谷崎潤一郎: 细雪(上) 一

3887 words
19 minutes
谷崎潤一郎: 细雪(上) 一
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first published:『中央公論』1943年1月号・3月号
audio: https://www.youtube.com/watch?v=HlTiIYR_9lk&t=23s
desc: 在大阪船场坐拥百年老店、历史底蕴深厚的莳冈家,鹤子、幸子、雪子、妙子四姐妹交织出百态人情。小说如华美画卷,循着四季流转,细致描绘出昭和十年间关西上流社会的日常光景。

三女雪子是四姐妹中容貌最为出众之人,婚事却屡屡未果,年过三十依旧独身。幸子夫妇为此忧心不已、四处奔走,性格沉默寡言的雪子却对每一门亲事都无意应允,岁月便这般缓缓流逝。

こいさん1、頼むわ。―――」鏡の中で、廊下からうしろへ這入って来た妙子たえこを見ると、自分でえりを塗りかけていた刷毛はけを渡して、其方そちらは見ずに、眼の前に映っている長襦袢ながじゅばん姿の、抜きもん2の顔を他人の顔のように見据えながら 、「雪子ちゃん下で何してる」と、幸子さちこはきいた。

“小妹,来帮我一下。” 幸子正在往脖子上敷粉,从镜中看见妙子从走廊走到自己身后,便把手中的粉刷递给她,问道:“雪子在楼下做什么?” 并不瞧她一眼,像欣赏别人姿容一般,端详着镜中穿着露脖颈的长衬衣的自己。

「悦ちゃんのピアノ見たげてるらしい」

“是在看悦子练钢琴吧。”

―――なるほど、階下で練習曲の音がしているのは、雪子が先に身支度をしてしまったところで悦子に掴まって、稽古を見てやっているのであろう。

果然,楼下正响着练习曲的琴声。也许雪子刚打扮好就被悦子逮着陪她练琴了。

悦子は母が外出する時でも雪子さえ家にいてくれれば大人しく留守番をする児であるのに、今日は母と雪子と妙子と、三人が揃って出かけると云うので少し機嫌が悪いのであるが、二時に始まる演奏会が済みさえしたら雪子だけ一と足先に、夕飯までには帰って来て上げると云うことでどうやら納得はしているのであった。

每当母亲外出时,悦子只要有雪子陪,就会老老实实待在家里。今天,母亲、雪子和妙子要一块儿外出,悦子有点不乐意,后来听说下午两点开始的音乐会一结束,雪子就会先回来陪她吃晚饭,她才好不容易同意了。

「なあ、こいさん、雪子ちゃんの話、又一つあるねんで」

“哎,小妹,又有一个给雪子提亲的。”

「そう、―――」

“是吗?”

姉の襟頸えりくびから両肩へかけて、妙子は鮮かな刷毛目はけめをつけてお白粉しろいを引いていた。決して猫背ねこぜではないのであるが、肉づきがよいのでうずかたく盛り上っている幸子の肩から背の、濡れた肌の表面へ秋晴れの明りがさしている色つやは、三十を過ぎた人のようでもなく張りきって見える。

妙子在姐姐的脖颈子到两肩敷了一层白粉,留下了鲜明的粉刷印儿。幸子身姿挺拔,裸露的肩背肌肉丰腴,皮肤滑润而有弹性,在秋天晴朗的阳光照映下散发着光泽,看上去不像三十出头的人。

「井谷さんが持って来やはった話やねんけどな、―――」

“是井谷女士提的亲,不过……”

「そう、―――」

“怎么呢?”

「サラリーマンやねん、MB化学工業会社の社員やて。―――」

“一个挣薪水的,据说是 MB 化学工业公司的职员。”

「なんぼぐらいもろてるのん」

“拿多少薪水呢?”

「月給が百七八十円、ボーナス入れて二百五十円ぐらいになるねん」

“月薪一百七八十元,加上奖金大概有二百五十元左右吧。”

「MB化学工業云うたら、仏蘭西系フランスの会社やねんなあ」

“MB 化学工业是法国人开的公司呀。”

「そうやわ。―――よう知ってるなあ、こいさん」

“是呀,你真是个万事通。”

「知ってるわ、そんなこと」

“这我当然知道。这算什么!”

