗?
彼はまた長い坂を下りて郵便局へ行った。
他又走下漫长的坡道,前往邮局。
「今朝の葉書のこと、考えが変わってやめることにしたから、お願いしたことご中止ください」
“今天早上我寄出的明信片,我临时改变主意,决定不寄了,请帮我中止寄出。”
今朝彼は暖い海岸で冬を越すことを想い、そこに住んでいる友人に貸家を捜すことを頼んで遣ったのだった。
今天早上,他想在温暖的海岸过冬,因而请住在那里的朋友帮忙找房子。
彼は激しい疲労を感じながら坂を帰るのにあえいだ。午前の日光のなかで静かに影を畳んでいた公孫樹は、一日が経たないうちにもう凩が枝を疎らにしていた。その落葉が陽を喪った路の上を明るくしている。彼はそれらの落葉にほのかな愛着を覚えた。
他感到疲惫不堪,走回坡道上时,累得气喘吁吁。在上午的阳光下,影子静静重叠在一起的银杏树,才不到一天的时间,寒风就已经让它变得枝丫稀疏。它的落叶令失去阳光的道路变得明亮起来。他从这些落叶中感受到些许眷恋。
堯は家の横の路まで帰って来た。彼の家からはその勾配のついた路は崖上になっている。部屋から眺めているいつもの風景は、今彼の眼前で凩に吹き曝されていた。曇空には雲が暗澹と動いていた。そしてその下に堯は、まだ電燈も来ないある家の二階は、もう戸が鎖されてあるのを見た。戸の木肌はあらわに外面に向かって曝されていた。――ある感動で堯はそこに 彳 んだ。傍らには彼の棲んでいる部屋がある。堯はそれをこれまでついぞ眺めたことのない新しい感情で眺めはじめた。
尧回到住家旁的道路。从他住家的角度来看,这条有坡度的道路位于崖上。他总是从房间朝外凝望的风景,此刻就在他眼前任凭寒风吹袭。天空乌云密布,死气沉沉地飘动。而站在这片天空下的尧,看到一户人家还没亮灯的二楼,大门紧闭。木门暴露在外,经历了许多风吹雨打和日晒。——尧心里觉得感动,伫立原地。旁边就是他住的房间。尧过去从未这样看过它,此时他开始以全新的情感仔细凝望。
電燈も来ないのに早や戸じまりをした一軒の家の二階――戸のあらわな木肌は、不意に堯の心を寄辺のない旅情で染めた。
明明还没亮灯,却很早就关上房门的这座独栋房的二楼——门上清晰的木纹,突然以一股无处依归的游子情怀感染尧的心。
――食うものも持たない。どこに泊まるあてもない。そして日は暮れかかっているが、この他国の町は早や自分を拒んでいる。――
——没有食物,也没地方可住。太阳已快下山,但其他乡镇早已拒我于门外。
それが現実であるかのような暗愁が彼の心を翳っていった。またそんな記憶がかつての自分にあったような、一種訝かしい甘美な気持が堯を切なくした。
这宛如现实般的黯然愁思,令他内心蒙上暗影。而这种似曾有过的记忆,带有一种令人诧异的甜美感受,令尧感到悲戚。
何ゆえそんな空想が起こって来るのか?何ゆえその空想がかくも自分を悲しませ、また、かくも親しく自分を呼ぶのか?そんなことが堯には朧げにわかるように思われた。
为什么会产生这样的想象呢?为什么这样的想象会让我如此悲伤,而又如此亲近地呼唤我呢?尧似乎隐约明白。
肉を炙る香ばしい匂いが夕凍みの匂いに混じって来た。一日の仕事を終えたらしい大工のような人が、息を吐く微かな音をさせながら、堯にすれちがってすたすたと坂を登って行った。
烤肉香喷喷的味道,混在黄昏冻霜的气息中传来。一位像是木工的男子,忙完这天的工作,微微发出呼气的声音,与尧擦身而过,快步走上坡道。
「俺の部屋はあすこだ」
“我的房间在那儿。”