一番年下の妙子は、二人の姉のどちらよりもそう云うことには明るかった。そして案外世間を知らない姉達を、そう云う点ではいくらか甘く見てもいて、まるで自分が年嵩としかさ3のような口のきき方をするのである。

最小的妙子比两位姐姐更清楚这些事情。对于分外不谙世情的姐姐们,在这一点上,她多少有些看不起,讲话的口吻俨然她年长几岁似的。

そんな会社の名、私は聞いたことあれへなんだ。―――本店は巴里バリにあって、大資本の会社やねんてなあ」

“我没听说过这公司的名字。据说总公司在巴黎,是个资本雄厚的大公司呢。”

「日本にかて、神戸の海岸通に大きなビルディングあるやないか」

“在日本神户的海滨大道不是也有栋大楼吗?”

「そうやて。そこに勤めてはるねんて」

“是啊,据说他就在那儿上班。”

「その人、仏蘭西語出来はるのん」

“他该懂法语吧?”

「ふん、大阪外語の仏語科出て、巴里にもちょっとぐらい行てはったことあるねん。会社の外に夜学校の仏蘭西語の教師してはって、その月給が百円ぐらいあって、両方で三百五十円はあるのやて」

“嗯,大阪外语学院法语系毕业,还在巴黎待过一阵子。除了公司的工作,还在夜校教法语,每月收入一百元左右,加起来有三百五十元。”

「財産は」

“有什么家产吗?”

「財産云うては別にないねん。田舎に母親が一人あって、その人が住んではる昔の家屋敷と、自分が住んではる六甲の家と土地とがあるだけ。―――六甲のんはねん4で買うた小さな文化住宅5やそうな。まあ知れたもんやわ」

“没多少家产,听说乡下有栋老房子,他母亲一个人住着;还有他自己在六甲住的房子和土地。六甲的房子是那种新式小型住宅,分期付款买下的,就这么点财产。”

「そんでも家賃助かるよってに、四百円以上の暮し出来るわな」

“话虽这么说,省了交房租,能过上一般人月薪四百元以上的生活。”

「どうやろか、雪子ちゃんに。係累けいるい6はお母さん一人だけ。それかて田舎に住んではって、神戸へは出て来やはれへんねん。当人は四十一歳で初婚や云やはるし、―――」

“这门亲事适不适合雪子呢?家累倒只有一位母亲,还住在乡下,不到神户来的。这个人今年四十一岁,据说还没结过婚。”

「何で四十一まで結婚しやはれへなんだやろ」

“为什么四十一岁还没结婚呢?”

器量好み7でおくれた、云うてはるねん」

“说是为了挑拣漂亮的才耽误了。”

「それ、あやしいなあ、よう調べてみんことには」

“这有点奇怪,得仔细查一查。”

「先方はえらい乗り気やねん」

“对方对雪子很感兴趣呢。”

あんちゃんの写真、行ってたのん」

“雪姐的照片给他了?”

幸子の上にもう一人本家の姉の鶴子がいるので、妙子は幼い頃からの癖で、幸子のことを「中姉なかあんちゃん」、雪子のことを「雪姉ゆきあんちゃん」と呼びならわしたが、その「ゆきあんちゃん」が詰まって「きあんちゃん」と聞えた。

幸子的上面还有本家的姐姐鹤子,妙子从小就叫幸子 “二姐”,叫雪子为 “雪姐”。本来是叫 “雪子姐” 的,说快了就成 “雪姐” 了。

「いつか井谷さんに預けといたのんを、勝手に先方へ持って行かはってん。何やたいそう気に入ってはるらしいねんで」

“我先前放了一张照片在井谷女士那里,她自作主张给对方了,对方似乎非常中意。”

「先方の写真ないのんか」

“有对方的照片吗?”