堯はそう思いながら自分の部屋に目を注いだ。薄暮に包まれているその姿は、今エーテルのように風景に拡がってゆく虚無に対しては、何の力でもないように眺められた。
尧心里这么想,目光投向自己房间。在暮色轻掩下,相对于像以太般朝四周风景扩散开来的虚无,他的房间看起来显得柔弱无力。
「俺が愛した部屋。俺がそこに棲むのをよろこんだ部屋。あのなかには俺の一切の所持品が――ふとするとその日その日の生活の感情までが内蔵されているかもしれない。ここから声をかければ、その幽霊があの窓をあけて首を差し伸べそうな気さえする。がしかしそれも、脱ぎ棄てた宿屋の褞袍がいつしか自分自身の身体をそのなかに髣髴させて来る作用とわずかもちがったことはないではないか。あの無感覚な屋根瓦や窓硝子をこうしてじっと見ていると、俺はだんだん通行人のような心になって来る。あの無感覚な外囲は自殺しかけている人間をそのなかに蔵しているときもやはりあのとおりにちがいないのだ。――と言って、自分は先刻の空想が俺を呼ぶのに従ってこのままここを歩み去ることもできない。
“我钟爱的房间。住在里头,为我带来欢乐的房间。里头有我一切的家当——也许里头还藏有我每天生活的情感。甚至感觉我若是从这里叫喊,就会有幽灵打开窗户,往外探出头来。不过,这和旅馆里脱在一旁的棉袄,不知不觉间会让人从中联想到自己身体的那种感受,根本就没有两样。像这样静静望着没感情的屋瓦或玻璃窗,我渐渐变成像路人般的心境。那种毫无感情的外围,将快要自杀的人藏在里头时,肯定也是像这样。——话虽如此,我还是不能随着心中幻想的召唤,就此跟着它走,离开这里。
早く電燈でも来ればよい。あの窓の磨硝子が黄色い灯を滲ませれば、与えられた生命に満足している人間を部屋のなかに、この通行人の心は想像するかもしれない。その幸福を信じる力が起こって来るかもしれない」
要是电灯早点亮就好了。那扇玻璃窗若渗进昏黄的灯光,我那路人的心境或许就能从这房间内想象出一个对自己被赐予的生命感到满足的人。也许会就此产生力量,相信幸福。”
路に彳んでいる堯の耳に階下の柱時計の音がボンボン……と伝わって来た。変なものを聞いた、と思いながら彼の足はとぼとぼと坂を下って行った。
伫立路旁的尧,耳畔传来楼下挂钟发出的当当声响。他心想,怎么会听到这种奇怪的声音呢?就此拖着步伐走下坡道。
四
街路樹から次には街路から、風が枯葉を掃ってしまったあとは風の音も変わっていった。夜になると街のアスファルトは鉛筆で光らせたように凍てはじめた。そんな夜を堯は自分の静かな町から銀座へ出かけて行った。そこでは華ばなしいクリスマスや歳末の売出しがはじまっていた。
先是行道树,接着是马路,强风扫走枯叶后,连风声也起了改变。入夜后,街上的柏油路开始冻结,就像是用铅笔画过,让它发出光芒般。在这样的夜晚,尧从自己居住的宁静小镇前往银座。那里正展开热闹的圣诞节和岁末大特卖。
友達か恋人か家族か、舗道の人はそのほとんどが連れを携えていた。連れのない人間の顔は友達に出会う当てを持っていた。そしてほんとうに連れがなくとも金と健康を持っている人に、この物欲の市場が悪い顔をするはずのものではないのであった。
朋友,情侣,或一家人,柏油路上的人们几乎都是携伴同行。没人同行的人,脸上也都透露出想邂逅朋友的希冀。而就算真的没有同伴,只要是拥有财富和健康的人,这个物欲充斥的市场应该也不会给他们坏脸色看。
「何をしに自分は銀座へ来るのだろう」
“我到底来银座做什么?”
堯は舗道が早くも疲労ばかりしか与えなくなりはじめるとよくそう思った。堯はそんなときいつか電車のなかで見たある少女の顔を思い浮かべた。
当走在柏油路上,只会让他感到疲惫时,他常会这么想。像这种时候,尧会想起他之前在电车上看过的一名少女的面容。
その少女はつつましい微笑を泛べて彼の座席の前で釣革に下がっていた。どてらのように身体に添っていない着物から「お姉さん」のような首が生えていた。その美しい顔は一と眼で彼女が何病だかを直感させた。陶器のように白い皮膚を翳らせている多いうぶ毛。鼻孔のまわりの垢。
那名少女脸上挂着拘谨的微笑,在他座位前抓着吊环。她身穿的和服不合身,看起来就像是穿着男士的棉袍一样,从里头冒出一颗像“年轻小姐”般的头。她那清秀的脸庞,一看就让人觉得她应该是有病在身。像瓷器般白净的皮肤,覆满了细毛。鼻孔周边带着污垢。
「彼女はきっと病床から脱け出して来たものに相違ない」
“她一定是从病床上跑出来的。”
少女の面を絶えず漣漪のように起こっては消える微笑を眺めながら堯はそう思った。彼女が鼻をかむようにして拭きとっているのは何か。灰を落としたストーヴのように、そんなとき彼女の顔には一時鮮かな血がのぼった。
微笑不断从少女的脸上浮现、消失,一再反复,就像涟漪一般,尧望着她,心中如此暗忖。她做出像擤鼻涕的动作,不知道在擦拭什么。就像除去煤灰的暖炉般,这时她血气上涌,整张脸无比红艳。
自身の疲労とともにだんだんいじらしさを増していくその娘の像を抱きながら、銀座では堯は自分の痰を吐くのに困った。まるでものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺の娘のように。
那名少女因为疲劳更加惹人怜爱,人在银座的尧,脑中想着少女的模样,一方面不知该如何吐出嘴里的那口痰。就像格林童话中,那个每次只要开口说话,就会有青蛙从嘴里跳出的女孩一样。
彼はそんなとき一人の男が痰を吐いたのを見たことがある。ふいに貧しい下駄が出て来てそれをすりつぶした。が、それは足が穿いている下駄ではなかった。路傍に茣蓙を敷いてブリキ7の独楽8を売っている老人が、さすがに怒りを浮かべながら、その下駄を茣蓙の端のも一つの上へ重ねるところを彼は見たのである。
这时,他看到一名男子朝地上吐痰。突然冒出一只显得很穷酸的木屐,朝那口痰拧扭了几下。那不是穿在脚上的木屐,是一名在路边铺草席,贩售马口铁陀螺的老翁,他一脸怒容,将那只木屐叠放在草席的边角。这幕尧全瞧在眼里。
「見たか」そんな気持で堯は行き過ぎる人びとを振り返った。が、誰もそれを見た人はなさそうだった。老人の坐っているところは、それが往来の目に入るにはあまりに近すぎた。それでなくても老人の売っているブリキの独楽はもう田舎の駄菓子屋ででも陳腐なものにちがいなかった。堯は一度もその玩具が売れたのを見たことがなかった。
“有人看到了吗?” 尧抱持这种心情,回头看路过的人群。但似乎没人看到这一幕。老翁坐的地方,要进入往来的人们眼中,距离实在太近。即使不是这样,老翁贩售的马口铁陀螺也太落伍了,就算是摆在乡下的零食店卖,肯定也没人买。尧没看到他的玩具卖出去半样。
「何をしに自分は来たのだ」
“我到底来这里做什么?”
彼はそれが自分自身への口実の、珈琲や牛酪やパンや筆を買ったあとで、ときには憤怒のようなものを感じながら高価な仏蘭西香料を買ったりするのだった。またときには露店が店を畳む時刻まで街角のレストランに腰をかけていた。ストーヴに暖められ、ピアノトリオに浮き立って、グラスが鳴り、流眄9が光り、笑顔が湧き立っているレストランの天井には、物憂い冬の蠅が幾匹も舞っていた。所在なくそんなものまで見ているのだった。
他常会为了回答这个问题,买下咖啡、奶油、面包、笔,而买完后,有时他会感觉到一股近似愤怒的情绪,因而又买下昂贵的法国香料。有时他会坐在街角的餐厅里,直到户外摊贩收摊为止。暖炉温暖,钢琴三重奏让人心情轻快,玻璃杯撞击发出清响,秋波流转,欢笑洋溢,在这家餐厅的天花板,有好几只慵懒的冬蝇在飞舞。他百无聊赖,连这种画面也紧盯着瞧。
「何をしに自分は来たのだ」
“我到底来这里做什么?”
街へ出ると吹き通る空っ風がもう人足を疎らにしていた。宵のうち人びとが掴まされたビラの類が不思議に街の一と所に吹き溜められていたり、吐いた痰がすぐに凍り、落ちた下駄の金具にまぎれてしまったりする夜更けを、彼は結局は家へ帰らねばならないのだった。
来到街上一看,不断吹袭的干风,使得街头行人稀少。说来也真不可思议,晚上硬塞到人们手里的传单,此时全被吹往街上的某个角落,吐在地上的浓痰很快便结冻,混在掉落地上的木屐金属配件中,在这样的深夜时分,他最后非得回家不可。
「何をしに自分は来たのだ」
“我到底来这里做什么?”