階下のピアノがまだ聞えているけはいなので、雪子が上って来そうもないと見た幸子は、

听楼下的琴声,雪子这阵子似乎还不会上来。

「その、一番上の右の抽出ひきだしあけて御覧、―――」と、紅棒を取って、鏡の中の顔へ接吻しそうなおちょぼ口をした。「あるやろ、そこに」

“喏,你打开最上面右边的那个抽屉找一找,” 幸子捏着口红,像是要和镜子里的人接吻似的努着嘴,“那儿有吧?”

「あった、―――これ、雪あんちゃんに見せたのん」

“找到了。这给雪姐看过了?”

「見せた」

“看过了。”

「どない云うた」

“她怎么说的?”

「例にってどないも云わへん、『ああこの人』云うただけや。こいさんどう思う」

“还不是像过去一样只哼了一声 ‘哦,这个人’ 就什么也不说了。你觉得怎么样?”

「これやったらまあ平凡や。―――いや、いくらかええ男の方か知らん。―――けどどう見てもサラリーマンタイプやなあ」

“这个人嘛,太平凡了。不,他长得并不差,不过,怎么看都有股工薪族的味儿。”

「そうかて、それに違いないねんもん」

“那还用说?肯定是这样的嘛。”

「一つ雪あんちゃんにええことがあるで。―――仏蘭西語せてもらえるで」

“这对雪姐倒有个好处,可以让他教法语。”

顔があらかた出来上ったところで、幸子は「づち呉服8店」と記してある畳紙たとうの紐を解きかけていたが、ふと思いついて、

幸子大体化妆完毕,开始解开印有“小槌屋绸缎庄”商标的和服包装盒的绳结,这当儿她忽然想起了一件事:

「そやった、あたし『B足らん』やねん。こいさん下へ行って、注射器消毒するように云うといてんか」

“对了,我有点 ‘缺 B’ 了,你下楼去说一声,叫他们消毒注射器。”

脚気かっけ阪神はんしん地方の風土病であるとも云うから、そんなせいかも知れないけれども、此処ここの家では主人夫婦を始め、ことし小学校の一年生である悦子までが、毎年夏から秋へかけて脚気にかかり罹りするので、ヴィタミンBの注射をするのが癖になってしまって、近頃では医者へ行くまでもなく、強力ベタキシンの注射薬を備えて置いて、家族が互に、何でもないようなことにも直ぐ注射し合った。そして、少し体の調子が悪いと、ヴィタミンB欠乏のせいにしたが、誰が云い出したのかそのことを「B足らん」と名づけていた。

脚气病也可以说是阪神地区的地方病。也许是这个原因吧,这一家人从主人夫妇到刚上小学一年级的悦子,每年夏秋老是闹脚气病,注射维生素 B已经相袭成风。近来甚至也不用找大夫,家中备有高效维生素注射剂,没什么毛病也经常互相打针,只要身体有点不舒服就归咎于缺乏维生素 B,也不知是谁开了个头,称之为 “缺 B”。

ピアノの音が止んだと見て、妙子は写真を抽出に戻して、階段の降り口まで出て行ったが、降りずにそこから階下を覗いて、「ちょっと、誰か」と、声高こわだかに呼んだ。「―――御寮人ごりょうんさん注射しやはるで。―――注射器消毒しといてや」

一听到楼下琴声戛然而止,妙子便把照片放回抽屉,走到楼梯口,并没下楼,瞅着下面大声喊道:“喂!下面有人吗?太太要打针,注射器得消消毒!”

Footnotes#

  1. こいさん:[名]末のお嬢さん。関西地方で、使用人が主人の末娘をよぶときに使う

  2. 抜き衣紋: 通过拉低后领,使脖颈根部得以显露的一种女性和服的穿着穿法

  3. 年嵩:[形動]他より年齢の多いこと

  4. 年賦:[名]負債額・納税額などを分割して、毎年一定額ずつ支払っていくこと

  5. 文化住宅: 主に大正時代中期以降に流行した、洋風生活を取り入れた一般向け住宅のこと

  6. 係累:[名]面倒を見なければならない親

  7. 器量好み:[名]顔だちの美しい者ばかりを選び好むこと

  8. 呉服:[名]和装用の織物類・衣類の総称

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