それは彼のなかに残っている古い生活の感興にすぎなかった。やがて自分は来なくなるだろう。堯は重い疲労とともにそれを感じた。
那不过是残存在他心中,对昔日生活的感怀罢了。再过不久,他应该就不会再来了。尧在极度疲劳下生出这样的感觉。
彼が部屋で感覚する夜は、昨夜も一昨夜もおそらくは明晩もない、病院の廊下のように長く続いた夜だった。そこでは古い生活は死のような空気のなかで停止していた。思想は書棚を埋める壁土にしか過ぎなかった。壁にかかった星座早見10表は午前三時が十月二十何日に目盛11をあわせたまま埃をかぶっていた。夜更けて彼が便所へ通うと、小窓の外の屋根瓦には月光のような霜が置いている。それを見るときにだけ彼の心はほーっと明るむのだった。
他在房里感受到的夜晚,昨晚、前晚都不曾有,恐怕明晚也不会有,就像医院的长廊般,是个良久漫长的夜。在那里,往昔的生活在死亡般的气氛中停止。思想不过只是用来埋入书架的墙灰罢了。挂在墙上的星座盘,显示着十月二十几日的凌晨三点,上头布满尘埃。他深夜前去如厕时,发现窗外的屋瓦已结霜,像月光般闪动着光芒。只有在看到这一幕时,他的内心才会亮起光芒。
固い寝床はそれを離れると午後にはじまる一日が待っていた。傾いた冬の日が窓のそとのまのあたりを幻燈のように写し出している、その毎日であった。そしてその不思議な日射しはだんだんすべてのものが仮象にしか過ぎないということや、仮象であるゆえ精神的な美しさに染められているのだということを露骨にして来るのだった。枇杷が花をつけ、遠くの日溜りからは橙の実が目を射った。そして初冬の時雨はもう霰となって軒をはしった。
离开硬邦邦的床铺后,新的一天从下午展开。开始倾沉的冬日,像幻灯片般映照出窗外的这片世界,这就是他的每一天。而那神奇的阳光渐渐向他揭露一切,眼前的一切不过只是假象,正因为是假象,所以会受到精神之美的渲染。枇杷树开花,橙色果实从远方的向阳处投射金光。初冬的阵雨已化为冰霰,从屋檐滑落。
霰はあとからあとへ黒い屋根瓦を打ってはころころ転がった。トタン屋根を撲つ音。やつでの葉を弾く音。枯草に消える音。やがてサアーというそれが世間に降っている音がきこえ出す。と、白い冬の面紗を破って近くの邸からは鶴の啼き声が起こった。堯の心もそんなときにはなにか新鮮な喜びが感じられるのだった。彼は窓際に倚って風狂というものが存在した古い時代のことを思った。しかしそれを自分の身に当て嵌めることは堯にはできなかった。
冰霰源源不绝地打向黝黑的屋瓦,朝地面滚落。接着,传出撞击铁皮屋顶的声响,打向八角金盘的反弹声,及消失在枯草间的声响。不久,传来它落向世间的一声 “沙——”。紧接着,从附近的宅邸传出一声鹤鸣,划破这银白寒冬的面纱。这时候,尧的内心也感受到某种新鲜的喜悦。他倚着窗边,遥想有 “风雅狂士” 这种人物存在的古代。但尧无法将这种形象套在自己身上。
五
いつの隙にか冬至が過ぎた。そんなある日堯は長らく寄りつかなかった、以前住んでいた町の質店へ行った。金が来たので冬の外套を出しに出掛けたのだった。が、行ってみるとそれはすでに流れたあとだった。
不知不觉间,冬至已过。某天,尧前往以前住过的那个小镇里的当铺,已有好长一阵子没去了。因为家里送来了一笔钱,所以他要前去把冬天的外套赎回来。但去了之后才知道,那件外套已经流当了。
「××どんあれはいつ頃だったけ」
“某某某,那是什么时候的事啊?”
「へい」
“是……”
しばらく見ない間にすっかり大人びた小店員が帳簿を繰った。
一阵子不见,已变得颇有大人样的小伙计,翻起了账簿。
堯はその口上が割合すらすら出て来る番頭の顔が変に見え出した。ある瞬間には彼が非常な言い憎さを押し隠して言っているように見え、ある瞬間にはいかにも平気に言っているように見えた。彼は人の表情を読むのにこれほど戸惑ったことはないと思った。いつもは好意のある世間話をしてくれる番頭だった。
尧觉得那位应对如流的掌柜说话时神情怪异。有时看起来像是有难言之隐,有时看起来又显得神情自若。他从来没像今天这样搞不懂对方的神情过。以前掌柜总是很亲切地和他闲话家常。
堯は番頭の言葉によって幾度も彼が質店から郵便を受けていたのをはじめて現実に思い出した。硫酸に侵されているような気持の底で、そんなことをこの番頭に聞かしたらというような苦笑も感じながら、彼もやはり番頭のような無関心を顔に装って一通りそれと一緒に処分されたものを聞くと、彼はその店を出た。
听掌柜说明后,尧这才想起,他曾多次收到当铺寄来的信。在一种宛如受硫酸侵袭的情绪下,他心想,如果把这件事告诉掌柜,不知道他会怎样。他感受着自己内心的苦笑,同时也和掌柜一样,装出漠不关心的神情,问清有哪些物品一起被流当后,就此步出店来。
一匹の痩せ衰えた犬が、霜解けの路ばたで醜い腰付を慄わせながら、糞をしようとしていた。堯はなにか露悪的な気持にじりじり迫られるのを感じながら、嫌悪に堪えたその犬の身体つきを終わるまで見ていた。長い帰りの電車のなかでも、彼はしじゅう崩壊に屈しようとする自分を堪えていた。そして電車を降りてみると、家を出るとき持って出たはずの洋傘は――彼は持っていなかった。
一只瘦弱的狗,在融霜的路旁,难看的身躯频频颤抖,正准备拉屎。尧觉得有种显露自己丑态的情绪正步步逼近,但他还是强忍心中的嫌弃感,始终盯着那只狗。在漫长的回程电车里,他始终强忍着,不让自己向崩溃屈服。而他走下电车后才发现,他出门时带在身上的洋伞,现在没在手上。
あてもなく電車を追おうとする眼を彼は反射的にそらせた。重い疲労を引き摺りながら、夕方の道を帰って来た。その日町へ出るとき赤いものを吐いた、それが路ばたの槿の根方にまだひっかかっていた。堯には微かな身慄いが感じられた。――吐いたときには悪いことをしたとしか思わなかったその赤い色に。――
他的目光原本散漫地想朝电车望去,但又反射性地避开。然后,他走在夕阳西下的道路上,拖着沉重的疲劳返回家中。那天到街上去时,吐了一口鲜红之物,现在仍挂在路旁的木槿树下。尧感到全身微微战栗。——令他感到战栗的鲜红之物,当初吐出时,只觉得是自己干了坏事。
夕方の発熱時が来ていた。冷たい汗が気味悪く腋の下を伝った。彼は袴も脱がぬ外出姿のまま凝然と部屋に坐っていた。
日暮时分,他开始发烧。冷汗顺着腋下滑落,让人感到不安。他没脱裙裤,仍是一身外出的穿着,一动也不动地坐在房内。
突然匕首のような悲しみが彼に触れた。次から次へ愛するものを失っていった母の、ときどきするとぼけたような表情を思い浮かべると、彼は静かに泣きはじめた。
突然一道像匕首般锐利的悲戚触动了他。他想起接连失去心爱孩子的母亲,不时露出魂不守舍的表情,想到这里,他开始暗自啜泣。
夕餉をしたために階下へ下りる頃は、彼の心はもはや冷静に帰っていた。そこへ友達の折田というのが訪ねて来た。食欲はなかった。彼はすぐ二階へあがった。
到下楼吃晚餐时,他的内心已恢复冷静。这时,友人折田前来拜访。他没有食欲,所以马上又回到二楼。
折田は壁にかかっていた、星座表を下ろして来てしきりに目盛を動かしていた。
折田取下靠在墙上的星座盘,频频转动上面的转盘。
「よう」
“嗨。”
折田はそれには答えず、「どうだ。雄大じゃあないか」それから顔をあげようとしなかった。
折田没理会他的问候,直接问道 “如何,景致很雄伟吧”,连头也没抬。
堯はふと息を嚥んだ。彼にはそれがいかに壮大な眺めであるかが信じられた。
尧闻言后,倒抽一口气。这景致有多雄伟,他当然相信。
「休暇になったから郷里へ帰ろうと思ってやって来た」
“等放假后,我想回故乡,所以过来看看你。”
「もう休暇かね。俺はこんどは帰らないよ」
“已经要放假啦。这次我就不回去了。”
「どうして」
“为什么?”
「帰りたくない」
“不想回去。”
「うちからは」
“家里怎么说?”
「うちへは帰らないと手紙出した」
“我写信告诉过家人,这次不回去。”
「旅行でもするのか」
“你要去旅行吗?”
「いや、そうじゃない」
“不,不是。”
折田はぎろと堯の目を見返したまま、もうその先を訊かなかった。が、友達の噂学校の話、久濶の話は次第に出て来た。
折田望着尧的双眼,没再继续追问。不过,接着他陆续谈到朋友间的传闻、学校里的种种,以及久别这段时间发生的事。
「この頃学校じゃあ講堂の焼跡を毀してるんだ。それがね、労働者が鶴嘴を持って焼跡の煉瓦壁へ登って……」
“最近学校正忙着将礼堂的火灾废墟夷平。工人们扛着十字镐爬上烧过的砖墙……”
その現に自分の乗っている煉瓦壁へ鶴嘴を揮っている労働者の姿を、折田は身振りをまぜて描き出した。
折田话间夹带动作,表现出工人们朝自己所在的砖墙挥动十字镐的模样。
「あと一と衝きというところまでは、その上にいて鶴嘴をあてている。それから安全なところへ移って一つぐわんとやるんだ。すると大きい奴がどどーんと落ちて来る」
“工人们都待在上头,用十字镐不停地敲墙,直到墙快倒塌。然后他们来到安全的地方,朝砖墙用力一击。接着,那面大砖墙轰隆一声,就倒塌了。”
「ふーん。なかなかおもしろい」
“嗯,挺有意思的嘛。”
「おもしろいよ。それで大変な人気だ」
“的确很有意思。所以很多人都爱看。”
堯らは話をしているといくらでも茶を飲んだ。が、へいぜい自分の使っている茶碗でしきりに茶を飲む折田を見ると、そのたび彼は心が話からそれる。その拘泥がだんだん重く堯にのしかかって来た。
尧他们聊天时,茶一杯接一杯地喝。但看到折田频频用他平时使用的茶杯喝茶,他便听得心不在焉。这份拘泥逐渐形成压力,重重地压在尧身上。
「君は肺病の茶碗を使うのが平気なのかい。咳をするたびにバイキンはたくさん飛んでいるし。――平気なんだったら衛生の観念が乏しいんだし、友達甲斐にこらえているんだったら子供みたいな感傷主義に過ぎないと思うな――僕はそう思う」
“你用肺病病人的茶杯喝茶,一点都不担心吗?每次只要咳嗽,就会飞出许多细菌。——要是你不担心的话,你就太欠缺卫生观念了,如果是看在朋友的情分上而委屈自己这么做,那就跟小孩没两样,太多愁善感了。我是这么认为的。”
言ってしまって堯は、なぜこんないやなことを言ったのかと思った。折田は目を一度ぎろとさせたまま黙っていた。
说出这番话后,尧心想,为什么我会说出这么难听的话呢?折田抬了抬眼皮,没作声。
「しばらく誰も来なかったかい」
“是不是有好一阵子没人来看你了?”
「しばらく誰も来なかった」
“是有好一阵子没人来了。”
「来ないとひがむ12かい」
“没人来,你个性就变得别扭了,是吗?”
こんどは堯が黙った。が、そんな言葉で話し合うのが堯にはなぜか快かった。
这次换尧沉默了。但不知为何,这样的对话令尧感到愉快。
「ひがみはしない。しかし俺もこの頃は考え方が少しちがって来た」
“我才没别扭呢。不过,我最近想法变得不太一样了。”
「そうか」
“是吗?”
堯はその日の出来事を折田に話した。
尧将那天发生的事告诉了折田。
「俺はそんなときどうしても冷静になれない。冷静というものは無感動じゃなくて、俺にとっては感動だ。苦痛だ。しかし俺の生きる道は、その冷静で自分の肉体や自分の生活が滅びてゆくのを見ていることだ」 「…………」
“那时候,我怎么样也无法保持冷静。冷静并非无动于衷,对我来说,这是感动,是痛苦。但我的生存之道,就是抱持这份冷静,看着自己的肉体和生活逐渐毁灭。”
「自分の生活が壊れてしまえばほんとうの冷静は来ると思う。水底の岩に落ちつく木の葉かな。……」
“要是自己的生活崩毁,真正的冷静便会到来。落叶入水,沉向水中岩……”
「丈草13だね。……そうか、しばらく来なかったな」
“是丈草的俳句吧……这样啊,真的是好一阵子没来了。”
「そんなこと。……しかしこんな考えは孤独にするな」
“才没有呢……不过,你可别拿这种想法和孤独相提并论。”
「俺は君がそのうちに転地でもするような気になるといいと思うな。正月には帰れと言って来ても帰らないつもりか」
“我只是希望,你日后要是想换个地方疗养就好了。就算我叫你过年回去,你也不打算回去,是吗?”
「帰らないつもりだ」
“我不想回去。”
珍しく風のない静かな晩だった。そんな夜は火事もなかった。二人が話をしていると、戸外にはときどき小さい呼子のような声のものが鳴いた。
难得是个平静无风的夜晚。这样的晚上,连火灾也不会发生。两人在交谈时,户外不时会传来像小哨子般的声响。
十一時になって折田は帰って行った。帰るきわに彼は紙入のなかから乗車割引券を二枚、
十一点时折田离去。离开时,他从钱包里拿出两张乘车折价券交给尧,并对他说:
「学校へとりにゆくのも面倒だろうから」と言って堯に渡した。
“你到学校拿也很麻烦对吧,省得你再去了。”
六
母から手紙が来た。
收到母亲寄来的信。
――おまえにはなにか変わったことがあるにちがいない。それで正月上京なさる津枝さんにおまえを見舞っていただくことにした。そのつもりでいなさい。
你那里一定是发生了什么事,所以我决定请过年时要上东京的津枝先生去看你。你可以先做好心理准备。
帰らないと言うから春着を送りました。今年は胴着を作って入れておいたが、胴着は着物と襦袢の間に着るものです。じかに着てはいけません。――
你说你不回来,所以我寄了春装给你。今年做了衬衣,所以一并装在里头,衬衣是穿在外衣与汗衫中间的,不能贴身穿。
津枝というのは母の先生の子息で今は大学を出て医者をしていた。が、かつて堯にはその人に兄のような思慕を持っていた時代があった。
津枝先生是母亲以前老师的儿子,已大学毕业,是一位医生。以前有一段时间,尧把他当哥哥看,和他很亲近。
堯は近くへ散歩に出ると、近頃はことに母の幻覚に出会った。母だ! と思ってそれが見も知らぬ人の顔であるとき、彼はよく変なことを思った。――すーっと変わったようだった。また母がもう彼の部屋へ来て坐りこんでいる姿が目にちらつき、家へ引き返したりした。が、来たのは手紙だった。そして来るべき人は津枝だった。堯の幻覚はやんだ。
最近尧到附近散步时,经常会有看到母亲的幻觉。是妈!他心里这么想,后来才发现是不认识的人,这时他常会想到奇怪的事情上。——就像一下子突然改变似的。有时他会感觉到母亲已来到他的屋内,坐在地上,他赶忙返回家中。但来的不是母亲,而是信。该来的人也不是母亲,而是津枝。尧的幻觉就此停止。
街を歩くと堯は自分が敏感な水準器になってしまったのを感じた。彼はだんだん呼吸が切迫して来る自分に気がつく。そして振り返って見るとその道は彼が知らなかったほどの傾斜をしているのだった。彼は立ち停まると激しく肩で息をした。ある切ない塊が胸を下ってゆくまでには、必ずどうすればいいのかわからない息苦しさを一度経なければならなかった。それが鎮まると堯はまた歩き出した。
走在街上,尧感觉自己变成了一个敏感的水平仪。他发现自己的呼吸逐渐变得急促。转头一看,刚才走过的道路严重倾斜,他却完全不知道。他停下脚步,气喘吁吁。在那团难受的凝块顺着胸口滑落之前,他势必得经历一段呼吸困难、不知如何是好的时间。待一切平静下来后,尧才又迈步向前。
何が彼を駆るのか。それは遠い地平へ落ちて行く太陽の姿だった。
是什么越过他而去?是朝远方地平线落下的太阳。
彼の一日は低地を距てた灰色の洋風の木造家屋に、どの日もどの日も消えてゆく冬の日に、もう堪えきることができなくなった。窓の外の風景が次第に蒼ざめた空気のなかへ没してゆくとき、それがすでにただの日蔭ではなく、夜と名付けられた日蔭だという自覚に、彼の心は不思議ないらだちを覚えて来るのだった。
他一整天都要面对与他隔着低洼地的那栋灰色木造洋房,以及每天都会消逝的冬日,他再也无法忍受。当窗外的风景逐渐往苍白的空气中隐没时,那便不再只是普通的阴影,而是名为“夜”的阴影,当他产生这样的感受时,心中莫名感到焦躁。
「あああ大きな落日が見たい」
“啊,真想看硕大的落日。”
彼は家を出て遠い展望のきく場所を捜した。歳暮の町には餅搗きの音が起こっていた。花屋の前には梅と福寿草をあしらった植木鉢が並んでいた。そんな風俗画は、町がどこをどう帰っていいかわからなくなりはじめるにつれて、だんだん美しくなった。自分のまだ一度も踏まなかった路――そこでは米を磨いでいる女も喧嘩をしている子供も彼を立ち停まらせた。が、見晴らしはどこへ行っても、大きな屋根の影絵があり、夕焼空に澄んだ梢があった。そのたび、遠い地平へ落ちてゆく太陽の隠された姿が切ない彼の心に写った。
他走出家门,寻找可以远眺的场所。岁末时节,街上捣年糕的声响四起。花店前摆满了梅花和福寿花的盆栽。这样的风俗画框,随着他在城市中渐渐迷失归途而显得愈发美丽。他走上自己从未踏足过的道路——在那里,洗米的女人,打架的小孩,都吸引他驻足。但不管他走到哪儿,他远望的景致中,总会有巨大的屋顶剪影,以及在晚霞中显得特别清楚的树梢。朝远方地平线隐没的太阳,每次都会朝他悲切的心灵投射。
日の光に満ちた空気は地上をわずかも距っていなかった。彼の満たされない願望は、ときに高い屋根の上へのぼり、空へ手を伸ばしている男を想像した。男の指の先はその空気に触れている。――また彼は水素を充した石鹸玉が、蒼ざめた人と街とを昇天させながら、その空気のなかへパッと七彩に浮かび上がる瞬間を想像した。
盈满阳光的空气,与地面没有半点距离。他那没得到满足的愿望,有时会想象出一名爬上高处的屋顶,手伸向天际的男人。男人的指尖碰触空气。——他还会想象着装满氢气的肥皂泡泡,让苍白的人们和街道飞上空中,呈现出五颜六色,鲜明地浮现在空气中的那个瞬间。
青く澄み透った空では浮雲が次から次へ美しく燃えていった。みたされない堯の心の燠にも、やがてその火は燃えうつった。
在清澈的蓝天中,浮云接连燃烧,美不胜收。很快地,那火焰也延烧到尧那无法得到满足的心灵。
「こんなに美しいときが、なぜこんなに短いのだろう」
“如此美丽的时刻,为何如此短暂呢?”
彼はそんなときほどはかない気のするときはなかった。燃えた雲はまたつぎつぎに死灰になりはじめた。彼の足はもう進まなかった。
这样的时刻,最令他感受到人世无常。燃烧的浮云开始陆续化为灰烬。他已不再迈步向前。
「あの空を涵してゆく影は地球のどの辺の影になるかしら。あすこの雲へゆかないかぎり今日ももう日は見られない」
“逐渐填满天空的暗影,会在地球上的哪一带形成影子呢?只要没到达那片云的所在处,今天就再也看不到太阳。”
にわかに重い疲れが彼に凭りかかる。知らない町の知らない町角で、堯の心はもう再び明るくはならなかった。
突然一股沉重的疲惫向他袭来。在陌生的市街,一处陌生的街角,尧的内心再度变得黯淡。
Footnotes
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土管:[名]土を焼いて製した円管。排水管や煙突などに用いる ↩
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カリエス ([独] Karies):[名]慢性の骨炎によって骨が漸次融解する疾患 ↩
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跋の悪い:[名]その場・状況において、行為や状況が不自然で、居心地が悪く、気まずい様子を表す ↩
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撃柝:[名]拍子木を打ち鳴らすこと。また、打ち鳴らす人 ↩
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笹鳴き:[名]冬、鶯が茂みの中などでチャッチャッと鳴くこと ↩
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うつらうつら:[副]疲労などのために浅い眠りにひきこまれるさま ↩
-
ブリキ ([オランダ語] blik):[名]錫めっきした鉄板 ↩
-
独楽:[名]木・金属などの円形の胴に心棒を通し、それを中心として手やひもで回転させて遊ぶ玩具 ↩
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流眄:[名]顔をむけないで、目だけをそのほうに向けて見ること ↩
-
早見:[名]必要な知識や情報が一目でわかるように工夫した表や図 ↩
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目盛:[名]物差し・はかり・温度計などの、長さ・重さ・容積などを示すしるし ↩
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僻む:[動マ五(四)]ひねくれる。心がねじける ↩
-
丈草 (1662 - 1704): 内藤丈草, 日本江户时代前中期的俳句诗人, “蕉门十哲” 中的佼佼者 ↩